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審決分類 審判 全部取消 商50条不使用による取り消し 無効としない 103
管理番号 1172834 
審判番号 取消2007-300510 
総通号数 99 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2008-03-28 
種別 商標取消の審決 
審判請求日 2007-04-23 
確定日 2008-02-04 
事件の表示 上記当事者間の登録第1023173号商標の登録取消審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 審判費用は、請求人の負担とする。
理由 1 本件商標
本件登録第1023173号商標(以下「本件商標」という。)は、「コフスロート」の文字を書してなり、昭和46年4月14日に登録出願、第4類「化粧品、その他本類に属する商品」を指定商品として、同48年7月16日に設定登録されたものであり、その後、3回にわたり商標権存続期間の更新登録がされ、また、指定商品については平成16年8月11日に、第3類「化粧品,香料類,せっけん類,歯磨き」及び第30類「食品香料(精油のものを除く。)」を指定商品とする書換登録がされ、現に有効に存続しているものである。
また、本件審判請求の登録は、平成19年5月16日になされている。

2 請求人の主張の要点
請求人は、「本件商標の登録を取り消す。審判費用は、被請求人の負担とする。」との審決を求めると申し立て、その理由及び答弁に対する弁駁を次のように述べた。
(1)請求の理由
本件商標は、継続して過去3年以上日本国内において、その指定商品について使用された事実がないから、その登録は、商標法第50条第1項の規定により取り消されるべきものである。

(2)答弁に対する弁駁
(ア)乙第1号証について
乙第1号証は、いつ、どこで、誰に、どの程度、どのような状況のもとで展示され、頒布されたものであるのか明らかでない。

(イ)乙第2号証及び乙第3号証について
乙第2号証及び乙第3号証によって、被請求人が、日本ローヤル商事株式会社(以下「日本ローヤル商事」という。)及び株式会社べついん商店(以下「べついん商店」という。)に、本件商標を使用した商品を納入した旨を理解し得る。
しかしながら、本件商標を使用した商品が実際に日本ローヤル商事及びべついん商店に引き渡されたものであるかどうかは明らかではない。

(ウ)乙第4号証及び乙第5号証について
乙第4号証及び乙第5号証は、どこで、誰に、どの程度、どのような状況のもとで展示され、頒布されたものであるのか明らかではない。

(エ)むすび
以上のとおり、乙第1号証ないし乙第5号証は、本件商標が本件指定商品において使用されている事実を証明する適正な証拠資料として成り立たないものである。
したがって、本件商標は、本件指定商品について使用の事実が認められないものであるから、商標法第50条第1項の規定に基づきその登録を取り消されるべきである。

3 被請求人の答弁の要点
被請求人は、結論同旨の審決を求めると答弁し、その理由を次のように述べ、証拠方法として、乙第1号証ないし乙第5号証を提出した。
(1)使用の事実
商標権者は、本件商標の登録出願前より現在に至るまで、本件商標の指定商品について、継続して使用している。
そして、商標権者は、少なくとも、平成16年5月16日以降、日本国内において、「せっけん類」について、本件商標の使用をしている。

(2)乙第1号証について
乙第1号証(商標権者発行の、「せっけん」の広告用パンフレット)には、「せっけん」(詳しくは、「フェイシャルソープ」、「洗顔石鹸」)写真が掲載されると共に、当該商品の商標として「コフスロート」の文字が付されている。
また、乙第1号証には、「コフスロート」及び「COFSLORT」の商標が付された「せっけん」の包装用箱の写真が掲載されている。
さらに、当該「せっけん」の販売者及びの乙第1号証の発行人として、商標権者の名称が表示されている。
なお、「COFSLORT」は、片仮名の商標「コフスロート」をローマ字に変更したものであり、片仮名の商標「コフスロート」と 同一の称呼及び観念を生ずるものである。
したがって、乙第1号証によれば、商標権者が、「せっけん」の包装に「コフスロート」及び「COFSLORT」の商標を付していること、また、「せっけん」に関する広告に、「コフスロート」の商標を付して頒布していることが明らかである。

(3)乙第2号証について
乙第2号証(納品書(控))には、品名欄に「コフスロート フェイシャルソープ」と表示されており、2004年(平成16年)12月10日に、商標権者が、「日本ローヤル商事」に対して、「コフスロート」の商標を用いた「フェイシャルソープ」(せっけん)を販売した事実が記載されている。

(4)乙第3号証について
乙第3号証(納品書(控))には、品名欄に「コフスロート フェイシャルソープ」と表示されており、2005年(平成17年)2月22日に、商標権者が、「べついん商店」に対して、「コフスロート」の商標を用いた「フェイシャルソープ」(せっけん)を販売した事実が記載されている。

(5)乙第4号証について
乙第4号証(「せっけん」の広告用試供品の配布物)は、2004年(平成16年)秋から2005年(平成17年)3月31日までに、商標権者が、フェイシャルソープ(せっけん)「コフスロート」の宣伝広告、販売キャンペーンを行った際に配布したものである。
当該乙第4号証には、「せっけん」(詳しくは、「フェイシャルソープ」、「洗顔石鹸」)の試供品が透明な包装用容器に入れられて台紙に貼付されている。
そして、当該台紙には商品名として、「フェイシャルソープ」と表示されると共に、「フェイシャルソープ」(せっけん)の商標として「コフスロート」の商標が付されている。
また、台紙には発売元として、商標権者の名称が表示されている。
なお、台紙及び透明な包装用容器入りせっけんは、透明な包装用袋に入れられている。
したがって、乙第4号証によれば、商標権者が、「せっけん」に関する広告に商標「コフスロート」を付して頒布していることが明らかである。

(6)乙第5号証について
乙第5号証のパンフレットは、商標権者が、2005年(平成17年)6月24日から7月15日に開催した、「お中元GIFTFAIR」用のパンフレットである。
当該パンフレットには、「せっけん」(詳しくは、「フェイシャルソープ」、「洗顔石鹸」)が掲載されると共に、当該商品の商標として「コフスロート」の商標が付されている。
また、乙第5号証には、「コフスロート」及び「COFSLORT」の商標が付された「せっけん」の包装用箱の写真が掲載されている。
さらに、当該「せっけん」の販売者及び乙第5号証の発行人として、商標権者の名称が表示されている。
なお、「COFSLORT」は、片仮名の商標「コフスロート」をローマ字に変更したものであり、片仮名の商標「コフスロート」と 同一の称呼及び観念を生ずるものである。
したがって、乙第1号証によれば、商標権者が、「せっけん」の包装に「コフスロート」及び「COFSLORT」の商標を付していること、また、「せっけん」に関する広告に、「コフスロート」の商標を付して頒布していることが明らかである。

(7)上記各証拠により、本件商標が、商標権者により、「せっけん」に使用されて,少なくとも平成16年(2004年)5月16日以降、市場に流通していることは明白であり、使用の事実は明らかである。
上記の次第につき、請求の趣旨のとおりの審決を賜りたい。

4 当審の判断
(1) 乙第1号証について
乙第1号証は、パンフレットの写しと認められるところ、当該パンフレットの上部には、「コフスロート フェイシャルソープ」の文字が表示されている。
また、当該パンフレットの右上には、「洗顔透明石鹸」の文字が表示され、当該文字の下には、「せっけん」と認められる写真が表示され、当該写真の下には、「コフスロート」の文字が表示されている。
さらに、当該パンフレットの下部には、「お問い合わせ先」として、商標権者の名称及び住所の表示がある。

(2)乙第2号証について
乙第2号証は、商標権者による、「日本ローヤル商事」宛ての「納品書(控え)」の写しと認められるところ、「品番・品名」の欄の3行目には、「コフスロート フェイシャルソープ 70g」の表示があり、また、「数量」及び「単位」の欄には、「24本」と表示されている。
さらに、右上には、「2004年12月10日」の表示がある。

(3)社会通念上同一と認められる商標について
登録商標は、商取引の実際においては、例えば、書体を変更したり、他の文字等を付記する等その表示態様について少なからぬ変更が加えられて使用されることがむしろ通常であるから、その変更により外観が必ずしも登録商標と酷似するとはいえない商標であっても、それが登録商標の表示態様において基本をなす部分を変更するものでなく、当該登録商標が有する独自の識別性に影響を与えない限度にとどまるものであるときは、その商標の使用をもって「登録商標の使用」とみるべきである。
これを本件についてみると、乙第1号証に表示されている「コフスロート」は、本件商標「コフスロート」と同一の商標であると認められる。
また、乙第1号証及び乙第2号証には、「コフスロート フェイシャルソ
ープ」の商標(以下「使用商標」という。)が表示されているところ、「フェイシャルソープ」の文字部分は、使用に係る商品「洗顔石鹸」を意味を有する英語であるから、自他商品識別標識としての機能を有さないか、自他商品識別標識としての機能を有していたとしても極めて弱いものである。
してみれば、使用商標中、自他商品識別標識としての機能は、「コフスロート」の文字部分にあるというべきである。
また、使用商標中、「コフスロート」と「フェイシャルソープ」の間には、一文字分のスペースがあるため、外観上も「コフスロート」と「フェイシャルソープ」とに分断して把握し得るものである。
そうとすれば、使用商標は、本件商標「コフスロート」が有する独自の識別性に影響を与えない限度にとどまるというべきであるから、本件商標と社会通念上同一と認められる商標であると認められる。

(4)結論
乙第1号証及び乙第2号証よりすれば、商標権者は、本件審判請求の登録前3年以内に、「日本ローヤル商事」に対し、本件請求に係る指定商品中「せっけん」(洗顔透明石鹸)について、本件商標及び本件商標と社会通念上同一と認められる商標を使用していたということができる。
したがって、本件商標の請求に係る商品についての登録は、商標法第50条第1項の規定により取り消すべき限りでない。
よって、結論のとおり審決する。
審理終結日 2007-11-28 
結審通知日 2007-12-04 
審決日 2007-12-18 
出願番号 商願昭46-36910 
審決分類 T 1 31・ 1- Y (103)
最終処分 不成立  
特許庁審判長 井岡 賢一
特許庁審判官 鈴木 修
堀内 仁子
登録日 1973-07-16 
登録番号 商標登録第1023173号(T1023173) 
商標の称呼 コフスロート 
代理人 高橋 大典 
代理人 高橋 三雄 

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