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審決分類 審判 全部申立て  登録を維持 Y031825
管理番号 1176089 
異議申立番号 異議2007-900314 
総通号数 101 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2008-05-30 
種別 異議の決定 
異議申立日 2007-07-06 
確定日 2008-04-07 
異議申立件数
事件の表示 登録第5036690号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 登録第5036690号商標の商標登録を維持する。
理由 1 本件商標
本件登録第5036690号商標(以下「本件商標」という。)は、平成18年9月29日に登録出願、「Ran Rothschildiana」の文字を標準文字で表してなり、第3類「香水類,その他の化粧品」、第18類「かばん類,袋物」及び第25類「履物,ベルト,バンド」を指定商品として、同19年3月30日に設定登録されたものである。

2 登録異議の申立ての理由
本件商標は、以下の(1)ないし(4)の各登録商標4件と「ROTHSCHILD」の部分を共通にしており、著名な「Rothschild」財閥の多角経営性から鑑みても、本件商標をその指定商品に使用したときは、その商品に接する需要者は該商品が引用商標権者の子会社等の関係にある事業者の業務に係る商品であると誤認し、出所について混同するおそれがある。また、本件商標は、他人の著名な名称の著名な略称である「Rothschild」を含む商標であり、当人の承諾を受けているものとは認められない。
さらに、本件商標は、引用商標の商標権者の業務を表示するものとして、日本国内はもとより世界中で広く認識されている周知・著名商標である引用商標とは全体として類似するものであり、引用商標に化体した信用、名声、顧客吸引力等を毀損させるおそれがあり、また、不正の目的をもって使用するものである。加えて、本件商標は、上記著名な外国の法人と無関係な者が、その承諾を得ずに当該法人の名称又は略称からなる商標に類似した商標について登録を受けたものであって、このことは、商取引の秩序を乱すものであり、ひいては国際信義に反するものとして、公序良俗を害する行為というべきである。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第7号、同第8号、同第15号及び同第19号に該当するものであるから、その登録は取り消されるべきものである。
(1)登録第1582729号商標(以下、「引用商標1」という。)は、「ROTHSCHILD」の欧文字と「ロスチャイルド」の片仮名文字を上下2段に横書きしてなり、昭和54年1月26日に登録出願され、第28類に属する商標登録原簿記載の商品を指定商品として、同58年4月27日に設定登録され、その後、平成16年8月11日に指定商品を、第33類「ブランデー,日本酒,洋酒,果実酒,中国酒,薬味酒」とする指定商品の書換登録がされたものである。
(2)登録第1861670号商標(以下、「引用商標2」という。)は、「CHATEAU MOUTON ROTHSCHILD」の欧文字を横書きしてなり、昭和57年12月10日に登録出願され、第28類に属する商標登録原簿記載の商品を指定商品として、同61年5月30日に設定登録され、その後、平成18年11月1日に指定商品を、第33類「日本酒,洋酒,果実酒,中国酒,薬味酒」とする指定商品の書換登録がされたものである。
(3)登録第4372838号商標(以下、「引用商標3」という。)は、「LE PETIT MOUTON DE MOUTON ROTHSCHILD」の欧文字を横書きしてなり、平成11年8月18日に登録出願され、第33類「日本酒,洋酒,果実酒,中国酒,薬味酒」及び第34類「たばこ,紙巻きたばこ用紙,喫煙用具(貴金属製のものを除く。)マッチ」を指定商品として、同12年3月31日に設定登録されたものである。
(4)登録第4408069号商標(以下、「引用商標4」といい、4件を一括して「引用商標」という。)は、「BARON PHILIPPE DE ROTHSCHILD」の文字を標準文字で書してなり、平成11年8月18日に登録出願され、第33類「日本酒,洋酒,果実酒,中国酒,薬味酒」を指定商品として、同12年8月11日に設定登録されたものである。

3 当審の判断
(1)本件商標と引用商標との比較
本件商標は、前記したとおり「Ran Rothschildiana」の欧文字よりなるところ、その構成に係る「Ran」と「Rothschildiana」の文字の間は、1文字程の間隔を空けて書されてはいるが、まとまりよく一連に表されていて、これより生ずる全体の「ランロスチャイルディアナ」の称呼も格別冗長とはいえず、一気に称呼し得るものであるから、この構成文字よりは一種の人名を認識させる如き「ランロスチャイルディアナ」の称呼のみを生ずる不可分一体のものと判断するのが相当である。
そうすると、例え、引用商標1ないし引用商標4から「ロスチャイルド」の称呼が生じたとしても、本件商標より生ずる上記の両称呼とは、音構成及び構成音数において顕著な差異が認められるから、十分に聴別できるものであり、他に、両商標は外観、観念において類似とすべき点は見当たらない。
(2)商標法第4条第1項第15号および同第19号について
申立人の提出に係る証拠によれば、引用商標1が、ボルドーの赤ワイン生産者として有名であり、引用商標2及び引用商標3の各商標については、商品「ワイン」の商標として需要者の間に知られ、さらに、引用商標4が、ワインメーカーとして著名な企業名であるとしても、本件商標と各引用商標とは上記(1)のとおり、何ら相紛れるおそれのない別異の商標といえるものであり、加えて、本件商標の指定商品は、いわゆるファッション関連の商品であるのに対し、申立人の引用商標が付される商品は、ワインの他、酒類と認められるものであって、両商品は異業種の商品と認め得るものである。 してみれば、本件商標をその指定商品に使用しても、商品の出所について混同を生ずるおそれがあるものとは認められない。かつ、商標権者が本件商標を採択使用する行為に不正の目的があったものということもできない。
(3)商標法第4条第1項第7号、同第8号について
本件商標は、前記(1)及び(2)で認定・判断したとおりであり、その構成自体がきょう激、卑わい、差別的若しくは他人に不快な印象を与えるような文字又は図形からなるものではなく、また、本件商標をその指定商品について使用することが、引用商標との関係において、社会公共の利益に反し、ひいては国際信義に反するものでなく、さらに、他の法律によってその使用が禁止されているなど、公の秩序又は善良の風俗を害するおそれがあるものとは認められない。また、申立人の著名な略称を含む商標ということはできない。
(4)むすび
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第7号、同第8号、同第15号及び同第19号に違反して登録されたものではないから、同法第43条の3第4項の規定に基づき、その登録を維持すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
異議決定日 2008-03-18 
出願番号 商願2006-91091(T2006-91091) 
審決分類 T 1 651・ 1- Y (Y031825)
最終処分 維持  
前審関与審査官 大橋 信彦 
特許庁審判長 小林 和男
特許庁審判官 小川 きみえ
石田 清
登録日 2007-03-30 
登録番号 商標登録第5036690号(T5036690) 
権利者 株式会社エクスプラス
商標の称呼 ランロスチャイルディアナ、ラン、アアルエイエヌ、ロスチャイルディアナ 
代理人 川崎 実夫 
代理人 松井 宏記 
代理人 特許業務法人ウィンテック 
代理人 竹原 懋 
代理人 稲岡 耕作 

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