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審決分類 審判 全部申立て  登録を取消(申立全部取消) Y11
管理番号 1184622 
異議申立番号 異議2007-900442 
総通号数 106 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2008-10-31 
種別 異議の決定 
異議申立日 2007-09-12 
確定日 2008-08-21 
異議申立件数
事件の表示 登録第5058561号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 登録第5058561号商標の商標登録を取り消す。
理由 1 本件商標
本件登録第5058561号商標(以下「本件商標」という。)は「シルキーバブ」の片仮名文字と「SILKY BUBB」の欧文字を二段に併記してなり、平成18年9月25日に登録出願、第11類「浴槽に取付ける気泡発生装置付循環温浴器」を指定商品として、平成19年6月29日に設定登録されたものである。

2 引用商標
(1)登録異議申立人(以下「申立人」という。)が引用する登録第1807901号商標は、「バブ」の片仮名文字を書してなり、昭和57年8月30日に登録出願され、第1類「薬剤,医療補助品」を指定商品として、昭和60年9月27日に設定登録されたものであるが、その後、2回に亘り商標権存続期間の更新登録がなされ、また、指定商品については、平成18年11月22日に指定商品の書換登録がなされた結果、第5類「薬剤,医療用油紙,衛生マスク,オブラート,ガーゼ,カプセル,眼帯,耳帯,生理帯,生理用タンポン,生理用ナプキン,生理用パンティ,脱脂綿,ばんそうこう,包帯,包帯液,胸当てパッド,歯科用材料」となっているものである。
(2)同じく、登録第3138911号商標は、「BAB」の欧文字と「バブ」の片仮名文字を二段に併記してなり、平成5年9月30日に登録出願され、第5類「薬剤,医療用油紙,衛生マスク,オブラ?ト,ガ?ゼ,カプセル,耳帯,眼帯,生理帯,生理用タンポン,生理用ナプキン,生理用パンティ,脱脂綿,ばんそうこう,包帯,包帯液」を指定商品として、平成8年4月30日に設定登録されたものである。(以下、これらを一括して「引用商標」という。)

3 登録異議の申立ての理由(要旨)
申立人は、本件商標は商標法第4条第1項第7号及び同第15号に違反して登録されたものであるから、同法第43条の2第1項により取り消されるべきである旨主張し、その理由を要旨以下のとおり述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第51号証(枝番号を含む。)を提出している。
(1)商標法第4条第1項第7号
本件商標は、申立人の商品「入浴剤」を表示するものとして、需要者の間に広く認識されている「バブ」の文字と称呼を含むものであって、「バブ」を付した商品を使用する商品と一緒に使用される商品に使用するものであるから、申立人の引用商標の名声に便乗しようとするものといわざるを得ない。したがって、本件商標は公序良俗を害する商標である。
(2)商標法第4条第1項第15号
引用商標は、申立人の商標として広く需要者や取引者に知られているから、引用商標を使用した商品が使用される商品に、引用商標「バブ」の文字と称呼を含む商標が使用された場合、商品の出所について混同を生ずるおそれがある。

4 当審における取消理由
当審において、商標権者に対して平成20年4月22日付けで通知した取消理由の要旨は、以下のとおりである。
(1)申立人の提出に係る甲第5号証ないし甲第46号証によれば、「バブ」の文字からなる商標及び「BAB」の欧文字と「バブ」の片仮名文字を二段に併記してなる商標は、申立人の業務に係る「入浴剤」について、永年継続して使用された結果、本件商標の登録出願時には既に、申立人の業務に係る商品を表示する商標として取引者、需要者間に広く認識されていたものと認められる。
また、昨今においては、企業の多角経営化が進展し、一つの企業が一産業分野にとどまらず種々の商品や役務の分野に進出する傾向にあることは顕著な事実である。
しかして、本件商標は、前記1のとおりの構成からなるところ、これが全体として特定の意味合いを有する既成語として親しまれているものではなく、また、前半部の「シルキー」及び「SILKY」の語は、「絹のような、柔らかい」等の意味を有し、商品によっては自他商品識別標識としてはやや弱い場合もあるといえるところに加え、その構成中に申立人が入浴剤に使用して、取引者、需要者間に広く認識されている「バブ」の文字を有してなるものである。
加えて、本件商標の指定商品「浴槽に取付ける気泡発生装置付循環温浴器」と申立人の業務に係る入浴剤とは、共に入浴時に使用するものであり、かつ、浴槽の中で気泡を発生させることにより、身体の血行を良くするという効果を有する商品である等、極めて関連性の高いものということができる。
以上を総合すると、本件商標に接する取引者、需要者は、構成中の「バブ」の文字部分に着目して、周知・著名となっている引用商標を連想、想起し、該商品が申立人又は同人と経済的、組織的に何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかの如く、その出所について混同を生ずるおそれがあるものというべきである。
(2)したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に違反して登録されたものであるから、その登録を取り消すべきものである。

5 商標権者の意見
本件商標について、上記4の取消理由を通知し、期間を指定して意見書を提出する機会を与えたが、商標権者は何ら意見を述べるところがない。

6 当審の判断
本件商標についてした先の取消理由は妥当なものと認められる。
したがって、本件商標は商標法第4条第1項第15号に違反して登録されたものといわざるを得ないから、本件商標の登録は、商標法第43条の3第2項により、取り消すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
異議決定日 2008-07-02 
出願番号 商願2006-89200(T2006-89200) 
審決分類 T 1 651・ 271- Z (Y11)
最終処分 取消  
前審関与審査官 小松 里美浅野 真由美 
特許庁審判長 井岡 賢一
特許庁審判官 佐藤 達夫
小川 きみえ
登録日 2007-06-29 
登録番号 商標登録第5058561号(T5058561) 
権利者 ファミリー・サービス・エイコー株式会社
商標の称呼 シルキーバブ、シルキー、バブ 
代理人 堀米 和春 
代理人 綿貫 隆夫 
代理人 宇野 晴海 

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