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審決分類 審判 全部申立て  登録を維持 X11
審判 全部申立て  登録を維持 X11
管理番号 1186244 
異議申立番号 異議2008-900036 
総通号数 107 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2008-11-28 
種別 異議の決定 
異議申立日 2008-01-28 
確定日 2008-09-29 
異議申立件数
事件の表示 登録第5090571号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 登録第5090571号商標の商標登録を維持する。
理由 1 本件商標
本件登録第5090571号商標(以下「本件商標」という。)は、「アクアプリータ」の片仮名を標準文字で表してなり、平成19年2月2日に登録出願され、第11類「浄水装置,家庭用浄水器」を指定商品として、同年11月9日に設定登録がされたものである。

2 登録異議申立ての理由
登録異議申立人(以下「申立人」という。)は、本件商標は商標法第4条第1項第11号及び同第15号の規定に違反して登録されたものであるから、その登録は、取り消されるべきものであるとして、その理由を要点次のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし同第9号証を提出した。
(1)商標法第4条第1項第11号について
本件商標は「アクアプリータ」の片仮名を横書きした構成よりなるものであるところ、「アクア」(aqua)は「水、水の」の意味を表す外来語として我が国において一般的に使用されているものであって、「蒸留水」を「aqua」を用いた「aqua pura」と表現する用例も存するものである(甲第3号証及び同第4号証)。しかるところ、本件商標の指定商品は「浄水装置,家庭用浄水器」であって、「水」に関する商品であるから、本件商標中「アクア」の部分は商品の品質・用途を直接的に表すものであって、それ自体が自他商品の識別機能を果たすものではないこと明らかであるから、本件商標にあっては、「アクアプリータ」の全体称呼の他に、「プリータ」の文字部分に相応した「プリータ」の称呼も生ずるものとみるべきである。
一方、国際登録第876040号商標(以下「引用商標」という。)は、「Brita」の欧文字を書してなり、2004年9月17日ドイツ連邦共和国においてした商標登録出願に基づく優先権を主張して、平成17年(2005年)2月9日を国際登録とし、指定商品及び指定役務については、第11類「Filters for water; water filtration apparatus; filters for drinking water; …」ほか、第7類、第11類、第32類及び第40類に属する後掲のとおりの指定商品及び指定役務として、平成19年(2001年)11月2日に国内登録されたものであるところ、この引用商標「Brita」の文字からは「ブリタ」の称呼を生ずるものである。
そうとすれば、両称呼は、語頭音における半濁音と濁音及び第3音における長音の有無といった差異を有するにすぎないものであり、これらの差異が称呼全体に与える影響は小さいものであるから、時と処を異にして称呼した場合、相紛れるおそれのあるものであって、称呼上類似する。
(2)商標法第4条第1項第15号について
商標「BRITA」(以下「使用標章」という。)は、申立人の主力商品の名称であって、「家庭用浄水器」について継続して使用されており、遅くとも本件商標の出願日である平成19年2月2日当時においては、使用標章は、需要者間において、申立人の製造、販売に係る商品を表彰するものとして周知・著名性を獲得しているものであるから、このような状況下、本件商標がその指定商品に使用されれば、需要者、取引者をして、使用標章との間で出所の混同を生じさせるおそれが存するものである。

3 当審の判断
(1)商標法第4条第1項第11号について
本件商標は、上記のとおり「アクアプリータ」の片仮名で表してなるものである。しかして、これら文字は標準文字(同じ書体、同じ大きさ)をもって視覚上一体のものとして看取し得るばかりでなく、これより生ずるとみられる「アクアプリータ」の称呼もよどみなく一連に称呼し得るものであり、かつ、全体として一種の造語を表したものというべく、これら文字部分は常に全体として一体のものとして認識し把握されるものとみるのが相当である。
してみれば、本件商標は、「アクアプリータ」の一連の称呼のみを生ずるものというべきであって、たとえ構成前半の「アクア」の文字が「水、水の」の意味を表す外来語(aqua)として我が国において一般的に使用されているものであり、「蒸留水」を「aqua pura」と表現する用例が存するものである(甲第3号証及び同第4号証)としても、これをもって殊更、構成中の後半に位置する「プリータ」の文字部分を抽出し、該文字部分に相応する外観、観念及び称呼をもって取引に資されるという格別な理由は見出せない。
そうすると、本件商標より単に「プリータ」の称呼を生ずるものとはいえないから、これを前提に本件商標と引用商標との類似を述べる申立人の主張は妥当でなく、その理由をもって本件商標と引用商標とを類似のものとすることはできない。その他、本件商標と引用商標とを類似とすべき理由は見出せない。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものとはいえない。
(2)商標法第4条第1項第15号について
申立人の提出に係る証拠(甲第5号証ないし同第9号証)のみによっては、本件商標登録出願時において、必ずしも使用標章が申立人に係る家庭用浄水器を表示するものとして、我が国の需要者間に広く認識されていることを認めるに十分なものとはいい難いところである。
しかして、仮に、使用標章が申立人の主力商品の名称として、「家庭用浄水器」について継続して使用され、需要者間において、申立人の製造、販売に係る商品を表彰するものとして周知・著名性を獲得しているものであるとしても、本件商標(アクアプリータ)と引用商標(Brita)とは非類似のものであって互いに別異のものであり、かつ、ほかに両者が紛れるとする事由は見出せないこと上述(1)のとおりである。してみれば、使用標章が構成文字全てを大文字で表している点では引用商標と異なるが、両者はその綴りから同一視できるものであるから、これと同様に本件商標と使用標章(BRITA)とは非類似のものであって互いに別異のものであり、かつ、ほかに両者が紛れるとする事由は見出せないものということができる。
そうすると、本件商標をその指定商品について使用しても、これに接する需要者が直ちに使用標章や引用商標を想起し、申立人業務と何らかの関係を有するものの如くその出所について混同を生ずるおそれはないといわなければならない。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に違反して登録されたものとはいえない。
(3)以上のとおり、本件商標は、前記各法条の規定に該当するものとはいえないから、その登録について、商標法第43条の3第2項の規定により、取り消すことはできない。
よって、結論のとおり決定する。
別掲 後掲
引用商標の指定商品及び指定役務
第7類「Apparatus for producing sparkling drinking water.」、第11類「Filters for water; water filtration apparatus; filters for drinking water; electric kettles incorporating a filter unit; water treatment apparatus; water filters and filter cartridges therefor for water taps; cartridges for water filtration containing ion exchangers and/or adsorbents, especially for use in water filters, coffee machines, electric tea making machines, espresso machines, industrial cooking equipment for the preparation of food and beverages, ice-making machines, steam convection ovens, mixed convection-steam electric ovens for restaurants, industrial coffee and tea preparation machines, refrigerators, cooling units, water taps for kitchens, humidifiers, showers, steam generators and steam baths; pipes as parts of water supply installations.」、第32類「Filtered water included in this class; non-alcoholic drinks; preparations for making mineral water, preparations for making aerated water, aerated water, table water, spring water, mineral water.」及び第40類「Rental of water filters, rental of water filtration apparatus.」



異議決定日 2008-09-09 
出願番号 商願2007-8194(T2007-8194) 
審決分類 T 1 651・ 271- Y (X11)
T 1 651・ 262- Y (X11)
最終処分 維持  
特許庁審判長 渡邉 健司
特許庁審判官 鈴木 修
酒井 福造
登録日 2007-11-09 
登録番号 商標登録第5090571号(T5090571) 
権利者 アクア・プラン株式会社
商標の称呼 アクアプリータ、プリータ 
代理人 杉本 丈夫 
代理人 小出 俊實 
代理人 幡 茂良 
代理人 潮崎 宗 
代理人 吉田 親司 
代理人 河野 哲 
代理人 石川 義雄 
代理人 蔵田 昌俊 
代理人 橋本 良樹 
代理人 鈴江 武彦 

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