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審決分類 審判 全部申立て  登録を維持 Y1825
審判 全部申立て  登録を維持 Y1825
審判 全部申立て  登録を維持 Y1825
審判 全部申立て  登録を維持 Y1825
管理番号 1181289 
異議申立番号 異議2007-900409 
総通号数 104 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2008-08-29 
種別 異議の決定 
異議申立日 2007-08-21 
確定日 2008-06-14 
異議申立件数
事件の表示 登録第5053523号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 登録第5053523号商標の商標登録を維持する。
理由 1 本件商標
本件登録第5053523号商標(以下「本件商標」という。)は、「オンリー」及び「ONLY」の文字を上下二段に横書きしてなり、平成18年10月27日に登録出願され、第18類「かばん類,袋物」及び第25類「洋服,コート,セーター類,ワイシャツ類,寝巻き類,下着,水泳着,水泳帽,ずきん,すげがさ,ナイトキャップ,ヘルメット,帽子,ガーター,靴下止め,ズボンつり,バンド,ベルト,スニーカー,その他の履物」を指定商品として同19年6月8日に設定登録されたものである。

2 登録異議申立ての理由の要点
(1)本件商標は、登録異議申立人(以下「申立人」という。)の関連会社である「Bestseller A/S」(以下「ベストセラー社」という。)が「被服」について使用する周知・著名な商標「ONLY」(以下「引用商標」という。)と類似するものであり、かつ、「被服」は本件商標の指定商品と類似するものであるから、商標法第4条第1項第10号に該当する。
(2)引用商標は、「被服」について我が国において著名な商標であり、本件商標をその指定商品に使用した場合には、その商品の需要者がこれを「ベストセラー社」の業務に係る商品であると混同するおそれがあるから、本件商標は商標法第4条第1項第15号に該当する。
(3)本件商標権者は、外国において周知・著名な引用商標の存在を知りながら、その顧客吸引力にフリーライドする等の不正の目的で引用商標に類似する本件商標を出願し登録を受けたものであるから、本件商標は商標法第4条第1項第19号に該当する。
(4)本件商標権者は、引用商標の業務上の信用にフリーライドする意図をもって本件商標を出願し登録を登録したものであって、かかる商標の登録を認めるならば、公正な競業秩序の維持が図れなくなり、公序良俗に反するものであるから、本件商標は商標法第4条第1項第7号に該当する。

3 当審の判断
(1)本件商標の商標法第4条第1項第10号該当性について
(ア)申立人は、引用商標はベストセラー社が「被服」について使用する商標として我が国において周知・著名である旨主張し証拠を提出している。
しかしながら、提出された証拠は、ウェブサイトの写し、商品カタログの写し、店舗リストの写し等であり、引用商標を使用した商品についてマス・メディア等を通じて宣伝広告がされた事実を具体的に示すものはなく、しかも、殆どが英文によるものであるし、これらが我が国において広く一般に紹介されていることを示す証左もない。
そうすると、引用商標がヨーロッパを中心に「女性用被服」について使用されていることが窺えるとしても、その周知性の程度は必ずしも明らかでないし、まして、我が国において取引者、需要者の間に広く認識されているものとは認めることはできない。
その他、申立人は、世界各国で引用商標が登録されているとして各国の登録証の写しを提出しているが、商標登録の事実のみによって当該商標が当然周知・著名になるものではないことはいうまでもなく、該証拠のみによって、引用商標が取引者、需要者の間に広く認識されているものと認めることはできない。
(イ)以上からすれば、本件商標と引用商標とが類似するものであり、かつ、本件商標の指定商品と引用商標の使用に係る商品とが類似するものであるとしても、本件商標は、商標法第4条第1項第10号に該当するものということはできない。
(2)本件商標の商標法第4条第1項第15号該当性について
上記(1)(ア)のとおり、引用商標は我が国において取引者、需要者の間に広く認識されているものとは認められないし、元来、「ONLY」の文字は、「唯一の、ただ…だけの」等の意味を有する英単語として我が国においても親しまれた語であり、独創性のある創造語ではなく、強い自他商品識別性を有する語ではない。
そうすると、本件商標をその指定商品に使用しても、これに接する取引者、需要者が引用商標ないしは申立人(ベストセラー社)を連想、想起するようなことはないというべきであり、該商品が申立人又は同人と経済的・組織的に何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかの如く、その出所について混同を生ずるおそれはないものと判断するのが相当である。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当するものではない。
(3)本件商標の商標法第4条第1項第19号該当性について
前示のとおり、引用商標がヨーロッパを中心に「女性用被服」について使用されていることは窺えるとしても、その周知著名性については必ずしも明らかでなく、また、本件商標を構成する「オンリー」及び「ONLY」の文字は既成語として我が国においても親しまれた語であることからすれば、本件商標と引用商標とが偶然一致したものといわざるを得ない。
そして、申立人の提出に係る甲第15号証によれば、本件商標の商標権者が被服等のファッション関連商品の輸入卸業務を行っていること及び主な仕入れ先としてフランス、イタリア、香港等が上げられていることが認められるものの、他に、商標権者が引用商標ないしはベストセラー社の存在を知っていたことや、ベストセラー社の国内参入を阻止する目的等を具体的に示す証左はない。
そうすると、本件商標は、商標権者がベストセラー社の引用商標が周知・著名であることを知りながら、ベストセラー社の国内参入を阻止し、不正の利益を得る目的、申立人又はベストセラー社に損害を加える目的等の不正目的をもって使用するものとはいい難い。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第19号に該当するものではない。
(4)本件商標の商標法第4条第1項第7号該当性について
本件商標は、その構成自体がきょう激、卑わい、差別的若しくは他人に不快な印象を与えるような文字からなるものではないし、これをその指定商品に使用することが社会公共の利益に反し、又は社会の一般的道徳観念に反するものともいえない。また、本件商標は、他の法律によって、その使用が禁止されているものものとはいえないし、国際信義に反するものともいえない。
申立人は、引用商標の著名性、商標権者の商標出願状況や業務内容に鑑み、本件商標は、引用商標の業務上の信用にフリーライドするものであり、公正な競業秩序が維持できず、公序良俗に反するものである旨主張するが、前示のとおり、引用商標の周知・著名性は認められないし、本件商標が引用商標の業務上の信用にフリーライドするものともいえないことに加え、上記のとおりの構成からなる本件商標が直ちに公の秩序又は善良の風俗を害するおそれがあるものともいえないから、申立人の主張は採用することができない。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第7号に該当するものではない。
(5)まとめ
以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第7号、同項第10号、同項第15号及び同項第19号のいずれの規定にも違反して登録されたものではないから、同法第43条の3第4項の規定に基づき、その登録を維持すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
異議決定日 2008-05-28 
出願番号 商願2006-100400(T2006-100400) 
審決分類 T 1 651・ 22- Y (Y1825)
T 1 651・ 222- Y (Y1825)
T 1 651・ 25- Y (Y1825)
T 1 651・ 271- Y (Y1825)
最終処分 維持  
前審関与審査官 平澤 芳行 
特許庁審判長 中村 謙三
特許庁審判官 末武 久佳
前山 るり子
登録日 2007-06-08 
登録番号 商標登録第5053523号(T5053523) 
権利者 株式会社サン・アロー
商標の称呼 オンリー 
代理人 足立 泉 
代理人 青木 博通 
代理人 柳生 征男 
代理人 青島 恵美 
代理人 中田 和博 

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