• ポートフォリオ機能


ポートフォリオを新規に作成して保存
既存のポートフォリオに追加保存

  • この表をプリントする
PDF PDFをダウンロード
審決分類 審判 査定不服 称呼類似 取り消して登録 Y16
管理番号 1175911 
審判番号 不服2007-12161 
総通号数 101 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2008-05-30 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2007-04-26 
確定日 2008-04-11 
事件の表示 商願2006-26353拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願商標は、登録すべきものとする。
理由 1 本願商標
本願商標は、「SHINSEN!」の文字及び記号を横書きしてなり、第16類に属する願書記載のとおりの商品を指定商品として、平成18年3月24日に登録出願され、その後、指定商品については、原審における同年12月4日付けの手続補正書をもって、「封ろう,印刷用インテル,活字,青写真複写機,あて名印刷機,印字用インクリボン,自動印紙はり付け機,事務用電動式ホッチキス,事務用封かん機,消印機,製図用具,タイプライター,チェックライター,謄写版,凸版複写機,文書細断機,郵便料金計器,輪転謄写機,マーキング用孔開型板,装飾塗工用ブラシ,紙製幼児用おしめ,紙製包装用容器,家庭用食品包装フィルム,紙製ごみ収集用袋,プラスチック製ごみ収集用袋,型紙,裁縫用チャコ,紙製のぼり,紙製旗,観賞魚用水槽及びその附属品,衛生手ふき,紙製タオル,紙製テーブルナプキン,紙製手ふき,紙製ハンカチ,荷札,印刷したくじ(おもちゃを除く。),紙製テーブルクロス,業務用食品包装フィルム」と補正されたものである。

2 引用商標
原査定において、本願の拒絶の理由に引用した登録第4697998号商標(以下「引用商標」という。)は、「新ん泉」の文字と「Shin Sen」の文字を二段に横書きしてなり、平成14年5月16日に登録出願、第11類「浄水装置,家庭用浄水器」を指定商品として、平成15年8月8日に設定登録され、その商標権は、現に有効に存続しているものである。

3 原査定の拒絶の理由の要点
原査定は、「本願商標は、その構成文字に相応して「シンセン」の称呼を生ずるものであり、また、引用商標もその構成文字に相応して「シンセン」の称呼を生ずるものであるから、両商標は、「シンセン」の称呼を共通にする類似の商標である。さらに、本願商標の指定商品中の「家庭用食品包装フィルム,紙製ごみ収集用袋,プラスチック製ごみ収集用袋」と引用商標の指定商品中の「家庭用浄水器」は、類似の商品と認められる。したがって、本願商標は、商標法第4条第1項第11号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。

4 当審の判断
商標法第4条第1項第11号に規定する指定商品が類似のものであるか否かは、取引の実情、即ち、生産部門、販売部門、商品の原材料及び品質、用途、需要者の範囲が一致するかどうか、完成品と部品との関係にあるかどうか等を総合的に考慮して判断をすべきであり、結局、その類否は、2つの商品に同一又は類似の商標が使用された場合、これに接する取引者、需要者が商品の出所につき誤認混同を生ずるおそれがあるかどうかにより判断すべきものである。
そこで、原査定において本願商標を商標法第4条第1項第11号に該当するものとして、その拒絶の理由に引用した本願商標に係る指定商品中の「家庭用食品包装フィルム,紙製ごみ収集用袋,プラスチック製ごみ収集用袋」と引用商標に係る指定商品中の「家庭用浄水器」の類否について、以下検討する。
(1)取引の実情について
(ア)原材料及び品質
「家庭用食品包装フィルム,紙製ごみ収集用袋,プラスチック製ごみ収集用袋」は紙製あるいはプラスチック製のフィルム状あるいは袋状の日常消費する安価な消耗品であるのに対し、「家庭用浄水器」は、金属や固形プラスチックでできた部品を組み合わせた機械器具であるから、原材料及び品質が全く異なる。
(イ)用途
「家庭用食品包装フィルム,紙製ごみ収集用袋,プラスチック製ごみ収集用袋」は、一般家庭で日常的に排出されるゴミを収集する為や、食品等を保存する為に包装する際に使用するものであるのに対し、「家庭用浄水器」は、水道水を濾過して有害物質を除去するための装置であるから、用途が全く異なる。
(ウ)生産部門及び販売部門
「家庭用食品包装フィルム,紙製ごみ収集用袋,プラスチック製ごみ収集用袋」は、紙袋、プラスチック製袋及びプラスチックフィルムの製造業者によって製造され、スーパーマーケットや雑貨店、さらに、インターネットホームページにおける日用雑貨を取り扱うサイトで、ティッシュペーパー、洗剤やスポンジ等のような比較的安価な消耗品と一緒に販売される商品であるのに対し、「家庭用浄水器」は、活性炭の吸着作用を利用したり、フィルターなどで水道水を濾過して有害物質を除去する機械器具であり、ある程度専門的な知識を有する浄水器製造メーカーによって製造される、やや高価な商品であって、スーパーマーケット、デパート及びインターネットホームページにおいても、専門コーナーを設けて販売される商品であるから、生産部門及び販売部門が大きく異なるといえる。
さらに、当審において職権をもって調査したところ、例えば、「クレラップ」で有名な株式会社クレハや「サランラップ」で有名な旭化成ホームプロダクツ株式会社のほかに、ライオン株式会社やリケンテクノス株式会社があり、また、「ごみ収集用袋」製造メーカーの1例として、例えば、「アスクル法人様向けショップ」のホームページの「生活雑貨>掃除/洗濯用品>ゴミ袋>ゴミ袋(透明)の商品一覧のウエブページには、「ごみ収集用袋」のメーカーとして、「福助(福助工業と認められる。)」(http://www.askul.co.jp/s/06/0617/0617003/06170030001/1/1/20/0/)、「アスクル(アスクル株式会社と認められる。)」(http://www.askul.co.jp/s/06/0617/0617003/06170030002/1/1/20/0/)、「日本サニパック(日本サニパック株式会社と認められる。)」及び「三井物産プラスチックス(三井物産プラスチックス株式会社と認められる。)」(http://www.askul.co.jp/s/06/0617/0617003/06170030003/1/1/20/0/)の記載があるが、これら各会社のインターネットホームページの情報によれば、いずれの会社も「家庭用浄水器」を製造している事実は見受けられない。
これに対し、「家庭用浄水器」の製造メーカーとして、例えば、「【楽天市場】人気『浄水器』売れ筋ランキング-ランキング市場」のホームページの「ジャンル別ランキング一覧」の「キッチン・日用品雑貨・文具」の「厨房機器」中「浄水器」のウエブページ(http://event_rakuten.co.jp/renking/daily/301470.html)には、「ヤンマー産業(ヤンマー産業株式会社と認められる。)」、「TOTO(TOTO株式会社と認められる。)」、「日本ガイシ」、「松下電器産業(松下電器産業株式会社と認められる。)」、「ブリタ」、「日本トリム(株式会社日本トリムと認められる。)」及び「森田電工(森田電工株式会社と認められる。)」等の記載があるが、これら各会社のインターネットホームページの情報によれば、いずれの会社も紙袋やプラスチック製袋やプラスチックフィルムを製造している事実は見受けられない。
そうすると、両商品の同一製造業者が見受けられないことからすると、「家庭用食品包装フィルム,紙製ごみ収集用袋,プラスチック製ごみ収集用袋」と「家庭用浄水器」の両商品が同一業者によって製造される可能性は極めて少ないといえるから、商取引上における競合性は非常に乏しいとみるのが相当である。
(エ)需要者
「家庭用食品包装フィルム,紙製ごみ収集用袋,プラスチック製ごみ収集用袋」は、生活をする上で、必要とされる消耗品であるのに対し、「家庭用浄水器」は、水にこだわる需要者に限定されるという点で、需要者の範囲に多少違いがある。
(オ)完成品と部品
「家庭用食品包装フィルム,紙製ごみ収集用袋,プラスチック製ごみ収集用袋」と「家庭用浄水器」は、商品が全く異なり、完成品と部品の関係になり得ないものである。
(2)「類似商品・役務審査基準〔国際分類第8版対応〕(特許庁商標課編)」における商品の関連性について
「商品及び役務の区分解説〔国際分類第8版対応〕(特許庁商標課編)」(以下「商品区分解説」という。)によれば、「家庭用食品包装フィルム,紙製ごみ収集用袋,プラスチック製ごみ収集用袋」の関連商品(「関連商品」とは、解説すべき商品(例えば、「家庭用食品包装フィルム」)と関係の深い商品(「商品区分解説」凡例より)以下同じ。)の項目には、「ちりかご ちり取り(第21類)」との記載されているのに対し、「家庭用浄水器」の関連商品の項目には、「水道蛇口用座金、水道蛇口用ワッシャー、水道用栓 タンク用水位制御弁 パイプライン用栓」と記載されている。
そうすると、両商品は、互いに関連商品の概念には含まれていないものである。
(3)まとめ
上述した(1)取引の実情及び(2)商品の関連性を考慮するならば、本願商標の指定商品中の「家庭用食品包装フィルム,紙製ごみ収集用袋,プラスチック製ごみ収集用袋」と引用商標の指定商品中の「家庭用浄水器」とは、商品の原材料、品質、用途、生産者、販売場所、需要者等において異なり、その商取引の競合性にも乏しいものなので、それらの商品に同一又は類似の商標を使用しても、これに接する取引者、需要者が同一営業主の製造又は販売に係る商品であると誤認混同されるおそれはないと認められることから、互いに非類似の商品に当たると解するのが相当である。
してみれば、たとえ、本願商標と引用商標とが商標において同一又は類似するとしても、その指定商品について類似しない以上、その出所について混同のおそれはないとみて差し支えないから、結局、本願商標は、商標法第4条第1項第11号に該当するものではない。
したがって、前記法条の規定を理由に本願を拒絶した原査定は、妥当ではなく、取消しを免れない。
その他、政令で定める期間内に本願について拒絶の理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。
審決日 2008-04-01 
出願番号 商願2006-26353(T2006-26353) 
審決分類 T 1 8・ 262- WY (Y16)
最終処分 成立  
前審関与審査官 大渕 敏雄山本 敦子 
特許庁審判長 中村 謙三
特許庁審判官 津金 純子
小畑 恵一
商標の称呼 シンセン 
代理人 高原 千鶴子 
代理人 浅村 肇 
代理人 浅村 皓 
代理人 岡野 光男 
代理人 高原 千鶴子 
代理人 浅村 肇 
代理人 浅村 皓 
代理人 岡野 光男 

プライバシーポリシー   セキュリティーポリシー   運営会社概要   サービスに関しての問い合わせ