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審決分類 |
審判 全部申立て 登録を維持 Y09 審判 全部申立て 登録を維持 Y09 |
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管理番号 | 1177985 |
異議申立番号 | 異議2007-900364 |
総通号数 | 102 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標決定公報 |
発行日 | 2008-06-27 |
種別 | 異議の決定 |
異議申立日 | 2007-07-24 |
確定日 | 2008-04-19 |
異議申立件数 | 1 |
事件の表示 | 登録第5047289号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 |
結論 | 登録第5047289号商標の商標登録を維持する。 |
理由 |
第1 本件商標 本件登録第5047289号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲(1)のとおりの構成よりなり、平成18年7月21日に登録出願、第9類「眼鏡、眼鏡の部品及び付属品」を指定商品として、同19年3月15日に登録査定、同年5月18日に設定登録されたものである。 第2 申立人の主張の概要 1 引用商標 登録異議申立人(以下「申立人」という。)の引用する登録第1976751号商標(以下「引用商標」という。)は、別掲(2)のとおりの構成よりなり、昭和59年9月28日に登録出願、第23類「時計、眼鏡、これらの部品および附属品」を指定商品として、同62年8月19日に設定登録され、その後、商標権の存続期間の更新登録が2回にわたりなされ、現に有効に存続しているものである。 2 申立ての理由の要旨 (1)商標法第4条第1項第11号について 引用商標は、欧文字の「Barbie」の文字を筆記体で表したもので、これより、英語風に「バービー」の称呼が生ずる。 この引用商標は、「バービー人形」として知られる着せ替え人形の著名性(甲第2号証の1ないし3)を基に、商標「Barbie」に係る各種のライセンス商品が我が国でも販売されており、それを保護するために登録されたものである。例えば、本件商標の指定商品と同一又は類似であるサングラスについては、インターネット上の「バービー日本公式サイト」においても紹介されている(甲第3号証)。 一方、本件商標は、筆記体欧文字で「Barbieeyes」と片仮名の「バービーアイズ」からなるものであるが、前半の「Barbie」「バービー」の部分は引用商標と一致し、後半の「eyes」は「目」あるいは「眼」を表す英語の複数形としてよく知られている。下段の片仮名「バービーアイズ」は英語部分の読み仮名を表しているから、「アイズ」は前記「eyes」と同様に理解されるものである。 ところで、本件商標は、指定商品「眼鏡、眼鏡の部品および付属品」について使用するものであり、前記「eyes」「アイズ」の文字はいずれも「目」と密接に関連する部分であって、強い識別力を発揮することはない(甲第4号証参照)。したがって、その前半の「Barbie」「バービー」に強く印象付けられ、引用商標とは称呼、外観、観念において共通する類似の商標というべきである。 本件商標と引用商標の指定商品が、同一又は類似であることは明らかである。 (2)商標法第4条第1項第19号について さらに、本件商標権者は、本件商標をその登録された態様のみならず、欧文字については殊更に「Barbie」と「eyes」に分離して使用している。 例えば、インターネットのポータルサイトとして著名な「Yahoo!」のショッピング・コーナーにおいて容器に入ったカラーコンタクトレンズの写真が随所に見られるが、そのラベルには「Barbie」の文字だけが見える(甲第5号証の1)。また、同じくショッピングサイトの「楽天市場」においても、同様のラベル表示が見られる他、「Barbie eyes Parfait」や「Barbie Eyes」のように分離した表示がされている(甲第5号証の2)。 すなわち、本件商標権者はその業務全般において、周知著名な商標「Barbie」と紛らわしい態様で本件商標及びそれと実質的に同一の商標を使用しているのであり、不正競争の意思があるものとみるべきである。 よって、本件商標は、商標法第4条第1項第19号にも該当する。 (3)以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第11号及び同第19号に該当するものであるから、同法第43条の2の規定により、その登録は取り消されるべきである。 第3 当審の判断 1 商標法第4条第1項第11号について 本件商標は、別掲(1)のとおり、「Barbieeyes」と「バービーアイズ」の文字よりなるところ、下段の小さな「バービーアイズ」の文字が上段「Barbieeyes」の語頭「B」の文字の中程から語尾部の「y」の文字の間に抱え込まれるように配されているものであって、全体として極めてまとまりがよく、また、上下の各文字もそれぞれ同書、等間隔で一連一体に表されているものである。 そして、本件商標は、その構成各文字より生ずると認められる「バービーアイズ」の称呼も格別冗長とはいえないものであって、無理なく自然に称呼し得るものであるから、たとえ構成中の「eyes」及び「アイズ」の文字が「目」又は「眼」を意味するものであるとしても、「バービーアイズ」のみの称呼を生ずる一体不可分の造語を表したものと認識し把握されるとみるのが自然である。 他方、引用商標は、別掲(2)のとおり、筆記体で「Barbie」の文字を書してなるものであるから、構成文字に相応して「バービー」の称呼を生ずるものである。 してみれば、本件商標と引用商標とは、それぞれの構成音数、構成音を異にし、それぞれを一連に称呼しても相紛れるおそれのない称呼上類似しない商標であり、外観上も判然と区別し得るものである。さらに、観念上、引用商標から、たとえ「バービー人形」の観念を生ずるとしても、本願商標は造語であるから、両者は、比較することができないものである。 したがって、本件商標と引用商標とは、称呼、外観及び観念のいずれの点においても紛れるおそれのない非類似の商標といわなければならない。 申立人は、「Barbie」は、着せ替え人形の「バービー人形」として知られ、我が国においても各種のライセンス商品が販売され著名であり、また、本件商標は、その指定商品「眼鏡、眼鏡の部品および付属品」との関係からして、その構成中の「eyes」、「アイズ」の文字が「目」と密接に関連する部分であって、強い識別力を発揮することはない旨述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第5号証(枝番を含む。)を提出している。 しかし、申立人の提出に係る甲第2号証及び甲第3号証によれば、引用商標が、着せ替え人形の「バービー人形」を意味し、これがサングラスに使用されていることはわかるものの、これらの証拠のみでは、引用商標が、我が国において、申立人の業務に係る商品を表示するものとして取引者、需要者間に広く認識されているものとは到底認めることはできない。 その他、引用商標が我が国において取引者、需要者間に広く認識されていることを認めるに足る証拠はない。 そうとすれば、本件商標から殊更「Barbie」と「バービー」の文字部分のみ分離抽出してその上で本件商標と引用商標とが、称呼、外観及び観念において共通する類似の商標とする申立人主張は採用の限りでない。 2 商標法第4条第1項第19号について 本件商標は、上記のとおり引用商標とは類似しない商標であって、「バービー人形」を意味するものとして直ちに理解し得ないものであるから、引用商標を剽窃したものでもなく、不正の目的をもって使用するものでもないというべきである。 なお、申立人は、本件商標権者の商品についての使用方法について種々述べているが、これらの使用方法のみから直ちに不正の意思があったとは認められない。 3 まとめ したがって、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第11号及び同第19号に違反してされたものではないから、同法第43条の3第4項の規定に基づき、維持すべきである。 よって、結論のとおり決定する。 |
別掲 |
別掲 (1)本件商標 (2)引用商標 |
異議決定日 | 2008-03-31 |
出願番号 | 商願2006-72778(T2006-72778) |
審決分類 |
T
1
651・
222-
Y
(Y09)
T 1 651・ 26- Y (Y09) |
最終処分 | 維持 |
前審関与審査官 | 馬場 秀敏 |
特許庁審判長 |
小林 和男 |
特許庁審判官 |
小川 きみえ 石田 清 |
登録日 | 2007-05-18 |
登録番号 | 商標登録第5047289号(T5047289) |
権利者 | ピア・インターナショナル株式会社 |
商標の称呼 | バービーアイズ |
代理人 | 足立 泉 |
代理人 | 青木 博通 |
代理人 | 中田 和博 |
代理人 | 柳生 征男 |