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審決分類 審判 全部申立て  登録を維持 Y03
審判 全部申立て  登録を維持 Y03
管理番号 1176093 
異議申立番号 異議2007-900341 
総通号数 101 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2008-05-30 
種別 異議の決定 
異議申立日 2007-07-18 
確定日 2008-03-26 
異議申立件数
事件の表示 登録第5041229号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 登録第5041229号商標の商標登録を維持する。
理由 1 本件商標
本件登録第5041229号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲(1)のとおりの構成からなり、平成18年7月21日に登録出願、第3類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同19年2月9日に登録査定、同年4月13日に設定登録されたものである。

2 登録異議申立ての理由の要点
(1)登録異議申立人の引用する商標
登録異議申立人久光製薬株式会社(以下「申立人」という。)が本件商標についての取消理由に引用する登録第4793257号商標は、別掲(2)のとおりの構成からなり、平成14年8月20日に登録出願、第3類及び第5類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同16年8月6日に設定登録されたものである。
また、申立人は、その外に、別掲(3)ないし(20)に示したとおりの登録商標を引用している(以下、前記商標を含めて、これらの商標をまとめて「引用各商標」という。)。
(2)商標法第4条第1項第11号について
本件商標と引用各商標とは、基本的構図、配置関係、主な図形要素及び特殊な図案化の手法を同じくし、それによって表現された全体の基調を共通にしているから、構成の軌を一にするものであって、取引者・需要者に与える印象・記憶・連想等を総合して考察すると、両商標は、外観上類似の商標というべきであり、その指定商品も互いに抵触している。
そして、引用各商標は、「シート状パック用化粧品」の商標として周知・著名性を獲得しているものであるから、混同のおそれは一層強いものである。
(3)商標法第4条第1項第15号について
申立人は、「ライフセラ」と称するシリーズのシート状のパック用化粧品を10年程前から販売しており、これらの商品は、先駆的・草分け的商品であることから、市場において好評を博してきたものであり、包装箱の前面上部に目立つ態様で、顔図形商標が表示されている(甲第23号証ないし甲第35号証)。
そして、該商品は、申立人の主力商品の1つであり、ホームページをはじめ、主たる需要者である成人女性が読者層である女性誌、JR東日本の車両内ドア上部の液晶ビジョンにおけるCM等々、大々的な宣伝広告活動を行っており(甲第37号証ないし甲第52号証)、「日本有名商標集」においても掲載されているものである(甲第53号証)。
してみれば、本件商標が「シート状のパック用化粧品」等に使用された場合には、当該商品において周知・著名である久光ライフセラ顔図形商標を連想・想起し、該商品が申立人の業務に係る商品であるかの如く、あるいは申立人と経済的又は組織的に何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかの如く誤認され、その商品の出所について混同を生ずるおそれがあるというべきである。
(4)よって、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第11号及び同第15号に違反してされたものであるから取り消されるべきである。

3 当審の判断
(1)商標法第4条第1項第11号について
本件商標は、別掲(1)に示したとおり、やゝ抽象化して表されている人の顔とその周辺に雪の結晶の如き図形や内部に白抜きの小さな円形を有する大小の黒丸を多数配した構成からなるものである。
そして、その人の顔の部分は、左右3カ所に切れ込みが入っており、目と鼻と口の部分を空けてあるシート状の化粧用パックを付けた状態の顔を表した図形と認められるものである。
他方、引用各商標は、別掲(2)ないし(20)に示したとおり、こちらも抽象化して表されている人の顔にして、目と鼻と口の部分を空けてあるシート状の化粧用パックを付けた状態の顔を表した図形と認められるものである(引用商標により、鼻の部分を空けてないもの、鼻の部分を境に上下に分かれたパックを付けているもの、白黒が逆転しているもの、あるいは、「Hisamitsu」や「Lifecella/ライフセラ」、「美容液マスク」等の他の構成要素とともに商品パッケージ中に表されているものもある。)。
そこで、本件商標と引用各商標とを比較するに、上記したとおり、本件商標は、シート状の化粧用パックを付けた状態の顔とその周辺に配された図形とが不可分一体的に構成されているのに対して、引用各商標における顔図形は、シート状の化粧用パックを付けた状態の顔を表したものである。
これらの構成のうち、目や鼻や口の表現方法における両者の差異は微差とはいえても、本件商標における顔の周辺に配されている図形は、構成要素の割合からみても決して僅少なものではなく、該図形部分の有無による印象の差も決して小さいとはいえないものであって、顔の図形と周辺図形とが一体となって、図形全体の印象を形成しているものというべきである。
そうとすれば、両商標の図形は、その構成態様において十分区別し得る差異を有しており、いずれも、シート状の化粧用パックを付けた状態の顔という用途を想起させる図形をモチーフとしたものであることからみれば、この差異がこれら図形の外観に与える影響は大きく、図形全体から受ける視覚的印象も異なるから、これらを時と所を異にして離隔的に観察するも、外観において相紛れるおそれはないものといわなければならない。
また、少なくとも、本件商標から特定の称呼、観念を生ずるものとは認められないから、本件商標と引用各商標とは、称呼及び観念の点については比較すべくもないものである。
したがって、本件商標と引用各商標とは、外観、称呼及び観念のいずれの点においても紛れるおそれのない非類似の商標である。
(2)商標法第4条第1項第15号について
申立人の提出に係る証拠によれば、引用各商標がシート状のパック用化粧品の商標として永年に亘って使用されてきた事実は認められるとしても、上記したとおり、本件商標と引用各商標とは、十分に区別し得る別異の商標というべきものであるから、商標権者が本件商標をシート状のパック用化粧品に使用しても、これに接する取引者・需要者をして、引用各商標を連想又は想起させるものとは認められず、その商品が申立人又は同人と経済的又は組織的に何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかの如く、その商品の出所について混同を生じさせるおそれはないものといわなければならない。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当しない。
(3)むすび
以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第11号及び同第15号に違反してされたものではないから、同法第43条の3第4項の規定により、その登録を維持すべきものとする。
よって、結論のとおり決定する。
別掲 別掲
(1)本件商標

引用商標
(2)登録第4793257号商標

(3)登録第4890510号商標(第3類)

(4)登録第4793260号商標(第3類及び第5類)

(5)登録第4793258号商標(第3類及び第5類)

(6)登録第4793259号商標(第3類及び第5類)


(7)登録第第4793256号商標(第3類)

(8)登録第4319584号商標(第3類)

(色彩の詳細は、願書を参照)
(9)登録第4845855号商標(第3類)

(10)登録第4724416号商標(第3類及び第5類)


(色彩の詳細は、願書を参照)
(11)登録第4851103号商標(第3類)

(色彩の詳細は、願書を参照)
(12)登録第4807201号商標(第3類)

(色彩の詳細は、願書を参照)
(13)登録第4688432号商標(第3類及び第5類)

(色彩の詳細は、願書を参照)
(14)登録第4728079号商標(第3類及び第5類)

(色彩の詳細は、願書を参照)
(15)登録第4377030号商標(第3類及び第5類)

(色彩の詳細は、願書を参照)
(16)登録第4595955号商標(第3類及び第5類)

(色彩の詳細は、願書を参照)
(17)登録第4635515号商標(第3類及び第5類)

(色彩の詳細は、願書を参照)
(18)登録第4635517号商標(第3類及び第5類)

(色彩の詳細は、願書を参照)
(19)登録第4547618号商標(第3類及び第5類)

(色彩の詳細は、願書を参照)
(20)登録第5010011号商標(第3類)

(色彩の詳細は、願書を参照)

異議決定日 2008-03-07 
出願番号 商願2006-68225(T2006-68225) 
審決分類 T 1 651・ 26- Y (Y03)
T 1 651・ 271- Y (Y03)
最終処分 維持  
前審関与審査官 箕輪 秀人 
特許庁審判長 山口 烈
特許庁審判官 寺光 幸子
鈴木 新五
登録日 2007-04-13 
登録番号 商標登録第5041229号(T5041229) 
権利者 ロート製薬株式会社
代理人 長谷川 芳樹 
代理人 佐藤 英二 
代理人 黒川 朋也 

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