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審決分類 |
審判 査定不服 商4条1項16号品質の誤認 登録しない Y05 審判 査定不服 商3条1項3号 産地、販売地、品質、原材料など 登録しない Y05 |
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管理番号 | 1174178 |
審判番号 | 不服2005-23523 |
総通号数 | 100 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標審決公報 |
発行日 | 2008-04-25 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2005-12-07 |
確定日 | 2008-02-14 |
事件の表示 | 商願2004-107360拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 |
結論 | 本件審判の請求は、成り立たない。 |
理由 |
第1 本願商標 本願商標は、「かゆみがつらい目に」の文字を標準文字で表してなり、第5類に属する願書に記載のとおりの商品を指定商品として、平成16年11月24日に登録出願されたものである。 第2 原査定の拒絶の理由の要点 原査定は、「本願商標は、『かゆみがつらい目に』の文字を普通に用いられる方法で表示してなるところ、構成中『かゆみ』の文字は、『かゆい感覚。主として皮膚・粘膜の痛点の弱い刺激によって生ずる感覚。』の意味を有し、『つらい』の文字は、『堪えがたい。苦しい。身体に苦痛を感じる。難儀である。』の意味を有し(株式会社岩波書店発行『広辞苑 第五版』参照)、『目』の文字は、指定商品に含まれる『眼科用剤,眼帯』等の使用部位を意味するものであるから、『かゆみ』、『つらい』、『目』の文字を『が』と『に』の助詞を用いてつなげた構成からなる本願商標に接する取引者、需要者は、全体から、『かゆくてどうしようもない目に効果のある商品』程の意味合いを看取するに過ぎないものと認められる。よって、本願商標を、本願指定商品中『前記文字に照応する商品(例えば、眼科用剤,眼帯)』について使用するときは、単に前記商品が、目のかゆみに効果を有する商品であること、すなわち、商品の品質、用途を表示したものと理解されるに止まり、自他商品識別標識としての機能を果たさないものといわざるを得ない。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記商品以外の商品に使用するときは、商品の品質の誤認を生じさせるおそれがあるので、同法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。 第3 当審における証拠調べ通知 当審において、本願商標が自他商品の識別標識としての機能を有するか否かについて、職権により証拠調べをした結果、下記の事実を発見したので、平成19年3月26日付けの証拠調べ通知書により、商標法第56条第1項で準用する特許法第150条第5項の規定に基づく通知を行った。 記 1 インターネット検索情報 (1)http://www.sumitomo-hp.or.jp/dock/dock07.html 「コラム 春」の見出しの下、「・・・目のかゆみがつらい、・・・」との記載がある。 (2)http://www.i-body.net/0102005h.html 「洗眼剤で花粉をブロック」、「【こんな症状ですか】」の見出しの下、「・・・目のかゆみがつらい・・・」との記載がある。 (3)http://www.kenko.com/product/item/itm_8331554072.html 「商品説明文」の見出しの下、「・・・つらい目のかゆみや結膜充血にすぐれた効き目を発揮する目薬です。・・・」との記載がある。 (4)http://www.cilas.net/special/kafun/index.html 「予防の基本:その2 ●花粉から目を守る・・・・・・」の見出しの下、「つらい目のかゆみ・・・点眼薬で最もつらい目のかゆみを回避しましょう。」との記載がある。 (5)http://release.nikkei.co.jp/detail.cfm?relID=145943&lindID=4 「参天製薬、かゆみや充血などの症状をやわらげる目薬『サンテALクールII』を発売」の見出しの下、「・・・つらい目のかゆみや充血などの症状をやわらげます。・・・」との記載がある。 (6)http://www.stona.jp/rhinitis/lineup.html 「NOARL&STONARHINI SERIES ノアール&ストナリニシリーズ」の見出しの下、「医薬品 今つらい目のかゆみ・充血に・・・点眼薬・・・」との記載がある。 (7)http://www.daigaku-dou.com/column/view.cgi?type=kanpou&item=2 「花粉症の予防・体質改善」の見出しの下、「・・・つらい目のかゆみやくしゃみ、・・・効果的な漢方薬をご紹介・・・」との記載がある。 (8)http://blog.mag2.com/m/log/0000179472/107006148.html 「?ハッピー☆コンタクトライフ? by中泉コンタクトレンズ」の見出しの下、「・・・つらい目のかゆみを少しでも和らげて・・・」との記載がある。 (9)http://www.serio-co.com/product/vt.html 「■花粉症に・・・250倍?500倍希釈水」の見出しの下、「・つらい目のかゆみ・くしゃみ・・・」との記載がある。 (10)http://jfpa.info/wh/nichijo_yobo/vdt.html 「疲れ目を解消するには」の見出しの下、「・・・目がつらいときには、・・・目薬をさす。・・・」との記載がある。 (11)http://www.santen.co.jp/eyecare/ch3/eyedrops/list04.shtml 「サンテ アイケアチャンネル めぐすりch コーナートップへ」の見出しの下、「目のかゆみに効く目薬 目のかゆみが気になる方におすすめする目薬を・・・」との記載がある。 (12)http://www.wakando.jp/az-a.htm 「エーゼットA 【医薬品】」の見出しの下、「目のかゆみ、目の充血に 目のかゆみ・目の充血をとり除きます。・・・」との記載がある。 (13)http://www.taisho.co.jp/company/release/2005/05_1220-j.htm 「大正製薬 ニュースリリース 」の見出しの下、「目のかゆみ、充血をおさえる1回使いきりタイプの目薬・・・」との記載がある。 (14)http://www.kenko.com/product/item/itm_7851175072.html 「ノアールアレジークール 10ml 医薬品」の見出しの下、商品画像上に、「・・・目のかゆみ・なみだ目に・・・」との記載がある。 (15)http://www.kenko.com/product/item/itm_8811002072.html 「スマートアイプティ 8ml 医薬品」の見出しの下、商品画像上に、「・・・充血・疲れ目・目のかゆみに・・・」との記載がある。 2 新聞記事情報 (1)2002.3.21、西日本新聞朝刊、「おたっしゃ雑貨店・浜田きよ子=花粉症用眼鏡/シニア」の見出しの下、「・・・目のかゆみがつらい。・・・」との記載がある。 (2)2006.2.2、朝日新聞東京地方版/静岡、「飾り600個、色鮮やか 磐田でつるし雛展/静岡展」の見出しの下、「・・・細かい針仕事は目がつらいが、・・・」との記載がある。 (3)2005.4.12、北陸・富山新聞朝刊、「地鳴り 布団も干せない花粉症 木谷よしみ 55歳」の見出しの下、「・・目がつらい時は早めに目を休めるようにと・・・」との記載がある。 (4)2003.11.8、読売新聞東京朝刊、「参院選、激戦大詰め 早朝『場所取り』・『電話攻勢』・相手地盤『乗り込み』・・・」の見出しの下、「・・・『三時間しか寝ていないので目がつらい』・・・目薬を差した・・・」との記載がある。 (5)1998.3.23、愛媛新聞朝刊、「[診察室・愛媛県医師会]心気症 白石文雄」の見出しの下、「・・・目がつらい、・・・目がつらいことについては、・・・目がつらいとかいろいろな変調があるにもかかわらず・・・」との記載がある。 (6)1992.11.17、朝日新聞東京朝刊、「『ドライアイ』治療法で講演 患者の交流会も 28日に東京で」の見出しの下、「・・・目が乾く病気で、目がつらい、・・・」との記載がある。 (7)1988.7.10、北海道新聞朝刊全道、「〈朝の食卓〉花粉アレルギー 吉田典子」の見出しの下、「・・・鼻よりも目がつらい・・・」との記載がある。 3 まとめ 以上の事実によれば、「かゆみがつらい」、「つらい目」及び「目がつらい」等の文字(語)は、それぞれ、「痒みがつらいこと」、「目がつらいこと」の意味合いを表す文字(語)として普通に用いられているものといえる。 また、医薬品等の商品においては、商品の使用部位を端的に表すものとして、例えば、目に使用するものであれば、語尾を「目に」で終わらせるという表現方法が用いられているものといえる。 そして、本願指定商品が、例えば、「眼科用剤」等、目の痒みの解消に効果がある商品を含んでいることよりすれば、本願商標「かゆみがつらい目に」に接する取引者、需要者は、「痒みがつらい目に効果を有する商品であること」を表したものと理解するにとどまるというのが相当であり、商品の効果、効能等を強調的に表したものと認識する場合があるとしても、その他の意味合いは理解し得ないというべきである。 第4 証拠調べ通知に対する請求人の意見の要点 証拠調べ通知書に列記されたインターネット情報及び新聞記事情報には、本願商標「かゆみがつらい目に」の態様で使用されている例は一例も存在しない。 そして、その情報に記載の文字は、説明文中の他の語との関係より、「かゆみがつらい」から「痒みがつらい」との意味合いを、「つらい目」及び「目がつらい」から「目がつらいこと」との意味合いを生じることは否定しないが、「かゆみがつらい目に」の文字構成においては、他の意味合いをも理解できるものであり、特定の意味合いが一義的に理解されるものではない。 また、「かゆみがつらい目に」の文字構成においては、他の意味合いをも理解できるために、語尾が「目に」で終わらせるという表現方法であっても、必ずしも、それが使用部位を端的に表すものではない。 更に、各情報に記載の語は、すべて説明文中に他の語とともに記載されているものであり、本件商標の識別力の問題とは事案が異なる。 したがって、本件商標は、十分に自他商品識別力を備えており、登録されるべきものであると確信する。 第5 当審の判断 (1)本願商標は、上記第1のとおり、「かゆみがつらい目に」の文字を普通に用いられる方法で表示してなるところ、これは、「かゆい感覚。」等の意味を有する「かゆみ」の語、格助詞である「が」の語、「堪えがたい。苦しい。身体に苦痛を感じる。難儀である。」等の意味を有する「つらい」の語、「視覚器官の通称」等の意味を有する「目」の語、及び対象を指定する役割等を果たす助詞の「に」の語(いずれも、株式会社岩波書店、1998年11月11日発行、「広辞苑 第五版」参照)とを一連に表してなるものである。 そこで、本願商標をその指定商品との関係においてみるに、本願指定商品中には、「薬剤」が含まれており、その中には、例えば、「眼科用剤(目薬)」が含まれていること明らかである。 そして、目の症状の一として、「かゆみ(痒み)」があること、及び「かゆみ(痒み)に効能を有する眼科用剤(目薬)」が流通していることは周知の事実である。 また、上記第3に記載の事実によれば、「かゆみがつらい」、「つらい目」及び「目がつらい」等の文字(語)は、それぞれ、「痒みがつらいこと」、「目がつらいこと」の意味合いを表す文字(語)として、一般に用いられているものといえる。 さらに、医薬品等の商品においては、商品の使用部位を端的に表すものとして、例えば、目に使用するものであれば、語尾を「目に」で終わらせるという表現方法が用いられているものといえる。 そうとすると、本願指定商品が、例えば、「眼科用剤(目薬)」等、目の痒みの解消に効果がある商品を含んでいることよりすれば、本願商標「かゆみがつらい目に」に接する取引者、需要者は、「痒みがつらい目に効果を有する商品」であることを表したものと理解するにとどまるというのが相当であり、商品の品質、用途、効能を簡潔に表したものと認識するにすぎず、自他商品の識別標識として機能し得ないものと認められる。 また、本願商標を、「痒みがつらい目に効果を有する商品」以外の商品に使用するときは、商品の品質について誤認を生じさせるおそれがある。 (2)なお、請求人は、要旨、上記第4に記載の旨主張している。 しかしながら、商標が自他商品の識別標識としての機能を有するか否かについては、その指定商品との関係を考慮して判断されるべきものであるから、本願商標については、これに接する取引者、需要者をして、上記認定のとおりの意味合いを理解、認識されるものとみるのが相当であって、それ以外に新たな観念が生じるというような格別の事情は見当たらない。 よって、請求人の主張は採用し難い。 (3)むすび したがって、本願商標を商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するものとした原査定は妥当なものであって、取り消すことはできない。 よって、結論のとおり審決する。 |
審理終結日 | 2007-12-05 |
結審通知日 | 2007-12-10 |
審決日 | 2007-12-21 |
出願番号 | 商願2004-107360(T2004-107360) |
審決分類 |
T
1
8・
13-
Z
(Y05)
T 1 8・ 272- Z (Y05) |
最終処分 | 不成立 |
前審関与審査官 | 松浦 裕紀子 |
特許庁審判長 |
渡邉 健司 |
特許庁審判官 |
堀内 仁子 岩本 和雄 |
商標の称呼 | カユミガツライメニ |
代理人 | 小谷 悦司 |
代理人 | 川瀬 幹夫 |