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審決分類 |
審判 全部申立て 登録を維持 Y0529 審判 全部申立て 登録を維持 Y0529 |
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管理番号 | 1171244 |
異議申立番号 | 異議2007-900308 |
総通号数 | 98 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標決定公報 |
発行日 | 2008-02-29 |
種別 | 異議の決定 |
異議申立日 | 2007-07-06 |
確定日 | 2008-01-15 |
異議申立件数 | 1 |
事件の表示 | 登録第5035889号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 |
結論 | 登録第5035889号商標の商標登録を維持する。 |
理由 |
1 本件商標 本件登録第5035889号商標(以下「本件商標」という。)は、「GLYCOSLIM」の文字と「グライコスリム」の文字を上下二段に横書きしてなり、平成18年6月29日に登録出願、第5類及び第29類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同19年3月30日に設定登録されたものである。 2 引用商標 登録異議申立人(以下「申立人」という。)が引用する登録商標は、以下のとおりであり、その商標権は、いずれも現に有効に存続しているものである。 (1)登録第1540451号商標は、「GLICO」の文字を横書きしてなり、昭和53年4月19日に登録出願、第32類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、昭和57年9月30日に設定登録され、その後、2回にわたり商標権の存続期間の更新登録がされ、平成15年12月17日に指定商品を第29類、第30類、第31類及び第32類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品とする指定商品の書換の登録がされたものである。 (2)登録第2656196号商標は、「グリコ」の文字を横書きしてなり、平成4年1月20日に登録出願、第32類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、平成6年4月28日に設定登録され、その後、同16年3月30日に商標権の存続期間の更新登録がされ、同16年4月21日に指定商品を第29類、第30類、第31類及び第32類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品とする指定商品の書換の登録がされたものである。 (上記登録商標をまとめて、以下「引用商標」という。) 3 登録異議の申立ての理由の要点 (1)商標法第4条第1項第11号について 本件商標を構成する「GLYCOSLIM」と「グライコスリム」の各文字は、成語ではなく、また、その構成中の「SLIM/スリム」は、「ほっそりしているさま」を意味する語であり、食品の分野において「痩身用の商品」の意味をもって、商品の品質等を表示するための語として多用されているものであるから、本件商標の要部は、「GLYCO」の文字部分である。 そして、「GLYCO」からは、「グリコ」の称呼が生ずることはきわめて自然といえる。 一方、引用商標は、その構成文字に相応して、「グリコ」の称呼が生ずる。 したがって、本件商標と引用商標は、称呼上類似する商標である。 (2)商標法第4条第1項第15号について 本件商標は、申立人の業務に係る商品に使用するものとして広く認識されている「グリコ」、「Glico」、「GLICO」(これらの商標をまとめて、以下「申立人商標」という。)と類似する商標であるから、本件商標をその指定商品について使用するときは、該商品が申立人又は申立人と何らかの関係を有する者の取扱いに係る商品であるかのように、商品の出所について混同を生ずるおそれがある。 (3)むすび したがって、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第11号及び同第15号に違反してされたものであるから、取り消されるべきである。 3 当審の判断 (1)申立人商標の著名性について 申立人商標が、申立人の業務に係る商品「菓子」等について使用され、本件商標の登録出願前より、需要者の間に広く認識されていたことは特許庁において顕著な事実であり、また、甲第9号証ないし甲第14号証によれば、申立人がサプリメント等の健康食品、病院用の検査食などの分野においても、本件商標の登録出願前より商品展開をし、該商品に筆記体で書された「Glico」等の商標を使用していることが認められる。 (2)商標法第4条第1項第11号について 本件商標は、前記のとおり、「GLYCOSLIM」の文字と「グライコスリム」の文字を二段に横書きしてなるものであるところ、これらの文字は、いずれも同一の書体をもって、同一の大きさ、同一の間隔で書されているものであり、構成全体がまとまりよく表されているものといえる。また、本件商標中の「GLYCO」の文字部分は、「グライコ」あるいは「グリコ」と発音される「糖の、甘い」の意の連結形(例えば、「研究社 新英和大辞典」第5版34刷)であり、本件商標中の「グライコスリム」の片仮名部分が「GLYCOSLIM」の文字部分の読みを特定したものとみるのに何ら不自然さは見出せないのみならず、これより生ずると認められる「グライコスリム」の称呼も冗長というほどのものではなく、よどみなく称呼し得るものである。 そうすると、本件商標の指定商品に含まれる食餌療法用食品や健康食品等の分野において、「SLIM」、「スリム」の語が「ほっそりした、体重を減らす」などの意味をもって、商品の品質等を表示する場合があるとしても、本件商標は、その外観及び称呼の面からみて、これに接する需要者をして、構成全体をもって、一体不可分の造語を表したものと理解されるとみるのが相当である。 してみれば、本件商標は、その構成文字に相応して、「グライコスリム」の一連の称呼のみを生ずるものであって、全体として、特定の観念を想起させない造語よりなるものといわなければならない。 したがって、本件商標より「GLYCO」の文字部分のみを分離、抽出し、そのうえで、本件商標と引用商標とが称呼上類似する商標であるとする申立人の主張は、理由がないというべきである。他に本件商標と引用商標とが類似するとみるべき理由は見出せない。 以上によれば、本件商標と引用商標は、称呼、観念及び外観のいずれの点においても相紛れるおそれのない非類似の商標というべきである。 (3)商標法第4条第1項第15号について 前記(1)で認定したとおり、申立人商標が申立人の業務に係る商品「菓子」等を表示するためのものとして、本件商標の登録出願前より、需要者の間に広く認識されていたことは認めることができる。 しかしながら、本件商標は、前記(2)のとおり、その構成中の「GLYCO」の文字部分のみが独立して認識されるものではないから、本件商標に接する需要者は、これより直ちに申立人商標を想起又は連想することはないとみるべきである。 したがって、本件商標は、これをその指定商品について使用しても、需要者をして、該商品が申立人又はこれと営業上何らかの関係を有する者の取扱いに係る商品であるかのように、商品の出所について混同を生じさせるおそれはないといわなければならない。 (4)むすび 以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第11号及び同第15号に違反してされたものではないから、同法第43条の3第4項の規定により、維持すべきものである。 よって、結論のとおり決定する。 |
異議決定日 | 2007-12-18 |
出願番号 | 商願2006-60635(T2006-60635) |
審決分類 |
T
1
651・
262-
Y
(Y0529)
T 1 651・ 271- Y (Y0529) |
最終処分 | 維持 |
前審関与審査官 | 福島 昇 |
特許庁審判長 |
中村 謙三 |
特許庁審判官 |
津金 純子 小畑 恵一 |
登録日 | 2007-03-30 |
登録番号 | 商標登録第5035889号(T5035889) |
権利者 | マナテック・インコーポレイテッド |
商標の称呼 | グライコスリム、グリコスリム、グライコ、グリコ |
代理人 | 関根 秀太 |