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審決分類 |
審判 全部取消 商50条不使用による取り消し 無効とする(請求全部成立)取り消す(申し立て全部成立) Y18 |
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管理番号 | 1182677 |
審判番号 | 取消2007-301108 |
総通号数 | 105 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標審決公報 |
発行日 | 2008-09-26 |
種別 | 商標取消の審決 |
審判請求日 | 2007-08-31 |
確定日 | 2008-07-28 |
事件の表示 | 上記当事者間の登録第4775560号商標の登録取消審判事件について、次のとおり審決する。 |
結論 | 登録第4775560号商標の商標登録は取り消す。 審判費用は、被請求人の負担とする。 |
理由 |
1 本件商標 本件登録第4775560号商標(以下「本件商標」という。)は、「ACME」の文字を横書きしてなり、平成14年10月10日に登録出願、第18類「かばん類,袋物,携帯用化粧道具入れ,かばん金具,がま口口金,原皮,原革,なめし皮,毛皮,革ひも,乗馬用具,愛玩動物用被服類」を指定商品として、平成16年6月4日に設定登録されたものであり、その商標権は、現に有効に存続しているものである。 2 請求人の主張の要点 請求人は、結論同旨の審決を求めると申し立て、その理由及び答弁に対する弁駁を要旨次のとおり述べ、証拠方法として、甲第1号証ないし甲第4号証を提出した。 (1)請求の理由 本件商標は、その指定商品について、継続して3年以上日本国内において、商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれによっても使用されていない。 したがって、本件商標の登録は、商標法第50条の規定により、取り消されるべきである。 (2)答弁に対する弁駁 (ア)乙第1号証について 被請求人は、本件商標について使用許諾をしている旨主張し、証拠として使用許諾契約書(乙第1号証)を提出する。 しかしながら、上記契約書第1条1)には、「商標 ACME SKATEBOARD MAKERS」、「商標登録番号 2000-120175」と記載されており、これが本件商標に係る使用許諾契約であると認めることはできない。その他、指定商品や使用許諾地域との整合性もなく不可解である。 したがって、乙第1号証は、本件商標についての使用を証明する証拠とはならない。 なお、上記諾契約に記載された「商標登録番号 2000-120175」に関連して、「商標出願番号 2000-120175」を検索すると、甲第3号証に掲げる商標が検索され、この出願は、平成14年4月16日付けで拒絶査定が確定しているものである(甲第4号証)。 (イ)乙第2号証について 被請求人は、本件商標を3年以内に使用許諾している旨主張し、シーコム株式会社との間で交わされた商標使用許諾契約の延長等を定めた合意書(乙第2号証)を提出する。 しかしながら、乙第1号証の契約締結日が「平成12年9月19日」であるのに対し、乙第2号証において、合意の対象としている契約は「平成14年9月19日日付商標使用許諾契約書」であるから、延長するとされた合意の対象が不明である。 したがって、乙第2号証は、本件と関係がないため、本件商標についての使用を証明する証拠とはならない。 (ウ)乙第3号証について 被請求人は、本件商標が掲載されたカタログとして「BRAND LIST」と題する資料(乙第3号証)を提出する。 しかしながら、その発行主体に関して、最終頁に記載の住所は、「3-4-26 IDEMITSU NAGAHORI BLD.3F MINAMISENBA CHUO-KU OSAKA CITY #542-0081」とあり、「〒542-0081 大阪市中央区南船場3-4-26 出光ナガホリビル3F」の英語表記であると推察できるところ、被請求人の住所である「大阪市西区北堀江1丁目16番7号」とは明らかに相違している。 よって、乙第3号証は、被請求人が発行主体となるカタログであるのか不明であり、発行日の記載もなく、いつ発行されたのかも不明である。 また、本件商標の掲載に関して、乙第3号証には「ACME/●ストリートカジュアル」と題しつつ「A」を図案化した標章が表示されているが、これがどのような目的で掲載されているのか不明であり、また、どのような商品に使用されているのかも不明である。 よって、乙第3号証の発行主体が仮に被請求人であるとしても、これをもって本件商標が使用されていることにはならないし、仮にこれがライセンス目的で掲げられているとしても、ここでその対象として紹介されているのは「A」を図案化した標章であって、本件商標と社会通念上同一の範囲にある商標であるわけでもない。 したがって、乙第3号証は、本件商標についての使用証拠とはならない。 (エ)乙第4号証について 被請求人は、カタログ製作費用の請求として、「ピラボ」(P-LABO)から被請求人宛てに発行された請求書(乙第4号証)を提出する。 しかしながら、「品名」欄に記載されている「tweetyプレゼンマップ」が本件と関係があるとは思えないし、「ブランドラインアップ製作費」についても、何を指しているのか明確でない。数量「12」・単位「PAGE」の記載から、全12頁ある乙第3号証を指しているものとも思われるが、乙第3号証の表紙には「BRAND LIST」と記載されていることからタイトルが一致しなく、前記のとおり乙第3号証はその発行日も分からないから、この請求書が直ちに乙第3号証に係るものであるということはできない。 したがって、乙第4号証は、本件商標についての使用証拠とはならない。 (オ)むすび 以上のとおり、乙第1号証ないし乙第4号証は、いずれも本件商標がその指定商品について使用されていることを証明するものではない。 3 被請求人の答弁の要点 被請求人は、「本件審判の請求は成り立たない。審判費用は請求人の負担とする。」との審決を求めると答弁し、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として、乙第1号証ないし乙第4号証を提出した。 被請求人は、商標・ブランドなどのライセンスの仲介・売買を生業としている会社である。本件商標については、図形商標(登録第4626592号商標)を合わせて登録保持している状況にある。 本件商標は、3年以内に日本国内において許諾契約で使用しており、商標法第50条の規定により取り消されるべきものではない(乙第1、2号証)。現在、本件商標に関する営業は、カタログに掲載して活動している(乙第3号証の1頁上段中央)。該カタログは、「ピラボ」に依頼しており、平成19年5月にブランドラインアップのカタログデータを製作した(乙第4号証)。 4 当審の判断 (1)本件商標がその使用権者又は商標権者により、本件審判の請求の登録(平成19年9月19日)前3年以内に日本国内において、請求に係る指定商品について使用されたか否かについて検討する。 (ア)乙第1号証及び乙第2号証について 被請求人は、使用許諾契約により使用権者が本件商標を3年以内に日本国内において使用している旨主張し、被請求人とシーコム株式会社との間で、平成12年9月19日締結の「商標使用許諾契約書」(乙第1号証)を提出するが、該契約書第1条に記載された使用許諾に係る「商標 ACME SKATEBOARD MAKERS」及び「商標登録番号 2000-120175」は、本件商標の構成及び登録番号とはおよそかけ離れたものであり、該契約書が本件商標の使用許諾に関する契約書とみることはできない。 また、乙第2号証として提出された「合意書」には、被請求人とシーコム株式会社との間で締結した平成14年9月19日付け商標使用許諾契約の契約更新を合意する旨の記載があるが、使用許諾の対象となる登録商標が何ら示されておらず、また、商標使用許諾契約の締結日の点においても、乙第1号証とは整合性に欠けるものである。仮に該合意書が乙第1号証(商標使用許諾契約)の契約更新の合意に関するものであるとしても、上記のとおり、乙第1号証は、本件商標についての使用許諾契約とは認められないものである。 したがって、乙第1号証及び乙第2号証をもって、シーコム株式会社が本件商標の使用権者と認めることができない。 (イ)乙第3号証及び乙第4号証について 被請求人は、本件商標をカタログ(乙第3号証)に掲載して営業活動をしており、該カタログは、平成19年5月に「ピラボ」に依頼して、ブランドラインアップのカタログデータとして製作した(乙第4号証)旨主張する。 確かにカタログ(乙第3号証)の1頁上段中央には、上段に「ACME」の文字と下段に「ストリートカジュアル」の文字がそれぞれ白抜きで表示されており、その下部の白枠内に、右上隅に「アクミ」の片仮名文字を、中央にはローマ字「A」をきわめて図案化した商標が大きく表示されており、上記「ACME」の文字は、本件商標と白抜きか否かの違いがあるものの、社会通念上同一の商標と認められる。 しかしながら、上記「ACME」の文字がいかなる商品について使用されているかについてみるに、前記「ストリートカジュアル」の文字からは、被服について使用されると想起される場合が多いといえるものの、取消請求に係る本件商標の指定商品について使用されていると認めるに足りる表示がない。 加えて、該カタログ(乙第3号証)の使用者は、最終頁に「BOLD CO.,LTD.」「3-4-26 IDEMITSU NAGAHORI BLD.3F MINAMISENBA CHUO-KU OSAKA CITY #542-0081」との記載があり、「BOLD CO.,LTD.」という名称の会社が「〒542-0081 大阪市中央区南船場3-4-26 出光ナガホリビル3F」の英語表記であると推察できるところ、被請求人の住所である「大阪市西区北堀江1丁目16番7号」とも明らかに相違しており、かつ、被請求人が商標などのライセンスの仲介・売買を業としている会社であることからすると、該カタログ(乙第3号証)の使用者が被請求人とも認めがたく、さらに、被請求人と「BOLD CO.,LTD.」という名称の会社の関係も明らかでない。 してみれば、本件商標が表示されたカタログ(乙第3号証)が本件審判の請求の登録前3年以内に作成され、頒布されたものであると仮定しても、これのみをもってしては、本件商標がその使用権者又は商標権者により本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において、その指定商品のいずれかに使用されたものとは認めることができない。 (2)むすび 以上のとおりであるから、被請求人は、本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において、商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれかが請求に係る指定商品のいずれかについて本件商標を使用していたことを証明し得なかったものというべきであり、また、本件商標を請求に係る指定商品について使用していなかったことについて、正当な理由があることも明らかにしていない。 したがって、本件商標の登録は、商標法第50条の規定により、取り消すべきものとする。 よって、結論のとおり審決する。 |
審理終結日 | 2008-05-27 |
結審通知日 | 2008-06-04 |
審決日 | 2008-06-17 |
出願番号 | 商願2002-91716(T2002-91716) |
審決分類 |
T
1
31・
1-
Z
(Y18)
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最終処分 | 成立 |
前審関与審査官 | 石井 千里 |
特許庁審判長 |
山口 烈 |
特許庁審判官 |
伊藤 三男 岩崎 良子 |
登録日 | 2004-06-04 |
登録番号 | 商標登録第4775560号(T4775560) |
商標の称呼 | アクメ、エイシイエムイイ |