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審決分類 |
審判 一部申立て 登録を維持 Y05 審判 一部申立て 登録を維持 Y05 |
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管理番号 | 1176084 |
異議申立番号 | 異議2007-900090 |
総通号数 | 101 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標決定公報 |
発行日 | 2008-05-30 |
種別 | 異議の決定 |
異議申立日 | 2007-02-23 |
確定日 | 2008-03-24 |
異議申立件数 | 1 |
事件の表示 | 登録第5005514号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 |
結論 | 登録第5005514号商標の商標登録を維持する。 |
理由 |
1 本件商標 本件登録第5005514号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲(1)のとおりの構成よりなり、平成18年2月9日に登録出願、第5類に属する商標登録原簿のとおりの商品を指定商品として、同年11月24日に設定登録されたものである。 2 登録異議の申立ての理由 (1)引用商標 登録異議申立人(以下「申立人」という。)の引用する登録第2057646号商標(以下「引用商標1」という。)は、別掲(2)のとおりの構成よりなり、昭和60年2月6日に登録出願、第1類に属する商標登録原簿のとおりの商品を指定商品として、同63年6月24日に設定登録されたものである。 同じく登録第2057648号商標(以下「引用商標2」という。)は、別掲(3)のとおりの構成よりなり、昭和60年2月6日に登録出願、第1類に属する商標登録原簿のとおりの商品を指定商品として、同63年6月24日に設定登録されたものである。 同じく登録第1390494号商標(以下「引用商標3」という。)は、別掲(4)のとおりの構成よりなり、昭和46年5月20日に登録出願、第1類に属する商標登録原簿のとおりの商品を指定商品として、同54年8月30日に設定登録されたものである。 同じく登録第4056315号商標(以下「引用商標4」という。)は、別掲(5)のとおりの構成よりなり、平成7年10月5日に登録出願、第5類に属する商標登録原簿のとおりの商品を指定商品として、同9年9月12日に設定登録されたものである。 同じく登録第4096220号商標(以下「引用商標5」という。)は、別掲(6)のとおりの構成よりなり、平成7年10月5日に登録出願、第5類に属する商標登録原簿のとおりの商品を指定商品として、同9年12月19日に設定登録されたものである。 同じく登録第4656651号商標(以下「引用商標6」という。)は、別掲(7)のとおりの構成よりなり、平成14年7月31日に登録出願、第5類及び第32類に属する商標登録原簿のとおりの商品を指定商品として、同15年3月20日に設定登録されたものである。 同じく登録第4852955号商標(以下「引用商標7」という。)は、別掲(8)のとおりの構成よりなり、平成16年9月14日に登録出願、第5類及び第32類に属する商標登録原簿のとおりの商品を指定商品として、同17年4月1日に設定登録されたものである。 同じく登録第4852956号商標(以下「引用商標8」という。)は、別掲(9)のとおりの構成よりなり、平成16年9月14日に登録出願、第5類及び第32類に属する商標登録原簿のとおりの商品を指定商品として、同17年4月1日に設定登録されたものである。 以下、これらを一括していう場合には「引用商標」という。 (2)理由の要点 申立人は、登録異議申立ての理由を要旨以下のように述べ、その証拠として甲第1号証ないし甲第13号証(枝番を含む。)を提出した。 ア 商標法第4条第1項第11号について 本件商標と引用商標とは、ともに「楕円の円周に突起を設けた図形を青色長方形の中央に白抜きにて表す」という共通した特徴を有するため、その外観において類似し、かつ、指定商品においても同一又は類似する。 したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号の規定により、その登録を取り消されるべきである。 イ 商標法第4条第1項第15号について 申立人は、1962年にドリンク剤「リポビタンD」を発売し、1964年には、爆発的なヒット商品となり(甲第11号証の1)、リポビタンDの名称とともに「楕円の円周に突起を設けた図形を青色長方形の中央に白抜きにて表した図形商標」も継続して使用した結果、遅くとも本件商標の出願日前に申立人の業務に係る表示として広く認識されるものとなっている。 その後、発売されたリポビタンシリーズの全ての商品及びその商品の販売促進のための各種キャンペーン(甲第12号証及び甲第13号証)においても、「楕円の円周に突起を設けた図形を青色長方形の中央に白抜きにて表した図形商標」を図形の中央に状況に応じて、様々な文字を配して使用し続けているものである。 上述の「青色に白抜きの図形」を表したラベルは、申立人の業務に係るドリンク剤にのみ使用されているものであり、このような状況の下で、本件商標がその指定商品である薬剤(特にドリンク剤)に使用されれば、取引者、需要者をして出所の混同を生ずるおそれがあるのは明らかである。 本件商標の中央には「リキポリンD」の文字が表されているが、この文字の書体は、リポビタンシリーズ(甲第10号証及び甲第11号証)に用いられている書体の特徴を有するだけでなく、2005年(平成17年)に発売された復刻版リポビタンD(甲第11号証の16)の書体と酷似するものである。このように図形部分においても、文字の特徴においても、申立人の業務に係る商品に用いられ、取引者、需要者に広く認識されることとなったものと紛らわしい態様である本件商標が、ドリンク剤等の薬剤に使用された場合には、出所の混同を生ずるおそれがあるのは明らかである。 取引の実情として、ドリンク剤は、ストッカーと呼ばれるショーケースのような冷蔵庫に各社製品が同時に多数陳列されて販売される場合が多く、そのような場合には、需要者が申立人の業務に係る商品と取り違える可能性が充分にあるといわざるを得ない。 本件商標が付された商品が、申立人との間に、いわゆる親子会社や系列会社等の緊密な営業上の関係又は同一の表示による商品化事業を営むグループに属する関係にある営業主の業務に係る商品等であると誤信されるおそれ(いわゆる「広義の混同を生ずるおそれ」)があることは明らかである。 以上よりすると、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当するから、その登録を取り消されるべきである。 (3)むすび したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号及び同第15号の規定に違反してなされたものであるから、取り消されるべきである。 3 当審の判断 (1)商標法第4条第1項第11号について 本件商標は、別掲(1)に示すとおり、青色四角形の内側を波線状の漠然とした形状を白抜きし、その白抜き内の中央より上方に横書きした「リキポリンD」の文字を配してなるものである。 これに対し、引用商標1は、別掲(2)に示すとおり、青色四角形内の内側を一見して歯車様の多数の突起の付いた横長楕円形を白抜きした図形よりなるものであり、引用商標2は、別掲(3)に示すとおり、引用商標1の図形の白抜き部分に黒色で「滋養強壮・栄養補給」、赤色で「リポビタン」及び「D」の文字を三段に配してなるものであり、引用商標5は、別掲(6)に示すとおり、前記引用商標2と同様の図形の白抜き部分に黒色で「滋養強壮・栄養補給」、赤色でデザイン化した「リポビタン」の文字及び前記文字の中央下に赤色の四角形を表し、三段に配してなるものである。 引用商標3は、別掲(4)に示すとおり、引用商標1の白抜き図形中の歯車様の多数の突起部分の先に白い四角形を配し、突起部分が折れた状態を看取させるような図形よりなるものであり、引用商標4は、別掲(5)に示すとおり、青色四角形の内側に白抜きの横長楕円を配し、その横長楕円に青色の切り込みを入れたような図形よりなるものであり、引用商標6は、別掲(7)に示すとおり、青色四角形内に多数の放射線状の尖った図形を有する白抜き横長楕円状の図形よりなるものであり、引用商標7は、別掲(8)に示すとおり、青色四角形内に、白抜きの横長楕円形を配し、その中央に赤色で「D」の文字を表してなるものであり、引用商標8は、別掲(9)に示すとおり、青色四角形内に、歯車様の多数の突起の付いた白抜きの円の中に赤色で「D」の文字を配してなるものである。 上記本件商標及び引用商標の構成からすると、両商標間には青色四角形内に白抜きの図形という共通するところがあるとしても、波線状の漠然とした形状を白抜きにした図形と歯車様の多数の突起を有する白抜きした図形、切り込み様の図形及び放射線状の図形において相違し、さらに黒色の「リキポリンD」の文字を横一列に表した本件商標と、赤色でデザイン化した「リポビタン」及び「D」の文字を二段表した(引用商標2)点において明白な差異があるから、両商標は、外観上、判然と区別し得るものというべきである。 また、本件商標から生ずる「リキポリンディー」の称呼と、引用商標2から生ずる「リポビタンディー」の称呼とを比較するに、両者は、語頭の「リ」及び語尾における「ンディー」の音を共通にするとしても、第2音ないし第4音の「キ」「ポ」「リ」と「ポ」「ビ」「タ」の音に明らかな差異を有し、両称呼は、十分に聴別し得るものであり、観念においても、比較すべきところがない。 してみると、本件商標と引用商標とは、その外観、称呼及び観念のいずれよりみても何ら相紛れるおそれのない、非類似の商標とみるのが相当であるから、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものではない。 (2)商標法第4条第1項第15号について 上記したとおり、本件商標と引用商標とは、十分に区別し得る別異の商標というべきものであるから、商標権者が本件商標をその指定商品に使用しても、これに接する取引者・需要者をして引用商標を連想又は想起させるものとは認められず、その商品が申立人あるいは同人と経済的若しくは組織的に何らかの関係を有する者の業務に係るものであるかの如く、その商品の出所について混同を生じさせるおそれはないものである。 申立人は、「取引の実情として、ドリンク剤は、ストッカーと呼ばれるショーケースのような冷蔵庫に各社製品が同時に多数陳列されて販売される場合が多く、そのような場合には、需要者が申立人の業務に係る商品と取り違える可能性が充分にある。」旨主張する。 確かに、ドリンク剤においては、ショーケース内に収まった瓶の状態により、ラベルの一部のみが表示される場合があるとしても、申立人の提出に係る甲第10号証ないし甲第11号証の16をみるに、ドリンク剤においては、ラベル全体が中央に位置した状態で広告、宣伝されていることも窺え、また、申立人がドリンク剤に使用して、広く知られている商標は、「リポビタンD」の赤色の文字及び歯車様の白抜き図形であるといい得るものであり、本件商標の図形と著しく異なる図形及び赤色文字であることは前記のとおりであり、波線状の図形とその文字の相違により引用商標を連想、想起するとはいえない。 したがって、申立人のこの点に関する主張は、採用できない。 そうとすれば、引用商標2など申立人の「リポビタンD」と呼ばれる商標が、申立人の業務に係るドリンク剤の商標として取引者・需要者の間に広く認識されており、また、これらの商品の売場等においては、各社製品が同時に多数陳列され、また、商品の展示方法、見る者の位置、角度等により、商品に付された商標が一部のみ見える場合のある取引の実情を考慮しても、両商標間には誤認・混同を生ずる事由は見いだせないから、本件商標をその指定商品に使用した場合、これに接する取引者・需要者がこれより引用商標を連想、想起し、申立人又は同人と何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかのように、その出所について混同するおそれがないものといわざるを得ない。 (3)まとめ 以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第11号、及び同第15号に違反してされたものではないから、同法第43条の3第4項により、維持すべきものである。 よって、結論のとおり決定する。 |
別掲 |
別掲(1) 本件商標 (色彩については、願書参照。) 別掲(2) 引用商標1 (色彩については、原本参照。) 別掲(3) 引用商標2 (色彩については、原本参照。) 別掲(4) 引用商標3 (色彩については、原本参照。) 別掲(5) 引用商標4 (色彩については、原本参照。) 別掲(6) 引用商標5 (色彩については、原本参照。) 別掲(7) 引用商標6 (色彩については、願書参照。) 別掲(8) 引用商標7 (色彩については、願書参照。) 別掲(9) 引用商標8 (色彩については、願書参照。) |
異議決定日 | 2008-03-05 |
出願番号 | 商願2006-10752(T2006-10752) |
審決分類 |
T
1
652・
271-
Y
(Y05)
T 1 652・ 26- Y (Y05) |
最終処分 | 維持 |
前審関与審査官 | 酒井 福造 |
特許庁審判長 |
山口 烈 |
特許庁審判官 |
寺光 幸子 鈴木 新五 |
登録日 | 2006-11-24 |
登録番号 | 商標登録第5005514号(T5005514) |
権利者 | 第一薬品株式会社 |
商標の称呼 | リキポリンデイ、リキポリン |
代理人 | 特許業務法人山田特許事務所 |
代理人 | 佐鳥 宗一 |