ポートフォリオを新規に作成して保存 |
|
|
既存のポートフォリオに追加保存 |
|
PDFをダウンロード |
審決分類 |
審判 査定不服 商4条1項16号品質の誤認 取り消して登録 Y01 審判 査定不服 商3条1項6号 1号から5号以外のもの 取り消して登録 Y01 |
---|---|
管理番号 | 1175891 |
審判番号 | 不服2006-15295 |
総通号数 | 101 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標審決公報 |
発行日 | 2008-05-30 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2006-07-18 |
確定日 | 2008-04-11 |
事件の表示 | 商願2005- 81597拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 |
結論 | 原査定を取り消す。 本願商標は、登録すべきものとする。 |
理由 |
1 本願商標 本願商標は、「丸岡触媒」の文字を標準文字で横書きしてなり、第1類に属する願書に記載の商品を指定商品として、平成17年8月31日に登録出願されたものであるが、その後、指定商品については、平成18年4月28日付け手続補正書により、第1類「触媒,4級アンモニウム塩構造を有する不斉分子触媒」と補正されたものである。 2 原査定の拒絶の理由(要旨) 原査定は、「本願商標は、ありふれた氏の一と認められる「丸岡」の文字と、本願指定商品中の「触媒,4級アンモニウム塩構造を有する不斉分子触媒」等を認識させる「触媒」の文字とを一連に「丸岡触媒」と標準文字で書してなるものであるから、これをその指定商品中の前記「触媒」の文字に照応する商品に使用しても、これに接する取引者、需要者は、単にありふれた氏及び商品の普通名称又は品質を表示したものと理解するに止まり、何人かの業務に係る商品であることを認識することができない。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第6号に該当し、前記商品以外の商品に使用するときは、商品の品質の誤認を生じさせるおそれがあるので、商標法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。 3 当審の判断 本願商標は、前記のとおり、「丸岡触媒」の文字よりなるところ、該文字は、まとまりよく一体的に表してなるものであり、また、これより生ずる「マルオカショクバイ」の称呼も格別冗長なものでなく、淀みなく一連に称呼し得るものである。 そして、本願商標を構成する該文字からは、原審説示の意味合いを直ちに想起するものとはいえず、むしろ、その構成全体をもって一体不可分のものとみるのが相当である。 また、本願指定商品を取り扱う業界においては、例えば、野依触媒、ウィルキンソン触媒、チーグラー・ナッタ触媒の使用例のように、その物質の反応や方法等を発見、発明又は考案した研究者に由来する氏等が触媒と組み合わされ用いられている実情もある。 また、請求人(出願人)は、指定商品について、平成11年から京都大学の大学院理学研究科化学専攻の丸岡啓二教授と共同研究を行っており、同教授の氏に由来する「丸岡触媒」の文字を用いて製造し、市場で流通していることが認容できるものであり、かつ、「丸岡触媒」の文字が本願指定商品を取り扱う業界において、商品の品質等を表示するものとして、取引上、普通に使用されている事実を発見することはできなかった。 そうすると、本願商標は、その指定商品に使用している請求人(出願人)の標章として認識、把握されるとみるのが相当であり、何人かの業務に係る商品であるかを認識することができないとはいい難いものである。 さらに、本願商標は、前記1のとおり、その指定商品について補正された結果、これを指定商品に使用しても商品の品質について誤認を生ずるおそれはなくなったものと認め得るものである。 したがって、本願商標を商標法第3条第1項第6号及び同法第4条第1項第16号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、妥当なものとはいえず、取消しを免れない。 その他、政令で定める期間内に本願について拒絶の理由を発見しない。 よって、結論のとおり審決する。 |
審決日 | 2008-03-26 |
出願番号 | 商願2005-81597(T2005-81597) |
審決分類 |
T
1
8・
16-
WY
(Y01)
T 1 8・ 272- WY (Y01) |
最終処分 | 成立 |
前審関与審査官 | 岩内 三夫 |
特許庁審判長 |
伊藤 三男 |
特許庁審判官 |
小林 薫 岩崎 良子 |
商標の称呼 | マルオカショクバイ、マルオカ |
代理人 | 角田 嘉宏 |