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審決分類 審判 全部申立て  登録を維持 X1014
審判 全部申立て  登録を維持 X1014
審判 全部申立て  登録を維持 X1014
審判 全部申立て  登録を維持 X1014
審判 全部申立て  登録を維持 X1014
管理番号 1189212 
異議申立番号 異議2008-900056 
総通号数 109 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2009-01-30 
種別 異議の決定 
異議申立日 2008-02-12 
確定日 2008-12-03 
異議申立件数
事件の表示 登録第5090482号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 登録第5090482号商標の商標登録を維持する。
理由 1 本件商標
本件登録第5090482号商標(以下「本件商標」という。)は、「Ge Petit Sauna」の欧文字を横書きしてなり、平成19年4月3日に登録出願、第10類及び第14類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同19年10月25日登録査定、同年11月9日に設定登録されたものである。

2 登録異議の申立ての理由(要点)
(1)商標「GE」(以下「引用商標」という。)は、世界的に著名な企業である登録異議申立人(以下「申立人」という。)の略称として使用され、きわめて著名なものとなっている。
本件商標は、他人の名称(商号)の著名な略称を含む商標であって、当該他人の承諾を得ずして出願されたものである。
(2)本件商標は、国際的に著名な申立人の信用を不当に利用しようとするものであり、正当な商慣習及び国際信義に反するものである。
(3)申立人は、1892年の設立から、家電製品や照明器具のみならず、医療用機械器具や薬品の原料となるプラスチック等の商品の製造販売に業務範囲を拡大・多角化してきている。このような状況において、「Ge」の文字を顕著に含む本件商標が、商標権者により、その指定商品に使用されれば、その商品は、申立人及びその関連会社の提供によるものと、商品の出所について誤認・混同を生じさせるおそれがある。
また、本件商標は、その指定商品、たとえば、「医療用機械器具」に使用されれば、全体として、申立人の提供にかかる「小型のサウナ療法用の医療用機械器具」といった観念を容易に想起させ、その商品の出所につき、誤認混同を与えるおそれのある商標というべきである。このような使用は、不正競争防止法によって禁止されるべきものであり、また、その商標登録は、他人の周知・著名商標と抵触する商標として、拒絶されるべきである。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第7号、同第8号、同第10号、同第15号及び同第19号に違反して登録されたものであるから、その登録は取り消されるべきである。

3 当審の判断
(1)商標法第4条第1項第8号について
本件商標は、前記1のとおり、「Ge Petit Sauna」の欧文字からなるものであり、その構成中の「Ge」の文字部分は、大文字と小文字の組合せからなるものであるところ、該「Ge」の語は、「ゲルマニウムの元素記号」(コンサイスカタカナ語辞典 株式会社三省堂1999年9月20日発行、ランダムハウス英和大辞典第2版 株式会社小学館1998年1月10日発行)を表すものとして一般に知られており、本件商標の指定商品を取り扱う業界においても、ゲルマニウム製の医療用具、ゲルマニウム製のネックレス等が普通に取引されているのが実情である。
そうすると、引用商標が本件商標の登録出願時及び登録査定時に申立人の略称として著名であるとしても、本件商標は、これをその指定商品に使用するときは、これに接する取引者、需要者がその構成中の「Ge」の文字部分より「GE」の大文字2字からなる申立人の略称を想起するとみるよりは、むしろ、「ゲルマニウム」を意味する語として認識、把握し、商品の原材料、品質を表すものとして取引に資されるとみるのが相当である。
してみれば、本件商標は、その構成中の「Ge」の文字が申立人の略称を表示したものと認識し把握されることはないものといわざるを得ず、他人の著名な略称を含む商標に該当するものではない。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第8号に該当するものではない。
(2)商標法第4条第1項第10号について
本件商標は、前記(1)のとおり、その構成中の「Ge」の文字部分が商品の原材料、品質を表すものとして認識し、把握されるものであるから、該「Ge」の文字部分は、自他商品の識別標識としての機能がないか又は弱いといわなければならない。
そうすると、本件商標は、殊更、その構成中の「Petit Sauna」の文字部分を取捨し、「Ge」の文字部分のみを分離、抽出して取引に資されるということはできないから、該「Ge」の文字に相応して「ジーイー」の称呼を生ずるものではなく、申立人の略称を観念するものでもない。
他方、引用商標は、「GE」の大文字2字からなるところ、これより、その構成文字に相応して「ジーイー」の称呼を生じ、申立人の略称を想起するとしても、本件商標と引用商標とは、称呼及び観念において、相紛れるおそれはなく、かつ、それぞれの構成に照らして、外観において紛れるおそれもない。
その他、本件商標と引用商標とを類似するものとすべき特段の理由は、見いだせないから、本件商標と引用商標とは、外観、称呼及び観念のいずれの点においても紛れるおそれのない非類似の商標といわざるを得ない。
したがって、引用商標が商品「医療用機械器具」について使用された結果、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、我が国の需要者の間に広く認識されていたとしても、本件商標と引用商標とは類似しない別異の商標であるから、商標法第4条第1項第10号に該当するものではない。
(3)商標法第4条第1項第15号について
本件商標は、前記(1)のとおり、これをその指定商品に使用した場合、これに接する取引者、需要者がその構成中の「Ge」の文字部分より商品の原材料、品質を表すものとして認識し、引用商標との関連を何等想起しないとみるのが相当である。
そうすると、引用商標が本件商標の登録出願時及び登録査定時において、申立人の業務に係る総合電機製品等の分野において取引者、需要者の間に広く認識されていたものと認められるとしても、本件商標は、これをその指定商品に使用した場合、これに接する取引者、需要者が「Ge」の文字部分より申立人を連想、想起することはなく、その商品が申立人又は同人と経済的、組織的に何らかの関係を有する者の業務に係るものであるかのように、商品の出所について混同を生ずるおそれのないものである。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当するものではない。
(4)商標法第4条第1項第19号について
本件商標は、前記(1)のとおり、これをその指定商品に使用した場合、これに接する取引者、需要者がその構成中の「Ge」の文字部分より商品の原材料、品質を表すものとして認識するとみるのが相当である。
そして、申立人が提出した証拠によっても商標権者が不正な利益を得たり、又は引用商標の出所表示機能を希釈化させ若しくはその名声を毀損させるなどの不正の目的をもって使用するものと認めることはできない。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第19号に該当するものではない。
(5)商標法第4条第1項第7号について
本件商標は、前記(1)のとおり、その構成中の「Ge」の文字部分からは「ゲルマニウム」を認識するとみるのが相当であり、その構成自体は、何ら公の秩序又は善良の風俗に反するものではない。そして、本件商標を使用することが社会公共の利益、一般道徳観念に反するものとはいい難く、国際信義に反するものでもない。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第7号に該当するものではない。
(6)まとめ
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第7号、同第8号、同第10号、同第15号及び同第19号に違反して登録されたものではないから、同法第43条の3第4項の規定により、その登録を維持すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
異議決定日 2008-11-14 
出願番号 商願2007-32286(T2007-32286) 
審決分類 T 1 651・ 22- Y (X1014)
T 1 651・ 271- Y (X1014)
T 1 651・ 25- Y (X1014)
T 1 651・ 222- Y (X1014)
T 1 651・ 23- Y (X1014)
最終処分 維持  
前審関与審査官 泉田 智宏 
特許庁審判長 中村 謙三
特許庁審判官 田村 正明
末武 久佳
登録日 2007-11-09 
登録番号 商標登録第5090482号(T5090482) 
権利者 株式会社日本ゲルマニウム研究所
商標の称呼 ゲプチサウナ、ジイイイプチサウナ、プチサウナ、サウナ 
代理人 東谷 幸浩 
代理人 中村 稔 
代理人 藤倉 大作 
代理人 黒川 朋也 
代理人 井滝 裕敬 
代理人 松尾 和子 
代理人 熊倉 禎男 
代理人 工藤 莞司 
代理人 長谷川 芳樹 
代理人 浜田 廣士 
代理人 川島 麻衣 

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