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審決分類 |
審判 一部申立て 登録を維持 Y14 審判 一部申立て 登録を維持 Y14 審判 一部申立て 登録を維持 Y14 |
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管理番号 | 1171243 |
異議申立番号 | 異議2007-900307 |
総通号数 | 98 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標決定公報 |
発行日 | 2008-02-29 |
種別 | 異議の決定 |
異議申立日 | 2007-07-06 |
確定日 | 2008-01-15 |
異議申立件数 | 1 |
事件の表示 | 登録第5035801号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 |
結論 | 登録第5035801号商標の商標登録を維持する。 |
理由 |
1 本件商標 本件登録第5035801号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲(1)のとおりの構成よりなり、平成18年12月5日に登録出願、第14類及び第18類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同19年3月30日に設定登録されたものである。 2 引用商標 登録異議申立人「FRED PARIS(フレッド パリ)」(以下「申立人」という。)が引用する登録商標は、以下のとおりであり、その商標権は、いずれも現に有効に存続しているものである。 (1)登録第4277795号商標は、「FRED」の文字を横書きしてなり、平成10年1月6日に登録出願、第9類及び第14類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同11年5月28日に設定登録されたものである。 (2)登録第2271372号商標は、別掲(2)のとおりの構成よりなり、昭和61年6月17日に登録出願、第21類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、平成2年10月31日に設定登録され、その後、同12年10月31日に商標権の存続期間の更新登録がされ、さらに同14年3月13日に指定商品を第14類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品とする書換登録がされたものである。 (上記登録商標をまとめて、以下「引用商標」という。) 3 登録異議申立ての理由の要点 (1)商標法第4条第1項第8号について 本件商標は、その構成中に申立人の著名な略称である「FRED」の文字を含むものであって、申立人の承諾を得たものではない。 (2)商標法第4条第1項第11号及び同第15号について 本件商標は、その構成中に申立人の著名な略称である「FRED」の文字を含むものであるから、引用商標と外観上類似する商標であって、その指定商品も引用商標の指定商品と同一又は類似のものである。 また、引用商標は、申立人の取扱いに係る商品「身飾品,時計」等に使用される商標として著名となっているから、これと酷似する本件商標をその指定商品について使用するときは、該商品に接する需要者は、あたかも申立人又は申立人と何らかの関係を有する者の取扱いに係る商品であるかのように認識し、商品の出所について混同を生ずるおそれがある。 (3)むすび 以上のとおり、本件商標の登録は、第14類に属する商品について、商標法第4条第1項第8号、同第11号及び同第15号に違反してされたものであるから、取り消されるべきである。 3 当審の判断 (1)「FRED」の文字について 申立人の提出した証拠によれば、以下の事実が認められる。 ア 甲第4号証「LVMH」のホームページ写しの2枚目には、「2007/10/02」の打ち出し日の表示があり、「LVMH(モエ・ヘネシー・ルイヴィトングループ(以下、LVMH)はこれらを含む高級ブランド品を取り扱う企業の集合体です。」の記載と共に表示された組織図中には、「ウォッチ&ジュエリー」の4番目に「フレッド【1993】」の表示があり、同5枚目には「自らを『モダン・ジュエリー・クリエーター』と名乗るフレッドは2001年11月に銀座並木通りに直営第一号店をオープン、成長を遂げています。」の記載がある。 イ 甲第5号証「★=★=★pharaoh’s room★=★=★無駄な知識『モノピア』満載!」のホームページ写しには、「2005-07-17」の日付の表示と共に「エンゲージリング探し(フレッド)」の見出しがあり、さらにその下「FRED」の項目の下に「1936年、パリのロワイヤル通り『マキシム』の隣にフレッド・サミュエルが宝石店を開いた事から始まる。」の記載がある。 ウ 甲第6号証「ALL About」の「ファッション/ジュエリー時計」のホームページの写しには、「掲載日:2001年11月04日」の表示と共に「パリのロワイヤル通りから銀座並木通りへ フレッド銀座店、オープン」の見出しのもと、「このブランド、実は1994年から1996年まで、銀座の並木通りにブティックがありました。1995年に《フレッド》がLVMHグループ傘下に入り、当時の輸入元が日本での展開継続を断念したのです。・・・1999年5月には、ヴァンドーム広場にブティックが進出。そして、銀座並木通り6番地に直営店をオープンさせたのが、2001年11月3日のこと」の記載がある。 エ 甲第10号証「フレッド生誕70周年/伊勢丹創業120周年/コラボレーション特別企画『フレッドx千住博』展」案内の写し5枚目には、「FRED/PARIS」の表示と共に「会期:8月16日(水)?29日(火)/会場●伊勢丹新宿店本館1階=ザ・ステージ」の記載がある。 オ 甲第12号証「世界の一流品大図鑑2003」及び甲第13号証「世界の一流品大図鑑2004」の写しには、時計又はジュエリーに使用されている「FRED」又は「フレッド」の商標の紹介がある。 以上の証拠によれば、申立人の会社は、1936年に「モダン・ジュエリー・クリエーター」として名高いフレッド・サミュエルによって創設され、一般に「FRED(フレッド)」と略称され、1995年に、世界的に有名なフランスの高級ブランドグループである「LVMH(モエ・ヘネシー・ルイ・ヴィトン)」グループの傘下となり(甲第4号証)、我が国においては、2001年11月に銀座並木通りに直営第一号店をオープンし、時計及びジュエリーの1ブランドとして雑誌等にも紹介されているものである。 そうすると、本件商標の登録出願時及び査定時において、「FRED」の文字は、申立人の会社名の略称及び「時計及びジュエリー」について使用する申立人の商標として、我が国の需要者の間である程度知られていたと認められるものである。 (2)本件商標 本件商標は、別掲(1)のとおり、図形と「FREDDY」の文字との組み合わせよりなるものであるところ、その構成中の図形部分と文字部分は、観念上密接な関係を有するものとは認められないから、文字部分のみが、独立して自他商品の識別機能を有するものである。そして、その構成中の「FREDDY」の文字部分は、同一の書体をもって外観上まとまりよく一体的に表されているばかりか、構成文字全体をもって「フレディ」と発音される男性の名前を表す英語である。 そうすると、本件商標は、構成文字全体を一体不可分のものとして理解されるものとみるのが相当であり、また、これより生ずる自然の称呼は、「フレディ」といわなければならない。 (3)商標法第4条第1項第8号該当性について 「FRED」の文字は、前記(1)のとおり、申立人の略称としてある程度知られていたとしても、前記(2)で認定したとおり、本件商標中の「FREDDY」の文字部分は、構成全体をもって一体不可分のものというべきであって、そのうちの「FRED」の文字部分のみが独立して認識されるとはいえないものである。 してみれば、本件商標は、その構成中に他人の著名な略称を含むものということはできないから、本件商標は、商標法第4条第1項第8号に該当しないものである。 (4)商標法第4条第1項第11号該当性について 引用商標は、前記2の(1)及び(2)のとおり、「FRED」の文字からなるものであるのに対し、本件商標は、その構成中の「FREDDY」の文字部分が構成全体をもって一体不可分のものというべきものであること前記(2)のとおりである。 そうすると、本件商標の構成中の「FRED」の文字部分を分離、抽出することを前提にして、本件商標と引用商標とが外観において類似の商標であるとする申立人の主張は、前提において誤りがあるといわざるを得ない。 したがって、本件商標と引用商標とは、非類似の商標といわなければならないから、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当しないものである。 (5)商標法第4条第1項第15号該当性について 本件商標は、前記(2)のとおり、その構成中の「FREDDY」の文字部分が構成全体をもって一体不可分のものというべきものであるから、構成中の「FRED」の文字部分を分離、抽出することを前提にして、本件商標と引用商標とが酷似するとし、その上で本件商標をその指定商品について使用した場合に、これに接する取引者・需要者が、申立人又は申立人と何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかの如く商品の出所について混同を生ずるおそれがあるとする申立人の主張は、前提において誤りがあるといわざるを得ない。 したがって、本件商標は、他人の業務に係る商品と混同を生ずるおそれがある商標ではないから、商標法第4条第1項第15号に該当しないものである。 (6)むすび したがって、本件商標の登録は、登録異議の申立てに係る指定商品について、商標法第4条第1項第8号、同第11号及び同第15号のいずれの規定にも違反してされたものではないから、同法第43条の3第4項の規定に基づき、維持すべきものである。 よって、結論のとおり決定する。 |
別掲 |
別掲(1) 本件商標 別掲(2) 登録第2271372号商標 |
異議決定日 | 2007-12-20 |
出願番号 | 商願2006-112469(T2006-112469) |
審決分類 |
T
1
652・
23-
Y
(Y14)
T 1 652・ 261- Y (Y14) T 1 652・ 271- Y (Y14) |
最終処分 | 維持 |
前審関与審査官 | 八木橋 正雄 |
特許庁審判長 |
中村 謙三 |
特許庁審判官 |
津金 純子 小畑 恵一 |
登録日 | 2007-03-30 |
登録番号 | 商標登録第5035801号(T5035801) |
権利者 | フレデイ エス ピー アー |
商標の称呼 | フレディ |
代理人 | 稲葉 良幸 |
代理人 | 竹内 耕三 |
代理人 | 野田 久登 |
代理人 | 深見 久郎 |
代理人 | 田中 克郎 |
代理人 | 森田 俊雄 |