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審決分類 審判 査定不服 称呼類似 登録しない Y12
管理番号 1189092 
審判番号 不服2008-11313 
総通号数 109 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2009-01-30 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2008-05-02 
確定日 2008-11-19 
事件の表示 商願2008-2760拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。
理由 1 本願商標
本願商標は、「APEX」の欧文字を横書きにしてなり、第12類「自動車並びにその部品及び附属品」を指定商品として、平成18年3月31日に登録出願された商願2006-28843に係る商標法第10条第1項の規定による商標登録出願として、同20年1月18日に登録出願されたものである。

2 引用商標
原査定において、本願の拒絶の理由に引用した登録第4765945号商標(以下「引用商標」という。)は、別掲のとおりの構成よりなり、平成15年7月16日に登録出願、第9類「火災報知器,ガス漏れ警報器,盗難警報器,駐車場用硬貨作動式ゲート,乗物運転技能訓練用シミュレーター,運動技能訓練用シミュレーター,業務用テレビゲーム機,家庭用テレビゲームおもちゃ,ガソリンステーション用装置,スロットマシン」及び第12類「自動車用盗難防止警報装置,その他の乗物用盗難警報器,自動車並びにその部品及び附属品,二輪自動車・自転車並びにそれらの部品及び附属品,陸上の乗物用の動力機械(その部品を除く。),軸,軸受,軸継ぎ手,ベアリング,緩衝器,ばね,荷役用索道,カーダンパー,カープッシャー,カープラー,牽引車」を指定商品として、同16年4月23日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。

3 当審の判断
本願商標は、前記1のとおり、「APEX」の欧文字を横書きにしてなるところ、該文字は、「頂点」の意味を有する英語と認められることから、その構成文字に相応して「アペックス」又は「エーペックス」の称呼、並びに「頂点」の観念を生ずるものである。
他方、引用商標は、別掲のとおり、右側の傾斜部を肉太にしかつ左側傾斜部が長く表された「A」、左右の縦部が肉太で表された「P」、左側の縦部が肉太で表された「E」及び左上から右斜め下への傾斜部が肉太で表された「X」の各欧文字を、「APEX」と横書きにし、「A」と「P」の間には、左側の上部を開けてやや右側に傾けた弧状の図形(以下「弧状の図形」という。)を配し、さらに、上段部の「P」「E」「X」の下部にその四分の一程度の大きさで表した「COMMUNICATIONS」の欧文字を配してなるところ、上段部に表された「APEX」の欧文字及び弧状の図形と、その下部に表された「COMMUNICATIONS」の文字とは、その構成態様を大きく異にするものであるから、これらは外観上、分離して看取され得るとみるのが相当である。
そして、引用商標より生ずると認められる「アペックスコミュニケーションズ」又は「エーペックスコミュニケーションズ」の一連の称呼も冗長であって、構成全体として特定の熟語的意味合いを形成するものではなく、他にこれを常に一体のものとして把握しなければならないとする特段の事情も見いだせないものである。
一方、上段部に表された「APEX」の文字部分は、「頂点」の意味を有する英語として我が国においても親しまれているばかりでなく、構成文字の一部を肉太にして外観上もまとまりよく一体的に表されていることから、「A」と「P」の間に配された弧状の図形があるとしても、該弧状の図形と「APEX」の文字部分とを常に一体とみるべき特段の事情がないところから、引用商標中、「APEX」の文字部分が看者の注意を強く引く部分であるといえる。
そうすると、引用商標に接する需要者は、その構成中、印象に強く残る「APEX」の文字部分を捉え、これより生ずる「アペックス」又は「エーペックス」の称呼及び「頂点」の観念のみをもって、商品の取引にあたる場合も決して少なくないとみるのが相当であることから、引用商標からは、「APEX」の文字に相応して、「アペックス」又は「エーペックス」の称呼及び「頂点」の観念をも生ずるものといわなければならない。
してみれば、本願商標と引用商標とは、「アペックス」又は「エーペックス」の称呼と「頂点」の観念を共通にするものである。
また、本願商標と、引用商標の構成中の「APEX」の文字部分とは、同じ綴り字からなるものであるから、本願商標と、引用商標とは、外観上においても近似した印象を与えるというべきである。
以上のとおり、本願商標と引用商標とは、称呼及び観念を共通にし、外観においても紛らわしい類似する商標であり、かつ、本願商標の指定商品は、引用商標の指定商品に含まれるものである。
なお、請求人は、引用商標の構成中、「A」の文字と他の文字部分「PEX/COMMUNICATIONS」とは、楕円の弧状の図形によって仕切られる態様であるから、「A」の文字部分と「PEX/COMMUNICATIONS」の文字部分とが分離して認識されることはあっても、「APEX」の部分のみが独立して看取されることはない旨主張するが、引用商標の構成中の「APEX」の文字部分の間に弧状の図形が配されているとしても、前記したとおり、構成中の一部を肉太の線で表した該文字部分の印象が看者に強く残るとみるのが相当であるから、外観における差異が、称呼及び観念を凌駕する程著しく相違するものではなく、本願商標と引用商標とを明らかに識別できるということはできない。
さらに、請求人は、他の登録例が存在することを理由に本願商標の登録適格性を主張しているが、それら事例は商標の具体的構成において本願商標とは事案を異にするものであって、それら事例をもって現在における本願商標の登録の適否を判断する基準とするのは必ずしも適切でなく、本件については前記認定を相当とするものである。よって、請求人の主張は、いずれも採用することができない。
したがって、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、妥当であって、取り消すことができない。
よって、結論のとおり審決する。
別掲 別掲
引用商標





審理終結日 2008-09-18 
結審通知日 2008-09-22 
審決日 2008-10-08 
出願番号 商願2008-2760(T2008-2760) 
審決分類 T 1 8・ 262- Z (Y12)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 浅野 真由美早川 文宏高橋 幸志 
特許庁審判長 石田 清
特許庁審判官 木村 一弘
末武 久佳
商標の称呼 アペックス、エイペックス 
代理人 本宮 照久 
代理人 加藤 伸晃 
代理人 越智 隆夫 
代理人 岡部 正夫 
代理人 臼井 伸一 
代理人 高見 香織 

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