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審決分類 審判 査定不服 商3条1項3号 産地、販売地、品質、原材料など 登録しない Y3943
管理番号 1181260 
審判番号 不服2006-27210 
総通号数 104 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2008-08-29 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2006-11-01 
確定日 2008-07-11 
事件の表示 商願2006- 32519拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。
理由 1 本願商標
本願商標は、「極上の旅」の文字からなり、第39類、第41類及び第43類に属する願書に記載のとおりの役務を指定役務とし、平成17年8月12日に商標登録出願された商願2005-79721に係る商標法第10条第1項の規定による商標登録出願として、第39類「鉄道による輸送,車両による輸送,道路情報の提供,船舶による輸送,航空機による輸送,貨物の輸送の媒介,船舶の貸与・売買又は運航の委託の媒介,主催旅行の実施,旅行者の案内,旅行に関する契約(宿泊に関するものを除く。)の代理・媒介又は取次ぎ,有料道路の提供,係留施設の提供,自動車の貸与,船舶の貸与,車いすの貸与,自転車の貸与,航空機の貸与」,第43類「宿泊施設の提供,宿泊施設の提供の契約の媒介又は取次ぎ,飲食物の提供」を指定役務として、同18年3月29日に登録出願されたものである。

2 原査定の拒絶の理由の要点
原査定は、「本願商標は、『極めて上等な旅』であることを認識させる『極上の旅』の文字を普通に用いられる方法で表示してなるものであるから、これを本願指定役務中、『主催旅行の実施,旅行者の案内,旅行に関する契約(宿泊に関するものを除く。)の代理・媒介又は取次ぎ、宿泊施設の提供,宿泊施設の提供の契約の媒介又は取次ぎ,飲食物の提供』に使用しても、これに接する需要者は、旅の内容が上等であることを理解するにとどまり、単に役務の質(内容)を表示するにすぎないから、商標法第3条第1項第3号に該当する。」旨認定、判断し本願を拒絶したものである。

3 当審の判断
本願商標は、上記のとおり、「極上の旅」の文字からなるところ、これは、「きわめて上等なこと。最もすぐれていること。」等の意を有する「極上」の語と、「住む土地を離れて、一時他の土地に行くこと。旅行。」等の意を有する「旅」の語を(いずれも「株式会社岩波書店 広辞苑第五版」)、格助詞「の」によって結合したものであり、原審の説示のとおり、全体として「極めて上等な旅」といった意味合いを看取させるものといえる。
そして、旅行業者が企画又は受託販売する企画旅行等について、例えば、移動手段にビジネスクラスの航空座席を利用する。宿泊施設に高級旅館・高級ホテルといわれる上質の宿を利用する。また、自宅から空港までの送迎車がつく等、その企画の内容が上質であることを紹介する際に、旅行業者や企画旅行の検索サイトを運営する者等が、この「極上の旅」の語を使用している事例が多数見受けられる(「拒絶査定における例示」及び、以下の「ウエブサイトにおける検索情報」を参照のこと)。
(1)「H.I.S.銀座ヴィヴァレット ビジネスクラス・ファーストクラス旅行専門店」の見出しのウエブページにおいて、「上質な旅を知るお客様へ極上の旅のコンテンツをご用意しております。」との記載がある(www.his-j.com/tyo/business/info/gnzsalon.htm)。
(2)「H.I.S.関西発海外ツアー/バリ島方面JALエグゼクティブクラス利用」の見出しのウエブページにおいて、「バンコク.JALエグゼクティブクラスで行く!極上の旅4・5日間」との記載がある(www.his-j.com/kix/business/tour/0331ml_vtb-dps-exe.html)。
(3)「ビジネスクラスで行くツアー 海外旅行情報エイビーロード」の見出しのウエブページにおいて、「HIS梅田ビジネスクラス専門サロン極上の旅がここからはじまります。H.I.S.世界各国へのビジネスクラスで行くツアーや航空券等の手配をHISの中でも選び抜かれた専門スタッフがゆったりとした大阪梅田のサロンで対応致します。」との記載がある(www.ab-road.net/theme_pkg/business/)。
(4)株式会社JTBの広報室がウエブサイト上で発行する「NewsRelease」の記事中に、「都道府県を極める ふたりの夢の休日を発売・・佐賀県 大陸文化が薫る港町 佐賀極上の旅3日間」との記載がある(www.jtbcorp.jp/scripts_hd/image_view.asp?menu=news=00001_no=831)。
(5)「MasterCard海外優待ガイド」の見出しのウエブページにおいて、「ビジネスクラスで行く極上の旅 最大参加人員を16名様と限定し、きめ細やかなサービスを実現したワンランク上の高品質なツアーです。往復のフライトは快適なビジネスクラスを利用、宿泊は伝統と格式を誇る最高級ホテル、そして地元の味覚を十分に堪能」との記載がある(www.mastercard.com/jp/cardholderservices/guide/paris/ctour_index.html )。
(6)「YAHOO!トラベル国内ツアー予約 ツアー一覧」の見出しのウエブページにおいて、「日本航空で行く極上の旅 北海道【洞爺】ザ・ウィンザーホテル洞爺 リゾート&スパ3日間」との記載がある(domestic.tour.travel.yahoo.co.jp/bin/search?to=100&pr=1&sort=3&num=20&page=1)。
(7)「国内1泊24万円もナットク!?究極の国内旅行は、ロールスロイスで自宅」の見出しのウエブページにおいて、「選ばれし『極上の旅』は強羅花壇(神奈川県・強羅)、京風懐石 海石榴(神奈川県・湯河原)、柳生の庄(静岡県・修善寺)、清流荘(静岡県・蓮台寺)など著名な名旅館ばかり。」との記載がある(www.vividcar.com/cgi-bin/WebObjects/f1b8d82887.woa/wa/read/117af35df34/ )。
(8)「あなたを誘う上質の旅 MSNトラベル」の見出しのウエブページにおいて、「極上の旅.あなたを誘う上質の旅」との記載がある(tour.travel.jp.msn.com/highclass/)。
(9)「楽天@旅の窓口で思い出作り」の見出しのウエブページにおいて、「極上の旅もあれば格安の旅行もあります。」との記載がある(tabinomado.blog91.fc2.com/blog-category-15.html )。
(10)「AIR FRANCE HOLIDAYS ツアー一覧」の見出しのウエブページにおいて、「すべてがご満足いただける最上級のツアーをご用意。優雅で極上の旅をお楽しみください。」との記載がある(www.myu-infa.jp/air_france_holidays/tour/index.html )。

更に、旅で利用する宿泊施設に関連しても、前記のとおり、企画旅行等において、上質の宿を利用する際に当該「極上の旅」が使用されている他、宿泊施設が提供する宿泊プラン等について、例えば、上質の料理を提供する。宿泊に関する設備が充実している。また、各室に露天風呂を備えている等、その宿泊プランの内容が上質であることを紹介する際に、旅館業者や旅行業者及び、企画旅行や宿泊施設の検索サイトを運営する者等が、当該「極上の旅」の語を使用している事例が多数見受けられる(「拒絶査定における例示」及び、以下の「ウエブサイトにおける検索情報」を参照のこと)。
(1)「ホテルつるみの宿泊予約 ぐるなびトラベル」の見出しのウエブページにおいて、「ホテルつるみの宿泊予約はぐるなびトラベルがお得!ホテルつるみの人気宿泊プラン情報を中心に地元の旬の素材を使った会席。新鮮さはもちろんそのボリューム、お人気です。心ゆくまで堪能して頂き極上の旅を」との記載がある(y.gnavi.co.jp/105532/)。
(2)「香川・徳島の旅行ならおまかせ!あなぶきトラベル」の見出しのウエブページにおいて、「極上の旅シリーズ『ロイヤルセレクション』へのお誘い 本物志向の穴吹ツアーの中でもさらにこだわった『ロイヤルセレクション極上の旅』シリーズ 一般ツアーでは宿泊できない『極上の宿』で過ごす優雅な休日」との記載がある(www.anabukitravel.jp/royal/)。
(3)温泉宿・リゾートホテルの予約&検索「全国お出かけ宿検索」/OZmall」の見出しのウエブページにおいて、「『お花見』をコンセプトにしたホスピタリティあふれる湯宿で、極上の旅をかなえて。通常客室のほかに、露天風呂付き客室『六庄庵』と広縁付きの『花庄庵』があり」との記載がある(www.ozmall.co.jp/spotsearch/result.aspx?preferenceid=54&preferenceid2=3_54 )。
(4)「沖縄旅行・沖縄ツアーの格安旅行・格安ツアー【大阪発】」の見出しのウエブページにおいて、「ホテル日航アリビラ スパニッシュコロニアル風の外観と美しい空間インテリア、温かなサービスの高級リゾートホテル。全室オーシャンビューの人気No1豪華リゾートで極上の旅をご体感ください。」との記載がある(www.needstour.com.p.fn.to/okinawa/index.html)。
(5)「部屋付き露天風呂のある宿〈個室露天風呂付き客室のある温泉宿の予約〉」の見出しのウエブページにおいて、「客室露天風呂のある旅館で、極上の旅の休日をお楽しみ下さいませ。」との記載がある(www.rotenroom.com)。
(6)「優雅に味わう極上の旅、奥伊根温泉「油屋」を満喫!!兵庫トラベル」の見出しのウエブページにおいて、「優雅に味わう極上の旅、奥伊根温泉『油屋』を満喫!!」との記載がある(www.hyotora.com/8044_aburaya/8044_aburaya.html)。
(7)「ぶらり日本の旅・新潟市内ホテル旅館民宿検索」の見出しのウエブページにおいて、「ゆったりと極上の旅を味わっていただける温泉宿『海華亭かわい』」との記載がある(burari.biz/syukuhaku/16niigata/05niigata/index.htm)。
(8)「らくだ倶楽部 検索結果」の見出しのウエブページにおいて、「下田温泉黒船ホテル 全ての客室・展望風呂から黒船来航の下田港を目下に一望できます。露天風呂からの開放感、のんびりとくつろげる和風客室でリラックスした極上の旅をご堪能下さい。」との記載がある(www.rakudaclub.com/list/list2.asp?key_type=k_date&num_persons=2&price=&states=&area=&)。
(9)「ホテルマウント富士 山梨県南都留郡山中湖村 Yahoo地域情報」の見出しのウエブページにおいて、「OZ限定の温泉宿泊プラン。館内ほとんどの場所から雄大な富士山を眺められる絶景のリゾートホテルで極上の旅を」との記載がある(local.yahoo.co.jp/detail/spot/c5f1c8593789883f13657879c62d52f5/ )。

以上のとおり、「極上の旅」の文字からなる本願商標は、旅行業者や旅館業者、また、企画旅行や宿泊施設に関する情報の提供をする者等により、それぞれが提供する役務の内容が極めて上質であることを表すものとして、多数使用されている事実が認められる。
そうとすると、本願商標は、これをその指定役務中の旅に関連する役務である「主催旅行の実施,旅行者の案内,旅行に関する契約(宿泊に関するものを除く。)の代理・媒介又は取次ぎ,宿泊施設の提供,宿泊施設の提供の契約の媒介又は取次ぎ」に使用するときには、その役務の内容が極めて上質であることを認識させるもの、すなわち、役務の質を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標というべきであって、自他役務の識別標識としての機能を果たし得ないものである。
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当する。
なお、請求人は、「本願商標は商標法第3条第1項第3号の立法趣旨にてらし拒絶すべきでない。」旨主張するが、上記のとおり、本願商標は、役務の質を表示するものとして、多数の者が使用しているものであるから、取引に際し必要適切な表示として何人もその使用を欲するものであり、特定人に独占使用を認めることは公益上適当でなく、また、自他役務識別力を欠き商標としての機能を果たし得ないものと判断するのが相当である。
また、請求人は、「本件商標と同一の商標が雑誌、新聞及び電子新聞・雑誌の提供についてその識別力を認められ登録されている。」旨主張するが、新聞、雑誌等の定期刊行物は、毎号その記事内容が異なるため、これらのタイトルが直ちに内容表示になるとはいえないという特殊事情により、他の商品・役務と取扱いを異にしているものであるから、請求人の主張する登録例をもって、本願の判断が左右されるものではない。
さらに、請求人は、「原査定は本願の指定役務に含まれない役務について拒絶の認定、判断をしているから判断の前提を欠く誤りがある。」旨主張するが、原査定の拒絶の理由は、前記2のとおり、本願の指定役務に含まれる役務について拒絶の認定、判断をしているものであるから判断の前提を欠くものではない。
したがって、本願商標を商標法第3条第1項第3号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、妥当なものであって取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
審理終結日 2008-04-24 
結審通知日 2008-05-09 
審決日 2008-05-21 
出願番号 商願2006-32519(T2006-32519) 
審決分類 T 1 8・ 13- Z (Y3943)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 山田 和彦 
特許庁審判長 小林 由美子
特許庁審判官 前山 るり子
日向野 浩志
商標の称呼 ゴクジョーノタビ、ゴクジョーノ 
代理人 河野 敬 

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