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審決分類 審判 査定不服 称呼類似 登録しない Y19
管理番号 1179228 
審判番号 不服2007-21741 
総通号数 103 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2008-07-25 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2007-08-06 
確定日 2008-05-23 
事件の表示 商願2006-56241拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。
理由 1 本願商標
本願商標は、別掲(A)に表示するとおりの構成よりなり、第19類に属する願書記載のとおりの商品を指定商品として、平成18年6月16日に登録出願され、その後、指定商品については、同19年4月4日付け手続補正書により、第19類「タール類及びピッチ類,建築用又は構築用の非金属鉱物,陶磁製建築専用材料・れんが及び耐火物,リノリューム製建築専用材料,プラスチック製建築専用材料,合成建築専用材料,アスファルト及びアスファルト製の建築用又は構築用の専用材料,ゴム製の建築用又は構築用の専用材料,しっくい,石灰製の建築用又は構築用の専用材料,石こう製の建築用又は構築用の専用材料,土砂崩壊防止用土留枠(金属製のものを除く。),盛土構築用格子(金属製のものを除く。),防音壁構築用格子(金属製のものを除く。),補強土壁構築用格子(金属製のものを除く。),護岸構造物構築用格子(金属製のものを除く。),湖岸の緑化構造物構築用格子(金属製のものを除く。),繊維製の落石防止網,不織布製の排水マットを取り付けた建築又は構築専用のネット,植生ネット,法面保護ネット(金属製のものを除く。),ジオテキスタイル,ジオコンポジット,ジオグリッド,植生機能を有する地盤用シート,その他の地盤用シート,ネットを取り付けた建築又は構築専用の不織布製吸出防止材,その他の不織布製の建築用又は構築用の専用材料,土壌及び肥料等を円柱形状に成形し種苗を入れる穴を有する植生基盤材料,その他の土壌及び肥料等からなる植生基盤材料,植生基盤材,植生被覆材,植生又は植裁のために種苗を入れて土中に挿し付ける植生ポット,建造物組立てセット(金属製のものを除く。),土砂崩壊防止用植生板,植生シート,植生マット,植生土のう,その他の土のう,法面設置用種子袋,法面設置用種子帯,法面設置用肥料袋,法面設置用肥料帯,法面設置用保水袋,法面設置用保水帯,窓口風防通話板,区画表示帯,セメント及びその製品,防虫処理を施した木材,防腐処理を施した木材,保護層を形成した木材,その他の木材,石材,建築用ガラス,人工魚礁(金属製のものを除く。),養鶏用かご(金属製のものを除く。),吹付け塗装用ブース(金属製のものを除く。),セメント製品製造用型枠(金属製のものを除く。),送水管用バルブ(金属製又はプラスチック製のものを除く。),道路標識(金属製又は発光式若しくは機械式のものを除く。),航路標識(金属製又は発光式のものを除く。),貯蔵槽類(金属製又はプラスチック製のものを除く。),ビット及びボラード(金属製のものを除く。),石製郵便受け,建具(金属製のものを除く。),灯ろう,可搬式家庭用温室(金属製のものを除く。),墓標及び墓碑用銘板(金属製のものを除く。),石製彫刻,コンクリート製彫刻,大理石製彫刻,鉱物性基礎材料」に補正されたものである。

2 引用商標
原査定において、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして引用した登録第400316号商標(以下、「引用商標1」という。)は、別掲(B)に表示するとおりの構成よりなり、昭和25年8月21日に登録出願、第36類「足袋、其他の被服」を指定商品として同26年7月3日に設定登録され、その後、商標権の存続期間の更新登録が4回なされ、さらに、平成14年2月13日に指定商品を、第25類「足袋,その他の被服(頭から冠る防虫網・あみ笠・すげ笠・ナイトキャップを除く。),運動用特殊衣服,マラソン足袋,地下足袋」とする指定商品の書換登録がなされたものである。
同じく、登録第4102412号商標(以下、「引用商標2」という。)は、別掲(C)に表示するとおりの構成よりなり、平成8年8月29日に登録出願、第19類「木材」を指定商品として、同10年1月16日に設定登録され、その後、同19年7月31日に商標権の存続期間の更新登録がなされたものである。

3 当審の判断
(1)本願商標と引用商標1との類否
本願商標は、前記1のとおり補正された結果、引用商標1の指定商品と同一又は類似する商品がすべて削除され、本願商標の指定商品とは類似しない商品になったものと認められるから、引用商標1について、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして拒絶した原査定の拒絶の理由は解消した。
(2)本願商標と引用商標2との類否
本願商標は、別掲(A)のとおり、黒色に塗りつぶした略円形(以下、「黒色円形」という。)内に、白抜きの太字で三角形を描き、該三角形内の各辺に接続するように「T」と思しき文字を白抜きの太字で描き(以下、「三角図形」という。)、該三角形の下端部に「TENRYU」の文字を同じく白抜きで書してなるものである。
ところで、一般に、簡易迅速を尊ぶ取引の実際においては、商標は、各構成部分がそれを分離して観察することが取引上不自然であると思われるほどにまで不可分的に結合していない限り、常に必ずその構成部分全体の名称によって称呼、観念されるというわけではなく、しばしば、その一部だけによって簡単に称呼、観念され、その結果、一個の商標から二個以上の称呼、観念が生ずることがあるのは、経験則の教えるところである。(最高裁判所第1小法廷昭和38年12月5日判決・民集17巻12号1621頁参照)と判示されているところである。
そこで、これを本願商標についてみると、黒色円形部分と三角図形部分及び「TENRYU」の文字部分とは、図形と文字との組み合わせからなるものであり、視覚上分離して看取され、かつ、これらを結合して特定の観念を生ずるものではないことからすれば、図形と文字との結びつきは、それを分離して観察することが不自然であると思われるほどに不可分的に結合しているものとは、認めることのできないものというべきである。
そうとすれば、本願商標は、「TENRYU」の文字部分が、独立して自他商品の識別標識としての機能を果たすものと判断するのが相当であるから、該文字部分をもって取引にあたる場合も決して少なくないものといわなければならない。
してみれば、本願商標からは、「TENRYU」の文字部分に相応して「テンリュー」の称呼、「竜神、天宮を守る竜」程の観念を生ずるものと認められる。
他方、引用商標2は、別掲(C)のとおり、「TENRYU EXT WOOD」の文字(「EXT」の文字の上に「エクスト」と振られている。)よりなるものであるところ、その構成中の「WOOD」の文字は、「木」を意味する語として理解され、また、「EXT」の文字は、「外部の、外国の」を意味する「exterior」若しくは「external」の略語として、語句を形容するために用いられるものである。このような意味を有する語は、単独で用いられる場合はともかくとして、他の文字と結び付いて用いられる場合には、修飾語的な語として認識され得るものであり、これらの文字部分は、自他商品の識別標識としての機能を果たしていないか、果たしたとしても、その機能は極めて弱いものと認識されるとみるのが相当である。
そうとすれば、引用商標中、自他商品の識別標識としての機能を果たしているのは、「TENRYU」の文字部分にあり、これより「テンリュー」の称呼、「竜神、天宮を守る竜」程の観念を生ずるものと認められる。
してみれば、本願商標と引用商標2とは、「テンリュー」の称呼、「竜神、天宮を守る竜」の観念を共通にし、そして、本願商標は、「TENRYU」の文字をもって取引に当たる場合のあること上述したとおりであり、引用商標も「TENRYU」の文字をもって取引に資されるものといえるから、取引者、需要者が時と処を異にしてこれらに接する場合には、当該構成文字の綴りを共通にする点で外観上近似した印象、記憶、連想等を生じさせるおそれがある。
したがって、本願商標と引用商標2とは、「テンリュウ」の称呼、「竜神、天宮を守る竜」の観念を共通にし、外観においても近似する類似の商標といわざるを得ない。
(3)請求人は、本願商標は、図形と文字が一体性を持つものであり、その外観から「ダエンサンカクティーテンリュー」という称呼及び観念が生じ、「TENRYU」の文字部分のみを抽出して「テンリュー」と称呼する理由はない旨述べている。しかしながら、商標の全体観察を否定するものではないが、簡易、迅速を尊ぶ取引の実際においては、各構成部分がそれを分離して観察することが、取引上不自然であると思われるほど不可分的に結合しているものと認められない商標は、常に必ずしもその構成部分全体の名称によって称呼、観念されず、しばしば、その一部だけによって簡略に称呼、観念され、一個の商標から二個以上の称呼、観念の生ずることがあるのは、経験則の教えるところであり、本願商標、前記認定の如く、図形と文字との関連性も認められず、かつ、図形部分より特定の称呼、観念が生ずるものともいえないから、常に一体のものとして認識、理解されるとする特段の理由も見出せないものである。
また、引用商標2の「TENRYU EXT WOOD」については、「WOOD」の文字を除く「TENRYU EXT」の文字部分が要部であると述べているが、「TENRYU EXT」として商取引され、取引者、需要者間において広く知られている等、その事実を客観的に立証する何等かの証左の提出もないものである。
よって、請求人のこれらの主張は採用することができない。
(4)むすび
以上のとおりであるから、本願商標と引用商標2とは、「テンリュウ」の称呼、「竜神、天宮を守る竜」の観念を共通にし、外観上もある程度近似した印象、記憶、連想等をあたえるものであって、全体として類似する商標というべきであり、かつ、その指定商品も同一又は類似するものであるから、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、妥当なものであって、取り消すべき限りではない。
よって、結論のとおり審決する。
別掲 別掲(A)
本願商標


別掲(B)
引用商標1


別掲(C)
引用商標2



審理終結日 2008-03-13 
結審通知日 2008-03-21 
審決日 2008-04-01 
出願番号 商願2006-56241(T2006-56241) 
審決分類 T 1 8・ 262- Z (Y19)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 杉山 和江 
特許庁審判長 小林 和男
特許庁審判官 津金 純子
日向野 浩志
商標の称呼 テンリュー、テイ 

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