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この審決には、下記の判例・審決が関連していると思われます。
審判番号(事件番号) データベース 権利
不服200723042 審決 商標
不服200822689 審決 商標
不服200624998 審決 商標
不服20032069 審決 商標
不服200822690 審決 商標

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審決分類 審判 査定不服 商3条1項3号 産地、販売地、品質、原材料など 登録しない Y1434
審判 査定不服 商3条2項 使用による自他商品の識別力 登録しない Y1434
審判 査定不服 商4条1項16号品質の誤認 登録しない Y1434
管理番号 1181222 
審判番号 不服2005-3198 
総通号数 104 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2008-08-29 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2005-02-24 
確定日 2008-07-10 
事件の表示 商願2003-106135拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。
理由 第1 本願商標
本願商標は、別掲に示すとおりの構成よりなり、第14類「貴金属製喫煙用具」及び第34類「ライター,その他の喫煙用具(貴金属製のものを除く。)」を指定商品として、平成15年11月14日に立体商標として登録出願されたものである。

第2 原査定の拒絶の理由の要点
原査定は、「本願商標は、指定商品との関係よりすれば、その商品『ライター』の形状の一形態を認識させる立体的形状よりなるから、これを本願指定商品中『ライター』に使用しても、単に商品の形状を普通に用いられる方法で表示するにとどまるものと認める。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記商品以外の商品に使用するときは、商品の品質の誤認を生ずるおそれがあるので、同法第4条第1項第16号に該当する。なお、出願人は、使用による識別性を主張し、その証拠資料を提出しているが、使用に係る商標の立体的形状部分のみが独立して、自体商品を識別するための出所表示として機能を有するに至っているとは認められない。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。

第3 当審における証拠調べ通知
当審において、本願商標が商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するか否かについて、職権に基づく証拠調べをした結果、下記の事実を発見したので、請求人に対し、商標法第56条第1項で準用する特許法第150条第5項の規定に基づき通知した内容は、以下のとおりである。
1.本願商標と同様な形状で、意匠に係る物品を「ライター」として請求人以外の者によって意匠登録されたものがある。
(1)登録第395160号、登録第387524号、登録第113006号ないし登録第113009号、登録第139677号、登録第139678号

2.図書において、本願商標と同様な形状と判断される請求人以外の者によって製造等された「ライター」(以下、「実物」という。)が、以下のとおり見受けられる。
(1)「日本の喫煙具」昭和41年3月(社)専売事業協会 発行 273頁には、「13 ブロンズ本形ライター オーストラリア」及び「15 銀製ライター オーストラリア」との記載と実物が掲載されている。
(2)「喫煙具業界史」昭和63年10月(社)日本喫煙具協会 発行 10頁に「大正初期,国産の三段ライター」、11頁に「ソーレン型」、63頁に「たばこデザインライターの一部」、77頁「ボックス型ライター」との記載と実物が掲載されている。
(3)グリーンアロー・グラフィティ9「ライター博物館」 平成9年5月1日 (株)グリーンアロー出版社 発行 6頁ないし13頁に「VUライターの魅力」、15頁に「日本南極地域観測隊のオフィシャルはプリンスのラッキーだ。」、16頁及び17頁に「アメリカの定番 100%アメリカ製で有名なジッポー以外に純アメリカンがあった 上の写真を見たいただきたい。ジッポーライターにソックリなこのライター・・・・・このパークアベニュー社製のライターはその構造・・・」、18頁に「オキュパイド・ジャパンも定番だ!ジッポー型のエボナイト製ライター」の表題の下、「1930年代に生産されていたエボナイト製ライター2種。面白いことにどちらもジッポーの街ブラッドフォードで作られていた。・・・」、22頁及び23頁に「Z-301 ないしZ-304 Z-101 ZL-101」、48頁に「RONSON」との記載及びいずれも実物が掲載されている。

3.インターネット利用の情報検索によれば、実物が、以下のとおり見受けられる。
(1)「ZLT14 リバプール/LIVERPOOL ZIPPO型ライター(赤)」との記載と実物が掲載されている。
http://www.store-mix.com/ko-bai/product.php?pid=153780
(2)「ヨーロッパ各チームのZIPPO型ライター!」との記載と実物が掲載されている。
http://www.mmt-sports.com/cgi/list.cgi?ctg_id=raiter0001
(3)「ローゼンメイデンZIPPO型ライター (注)ZIPPOではありません!ZIPPO型です。」との記載と実物が掲載されている。
http://shop.2ch.net/item_data.php?d_id=21097
(4)「即決★ガンダム◆シャー ZIPPO型ライター」 との記載と実物が掲載されている。
http://page10.auctions.yahoo.co.jp/jp/auction/m29016112
(5)「ハイテク機能!ペンギン リーンバーン バーティカル」との記載と実物が掲載されている。(意匠登録第387524号の権利者と同一人の製造と判断される。)
http://www.netprice.co.jp/netprice/library/goods/105759/

第4 職権証拠調べに対する意見
1.これら意匠登録は、表面に付された模様などに創作のポイントがあり、この点が認められて登録されたものである。これら意匠登録が存在していても、本願商標の登録適確性になんら影響するものではない。
2.図書について、ジッポーライターとは全体形状の縦横比が異なるように見受けられ、また、当該ライターが如何なる者の下でどの程度流通されたのかは不明であって、本願商標の出所表示への影響は無いものと思われ、本願商標の登録適確性になんら影響するものではない。
3.ウエブサイトの例は、上記、偽物や非真正品のように見受けられる。ご指摘のものの存在自体は本願商標の登録適確性になんら影響するものではない。

第5 当審の判断
(1)立体商標は、商品若しくは商品の包装又は役務の提供の用に供する物(以下「商品等」という。)の形状も含むものであるが、商品等の形状は、本来それ自体の持つ機能を効果的に発揮させたり、あるいはその商品等の形状の持つ美感を追求する等の目的で選択されるものであり、本来的(第一義的)には商品・役務の出所を表示し、自他商品・役務を識別する標識として採択されるものではない。
そして、商品等の形状に特徴的な変更、装飾等が施されていても、それは、前示したように、商品等の機能、又は美感をより発揮させるために施されたものであって、本来的には、自他商品を識別するための標識として採択されるのではなく、全体としてみた場合、商品等の機能、美感を発揮させるために必要な形状を有している場合には、これに接する取引者、需要者は当該商品等の形状を表示したものであると認識するにとどまり、このような商品等の機能又は美感に関わる形状は、多少特異なものであっても、未だ、商品等の形状を普通に用いられる方法で表示するものの域を出ないと解するのが相当である。
また、商品等の形状は、同種の商品等にあっては、その機能を果たすためには原則的に同様の形状にならざるを得ないものであるから、取引上何人もこれを使用する必要があり、かつ、何人もその使用を欲するものであって、一私人に独占を認めるのは妥当でないというべきである。
そうとすれば、商品等の機能又は美感とは関係のない特異な形状である場合はともかくとして、商品等の形状と認識されるものからなる立体的形状をもって構成される商標については、使用をされた結果、当該形状に係る商標が単に出所を表示するのみならず、取引者、需要者間において当該形状をもって同種の商品等と明らかに識別されていると認識することができるに至っている場合を除き、商品等の形状を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標として商標法第3条第1項第3号に該当し、商標登録を受けることができないものと解すべきである。
(2)これを本願商標についてみると、本願商標は、別掲のとおりの構成よりなるところ、単にキャップの上部にやや丸みがある縦長のライターの一形態を表した立体的形状よりなるものと認められるから、これをその指定商品中「ライター」に使用しても、これに接する取引者、需要者は、商品の機能・美感等を発揮する目的で採択されたデザインとしての商品の形状の一形態を表示したものと理解するにとどまり、自他商品を識別するための標識とは認識し得ないと判断するのが相当である。
また、本願商標を「ライター」以外の指定商品に使用するときは、ライターであるかの如く、商品の品質の誤認を生ずるおそれがあるものといわなければならない。
これについて、請求人は、「本願商標であるライターの形状は、喫煙者やコレクターの間ではもはや説明が不要なほど周知著名なものであり、本願出願人の名を取って、日本は勿論全世界でジッポー(型)ライターと呼ばれているものである。かかる本願商標については、その独自の形状を以って十分に自他商品の識別力を有するものである。」旨主張している。
しかしながら、「ライター」を取り扱う業界においては、その取り扱う商品が掌中に収まる大きさで、ある程度特徴をもたせた多種多様な形状のライターを採用・販売していることは一般に行われているところであって、本願商標を構成するライターの特徴は、証拠調べ通知において示したとおり、商品の機能をより効果的に発揮させたり、美観をより優れたものにする等の目的で同種商品が一般に採用し得る範囲内のものであって、商品「ライター」の形状として予測しがたいような特異な形状や特異な印象を与える装飾的形状であるということはできない。
したがって、本願商標は、角が丸みを帯びた箱状のケースが上部1/3程から蓋部とケース下部とに分かれ側面に設けられたヒンジで繋がれることにより、蓋部が開閉するという特徴を持たせたことをもって、自他商品の識別機能を有するものと認めることはできず、商品の形状を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標というべきである。
(3)請求人は、本願商標は、使用により自他商品の識別力を獲得しているから、商標法第3条第2項の要件を具備している旨主張し、証拠方法として、原審において、参考資料1ないし8を、当審において甲第1号証ないし同第20号証(枝番を含む。)を、それぞれ提出しているので、本願商標が商標法第3条第2項の要件を具備するか否かについて検討する。
出願に係る商標が、指定商品に係る商品等の形状を表示するものとして商標法第3条第1項第3号に該当する場合に、それが同条第2項に該当し、登録が認められるかどうかは、使用に係る商標及び商品等、使用開始時期及び使用期間、使用地域、当該商品等の販売数量等並びに広告宣伝の方法及び回数等を総合考慮して、出願商標が使用をされた結果、需要者が何人かの業務に係る商品であることを認識することができるものと認められるか否かによって決定すべきものであり、その場合に、使用に係る商標及び商品は、出願に係る商標及びその指定商品と同一の場合に限られるものである。
したがって、出願に係る商標が、商品等の立体的形状のみからなるものであるのに対し、使用に係る商標が立体的形状と文字、図形等の平面標章との組み合わせより構成されている場合には、両商標の全体的構成は同一でないことから、出願に係る商標については、使用により識別力を有するに至った商標と認めることができない。
ただし、使用に係る商標の全体を観察した場合、その立体的形状部分と出願に係る商標とが同一であり、その立体的形状が識別標識として機能するには、そこに付された平面標章部分が不可欠であるとする理由が認められず、むしろ平面標章部分よりも立体的形状に施された変更、装飾等をもって需要者に強い印象、記憶を与えるものと認められ、かつ、需要者が何人かの業務に係る商品等であることを認識することができるに至っていることの客観的な証拠(例えば、同業組合又は同業者等、第三者機関による証明)の提出があったときは、直ちに商標の全体的な構成が同一ではないことを理由として商標法第3条第2項の主張を退けるのではなく、提出された証拠から、使用に係る商標の立体的形状部分のみが独立して、自他商品又は役務を識別するための出所表示としての機能を有するに至っていると認められるか否かについて判断する必要があるというべきである。
立体的形状部分のみからなる本願商標が、独立して自他商品を識別するための出所表示としての機能を有するに至っていると認められるか否かについて検討する。
請求人が提出した参考資料2(ジッポーライターカタログ2004)、甲第1号証(ジッポー・コレクション図鑑)、甲第8号証(ZIPPO MAGAZINE ADVERTISING IN JAPAN 1976-1997)、甲第9号証(ジッポー社広告)を検討するに、使用に係る商標は、立体的形状からなるライターの表面に文字、模様、色彩等を組み合わせたものが圧倒的に多く、本願商標と形状において全体的構成が同一のものが極めて少ないものである、また、ライターの底部には、「ZIPPO」の文字や製造年月が判別できる、数字、点線、記号等を有するものであるから、立体的形状のみからなる本願商標と使用に係る商標とは構成において同一のものとは認められないから、これらの証拠によっては、本願商標に係る立体的形状部分のみが独立して、自他商品を識別するための出所表示としての機能を有するに至っているとは認められない。
そして、甲第4号証には、日本における販売実績、甲第5号証には、対日販売データ詳細(1999年1月分)、甲第6号証の1には、日本での広告予算データ(1991?2004)、甲第6号証の2には、日本での広告費用のインボイスが示されているが、これをもってしては、本願商標が使用され、需要者により、その形状部分のみが独立して請求人の取り扱いによる「ライター」を表示する商標であるとの認識がされる状態に至っているとの直接の証左とはいえないものである。
甲第10号証の1ないし8の喫煙用具を取り扱う販売店による証明は、あらかじめ準備されたものと推認される「証明書」と題する用紙を用いたものであり、その証明内容も証明者がどのような事実をもとに当該形状の周知性を証明したのかが明らかでなく、さらに、「当該立体的形状は、ズィッポー マニュファクチャリング カンパニの製造、販売するライター(いわゆるジッポー型ライター)の形状として、広く知られていること」との記述があるが、証明者が何をもって他者である「取引者及び需要者の認識の程度」を、即日のうちに証明できるのかも定かではないから、本証明は客観性に欠けるものである。
また、請求人は、「Zippo社ライター形状調査報告書」(甲第11号証)を提出し、「本願の立体的形状は大半の需要者にとって本願出願人の業務に係る商品であることを認識できるものであることが客観的にも確認された。」旨主張している。
しかしながら、該調査は、調査対象者が200人と少ないこと、調査対象者の地域区分が関東では東京都、関西では大阪府に集中していること及び本願商標と同一と認められるライターの形状をみて、請求人の業務に係る商品「ライター」を想起する者が56%にとどまることからして、これをもって本願商標が使用された結果、需要者により、その形状部分のみが独立して請求人の取り扱いに係る商品「ライター」を表示する商標であるとの認識がされるに至っているとの直接の証左とはいえないものである。
さらに、請求人は、諸外国における立体商標の登録例を挙げ、前記形状が自他商品識別力を有することは国際的にも認知されていると主張しているが、本願商標の登録の適否は、専ら我が国商標法の下において判断されるべきものであって、諸外国における登録状況等の事情をもって、左右されるべきものではない。
そして、請求人は、上申書に添付した「ZIPPO official shop list」(参考資料1)及びジッポー社創業70周年記念クイズ&アンケート応募集計報告(参考資料2)を提出し、「北海道から九州まで全国にオフィシャルショップの店舗があり、クイズ&アンケートの応募者は全国各地に分布していることから、本願商標が、特に全国的に認知されている。」と主張している。
しかし、ジッポー社のライターを取り扱うオフィシャルショップが全国にあること及びクイズとアンケートの応募者の6割がジッポー社のライターを保有していたことをもって、本願商標が使用された結果、需要者により、その形状部分のみが独立して請求人の取り扱いに係る商品「ライター」を表示する商標であるとの認識がされるに至っているとの直接の証左とはいえないものである。
その他、請求人提出の参考各資料、甲各号証を総合してみても、本願商標それ自体が自他商品の識別標識としての機能を有するに至っているとするには十分とはいえないものであるから、先の認定を覆すに足りない。

第6 結論
してみれば、本願商標が商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当し、同法第3条第2項の要件を具備していないとした原査定の認定、判断は妥当なものであって取り消すべき理由はない。
よって、結論のとおり審決する。
別掲 別掲 (本願商標)


審理終結日 2008-02-12 
結審通知日 2008-02-13 
審決日 2008-02-29 
出願番号 商願2003-106135(T2003-106135) 
審決分類 T 1 8・ 13- Z (Y1434)
T 1 8・ 17- Z (Y1434)
T 1 8・ 272- Z (Y1434)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 前山 るり子篠原 純子鈴木 修 
特許庁審判長 渡邉 健司
特許庁審判官 杉山 和江
平澤 芳行
代理人 村田 紀子 
代理人 大角 菜穂子 
代理人 武石 靖彦 
代理人 徳岡 修二 
代理人 特許業務法人みのり特許事務所 
代理人 重本 博充 
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