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審決分類 |
審判 全部申立て 登録を維持 X0321 審判 全部申立て 登録を維持 X0321 審判 全部申立て 登録を維持 X0321 審判 全部申立て 登録を維持 X0321 |
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管理番号 | 1187762 |
異議申立番号 | 異議2008-900104 |
総通号数 | 108 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標決定公報 |
発行日 | 2008-12-26 |
種別 | 異議の決定 |
異議申立日 | 2008-03-17 |
確定日 | 2008-11-12 |
異議申立件数 | 1 |
事件の表示 | 登録第5096460号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 |
結論 | 登録第5096460号商標の商標登録を維持する。 |
理由 |
1 本件商標 本件登録第5096460号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲(1)のとおりの構成よりなり、平成19年2月22日に登録出願、第1類ないし第34類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、平成19年12月7日に設定登録されたものである。 2 引用商標 登録異議申立人(以下「申立人」という。)の引用する国際登録第770802号商標(以下「引用商標」という。)は、別掲(2)のとおりの構成よりなり、2001年6月28日ベネルックス商標庁にした商標登録出願に基づきパリ条約第4条による優先権を主張し、2001年10月12日に国際登録、第3類及び第21類に属する国際登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、我が国において平成14年8月9日に設定登録されたものであり、その商標権は、現に有効に存続しているものである。 3 登録異議の申立ての理由の要点 (1)商標法第4条第1項第11号について 本件商標と引用商標は、外観において類似する商標であって、また、「鳩」ないし「翼を広げて飛んでいる鳩」の観念を同じくする類似の商標である。 したがって、本件商標は、その指定商品中の第3類及び第21類に属する商品は、商標法第4条第1項第11号に該当する。 (2)商標法第4条第1項第15号について 本件商標は、周知・著名な引用商標と類似する商標であるから、これをその指定商品について使用するときは、該商品が申立人又は申立人と営業上何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかのように、商品の出所について混同を生ずるおそれがある。 (3)商標法第4条第1項第7号及び同第19号について 引用商標は、申立人の商品「石けん、化粧品」を表示するものとして需要者に著名となっている。引用商標に類似する本件商標の使用・登録を容認することは、引用商標の出所表示機能を希釈化し、引用商標に化体された業務上の信用にただ乗りをすることを認めることになる。 したがって、本件商標は、取引の秩序を乱すものであり、かつ、不正の目的をもって使用するものというべきである。 (4)むすび したがって、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第11号、同第15号、同第7号及び同第19号に違反してされたものであるから、取り消されるべきである。 4 当審の判断 (1)商標法第4条第1項第11号について ア 観念について 本件商標は、別掲(1)のとおり、黒塗り正方形内に、翼を広げた2羽の鳥が左向きに飛んでいる様を描いたものと認められるところ、これらの2羽の鳥は、手前の1羽が白抜きで表され、奥の1羽が白と黒との中間色で表されており、黒塗り正方形との色や配置がきわめて調和のとれた構図となっているものであるから、構成全体をもって一体不可分の商標を表したと把握、認識されるというの相当である。また、本件商標中の2羽の鳥は、抽象的に描かれ、これより直ちに鳩であることを理解させるものではないから、本件商標は、構成全体の特異性をもって認識されるものであって、特定の称呼、観念を生じないものというべきである。 したがって、本件商標より「鳩」ないし「翼を広げて飛んでいる鳩」の観念を生ずるとし、これを前提にして、本件商標と引用商標とが「鳩」ないし「翼を広げて飛んでいる鳩」の観念を同じくする類似の商標であるとする申立人の主張は、前提において誤りがあり、採用することができない。 イ 外観について 前記ア認定のとおり、本件商標は、その構成中の1羽の鳥のみが独立して把握、認識されるものではなく、黒塗り正方形内に描かれた2羽の鳥、という図形全体が一体のものとして認識されるものである。 そうすると、別掲(2)のとおり、翼を広げた鳥が右向きに飛んでいる様を黒塗りで描いた引用商標とは、看者に与える印象において大きく異なり、これらを時と所を異にして離隔的に観察した場合においても、外観上互いに紛れるおそれはないというべきである。 ウ まとめ 以上によれば、本件商標と引用商標は、観念及び外観において類似するものではなく、また、他に本件商標と引用商標とが類似するとみるべき格別の理由も見出せない。 したがって、本件商標と引用商標は、観念、外観及び称呼のいずれの点においても相紛れるおそれのない非類似の商標というべきである。 (2)商標法第4条第1項第15号について 甲第3号証ないし甲第5号証によれば、引用商標は、色彩は異なるものの、申立人の業務に係る石けん、ヘアコンディショナー、シャンプー等に、「Dove」の文字と共に使用されている(「Dove」の文字が大きく表され、鳥の図形は、「Dove」の文字に比べ、かなり小さく表されている。)ことが認められる。 しかし、上記証拠は、いずれも作成年月日の不明な申立人のホームページを単にプリントアウトしただけのものであり、引用商標とても、その使用態様からみれば、石けん類等の分野の需要者の間にある程度知られていると認められる「Dove」の文字部分に比べ、特に看者の注意を引くものではなく、むしろ、目立たない存在といえるものである。 そうすると、上記証拠のみをもってしては、引用商標が申立人の業務に係る商品を表示するためのものとして、本件商標の登録出願時に既に著名となっていたという事実を認めることができない。他に、上記事実を認めるに足る的確な証拠の提出はない。 さらに、前記(1)認定のとおり、本件商標と引用商標とは、商標それ自体において非類似のものである。 したがって、本件商標は、これをその指定商品について使用しても、需要者をして、該商品が申立人又は申立人と営業上何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかのように、商品の出所について混同を生じさせるおそれがある商標と認めることはできない。 (3)商標法第4条第1項第7号及び同第19号について 前記(1)認定のとおり、本件商標は、引用商標とは、非類似の商標であるから、本件商標と引用商標とが類似することを前提にして、本件商標が商標法第4条第1項第7号及び同第19号に該当するとする申立人の主張は、前提において誤りがあり失当である。 したがって、本件商標は、公の秩序又は善良の風俗を害するおそれがある商標とはいえず、また、不正の目的をもって使用するものともいえない。 (4)むすび 以上のとおり、本件商標の登録は、登録異議の申立てに係る指定商品について、商標法第4条第1項第11号、同第15号、同第7号及び同第19号に違反してされたものではないから、同法第43条の3第4項の規定により、維持すべきものである。 よって、結論のとおり決定する。 |
別掲 |
別掲(1) 別掲(2) |
異議決定日 | 2008-10-23 |
出願番号 | 商願2007-14795(T2007-14795) |
審決分類 |
T
1
651・
222-
Y
(X0321)
T 1 651・ 22- Y (X0321) T 1 651・ 261- Y (X0321) T 1 651・ 271- Y (X0321) |
最終処分 | 維持 |
前審関与審査官 | 箕輪 秀人 |
特許庁審判長 |
林 二郎 |
特許庁審判官 |
小畑 恵一 杉山 和江 |
登録日 | 2007-12-07 |
登録番号 | 商標登録第5096460号(T5096460) |
権利者 | 株式会社イトーヨーカ堂 |
代理人 | 谷口 登 |
代理人 | 中山 健一 |