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審決分類 |
審判 一部申立て 登録を維持 Y30 |
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管理番号 | 1177979 |
異議申立番号 | 異議2005-90535 |
総通号数 | 102 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標決定公報 |
発行日 | 2008-06-27 |
種別 | 異議の決定 |
異議申立日 | 2005-10-07 |
確定日 | 2008-04-19 |
異議申立件数 | 1 |
事件の表示 | 登録第4878706号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 |
結論 | 登録第4878706号商標の商標登録を維持する。 |
理由 |
第1 本件商標 本件登録第4878706号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲(1)のとおりの構成よりなり、平成17年1月20日に登録出願、第30類「菓子及びパン,穀物の加工品」を指定商品として、同年7月8日に設定登録されたものである。 第2 登録異議の申立ての理由 1 引用商標 (1)平成10年商標登録願第42515号商標(以下「引用商標1」という。)は、標準文字で「ひよこちゃん」と表してなり、平成10年5月20日に登録出願、その指定商品については、同11年7月21日付け手続補正書をもって、第30類「即席中華そばのめん」に補正された後、同18年6月2日に登録第4957397号商標として設定登録されたものである。 (2)2004年商標登録願第11978号商標(以下「引用商標2」という。)は、別掲(2)のとおりの構成よりなり、平成16年2月12日に登録出願、第30類「中華そばのめん,うどんのめん,そばのめん,そうめんのめん,スパゲッティのめん,スープ付きの中華そばのめん,スープ付きのうどんのめん,スープ付きのそばのめん,スープ付きのスパゲッティのめん,即席中華そばのめん,即席うどんのめん,即席そばのめん,即席スパゲッティのめん,具およびスープ付きの即席中華そばのめん,具およびスープ付きの即席うどんのめん,具およびスープ付きの即席そばのめん,具およびスープ付きの即席スパゲッティのめん,調理済み冷凍焼きそば,その他の調理済み冷凍めん類」を指定して、同18年7月14日に登録第4970641号商標として設定登録されたものである。 (3)2004年商標登録願第80044号商標(以下「引用商標3」という。)は、別掲(3)のとおりの構成よりなり、平成16年8月31日に登録出願、その指定商品については、同17年2月22日付け、同年3月23日付け及び同年4月12日付け手続補正書をもって、第30類「べんとう用の香辛料,べんとう用の焼きそばのめん,べんとう用のスパゲッティのめん,べんとう用の即席中華そばのめん,べんとう用の調理済み焼きそば,べんとう用の調理済みスパゲッティ,べんとう用のぎょうざ,べんとう用のサンドイッチ,べんとう用のしゅうまい,べんとう用のすし,べんとう用のたこ焼き,べんとう用の肉まんじゅう,べんとう用のハンバーガー,べんとう用のピザ,べんとう,べんとう用のホットドッグ,べんとう用のミートパイ,べんとう用のラビオリ」と補正された後、同19年5月18日に登録第5048741号商標として設定登録されたものである。 (4)2004年商標登録願第87033号商標(以下「引用商標4」という。)は、標準文字で「ひよこちゃん」と表してなり、平成16年9月22日に登録出願、第29類「食用油脂,乳製品,食肉,卵,食用魚介類(生きているものを除く。),冷凍野菜,冷凍果実,肉製品,加工水産物,加工野菜及び加工果実,油揚げ,凍り豆腐,こんにゃく,豆乳,豆腐,納豆,加工卵,カレー・シチュー又はスープのもと,お茶漬けのり,ふりかけ,なめ物」、第30類「アイスクリーム用凝固剤,家庭用食肉軟化剤,ホイップクリーム用安定剤,香辛料,アイスクリームのもと,シャーベットのもと,コーヒー豆,穀物の加工品,アーモンドペースト,ぎょうざ,サンドイッチ,しゅうまい,すし,たこ焼き,肉まんじゅう,ハンバーガー,ピザ,べんとう,ホットドッグ,ミートパイ,ラビオリ,イーストパウダー,こうじ,酵母,ベーキングパウダー,即席菓子のもと,酒かす」、第32類「ビール,ビール製造用ホップエキス,乳清飲料,飲料用野菜ジュース」及び第33類「日本酒、洋酒、果実酒、中国酒、薬味酒」を指定商品として、同18年2月3日に登録第4926243号商標として設定登録されたものである。 以下、これらを纏めて「引用商標」という。 2 理由の要点 (1)本件商標は、その構成中に「ひよ子」の文字を有しているから、「鳥の子。特に鶏の子。ひな」の観念が生じ、「ヒヨコ」の称呼が生じる。 (2)引用商標1は、標準文字「ひよこちゃん」から構成され、その指定商品は「中華そばのめん」であるから、本件商標とは観念及び称呼において類似する。 (3)引用商標2及び引用商標3は、「ひよこちゃん」の文字を含む構成からなり、その指定商品には「穀物の加工品」と類似する商品を含むのもであるから、本件商標とは観念及び称呼において類似する。 (4)引用商標4は、標準文字「ひよこちゃん」から構成され、その指定商品中には「穀物の加工品」が含まれている。 従って、本件商標は、商標法第8条第1項に違反して登録されたものであるから、その指定商品中「穀物の加工品」についての登録を取り消されるべきである。 3 当審の判断 (1)本件商標について 本件商標は、別掲(1)のとおり、図形と文字との組合せよりなるところ、その構成中の中央部に縦書きで大きく「ひよ子」の文字が書され、その右側に尻部を卵の殻に入れた状態のニワトリの子(ひな)を描いた「ひよこ」の図形を含むものである。そして、該「ひよ子」の文字は、普通名詞である「ひよこ」の「こ」を漢字の「子」にしたものであるから、文字どおり「ひよこ(雛)」を連想させるものであり、かつ、該文字の右側に「ひよこ」の図形を描いてなることから、一層のこと「ひよこ(雛)」を連想させるといえる。 そうすると、本件商標は、上記文字及び図形に相応して、「ヒヨコ」の称呼及び「ひよこ(雛)」の観念を生ずるものと認められる。 (2)引用商標1及び引用商標4について 引用商標1及び引用商標4は、標準文字で「ひよこちゃん」と表してなるものであって、「ひよこ」の文字と、愛称で呼ぶときにしばしば使用される「ちゃん」の文字とからなるものである。そして、「○○ちゃん」のように、「ちゃん」を他の語に付して使用した場合は、「○○」の部分が取引者又は需要者の注意を引く部分とみるのが相当である。 そうすると、引用商標1及び引用商標4は、構成文字全体より「ヒヨコチャン」の称呼を生ずるほか、その構成文字中の「ひよこ」の文字に相応して「ヒヨコ」の称呼及び「ひよこ(雛)」の観念をも生ずるものと認められる。 (3)引用商標2について 引用商標2は、別掲(2)のとおり、図形と文字との組合せよりなるところ、その構成中の中央部に大きく「鳥の子(ひな)」を描いたと思しき図形と、該図形に較べて遙かに小さく右下部分に「ひよこちゃん」の文字とを配した構成されるものである。そして、該文字は「ひよこ」の文字と、愛称で呼ぶときにしばしば使用される「ちゃん」の文字とからなるものであって、「○○ちゃん」のように、「ちゃん」を他の語に付して使用した場合は、「○○」の部分が取引者又は需要者の注意を引く部分とみるのが相当である。 そうとすると、取引者又は需要者の注意を引く「ひよこ」の文字部分は普通名詞であり、文字どおり「ひよこ(雛)」を連想させるものであり、かつ、該文字より遙かに大きく表された「鳥の子(ひな)」の図形を描いてなることから、一層のこと「ひよこ(雛)」を連想させるものといえる。 したがって、これらの図形及び文字に相応して、「ヒヨコチャン」及び「ヒヨコ」の称呼並びに「ひよこ(雛)」の観念を生ずるものと認められる。 (4)引用商標3について 引用商標3は、別掲(3)のとおり、やや図案化した文字でやや右肩あがりに「ひよこちゃんの」の文字と「お弁当」の文字とを上下二段に横書きした構成よりなるものであるから、「ヒヨコチャンノオベントウ」の一連の称呼の他に、指定商品との関係よりすれば、商品の一形態を表す「お弁当」及び格助詞の「の」を略した「ヒヨコチャン」の称呼も生じ、「ひよこ(雛)ちゃん(印)の弁当」程の観念を生ずるものと認められる。 さらに、「ちゃん」の文字は愛称で呼ぶときにしばしば使用される語であり、「○○ちゃん」のように、「ちゃん」を他の語に付して使用した場合は、「○○」の部分が取引者又は需要者の注意を引く部分とみるのが相当であるから、「ヒヨコ」の称呼及び「ひよこ(雛)」の観念をも生ずる場合もあるものと認められる。 (5)本件商標と引用商標が使用される商品の関連性について 本件商標が使用される商品「ひよこの形をした菓子」は、一般の消費者が、主として、旅行又は仕事等で訪れる際の土産品あるいは贈答品として、駅や空港の売店、百貨店やスーパーマーケットなどの大規模店舗の専門店、贈答品コーナー、あるいは株式会社ひよ子の直営店等で購入する菓子であって、土産品・贈答品として食することが多い菓子である。 これに対し、引用商標の指定商品中「穀物の加工品」等は、(ア)「乾燥飯」「強化米」「米飯の缶詰」等、穀物を加工したもの、(イ)「うどんのめん」「そばのめん」等、穀粉を更に加工したものが含まれる。と解されるところ、引用商標の指定商品は「即席中華そばのめん」等であり、これらは、一般消費者がスーパーマーケットやコンビニ等の小売店で購入し、日常の食事の場で普通に食される商品であり、単価は少額で日常的に購入される商品といえるものである。 そうすると、これら両商品は、いずれも主として、一般の消費者を対象とした商品であるとしても、商品の性質、用途、目的等において異なるばかりでなく、本件商標が使用される商品「ひよこの形をした菓子」は、上記のように、百貨店やスーパーマーケットなどの大規模店舗における専門店、贈答品コーナーで対面販売されることはあっても、スーパーマーケットなどの大規模店舗における日常的な食料品のコーナーにおいて、「即席中華そばのめん」等といっしょに陳列され、消費者が棚に陳列された商品を直接手にとってレジカウンターに運び購入する形式で販売されることは一般的ではないから、引用商標の指定商品である「即席中華そばのめん」等とは、販売場所においても、明瞭に区別されている商品ということができる。 したがって、両商品は、いずれも食品の範疇に属するものであるとしても、その商品の性質、用途、目的、販売店あるいは販売場所を異にするものであり、その主たる需要者である一般の消費者においても、明瞭に区別され、認識されているというのが相当である。 (6)本件商標と引用商標との類否について 本件商標を構成する「ひよ子」と引用商標を構成する「ひよこちやん」とは、外観においては区別し得る差異があるとしても、引用商標が普通名詞の「ひよこ」に愛称的な呼び名である「ちゃん」の文字を付加したものであるから、これに接する看者は一体的に把握することが多いと認められるものの、その要部は「鳥(鶏)の子」を意味する「ひよこ」であり、一方、本件商標は、前記のとおり、「鳥(鶏)の子」を意味する普通名詞の「ひよこ」の「こ」の文字部分を「子」と表したのみであるから、両者は、観念上類似する商標と認められるものであり、かつ、「ヒヨコ」の称呼を同じくする場合がある称呼上も類似する商標ということができる。 (7)まとめ 以上、たとえ本件商標と引用商標とが称呼及び観念を共通にする類似の商標であるとしても、本件商標が引用商標と混同を生ずるおそれがあるか否かの基準となる、本件商標の周知著名性の範囲は「菓子」に止まるものであり、加工食料品などにまで及ぶとは解せないこと、独創性の程度は弱いこと、さらに、本件商標と引用商標とが使用される商品の関連性については、明瞭に区別し得るものであること等、取引の実情を総合勘案すると、引用商標をその指定商品の「穀物の加工品」に含まれる「即席中華そばのめん」等に使用しても、その取引者及び需要者である一般消費者が、同商品を、本件商標「ひよ子」の業務主体又は同社と何らかの関係にある者の業務に係るものと混同するおそれがあるとみることはできない。 (5)むすび したがって、本件商標の登録は、登録異議の申立てに係る指定商品について、商標法第8条第1項に違反してされたものではないから、同法第43条の3第4項の規定により、維持すべきものとする。 よって、結論のとおり決定する。 |
別掲 |
別掲 (1)本件商標 (2)引用商標2 (3)引用商標3 |
異議決定日 | 2008-03-31 |
出願番号 | 商願2005-3868(T2005-3868) |
審決分類 |
T
1
652・
4-
Y
(Y30)
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最終処分 | 維持 |
特許庁審判長 |
小林 和男 |
特許庁審判官 |
石田 清 小川 きみえ |
登録日 | 2005-07-08 |
登録番号 | 商標登録第4878706号(T4878706) |
権利者 | 株式会社ひよ子 |
商標の称呼 | ヒヨコ、ヨシノドー、ヨシノ |
代理人 | 藤井 重男 |
代理人 | 角田 嘉宏 |
代理人 | 藤井 信孝 |
代理人 | 藤井 信行 |