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審決分類 |
審判 全部申立て 登録を維持 Y20 審判 全部申立て 登録を維持 Y20 審判 全部申立て 登録を維持 Y20 審判 全部申立て 登録を維持 Y20 |
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管理番号 | 1171235 |
異議申立番号 | 異議2007-900269 |
総通号数 | 98 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標決定公報 |
発行日 | 2008-02-29 |
種別 | 異議の決定 |
異議申立日 | 2007-06-04 |
確定日 | 2008-01-16 |
異議申立件数 | 1 |
事件の表示 | 登録第5029314号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 |
結論 | 登録第5029314号商標の商標登録を維持する。 |
理由 |
1 本件商標 本件登録第5029314号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲のとおりの構成からなり、平成18年6月22日に登録出願、第20類「プラスチック製又は木製の看板,光源を内蔵してなるプラスチック製看板,発光体を有するプラスチック製看板,表面が自動的に変化するプラスチック製看板」を指定商品として、同19年1月4日に登録査定、同年3月2日に設定登録されたものである。 2 登録異議申立ての理由の要点 (1)登録異議申立人の引用する商標 登録異議申立人ユビコム インコーポレイテッド(以下「申立人」という。)は、下記の3件の登録商標を引用している(以下、これらの商標をまとめて「引用商標」という。)。 (a)登録第4561608号商標は、「UBICOM」の欧文字を標準文字で表してなり、2000年12月22日アメリカ合衆国においてした商標登録出願に基づきパリ条約第4条による優先権を主張して、平成13年2月14日に登録出願、第9類、第41類及び第42類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として、同14年4月19日に設定登録されたものである。 (b)国際登録第858424号商標は、「UBICOM16」の文字を横書きしてなり、2005年1月10日アメリカ合衆国においてした商標登録出願に基づきパリ条約第4条による優先権を主張して、第9類に属する国際商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、2005年5月9日に国際登録、我が国においては、平成18年6月23日に設定登録されたものである。 (c)国際登録第861076号商標は、「UBICOM32」の文字を横書きしてなり、2005年1月10日アメリカ合衆国においてした商標登録出願に基づきパリ条約第4条による優先権を主張して、第9類に属する国際商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、2005年5月9日に国際登録、我が国においては、平成18年6月23日に設定登録されたものである。 (2)商標法第4条第1項第11号について 本件商標と引用商標とは、いずれも「ユビコム」の称呼を生ずるものであって、称呼を同一にするものである。そして、本件商標の指定商品は、第9類に属する「コンピュータ用タッチパネル」等の商品との境界線が微妙であり、コンピュータ用ディスプレイが普及した現在においては、本件商標をその指定商品に使用する場合には、申立人の取扱いに係る商品との間に商品の出所の混同が生ずるおそれがあるから、本件商標の指定商品と引用商標の指定商品とは類似するものというべきである。 よって、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第11号に違反してされたものである。 (3)商標法第4条第1項第15号及び同第19号について 申立人は、ユビキタス コミュニケーンョンを実現させる最も効果的、合理的手法の開発を行っている米国メーカーであり、コンピュータハードウエア・コンピュータソフトウエア及びコンピュータ周辺機器等を取扱うと共に、コンピュータ関連のサポート業務も行っており、申立人の製品は高品質・高性能なものとして広く認識されている。 したがって、引用商標と同一の称呼を生ずる本件商標がその指定商品に使用された場合には、申立人の業務に係る商品と混同を生ずるおそれがあり、申立人の高品質・高性能な製品のイメージや申立人が築いてきた信用が毀損されるものである。 また、商標権者のウェブサイトによれば、商標権者も本件商標を商品「タッチパネルシステム」に使用しており、商標権者が引用商標の周知性・著名性について認識しないで本件商標を出願したものとは考えられないから、不正の目的をもって使用をするものと判断するのが妥当である。 よって、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第15号及び同第19号に違反してされたものである。 3 当審の判断 (1)商標法第4条第1項第11号について 本件商標は、別掲に示したとおり、「UbiCom」の欧文字を表したものであるが、該文字の中央からやゝ上よりの部分に横断的に切れ目を入れ、上段部分を橙色に彩色し、下段部分を黒色に彩色した特徴のある態様をもって表されているものであり、これより「ユビコム」の称呼を生ずるものと認められる。 他方、引用商標は、いずれも、その構成中に「UBICOM」の文字を有するものであるから、これより「ユビコム」の称呼を生ずるものと認められる。 してみれば、本件商標と引用商標とは、称呼の点に関しては、「ユビコム」の称呼を共通にするものということができる。 しかしながら、本件商標の指定商品は、その構成部品中に電子応用機械器具等が使用されているものがあるとしても、いずれも「看板」として取引される商品であるから、第9類に属する「コンピュータ用タッチパネル」等の商品とは、その生産部門、販売部門、需要者等をも異にするものであって、両商品は非類似の商品というべきものである。 そうとすれば、本件商標と引用商標とは、称呼において共通にするところがあるとしても、両者の指定商品は類似するものとは認められないから、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第11号に違反してされたものとはいえない。 (2)商標法第4条第1項第15号及び同第19号について 申立人は、引用商標が「ユビキタス コミュニケーンョンを実現させるためのコンピュータハードウエア・コンピュータソフトウエア及びコンピュータ周辺機器」等に使用され、広く知られている旨主張して、甲第5号証(インターネット上の掲載記事)、甲第10号証(ユビコムインフォメーションCD-ROMからのプリントアウト)、甲第11号証(ユビコム商標の使用の一態様を示す書類ばさみ)及び甲第12号証(ライセンシーによる製品パッケージ)を提出しているが、引用商標が上記商品について使用されている事実は認められるとしても、提出に係る証拠をもってしては、周知・著名であるものとは認められない。 しかも、GoogleやYAHOOの検索情報により、「ユビコム」を検索すれば、「ユビキタスコンピューティング(Ubiquitous Computing)」の略称として使用されている例も見受けられるところである。 そうとすれば、商標権者が本件商標をその指定商品に使用しても、本件商標の構成及びその指定商品との関係をも併せみれば、これに接する取引者・需要者をして、申立人の使用に係る引用商標を連想又は想起させるものとは認められず、その商品が申立人又は同人と経済的又は組織的に何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかの如く、その商品の出所について混同を生じさせるおそれはないものといわなければならない。 また、申立人は、同第19号についても主張しているが、上記したとおり、引用商標が申立人の業務に係る商品の商標として取引者・需要者の間において広く認識されていたものとまでは認められないものであり、しかも、商標権者において、引用商標の出所表示力を稀釈化させる等の不正の目的をもって使用をするものであることを認めるに足る証拠もない。 したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号及び同第19号に該当しない。 (3)結び 以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第11号、同第15号及び同第19号に違反してされたものではないから、同法第43条の3第4項の規定に基づき、その登録を維持すべきものである。 よって、結論のとおり決定する |
別掲 |
別掲 本件商標 |
異議決定日 | 2007-12-28 |
出願番号 | 商願2006-58281(T2006-58281) |
審決分類 |
T
1
651・
264-
Y
(Y20)
T 1 651・ 222- Y (Y20) T 1 651・ 262- Y (Y20) T 1 651・ 271- Y (Y20) |
最終処分 | 維持 |
前審関与審査官 | 阿曾 裕樹 |
特許庁審判長 |
山口 烈 |
特許庁審判官 |
鈴木 新五 寺光 幸子 |
登録日 | 2007-03-02 |
登録番号 | 商標登録第5029314号(T5029314) |
権利者 | 株式会社アシスト |
商標の称呼 | ユビコム、ユビ、ユウビイアイ、ウビコム |
代理人 | 溝部 孝彦 |
代理人 | 西山 清春 |
代理人 | 古谷 聡 |