• ポートフォリオ機能


ポートフォリオを新規に作成して保存
既存のポートフォリオに追加保存

  • この表をプリントする
PDF PDFをダウンロード
審決分類 審判 査定不服 商3条1項3号 産地、販売地、品質、原材料など 登録しない Y35
管理番号 1172844 
審判番号 不服2006-20432 
総通号数 99 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2008-03-28 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2006-09-14 
確定日 2008-02-08 
事件の表示 商願2005-97070拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。
理由 1 本願商標
本願商標は、「ギフト」の文字を標準文字で書してなり、第35類「商品の展示会及び商品の見本市の企画・運営及び開催」を指定役務として、平成17年10月17日に登録出願されたものである。

2 原査定の拒絶の理由
原査定は、「本願商標は、『ギフト』の文字を書してなるところ、これは『贈り物』の意を有する語として親しまれ、また、普通一般に使用されている語であり、指定役務との関係でも『ギフト用商品の展示会』等普通に使用されている語であるので、これをその指定役務『商品の展示会及び商品の見本市の企画・運営及び開催』に使用しても単に役務の質(内容)を表示したにすぎないものと認められる。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当する。」と認定、判断し、本願を拒絶したものである。

3 当審の判断
本願商標は、前記1のとおり「ギフト」の文字を書してなるところ、その文字は、「贈り物。進物。」(「広辞苑」第5版、株式会社岩波書店発行)の意味を有する語であり、広く一般に知られ、親しまれている語である。
また、本願指定役務の分野でも、「ギフト」の文字は、「贈り物に適した商品」程の意味合いで展示会や見本市において普通に使用されていることが、例えば、下記の新聞記事情報からも認められる。
(a)1987.04.09 日本経済新聞 地方経済面 (中部), 7ページ
「ジェトロ、あすから津市で、世界のギフト商品を紹介」の見出しの下、「ジェトロ(日本貿易振興会)三重貿易情報センターは十日から十二日までの三日間、三重県津市の津センターパレスで「世界の贈りもの」展を開く。これは世界各国のユニークなギフト商品の展示と併せて各国の習慣を紹介しようというもの。展示品は欧米や東南アジアなど世界五十三カ国から集めた二百七十七点。各地域の特産品や独創的なギフト商品で、ジェトロでは昨年十一月から東京をはじめ全国八カ所で展示会を開いてきた。・・(略)・・また、各国のギフトカードや珍しいギフトの習慣を説明したパネルも展示する。」の記載。
(b)1989.02.16 朝日新聞 大阪朝刊 9頁
「ギフト好き日本へ海外162社売り込み 国際見本市開催【大阪】」の見出しの下、「ギフト市場が年々拡大する中で15日、ギフト用品の国際見本市『インターギフト89』が大阪市住之江区のインテックス大阪で始まり、新しい商品を探すデパートや卸売店、小売店の担当者や一般消費者ら約5500人でにぎわった。」の記載。
(c)1991.01.20 中日新聞 朝刊 9頁
「22日からギフト見本市 贈り物好きヤングに照準」の見出しの下、「ギフト用品と地域物産の見本市『コミュニケーショングッズフェア名古屋91年』(生活用品振興センターなど主催)が二十二、二十三の両日(いずれも午前十時から午後五時まで)、名古屋市千種区吹上の同市中小企業振興会館(吹上ホール)で開かれる。愛知、岐阜、三重の東海三県はじめ東京、大阪、静岡、沖縄などの商社やメーカー七十社余りがアクセサリーや食品、物産品、アイデア商品などギフト関連用品を出展する。最近は恋人、友人同士が気軽に贈り物を交換するなど若者を中心にギフト市場が拡大しており、その需要にこたえるのが目的で中部地区初の総合ギフト見本市。」の記載。
(d)1991.10.22 日経流通新聞 3頁
「シチズン時計、冬のギフト需要喚起へキャンペーン」の見出しの下、「シチズン時計は九一年秋冬キャンペーンを始める。二十三、二十四日の両日に小売店を対象とした新製品発表展示会を開くのを皮切りに、テーマを「GOOD GIFT」に設定して二月末まで展開する。今回のキャンペーンはクリスマス、正月、バレンタインデーなどのギフト需要の掘り起こしを狙ったもの。」の記載。
(e)1992.09.25 日本経済新聞 地方経済面 (九州B) 14頁
「アセアンセンター、貿易促進フェア福岡市で始まる。」の見出しの下、「東南アジア諸国連合貿易投資観光促進センター(アセアンセンター)などが主催する「アセアン貿易促進フェア」が二十四日、福岡市で始まった。二十七日までアセアン六カ国の家庭用品、ギフト用品の展示会を同市・天神の同市役所で開くほか、二十五日には同市・天神のソラリア西鉄ホテルでアセアン製品の輸入促進セミナーを開催。」の記載。
(f)1992.11.09 日本食糧新聞
「食品界、歳暮で起死回生図る。『強気』『弱気』が同居」の見出しの下、「すでに歳暮ギフト展示会を各社とも盛んに行っていたが、強気と弱気が同居した戦略となっているようで、最多価格帯も三〇〇〇?五〇〇〇円と幅が広がっている。」の記載。
(g)1995.02.13 日本食糧新聞
「阿藻珍味、ギフト見本市開催 練り詰合わせなど売れ筋提案」の見出しの下、「(株)阿藻珍味はこのほど本社内の手づくり職人館で、一九九五年度ギフト見本市を開催し、全国の百貨店をはじめとした主要取引先約五〇社が来場した。」の記載。
(h)1997.05.23 日本食糧新聞
「ニチレイ、ギフト&ホームショッピング展示・試食会開く」の見出しの下、「(株)ニチレイ(東京都中央区)は5月16日、東京・赤坂プリンスホテルに得意先多数を招いて、97ニチレイギフト&ホームショッピングコンベンションを開催した。今年は『FOOD GIFTのコミュニケーター』をテーマに、多様化するライフスタイルに備えてさまざまな商品を提案した。出展品は、常温食品部門、冷凍食品・チルド食品部門、水産加工品部門のグループごとに、ギフト商品とホームショッピング向け商品が展示、試食されており、新商品を九品紹介した。」の記載。
(i)1997.09.11 西日本新聞 夕刊 8頁
「マリンメッセ福岡で国際見本市、43カ国・地域のギフト展示」の見出しの下、「アジア、欧米など四十三カ国・地域のギフト用品を一堂に展示、紹介する「97福岡国際見本市」(福岡市、福岡商工会議所などの実行委員会主催)が十一日、福岡市博多区のマリンメッセ福岡で始まった。・・(略)・・今回は四十三カ国・地域の民間企業や政府機関など計三百七社・団体が参加。「暮らしを楽しむ世界のギフト」をテーマに家具や工芸品、食品など贈答用品を展示している。」の記載。
(j)1998.03.26 繊研新聞 5面
「丸福商事婦人服 テーマ販売強化で夏物受注2ケタ増」の見出しの下、「今後も時期に応じた販売企画を打ち出し、小売店の仕入れにこたえる。三月中に母の日ギフトの展示会を開く。」の記載。
(k)1998.10.08 繊研新聞 5面
「〈告知板〉 オールジャパン・ギフトフェスティバル東京」の見出しの下、「ギフトの専門見本市である『第82回オールジャパン・ギフトフェスティバル東京』(全日本ギフト用品協会主催)が来年1月27、28日、東京都立産業貿易センターで開催される。テーマは『これからの流通はギフト業界がにぎる』。」の記載。
(l)2003.08.18 日本食糧新聞
「長野・山梨地区夏期特集:構造改革を懸命に進める食品業界」の見出しの下、「山梨県も環境にやさしい農業イノベーション構想を施策の柱に産業の育成や起業家を後押しする施設の設置などを進め、農産物で原産地呼称制度の認定に入ったほか、県庁で県産品のギフト展示会を開くなど、地方の時代に相応しい産業基盤の構築に取組んでいる。」の記載。
(m)2003.10.20 日本食糧新聞
「昭和、『年末謝恩見本市』盛大に開催、水産・ギフトなどに力」の見出しの下、『中部大手卸の(株)昭和は14、15日、同社稲沢配送センターで恒例の『第三一回年末謝恩見本市』を盛大に開催した。・・(略)・・ギフト事業部では、『安心・安全そしておいしさと真心を!SHOW‐WA GIFT』をテーマに、ご当地ギフト・健康ギフト・オリジナルギフトをはじめ、チョイスギフト・年間ギフトなどの非食品ギフトにも力を入れている。」の記載。
(n)2004.06.25 日本食糧新聞
「二幸、『04歳暮ギフト展示会』を開催」の見出しの下、「(株)二幸(東京都港区)は16日、本社二階ショールームでクリスマスギフトから歳暮ギフト、正月用ギフトまでを一堂に展示する「二〇〇四年お歳暮贈答品展示会」を開催した。「簡単・便利・ゴージャス・美味」をテーマに「二幸ニコニコサイズ」ギフトシリーズを提案した。洋食惣菜缶詰詰め合わせ、茶漬雑炊詰め合わせ、水産詰め合わせなど、食べ切り・小分けサイズのギフトで小家族化、食卓の多様化などに対応したもの。」の記載。
以上のことからすれば、本願商標をその指定役務「商品の展示会及び商品の見本市の企画・運営及び開催」に使用するときは、これに接する需要者、取引者は、「贈り物に適した商品の展示会及び見本市の企画・運営及び開催」であること、すなわち、役務の質(内容)を表示したものとして把握するにとどまり、自他役務を識別するための標識とは認識し得ないものといわざるを得ず、かつ、その役務について取引をする何人も使用を欲する表示であるというのが相当である。
したがって、本願商標を商標法第3条第1項第3号に該当するとして拒絶した原査定は、妥当であって、取り消すことができない。
なお、請求人は、昭和47年の「第1回ギフト&プレミアムショー」の開催以来、現在に至るまで、請求人が「ギフト・ショー」の開催を継続し、「ギフト・ショー」という商標を使用すると共に、「GIFT」商標(旧第26類「新聞、雑誌」)、「GIFT/ぎふと」商標(第6類、第9類、第16類、第19類及び第20類)、「ギフト」商標(第16類)及び「ギフト・ショー」商標(第35類)が登録され、「ギフト」という語に関する「新たな意味づけ」がされたことにより、「ギフト」の語が、単なる「贈り物」という意味で認識されるものではなく、「贈り物に適するような一定の品質を備えた生活雑貨一般」という意味で認識されているので、本願商標「ギフト」がその指定役務に使用された場合であっても、需要者・取引者は、単に、「ギフト用(贈り物用)商品の展示会及び商品の見本市」の意味として理解するものではないから、本願商標は、単に指定役務の質(内容)を表示するものではない旨主張し、証拠1ないし証拠16を提出している。
しかしながら、提出された証拠は、請求人が開催する「ギフト・ショー」に関するものであって、本願商標「ギフト」をその指定役務に使用している事実を見いだすことはできないから、これらによって「ギフト」の語に「贈り物」の意味以外の新たな意味づけがされたことは証明できるものではない。
また、請求人の挙げる登録商標は、他類における登録や、商標の態様が異なるものであるので、本願商標をそれらと同列に論ずることは妥当ではない上に、そもそも商標が自他商品及び役務の識別力を有するか否かは、当該商標とその指定商品又は指定役務との関係において個別具体的に判断されるべきものであり、本願については、前記のとおり判断するのが相当であるから、この点についての請求人の主張は採用できない。
よって、結論のとおり審決する。
審理終結日 2007-12-14 
結審通知日 2007-12-17 
審決日 2007-12-28 
出願番号 商願2005-97070(T2005-97070) 
審決分類 T 1 8・ 13- Z (Y35)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 鈴木 幸一 
特許庁審判長 山口 烈
特許庁審判官 寺光 幸子
今田 尊恵
商標の称呼 ギフト 
代理人 木村 高明 

プライバシーポリシー   セキュリティーポリシー   運営会社概要   サービスに関しての問い合わせ