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審決分類 審判 全部申立て  登録を維持 Y30
審判 全部申立て  登録を維持 Y30
管理番号 1181309 
異議申立番号 異議2007-900505 
総通号数 104 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2008-08-29 
種別 異議の決定 
異議申立日 2007-10-26 
確定日 2008-07-09 
異議申立件数
事件の表示 登録第5065548号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 登録第5065548号商標の商標登録を維持する。
理由 第1 本件商標
本件登録第5065548号商標(以下、「本件商標」という。)は、「ケフィア倶楽部の」及び「ピュアメープルシロップヌーボー」の文字を上下2段に横書きしてなり、平成18年8月8日に登録出願、第30類「メープルシロップ」を指定商品として、平成19年7月27日に設定登録されたものである。

第2 登録異議申立ての理由
1 引用商標
登録異議申立人(以下、「申立人」という。)が引用する登録商標は、次の(1)ないし(3)である。
(1)登録第2262655号商標は、別掲(ア)のとおりの構成からなり、昭和63年1月8日に登録出願、第31類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、平成2年9月21日に設定登録され、その後、平成12年9月5日に商標権の存続期間の更新登録がされたものである。
(2)登録第2302006号商標は、「NOOBOW」の文字を書してなり、昭和63年4月13日に登録出願、第31類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、平成3年2月27日に設定登録されたものである。その後、平成13年2月27日に商標権の存続期間の更新登録がされ、また、指定商品については、平成13年5月23日に、第1類、第5類及び第29類ないし第32類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品とする書換登録がされたものである。
(3)登録第4634171号商標は、別掲(イ)のとおりの構成からなり、平成13年5月23日に登録出願、第16類、第24類、第25類、第29類、第30類、第33類及び第34類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、平成15年1月10日に設定登録されたものである。
(以下、これらを併せて「引用商標」という。)
2 理由の要旨
本件商標の登録は、以下の(1)又は(2)により取り消されるべきものである。
(1)商標法第4条第1項第16号に該当する。
本願の指定商品は、「カエデの木から採取した樹液を原料とするシロップ」であり、第32類の「清涼飲料 果実飲料」に包含される商品「シロップ」のうち、「カエデの木から採取した樹液を原料とする」シロツプである。該商品「シロップ」は、飲料商品であり、第30類の調味料とは、明確に相違する商品である。
しかし、本件商標のうち、下段には、片仮名で「ピュアメープルシロップヌーボー」と記載されており、該表示のうち、「メープルシロップ」の部分は、第30類の調味料に属する商品「メープルシロップ」の普通名称と認められる。
したがって、本件商標に接する取引者及び需要者は、本件商標が表示された「カエデの木から採取した樹液を原料とするシロップ飲料水」を、調味料として、その品質を誤認するおそれがあり、本件商標は商標法第4条第1項第16号に該当するものであり、同法第15条第1項により拒絶されるべきものである。
なお、前記「カエデの木から採取した樹液を原料とするシロップ」を、例えば「メープルシロップ」に修正する補正等、第32類を第30類に変更する補正は、要旨を変更するものであり、これは一切認めることはできない。第32類の「清涼飲料 果実飲料」と第30類の「角砂糖果糖 氷砂糖 砂糖 麦芽糖 はちみつ ぶどう糖 粉末あめ水あめ」とは、他類間で類似していないことは勿論のこと、備考類似の関係にもない。そして、前記「カエデの木から採取した樹液を原料とするシロップ」という指定商品の表示は、第32類の「清涼飲料 果実飲料」に包含される商品「シロップ」のうち、「カエデの木から採取した樹液を原料とするシロップ」であることは明白であるため、これを第30類の「メープルシロップ」に変更することは、適正な指定商品の表示を無視することとなり、ひいては、補正によって出願日が遡及すると、第30類における他人の期待権を剥奪することにもなる。
(2)商標法第4条第1項第11号に該当する。
また、たとえ前記の補正が認められるとしても、前述のとおり、本件商標の下段の文字は「ピュアメープルシロップヌーボー」と片仮名で書されており、一方で、「ピュア」は「純粋の」を表す英語「PURE」を表示するものであると共に「メープルシロップ」は、指定商品「メープルシロップ」の普通名称と認められ、いずれも識別力のない部分であるため、本件商標の下段の文字からは「ヌーボー」の称呼が生ずる。
したがって、同様に「ヌーボー」の称呼が生ずる引用商標と、それぞれ類似するものであり、また、引用商標と指定商品においても、それぞれ同一又は類似のものである。

第3 当審の判断
1 商標法第4条第1項第16号への該当性について
本件商標に係る願書の記載によれば、本件商標の商品及び役務の区分及び指定商品の表示は、登録出願当初は「第32類」「カエデの木から採取した樹液を原料とするシロップ」とするものであったが、原審において、商標法第6条第2項の要件を具備しないとする拒絶理由通知に対応して、「第30類」「メープルシロップ」と補正され、当該商品について登録査定及び設定登録がなされたものである。
ところで、「メープルシロップ」とは、「北アメリカ産の砂糖楓(さとうかえで)の樹液の濃縮液。ホット‐ケーキなどにかける。楓糖蜜。」であり、また「シロップ」とは、「濃厚な砂糖溶液。単舎利別(たんシヤリベツ)。シラップ。砂糖蜜。果実シロップに同じ。」(株式会社岩波書店 広辞苑第五版)を指す用語である。
以上を勘案した上で、願書に記載の指定商品の表示「カエデの木から採取した樹液を原料とするシロップ」をみれば、これは、申立人が主張するような飲料としてのシロップとして理解するよりは、まさに「メープルシロップ」の概念に合致する「『カエデの木から採取した樹液を原料とする』ところの『シロップ(濃厚な砂糖溶液)』」とみるのが自然である。また、「果実シロップ」のように飲料として供される類のものであるとすべき明確な理由もなく、出願人も指定商品を「メープルシロップ」と解することについて何ら異議を留めていない。
そこで、本件商標についてみると、本件商標は、その構成中の下段に「ピュアメープルシロップヌーボー」と表されており、「メープルシロップ」の文字を有するものであるから、これに着目して当該商品が「メープルシロップ」であると認識される場合があるというべきである。しかるところ、本件商標は、「メープルシロップ」を指定商品とするものであるから、これをその指定商品に使用しても、商品の品質について何ら誤認を生ずるおそれはないものである。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第16号に該当するものではない。
なお、指定商品が「飲料」の範疇に属するものであることが明らかである場合に、これを飲料とは異なる商品に変更する補正は、その要旨を変更するもので許容されないものである。しかしながら、本件商標の指定商品の表示からすれば、当初の指定商品が「飲料」の範疇に属するものであることが明らかであるとはいえず、むしろ、その記載からして「メープルシロップ」を指定したものであるとの認定は妥当というべきであるから、本件に関する当該補正は要旨を変更し許されないものとすべきものではない。
2 商標法第4条第1項第11号への該当性について
本件商標は、「ケフィア倶楽部の」の文字を太字で大きく表し、その下段に小さく、「ピュアメープルシロップヌーボー」と表した構成のものであるところ、かかる構成態様においては、下段の文字に比して、顕著に大書された上段の「ケフィア倶楽部の」文字部分が自他商品の識別上殊に強い印象を与えるのが自然である上、さらに下段に表された文字は、構成各文字が同じ大きさ、同じ書体、等間隔で一連に表されており、これより殊更「ヌーボー」の文字部分を抽出しこれより生ずる称呼をもって取引に資されるとすべき格別の理由もないというべきである。
してみると、本件商標から「ヌーボー」の称呼をも生ずるとした上で、引用商標と称呼において類似するものであると判断することはできない。
他に、外観或いは観念において、本件商標が引用商標に類似する商標であるとすべき理由はない。
したがって、本件商標は、称呼、外観及び観念のいずれからみても、引用商標と類似する商標ではないから、商標法第4条第1項第11号に該当するということはできない。
3 むすび
以上のとおり、本件商標は商標法第4条第1項第16号及び同項第11号に違反して登録されたものではないから、同法第43条の3第4項の規定に基づき、その登録は維持すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
別掲 別掲
(ア)


(イ)



異議決定日 2008-06-23 
出願番号 商願2006-74210(T2006-74210) 
審決分類 T 1 651・ 26- Y (Y30)
T 1 651・ 272- Y (Y30)
最終処分 維持  
前審関与審査官 大橋 信彦 
特許庁審判長 林 二郎
特許庁審判官 小畑 恵一
杉山 和江
登録日 2007-07-27 
登録番号 商標登録第5065548号(T5065548) 
権利者 株式会社ケフィア倶楽部
商標の称呼 ケフィアクラブノピュアメープルシロップヌーボー、ケフィアクラブノ、ケフィアクラブ、ピュアメープルシロップヌーボー、ピュアメープルシロップ、ピュアメープル、メープルシロップヌーボー、ヌーボー 
代理人 中尾 真一 
代理人 磯野 政雄 

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