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審決分類 審判 査定不服 称呼類似 登録しない Y14
審判 査定不服 観念類似 登録しない Y14
管理番号 1172639 
審判番号 不服2006-8454 
総通号数 99 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2008-03-28 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2006-03-30 
確定日 2008-01-21 
事件の表示 商願2005- 45956拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。
理由 1 本願商標
本願商標は、別掲(1)のとおりの構成よりなり、第14類「貴金属,身飾品,時計」を指定商品として、平成17年5月25日に登録出願されたものである。

2 引用商標
原査定において、本願の拒絶の理由に引用した登録第4558076号商標(以下「引用商標」という。)は、別掲(2)のとおりの構成よりなり、平成12年11月2日登録出願、別掲(3)のとおりの商品を指定商品として、同14年4月5日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。

3 当審の判断
本願商標は、別掲(1)のとおり、「NIWΛKΛ」と表してなるものであるところ、商品名等を独特の字体、デザインで表す文字のレタリングは一般的に行われている近時の状況よりすれば、構成中の「Λ」は、欧文字の「A」の横線を省略し、図案化したものと理解されることから、本願商標はやや図案化された文字を含む「NIWAKA」の欧文字よりなるとみるのが相当である。
そうとすれば、本願商標は、その構成文字に相応して、「ニワカ」の称呼を生じるものであり、日本語の「にわか」としての意味「急に変化が現れるさま」「だしぬけ、突然」「すぐさま、即座」「俄狂言」(広辞苑第五版)を想起し、観念することも否定しがたいものである。
これに対し、引用商標は、別掲(2)のとおり、目と眉からなる顔面図形、「にわか」、「二◯加」の三段の構成よりなり、図形部分と文字部分とを別々に上下に配した構成よりなるものである。
そうとすれば、引用商標は、その外観上、図形部分と文字部分とが分離されないような構成態様でもなく、図形部分と文字部分とが不可分のものとして一つの観念を形成しているものともいえないから、両部分は、これを分離して観察することが取引上不自然と考えられるほど不可分一体に結合しているということはできないものである。
してみると、その文字部分に相応して、「ニワカ」の称呼を生ずるものであり、「にわか」の文字より、「急に変化が現れるさま」「だしぬけ、突然」「すぐさま、即座」及び「俄狂言」の語義、「二○加」の文字部分より「俄狂言」を想起し、観念を想起するものである。
なお、「にわか」及び「二○加」より、「ニワカ」の称呼が生じ、伝統芸能である「俄狂言」をも想起し、観念することは、以下の新聞及びホームページの記載からも認められる。
(ア)「連載 キュッと九州 玉名」の見出しのもと,「◆にわか「俄」「仁○加」「仁輪加」「二○加」などとも書かれる,にわか狂言を略した言葉。・・現在,全国の31地域で伝承されている。・・」との記載(日刊スポーツ記事(2004年(平成16年)11月30日付))。
(イ)「平成13年度指定 無形民俗文化財 博多仁和加」の見出しのもと,「「にわか」(俄,仁和加,仁輪加,二○加、庭神楽などとも書かれる)とは「にわか狂言」を略した言葉です。祭礼において種々趣向をこらした素人の出し物が演劇化した即興の笑劇であり,18世紀半ばの江戸時代中期から大阪・京都・江戸で流行し,全国各地に伝播したと考えられています。・・即興笑劇であることを基準にすると,現在全国20ヶ所で「にわか」が継承されています。このうち文化財に指定されたものに,「佐喜浜にわか」(高知県室戸市佐喜浜町,H6,国指定,無形民俗文化財),「美濃流しにわか」(岐阜県美濃市,H8.7.9,県指定,無形民俗,H8.11.28,国の記録作成等の措置を講ずべき無形の民俗文化財に選択),「名振のおめつき」(宮城県雄勝町,町指定,無形民俗),「だんじり仁輪加狂言」(広島県世羅郡甲山町、町指定、無形)の4件があります。・・」との記載(福岡市教育委員会ホームページ(http://www.asahi-net.or.jp/~RI5T-MK/13nendo/niwaa.html))。
(ウ)「にわかに活気づいてきた?熊本県玉名市」の見出しのもと,「熊本県・玉名市では「市民主役」の街づくりが実践されている。・・・伊倉校区では笑いを交えた即興劇「仁○加(にわか)」が伝承されている特徴を生かし「笑い」をテーマに活動するなど校区単位で特色ある地域づくりが進んでいる。・・◆にわか「俄」「仁○加」「仁輪加」「二○加」などとも書かれる,にわか狂言を略した言葉。・・・」との記載(日刊スポーツ九州のホームページ(http://www4.nikkan-kyusyu.com/le/kyu/part2/067/top.html)。
(エ)「「にわか」で大笑い,全国各地から参加 玉名で交流大会 /熊本」の見出しのもと,「玉名市伊倉の商店街で17日,全国のにわか劇団を一堂に集めた笑いの祭典「にわか交流大会おもしろかバイ伊倉」があった。九州各地から多くのにわかファンが押し掛け、通りは終日笑いの渦に包まれた。「伊倉仁○加保存会」の創立10周年を記念して,同保存会と伊倉まちづくり委員会が初めて開いた。」,「伊倉は古くから商業の町として栄えた。「伊倉仁○加」は庶民芸能として江戸末期に始まり,地区の行事に合わせて演じられてきた。・・」,「参加したのは,国指定無形民俗文化財に指定されている岐阜県美濃市の「美濃流し仁輪加」,高知県室戸市の「佐喜浜にわか」,芸どころ博多の「博多仁和加」と八女市の「本田仁○加」,県内の「伊倉仁○加」「高森にわか」「富合にわか」のほか,伊倉小と玉南中のにわか劇団の9団体。」との記載(2004年(平成16年)10月18日付朝日新聞記事)。
(オ)「諏訪神社:豊作願い,天衝の舞??富士町 /佐賀」の見出しのもと,「県重要無形民俗文化財として佐賀市富士町に500年以上続く伝統行事「市川の天衝舞(てんつくみゃあ)浮立」が15日,市川地区の諏訪神社で奉納された。・・年寄り衆の「二○加(にわか)」と呼ばれる寸劇で境内が笑いで包まれたところに,高さ2メートル,重さ8キロのテンツキをかぶった舞人(まいびと)が登場。」との記載(2005年(平成17年)10月16日付毎日新聞地方版/佐賀25頁)。
(カ)「室戸路は秋祭り色 俄と流鏑馬、大きな拍手 /高知県」の見出しのもと,「室戸市佐喜浜町の佐喜浜八幡宮の秋祭りでは,風刺とユーモアで世相を皮肉る伝統芸能「佐喜浜俄(にわか)」が演じられた。俄は俄狂言の略で「仁輪加」「二○加」とも書かれ,素人が演じる即興滑稽(こっけい)寸劇。佐喜浜では江戸時代から演じられ,県の無形民俗文化財に指定されている。」との記載。(2007年(平成19年)10月11日付朝日新聞大阪地方版/高知28頁)。
そうとすれば、本願商標と引用商標は、外観において差異があることを考慮しても、「ニワカ」の称呼を同一にし、「だしぬけ、突然」又は「俄狂言」の観念を同じくする、互いに紛れるおそれのある類似の商標というのが相当である。
また、本願商標及び引用商標とも「ニワカ」の称呼を同一にすることから、その称呼により「だしぬけ、突然」又は「俄狂言」の観念を同じくするといえるものである。
そして、本願商標の指定商品は、引用商標の指定商品に含まれるものである。
したがって、本願商標は、引用商標に類似する商標であり、本願商標の指定商品が引用商標の指定商品に含まれるから、商標法第4条第1項第11号に該当するものである。
なお、請求人は、過去の審決例を挙げて本願商標は登録されるべきであると主張するが、該審決例は、商標の構成等において本願とは事案を異にするものであり、それらの審決例をもって本願の登録の適否を判断する基準とするのは必ずしも適切でないから採用できない。
以上のとおり、本願商標を商標法第4条第1項第11号に該当するとして、その出願を拒絶した原査定は、妥当であって取り消すことができない。
よって、結論のとおり審決する。
別掲 別掲(1)本願商標



別掲(2)引用商標



別掲(3)引用商標の指定商品
第14類「貴金属,貴金属製食器類,貴金属製のくるみ割り器・こしょう入れ・砂糖入れ・塩振出し容器・卵立て・ナプキンホルダー・ナプキンリング・盆及びようじ入れ,貴金属製の花瓶・水盤・針箱・宝石箱・ろうそく消し及びろうそく立て,貴金属製のがま口・靴飾り・コンパクト及び財布,貴金属製喫煙用具,身飾品,宝玉及びその原石並びに宝玉の模造品,時計,記念カップ,記念たて,キーホルダー」
第21類「ガラス基礎製品(建築用のものを除く。),なべ類,コーヒー沸かし(電気式又は貴金属製のものを除く。),鉄瓶,やかん,食器類(貴金属製のものを除く。),アイスペール,泡立て器,魚ぐし,携帯用アイスボックス,こし器,こしょう入れ・砂糖入れ及び塩振り出し容器(貴金属製のものを除く。),卵立て(貴金属製のものを除く。),ナプキンホルダー及びナプキンリング(貴金属製のものを除く。),盆(貴金属製のものを除く。),ようじ入れ(貴金属製のものを除く。),米びつ,ざる,シェーカー,しゃもじ,手動式のコーヒー豆ひき器及びこしょうひき,じょうご,食品保存用ガラス瓶,水筒,すりこぎ,すりばち,ぜん,栓抜,大根卸し,タルト取り分け用へら,なべ敷き,はし,はし箱,ひしゃく,ふるい,まな板,魔法瓶,麺棒,焼き網,ようじ,レモン絞り器,ワッフル焼き型(電気式のものを除く。),清掃用具及び洗濯用具,化粧用具,おけ用ブラシ,金ブラシ,管用ブラシ,工業用はけ,船舶ブラシ,ブラシ用豚毛,洋服ブラシ,靴ブラシ,靴べら,靴磨き布,軽便靴クリーナー,シューツリー,ガラス製又は陶磁製の包装用容器,アイロン台,愛玩動物用食器,愛玩動物用ブラシ,犬のおしゃぶり,植木鉢,家庭園芸用の水耕式植物栽培器,家庭用燃え殻ふるい,紙タオル取り出し用金属製箱,霧吹き,靴脱ぎ器,こて台,小鳥かご,小鳥用水盤,じょうろ,寝室用簡易便器,石炭入れ,せっけん用ディスペンサー,貯金箱(金属製のものを除く。),トイレットペーパーホルダー,ねずみ取り器,はえたたき,へら台,湯かき棒,浴室用腰掛け,浴室用手おけ,ろうそく消し及びろうそく立て(貴金属製のものを除く。),花瓶(貴金属製のものを除く。),ガラス製又は磁器製の立て看板,香炉,コッフェル,水盤(貴金属製のものを除く。),風鈴」
第29類「食肉,食用魚介類(生きているものを除く。),肉製品,加工水産物,豆,加工野菜及び加工果実,卵,加工卵,乳製品,食用油脂,カレー・シチュー又はスープのもと,なめ物,お茶漬けのり,ふりかけ,油揚げ,凍り豆腐,こんにゃく,豆乳,豆腐,納豆,食用たんぱく」

審理終結日 2007-11-21 
結審通知日 2007-11-28 
審決日 2007-12-11 
出願番号 商願2005-45956(T2005-45956) 
審決分類 T 1 8・ 262- Z (Y14)
T 1 8・ 263- Z (Y14)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 有水 玲子 
特許庁審判長 中村 謙三
特許庁審判官 小畑 恵一
清川 恵子
商標の称呼 ニワカ 
代理人 藤川 忠司 

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