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審決分類 |
審判 全部取消 商50条不使用による取り消し 無効としない 025 |
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管理番号 | 1182683 |
審判番号 | 取消2007-301109 |
総通号数 | 105 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標審決公報 |
発行日 | 2008-09-26 |
種別 | 商標取消の審決 |
審判請求日 | 2007-08-31 |
確定日 | 2008-07-28 |
事件の表示 | 上記当事者間の登録第3354444号商標の登録取消審判事件について、次のとおり審決する。 |
結論 | 本件審判の請求は、成り立たない。 審判費用は、請求人の負担とする。 |
理由 |
1 本件商標 本件登録第3354444号商標(以下「本件商標」という。)は、「ミラクルアップ」の文字を横書きしてなり、平成7年9月6日に登録出願、第25類「セーター類,ワイシャツ類,寝巻き類,下着,水泳着,水泳帽」を指定商品として、平成9年10月24日に設定登録されたものであり、その商標権は、現に有効に存続しているものである。 2 請求人の主張の要点 請求人は、「本件商標の登録を取り消す。審判費用は被請求人の負担とする。」との審決を求めると申し立て、その理由及び答弁に対する弁駁を要旨次のように述べ、証拠方法として、甲第1号証ないし甲第5号証を提出した。 (1)請求の理由 本件商標は、その指定商品について、継続して3年以上日本国内において、商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれによっても使用された事実がないから、その登録は、商標法第50条第1項の規定により取り消されるべきである。 (2)答弁に対する弁駁 (ア)乙第1号証について 被請求人は、乙第1号証について、平成17年にイタリアからブラジャーを輸入し、その中の商品のうち「MONNY」なるブラジャーについて「ミラクルアップ」とネーミングした」と証拠方法の項で述べているが、4/8において、「05/02/05」(2005年)に「MONNY」が被請求人に輸入されたという事実のみが記載されている。 また、添付写真6/8?8/8は、1/8?5/8に対応する現物の写真として添付されているが、いずれの写真にも輸入日付の記載がない。 さらに、8/8については、アルファベットで「MIRACLE-UP」の文字が記載されたラベルが同ブラジャーのタグに貼り付けられているものの、前述のように、日付がなく本件審判における「3年」以内に使用されていたということを証明するものではない。 (イ)乙第2号証及び乙第3号証について 乙第2号証の1/3?3/3は、被請求人の「商品別得意先別売上実績表」であり、乙第3号証の1/4?4/4は、前記販売実績を裏付ける書類(3/4のみ請求書と記載されているが、他の書類も3/4と同じ形式のものであるからこれらも請求書と認められる。)であって、これらをもとに被請求人は、ミラクルアップブラをエトワール海渡、販売者不詳の新浦安店、ピアレス、前田京子、高島屋に販売したと主張する。 しかしながら、「ミラクルアップブラ」は、乙第2号証の1/3(集計期間平成17年2月?18年1月)において、わずか4社に対して極く少量のブラジャーが販売されただけであり、その後、乙第2号証の2/3(集計期間平成18年2月?19年1月)においては販売先が消され、かつ、請求書も添付されていないため、販売されたものとみることができず、さらに、期間が大きく開いた乙第2号証の3/3(集計期間平成19年2月?19年9月)に至ってはわずか3個のみが販売され、およそ「継続して使用」といえるほどの販売量ではなく、本件商標を保護すべき信用が化体されているとはいえない。 (ウ)乙第4号証について 1/6?5/6は、単なる売り上げ日報とその領収証であって、「ミラクルアップブラ」が販売されたという証拠とはいえない。そして、これを担保するべく提出された6/6は、前記1/6?5/6が「ミラクルアップブラ」の販売にかかるものであることを証明する書面のつもりであろうが、署名した者はいずれも被請求人の販売者あるいは派遣社員であって公正なる第三者ではない。 したがって、1/6?5/6が「ミラクルアップブラ」の販売にかかるものであるとはいえない。 (エ)乙第5号証について 1/2は、「ミラクルアップブラ」の修理依頼書であり、2/2は、その納品書であるが、修理そのものは商標法上での「使用」には当たらない。 (オ)乙第6号証について 乙第6号証は、「ミラクルアップブラ」の宣伝広告物と思われるが、日付の記載がないので、本件審判の証拠とはならない。 (カ)むすび いずれにせよ、乙各号証から本件商標について保護すべき信用が化体しているとはいえず、本件商標の登録は取り消されるべきである。 3 被請求人の答弁の要点 被請求人は、結論同旨の審決を求めると答弁し、その理由を、「被請求人は、本件商標を平成7年の出願以来3年以上期間を空けることなく継続的に使用、販売している。」と述べ、証拠方法として、乙第1号証ないし乙第6号証を提出した。 4 当審の判断 (1)乙第1号証ないし乙第3号証によれば、以下の事実が認められる。 (ア)乙第1号証は、イタリア国の法人「DI ZANARDI IMPORT EXPORT」が商標権者(被請求人)に宛てたインヴォイスと認められるところ、1/8によれば、2005年2月17日に、商標権者宛に「PARSONAL UNDERWEAR」が出荷されたこと。4/8によれば、輸入された商品中には「MONNY P.BRA S.」なる商品(ブラジャー)が存在し、168納品されたこと(その日付は、2005年2月5日であり、当事者に争いはない。)。6/8?8/8は、上記輸入されたブラジャーの写真と認められるところ、7/8の上段の商品には、「MONNY」の表示のあるラベルと「No:LG1004」、「本体価格:¥5,000」等の表示のあるラベルが付されているが、8/8の商品には、上記7/8に付されたラベルのうち、「MONNY」の表示のあるラベルの該文字部分が「MIRACLE-UP」の文字に変更されたラベルと「No:LG1004」、「本体価格:¥5,000」等の表示のあるラベルが付されていること。 (イ)乙第2号証の1/3?3/3は、いずれも「LG1004 ミラクルアップブラ」に関する「商品別得意先別売上実績表」であるところ(多くの箇所は黒く塗りつぶされており、判読不明な箇所が多い。)、1/3(集計期間 平成17年2月?18年1月)は、「エトワール海渡」、「新浦安店」、「ピアレス」、「前田京子」等に販売し、その売上数量は、「エトワール海渡」から順に「34」、「4」、「2」(なお、前田京子に対する売上数量は黒く塗りつぶされており、不明である。)であること。2/3(集計期間 平成18年2月?19年1月)の売上数量は12であること。3/3(集計期間 平成19年2月?19年9月)は、株式会社高島屋に販売し、その合計は5であること。 (ウ)乙第3号証の1/4?4/4は、商標権者の発行に係る請求書(3/4のみ「請求書」と表示されているが、他の書類も同じ体裁のものであるから、これらも請求書と認められる。)であるところ、1/4は、平成17年3月8日にエトワール海渡に宛てたもので、「商品名」欄には、「LG1004 ミラクルアップブラ BEIGE」と「LG1004 ミラクルアップブラ BLACK」が記載され、その数量は、前者が15、後者が12であること。2/4は、平成17年3月22日に前田京子に宛てたもので、「商品名」欄には、「LG1004 ミラクルアップブラ BEIGE」の記載があり、その数量は1であること。3/4は、平成17年3月25日にドルチェフィアット新浦安店に宛てたもので、「商品名」欄には、「LG1004 ミラクルアップブラ BEIGE」の記載があり、その数量は1であること。4/4は、平成19年9月1日に株式会社高島屋に宛てたもので、「商品名」欄には、「LG1004 ミラクルアップブラ BEIGE」の記載があり、その数量は3であること。 (2)前記(1)で認定した事実によれば、商標権者は、2005年(平成17年)2月17日ころイタリアより「MONNY P.BRA S.」なる商品「ブラジャー」を168輸入し、該商品に付された「MONNY」の表示を「MIRACLE-UP」の表示に変えて、平成17年3月ころ日本国内に所在の顧客に販売したことが十分に推認されるところである。 そして、商標権者の使用に係る商品「ブラジャー」は、本件請求に係る指定商品中に含まれる商品である。また、使用に係る商標「MIRACLE-UP」は、「MIRACLE」と「UP」とがわが国においても親しまれて使用されている語であるから、これより「ミラクルアップ」と無理なく称呼し得るものであり、本件商標より生ずる「ミラクルアップ」と称呼を同じくするものであって、使用に係る商標は、本件商標と社会通念上同一の商標と認められる(被請求人が使用する商品が請求に係る指定商品に含まれること、及び使用する商標が本件商標と社会通念上同一の商標であることについては、請求人は争うことを明らかにしていない。)。 してみれば、商標権者は、本件審判の請求の登録(平成19年9月19日)前3年以内に日本国内において、請求に係る指定商品中の「ブラジャー」について、本件商標と社会通念上同一の商標を使用していたと認め得るところである。 (3)請求人の主張について (ア)請求人は、乙第1号証は、2005年2月5日に「MONNY」なる商品(ブラジャー)が商標権者に輸入されたという事実のみが記載されているすぎず、添付写真6/8?8/8は、1/8?5/8に対応する現物の写真として添付され、「MIRACLE-UP」の文字が記載されたラベルが同ブラジャーのタグに貼り付けられている商品写真(8/8)があるものの、商品写真(6/8?8/8)は、いずれも輸入日付の記載がなく、本件審判における「3年」以内に使用されていたということを証明するものではない旨主張する。 しかし、前記認定のとおり、乙第1号証からは、2005年2月17日に、イタリア所在の法人より商標権者に対し、「PARSONAL UNDERWEAR」が出荷されたこと、その内訳として、「MONNY P.BRA S.」なる商品「ブラジャー」が168納品されたこと、該「MONNY P.BRA S.」なるブラジャーが日本においては、「MIRACLE-UP」の商標が付されたことが認めることができ、さらに、「MIRACLE-UP」の商標が付されたブラジャーが本件審判の請求の登録前3年以内である平成17年3月ころから日本国内において販売されたことが乙第2号証及び乙第3号証より推認することができるのであって、このような一連の商品の流通過程からみれば、たとえ、商品写真(乙第1号証の6/8?8/8)に輸入日付の記載がないとしても、該商品写真の商品は、本件審判の請求の登録前3年以内に被請求人に輸出され、商標権者により日本国内で取引に資された商品と同一のものとみるのが相当である。したがって、上記請求人の主張は理由がない。 (イ)請求人は、乙第2号証及び乙第3号証に示された「ミラクルアップブラ」の販売数量は少量であるから、「継続して使用」といえるほどの販売量ではなく、本件商標に保護すべきほどの信用が化体されているとはいえない旨主張する。 しかし、商標権者の使用に係る商品は、本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において全く取引がなかったというものではなく、市場に流通していたことは十分推認できるのであり、また、価格が5,000円の比較的高額なブラジャーであるから、日常的に消費されるような商品と同等な数量が販売されるものとは考え難いところであって、乙第2号証及び乙第3号証に示された販売数量は決して多いものとはいえないとしても、「継続して使用」に該当しないというほど少ないものとはいえない。したがって、上記請求人の主張は理由がない。 (4)むすび 以上によれば、被請求人は、本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において、商標権者が請求に係る指定商品中の「ブラジャー」について、本件商標と社会通念上同一と認められる商標を使用していたことを証明したと認めることができる。 したがって、本件商標の登録は、商標法第50条の規定により、取り消すことはできない。 よって、結論のとおり審決する。 |
審理終結日 | 2008-05-21 |
結審通知日 | 2008-06-04 |
審決日 | 2008-06-17 |
出願番号 | 商願平7-92422 |
審決分類 |
T
1
31・
1-
Y
(025)
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最終処分 | 不成立 |
特許庁審判長 |
山口 烈 |
特許庁審判官 |
伊藤 三男 岩崎 良子 |
登録日 | 1997-10-24 |
登録番号 | 商標登録第3354444号(T3354444) |
商標の称呼 | ミラクルアップ |
代理人 | 森 義明 |
代理人 | 多田 裕司 |