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審決分類 審判 全部申立て  登録を維持 X09
審判 全部申立て  登録を維持 X09
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管理番号 1187759 
異議申立番号 異議2008-900099 
総通号数 108 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2008-12-26 
種別 異議の決定 
異議申立日 2008-03-10 
確定日 2008-11-12 
異議申立件数
事件の表示 登録第5094678号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 登録第5094678号商標の商標登録を維持する。
理由 1 本件商標
本件登録第5094678号商標(以下「本件商標」という。)は、「モーションキャット」の文字を標準文字で表してなり、平成19年3月5日に登録出願、第9類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、平成19年11月30日に設定登録されたものである。

2 引用商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)は、別掲のとおりの構成よりなり、昭和64年1月5日に登録出願、第11類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、平成10年4月24日に設定登録され、その後、指定商品中の「排気ガス浄化用触媒コンバータ用の電子制御装置」について登録は、平成14年10月18日付けの審決により取り消され(確定の登録は平成15年4月2日)、さらに、平成20年9月3日に、指定商品を第9類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品とする指定商品の書換の登録がされた登録第4138519号商標をはじめ、いずれも「CAT」の文字よりなり、その指定商品、登録出願日、設定登録日は商標登録原簿に記載のとおりの登録第398749号商標、同第401687号商標、同第1551140号商標及び同第1847494号商標、並びに、いずれも別掲のとおりの構成よりなり、その指定商品、登録出願日、設定登録日は商標登録原簿に記載のとおりの登録第2476927号商標、同第2484093号商標及び同第2560864号商標(これらの登録商標をまとめて、以下「引用商標」という。)を引用するものであり、その商標権は、いずれも現に有効に存続しているものである。
なお、申立人は、「理由の要点」において、「申立人の所有する商標」として、登録第4534709号商標を挙げるが、該登録商標は、「3M THREE-M」の文字よりなるものであって、申立人の商標とは認められないから、これを除外し、甲第2号証の1ないし8に示す登録商標を引用商標とした(審決注:甲第2号証の9に示す登録商標は、甲第2号証の1に示す登録商標と同一である。)。

3 登録異議申立ての理由の要点
(1)商標法第4条第1項第11号について
本件商標は、その要部である「キャット」の文字部分より「キャット」の称呼を生ずるものであり、引用商標とは「キャット」の称呼を同じくする類似の商標である。
(2)商標法第4条第1項第15号について
申立人は、1925年に米国で設立され、建築及び鉱業機械、ディーゼル及び天然ガスエンジン、産業用ガスタービンエンジン等を製造、販売する会社として世界的に著名な企業である。そして、申立人及びその関連会社の製造、販売に係る商品に使用される引用商標は、日本を含む世界各国に輸出され、かつ、申立人の宣伝活動により、本件商標の登録出願前より著名となっている。
本件商標は、前記(1)のとおり、引用商標に類似する商標であるから、これをその指定商品について使用するときは、申立人の業務に係る商品とその出所の混同を生ずるおそれがある。
(3)商標法第4条第1項第19号及び同第7号について
本件商標権者は、引用商標の著名性へのただ乗りをする目的で使用するものであるから、本件商標は、不正の目的をもって使用されるものである。
そして、本件商標の使用、登録を容認することは、健全な取引秩序の維持という商標法の目的に反する。
(4)商標法第4条第1項第8号について
本件商標は、申立人の著名な略称である引用商標をその構成中に含むものである。
(5)むすび
したがって、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第11号、同第15号、同第19号、同第7号及び同第8号に違反してされたものであるから、取り消されるべきである。

3 当審の判断
(1)商標法第4条第1項第11号について
本件商標は、前記1のとおり、「モーションキャット」の文字を書してなるものであるところ、該文字は、同一の書体をもって、同一の大きさ、同一の間隔で書され、外観上一体的に表されているばかりでなく、これより生ずると認められる「モーションキャット」の称呼もよどみなく称呼し得るものである。また、本件商標は、構成全体として「動く猫」なる意味合いを想起させるものである。
そうすると、本件商標は、その外観、称呼及び意味合いからみて、構成全体をもって一体不可分の商標を表したと理解されるとみるのが相当であるから、その構成文字に相応して、「モーションキャット」の一連の称呼のみを生ずるものであって、単に「キャット」のみの称呼は生じないものといわなければならない。
してみれば、本件商標を「モーション」の文字部分と「キャット」の文字部分とに分離した上で、「キャット」の文字部分を抽出し、これを前提として、本件商標と引用商標とが「キャット」の称呼を同じくする類似の商標であるとする申立人の主張は、前提において誤りがあるというべきであり、理由がない。その他、本件商標と引用商標とを類似の商標とみるべき理由は見出せない。
したがって、本件商標は、引用商標とは、称呼、外観及び観念のいずれの点においても相紛れるおそれのない非類似の商標といわなければならない。
(2)商標法第4条第1項第15号、同第19号、同第8号及び同第7号について
ア 引用商標の著名性について
(ア)甲第3号証ないし甲第10号証によれば、申立人は、ブルドーザー、油圧シャベル等土木・鉱山機械器具などの製造、販売を行う企業であって、1925年に設立されたこと、申立人の取扱いに係る土木・鉱山機械器具には、やや図案化された「CATERPILLAR」の文字よりなる商標又は引用商標が使用されていることが認められる。
(イ)しかしながら、引用商標の著名性を立証するための上記(ア)の証拠は、以下のとおり、本件商標の登録出願前に発行されたと確認し得るものはきわめて少ない。
(a)甲第5号証及び甲第6号証は、その発行年月日が不明である。
(b)甲第7号証は、引用商標が我が国において商標登録されている事実を示すにすぎないものであって、これをもって、引用商標の著名性が直ちに立証されるものではない。
(c)甲第8号証は、「2007 ANNUAL REPORT」の記載から、申立人の2007年の年報と認められる。したがって、ここに引用商標が表示された申立人の取り扱う商品が掲載されることは当然といえることであり、これが引用商標の著名性を直接的に決定づけるものではない。
(d)甲第9号証の1は、申立人の広告活動を示すものであるとするところ、様々な書類が一緒になっており、いずれの書類もその発行日が明らかではないが、例えば、「SCM Website」の項には「2008/04/28」の記載があり、「Product Catalogue for All Products」の項には「2008年1月」の記載が、「SCM Calendars」の項には「2008」の記載が、「2007年リリース」の項には「2007年2月13日」、「2007年5月28日」、「2007年8月3日」、「2007年11月19日」、「2007年11月6日」の記載がある。
(e)甲第9号証の2は、申立人のTVコマーシャルであるとするところ、放映年月日等が明らかではない。
(f)甲第10号証は、「新キャタピラー三菱レディース2007」と題するゴルフトーナメントの結果紹介であって、該ゴルフトーナメントが2007年8月19日に開催されたことが認められるにすぎないものである。
(ウ)上記(イ)によれば、引用商標が申立人の取扱いに係る商品を表示するものとして、本件商標の登録出願時にすでにその需要者の間に広く認識されていたものと認めることは困難であるといわざるを得ない。また、上記証拠のほとんどは、引用商標が申立人の取扱いに係る商品を表示するものとして使用されているものであり、引用商標が申立人の略称として本件商標の登録出願前より著名であったことを示すものではない。
なお、甲第4号証の1及び2は、「Brand Name」を「Caterpillar」とするものであって、引用商標に関するものとは認められない。また、甲第11号証の1ないし9及び平成20年8月13日付け上申書に添付した甲第11号証の10ないし14は、外国における裁判例等と認められるが、これらの外国の裁判例等をもって、我が国における引用商標の著名性が直ちに立証されるものではない。
イ 本件商標が商標法第4条第1項第15号、同第19号、同第8号及び同第7号に該当するとの申立人の主張は、引用商標が申立人の取扱いに係る商品を表示するものとして、又は、申立人の略称を表示するものとして、本件商標の登録出願前より著名性を獲得していたこと、及び本件商標中の「キャット」の文字部分が単独で自他商品の識別標識として機能することを前提とするものである。
しかしながら、前記ア認定のとおり、引用商標は、申立人の取扱いに係る商品を表示するものとして、又は、申立人の略称を表示するものとして、本件商標の登録出願前より著名性を獲得していたものとは認めることができないのみならず、本件商標は、前記(1)認定のとおり、構成全体をもって一体不可分の商標を表したと理解されるものであって、その構成中の「キャット」の文字部分のみが独立して認識されるものではない。
してみれば、上記申立人の主張は、前提において誤りがあり、失当である。
したがって、本件商標は、これをその指定商品について使用しても、申立人又はこれと何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかのように、商品の出所について混同を生ずるおそれがある商標と認めることはできない。
また、本件商標は、他人の著名な略称を含む商標とはいえない。
さらに、本件商標は、引用商標の著名性へのただ乗りをする等、不正の目的をもって使用されるものでもないから、公の秩序又は善良の風俗を害するおそれがある商標ということもできない。
(4)むすび
以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第11号、同第15号、同第19号、同第8号及び同第7号のいずれの規定にも違反してされたものではないから、同法第43条の3第4項の規定に基づき、維持すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
別掲

別掲


異議決定日 2008-10-23 
出願番号 商願2007-18634(T2007-18634) 
審決分類 T 1 651・ 23- Y (X09)
T 1 651・ 262- Y (X09)
T 1 651・ 263- Y (X09)
T 1 651・ 271- Y (X09)
T 1 651・ 22- Y (X09)
T 1 651・ 222- Y (X09)
T 1 651・ 261- Y (X09)
最終処分 維持  
前審関与審査官 早川 文宏真鍋 伸行 
特許庁審判長 林 二郎
特許庁審判官 杉山 和江
小畑 恵一
登録日 2007-11-30 
登録番号 商標登録第5094678号(T5094678) 
権利者 株式会社ハイバーテック
商標の称呼 モーションキャット、モーション、キャット 
代理人 谷口 登 
代理人 中山 健一 

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