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審決分類 |
審判 全部申立て 登録を維持 Y09 審判 全部申立て 登録を維持 Y09 審判 全部申立て 登録を維持 Y09 |
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管理番号 | 1181314 |
異議申立番号 | 異議2007-900520 |
総通号数 | 104 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標決定公報 |
発行日 | 2008-08-29 |
種別 | 異議の決定 |
異議申立日 | 2007-11-12 |
確定日 | 2008-07-07 |
異議申立件数 | 1 |
事件の表示 | 登録第5069994号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 |
結論 | 登録第5069994号商標の商標登録を維持する。 |
理由 |
1 本件商標 本件登録第5069994号商標(以下「本件商標」という。)は、「Ubikhan」の文字を標準文字で表してなり、平成18年3月29日に登録出願、第9類「乗物用ナビゲーション装置,携帯用ナビゲーション装置,携帯用マルチメディア再生装置,衛星デジタル放送受信機,地上波デジタル放送受信機,乗物用ナビゲーション装置(コンピュータ内蔵のもの),モデム,携帯用情報端末機,コンピュータ」を指定商品として、平成19年8月10日に設定登録されたものである。 2 引用商標 登録異議申立人(以下「申立人」という。)が引用する登録商標は、以下の(1)ないし(3)のとおりであり、その商標権は、いずれも現に有効に存続しているものである。 (1)登録第4561608号商標は、「UBICOM」の文字を標準文字で表してなり、2000年12月22日にアメリカ合衆国においてした商標登録出願に基づきパリ条約第4条による優先権を主張して、平成13年2月14日に登録出願、第9類、第41類及び第42類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として、平成14年4月19日に設定登録されたものである。 (2)国際登録第858424号商標は、「UBICOM16」の文字を横書きしてなり、2005年1月10日にアメリカ合衆国においてした商標登録出願に基づきパリ条約第4条による優先権を主張して2005年5月9日に国際登録され、第9類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、平成18年6月23日に我が国において設定登録されたものである。 (3)国際登録第861076号商標は、「UBICOM32」の文字を横書きしてなり、2005年1月10日にアメリカ合衆国においてした商標登録出願に基づきパリ条約第4条による優先権を主張して2005年5月9日に国際登録され、第9類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、平成18年6月23日に我が国において設定登録されたものである。 (引用商標1ないし3をまとめて、以下「引用商標」という。) 3 登録異議申立ての理由の要点 (1)商標法第4条第1項第11号について 本件商標は、その構成文字より、「ユビカン」の称呼が生ずるものである。これに対し、引用商標は、その構成文字「UBICOM」より、「ユビコム」の称呼が生ずるものである。そして、本件商標より生ずる「ユビカン」の称呼と引用商標より生ずる「ユビコム」の称呼は、それぞれを全体として称呼するときは、互いに紛らわしいものであるから、本件商標と引用商標は、称呼において類似する商標であり、いずれもその指定商品中に「電子応用機械器具及びその部品」の範ちゅうに属する商品を有するものである。 (2)商標法第4条第1項第15号について 引用商標は、申立人の業務に係るコンピューター関連の製品・サービスについて使用され、その需要者の間に広く認識されている商標である。 したがって、引用商標に類似する本件商標をその指定商品に使用すれば、その商品が申立人の業務に係る商品であるかのように、その出所について混同を生ずるおそれがある。 (3)商標法第4条第1項第19号について 前記のとおり、本件商標は、著名な引用商標に類似する商標であり、商標権者が本件商標をその指定商品について使用するときは、引用商標の出所表示機能を希釈化させ、その名声等を毀損させるものであり、商標権者は、引用商標に化体した名声を毀損させる目的をもって出願したものであるから、本件商標は、不正の目的をもって使用するものである。 (4)以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第11号、同第15号及び同第19号に違反してされたものであるから、取り消されるべきである。 4 当審の判断 (1)商標法第4条第1項第11号について 本件商標は、前記1のとおり、「Ubikhan」の文字を書してなるものであるところ、該文字は、我が国において親しまれている語とは認められないから、これに接する需要者は、英語風読みにした「ユビカン」の称呼をもって、商品の取引に当たる場合が多いとみるのが相当である。そうすると、本件商標より生ずる自然の称呼は、「ユビカン」と認める。 他方、引用商標は、前記2のとおり、それぞれ「UBICOM」、「UBICOM16」、「UBICOM32」の文字を書してなるものであるから、「UBICOM」の文字に相応して、「ユビコム」の称呼を生ずるものである。 そこで、本件商標より生ずる「ユビカン」の称呼と引用商標より生ずる「ユビコム」の称呼を比較すると、両称呼は、前半部分の「ユビ」の音を共通にし、後半部分において、「カン」と「コム」の音の差異を有するものである。そして、該差異音中、「カ」と「コ」の各音は、帯有する母音において、前者が口を大きく開けて発する「a」であるのに対し、後者は口をさほど大きく開けずに唇をやや丸めて発する「o」であるから、これらの母音が無声子音「k」と結合したときは、その音質、音感において相違するばかりでなく、本件商標を一連に称呼するときには、語尾音「ン」が消え入るように弱く発音されるのに対し、引用商標を一連に称呼するときには、語尾音「ム」が比較的明瞭に発音される場合が多いから、これらの差異音がさほど冗長とはいえない両称呼全体に及ぼす影響は決して小さいものとはいえず、それぞれの称呼を全体として称呼した場合においても、その語調、語感が相違したものとなり、互いに聞き誤るおそれはないものである。 そうすると、本件商標と引用商標は、称呼上類似する商標ということはできない。 また、本件商標と引用商標は、いずれも特定の観念を有しない造語よりなるものと理解されるというのが相当であるから、観念上比較することはできない。 さらに、両商標は、前記したぞれぞれの構成よりみて、外観上見誤るおそれはないものである。 したがって、本件商標と引用商標は、外観、称呼及び観念のいずれの点においても相紛れるおそれのない非類似の商標というべきものである。 (2)商標法第4条第1項第15号及び同第19号について 引用商標の著名性を立証するものとして申立人が提出した甲第5号証ないし甲第8号証(甲第6号証ないし甲第8号証は、英文のみで作成されているものである。)は、いずれもその発行年月日が明らかではなく、これらの証拠のみをもってしては、引用商標が本件商標の登録出願前より、申立人の業務に係る商品及び役務を表示するためのものとして、需要者の間に広く認識されているという事実を認めることはできない。 加えて、前記(1)認定のとおり、本件商標と引用商標は商標において非類似のものである。 そうすると、本件商標に接する需要者は、これより引用商標を想起又は連想するものとはいえないから、本件商標は、これをその指定商品について使用しても、該商品が申立人又は申立人と業務上何らかの関係を有する者の取扱いに係る商品であるかのように、商品の出所について混同を生ずるおそれがある商標ということはできない。また、本件商標は、不正の目的をもって使用するものということもできない。 (3)むすび 以上によれば、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第11号、同第15号及び同第19号のいずれの規定にも違反してされたものではないから、同法第43条の3第4項の規定に基づき、維持すべきものである。 よって、結論のとおり決定する。 |
異議決定日 | 2008-06-19 |
出願番号 | 商願2006-27919(T2006-27919) |
審決分類 |
T
1
651・
271-
Y
(Y09)
T 1 651・ 222- Y (Y09) T 1 651・ 262- Y (Y09) |
最終処分 | 維持 |
前審関与審査官 | 小畑 恵一、土井 敬子 |
特許庁審判長 |
渡邉 健司 |
特許庁審判官 |
酒井 福造 鈴木 修 |
登録日 | 2007-08-10 |
登録番号 | 商標登録第5069994号(T5069994) |
権利者 | 株式会社スリーソフト |
商標の称呼 | ユビクハン、ユビカン、ユビハン、ユビカーン、ユビハーン |
代理人 | 溝部 孝彦 |
代理人 | 有吉 修一朗 |
代理人 | 古谷 聡 |
代理人 | 西山 清春 |