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審決分類 |
審判 全部申立て 登録を維持 37 審判 全部申立て 登録を維持 37 |
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管理番号 | 1171233 |
異議申立番号 | 異議2007-900267 |
総通号数 | 98 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標決定公報 |
発行日 | 2008-02-29 |
種別 | 異議の決定 |
異議申立日 | 2007-05-30 |
確定日 | 2008-01-16 |
異議申立件数 | 1 |
事件の表示 | 登録第5033548号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 |
結論 | 登録第5033548号商標の商標登録を維持する。 |
理由 |
1 本件商標 本件登録第5033548号商標(以下「本件商標」という。)は、「LEXUS」の欧文字を標準文字で表してなり、平成18年4月27日に登録出願、第37類に属する商標登録原簿に記載のとおりの役務を指定役務として、同19年2月15日に登録査定、同年3月16日に設定登録されたものである。 2 登録異議申立ての理由の要点 (1)登録異議申立人の使用に係る商標の著名性について 登録異議申立人トヨタ自動車株式会社(以下「申立人」という。)の使用に係る「LEXUS」の文字からなる商標(以下「引用商標」という。)は、エレガントな豪華者を意味するラテン語「LUXUS」をベースにした造語であり、辞書にも掲載されていない語であって、出所識別力の強い言葉である。引用商標が付された高級車は、1987年6月9日に、米国ロサンゼルスのオートショーで紹介され、1989年9月より米国で販売、1990年には欧州での販売も開始され、我が国においては、2005年8月30日より全国的に販売された(甲第2号証ないし甲第12号証、甲第34号証、甲第35号証)。 本件商標の出願された前年の2005年には、引用商標の使用に係る高級車が日本を除く世界で約40万台(内、米国が約31万6千台)販売されており、1989年から2005年までの世界の合計販売台数は、約366万6千台となっている。 引用商標に係る自動車の日本を除く全世界の年間売上高は、2001年からは1兆円を超えており、2003年には、約3千5百万ドル(約420億円)の広告宣伝費が米国で使用されている(甲第13号証ないし甲第15号証)。米国では、テレビの他、「TIME」、「Newsweek」、「The Economist」、「Fortune」等に引用商標が広告されている(甲第17号証)。 また、我が国においては、2005年及び2006年の2年間で約4万1千台販売され、約200億円の広告宣伝費が使用されている(甲第16号証)。雑誌については、「VOGUE NIPPON」、「marie claire」、「週刊文春」、「週刊新潮」、「日経ビジネス」、「プレジデント」、「週刊ダイヤモンド」、「週刊東洋経済」、「エコノミスト」等々に広告され、新聞については、「朝日新聞」、「毎日新聞」、「読売新聞」、「日本経済新聞」、「産経新聞」等々の全国紙ばかりでなく、地方紙や専門誌にも広告され、テレビについては、「NTV」、「TBS」、「MBS」、「ABC」等々の全国放送、地方放送でコマーシャルが放映された(甲第23号証の2)。 なお、日本では、引用商標は、「CELSIOR/セルシオ」に名前を変えて、1989年10月から販売されており、「CELSIOR/セルシオ」を紹介する際には、米国名「LEXUS/レクサス」が併記されており(甲第27号証ないし甲第30号証)、1991年から販売している車種「WINDOM」の新聞、雑誌、テレビの広告でも、米国名「LEXUS/レクサス」として紹介されている(甲第24号証、甲第41号証)。 以上より、引用商標は、本件商標の出願日前から現在に至るまで、申立人の商標として、米国、日本ばかりでなく世界中で周知・著名であることは明らかである。 (2)商標法第4条第1項第15号について 本件商標と引用商標とが同一又は類似することは明らかである。 そして、申立人は、自動車部門ばかりでなく住宅部門も有しており、子会社に金融、住宅、不動産の会社もある。その意味で、取引者が本件商標の役務の取引者と共通しており、また、自動車を購入する人は、マンション又は家を借りたり購入したりするので、建築、不動産の需要者とも一致する。 してみれば、本件商標がその指定役務について使用された場合には、当該役務は、申立人の業務に係る役務であるかの如く認識され、あるいは申立人と経済的又は組織的に何らかの関係を有する者の業務に係る役務であるかの如く誤認され、その出所について混同を生じるおそれのあることは明らかである。 (3)商標法第4条第1項第19号について 引用商標の著名性は前記のとおりであるから、このような著名であり、かつ、辞書にも掲載されていない造語からなる引用商標と同一又は類似する商標を出願し、登録を受けることは、引用商標の著名性、名声、顧客吸引力にただ乗りし、又は、引用商標の出所識別力を稀釈化するものであって、不正の目的があったことは明らかである。 (4)よって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号及び同第19号に違反して登録されたものであるから、取り消されるべきである。 3 当審の判断 本件商標と引用商標とは、前記したとおり、いずれも「LEXUS」の欧文字からなるものであるから、両商標は、その構成態様において、同一又は類似の商標ということができる。 そして、甲各号証によれば、申立人の使用に係る引用商標は、「高級乗用車」の商標として、取引者・需要者の間において広く知られていたことが認められ、また、申立人においても住宅部門等を有していることを認めることができる。 しかしながら、本件商標の指定役務である「建設工事,建築工事に関する助言,建築工事に関する技術情報の提供,建築工事の施工監理」と引用商標の使用に係る商品「高級乗用車」とは、互いの事業者を異にし、役務と商品の用途をも異にし、役務の提供場所と商品の販売場所をも異にし、需要者の範囲をも異にするものであって、「建設工事」等の役務と「高級乗用車」とは、互いの間に何らの関連性も見出すことができない全く別異の役務と商品というべきものであるから、これらに接する取引者・需要者は、建設工事等の役務に係る商標から高級乗用車の商標を想起することはないものとみるのが相当である。 そうとすれば、本件商標の指定役務との関係についてみる限りにおいては、商標権者が本件商標をその指定役務に使用しても、これに接する取引者・需要者をして、引用商標を連想又は想起させるものとは認められず、その役務が申立人又は同人と経済的又は組織的に何らかの関係を有する者の業務に係る役務であるかの如く、その役務の出所について混同を生じさせるおそれはないものというべきである。 また、商標権者において、引用商標の著名性にただ乗りし、あるいは、その出所表示力を稀釈化させる等の不正の目的をもって使用をするものであることを認めるに足る証拠もない。 したがって、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第15号及び同第19号に違反してされたものではないから、同法第43条の3第4項の規定により、維持すべきものとする。 よって、結論のとおり決定する。 |
異議決定日 | 2007-12-27 |
出願番号 | 商願2006-39225(T2006-39225) |
審決分類 |
T
1
651・
271-
Y
(37)
T 1 651・ 222- Y (37) |
最終処分 | 維持 |
前審関与審査官 | 松浦 裕紀子 |
特許庁審判長 |
山口 烈 |
特許庁審判官 |
寺光 幸子 鈴木 新五 |
登録日 | 2007-03-16 |
登録番号 | 商標登録第5033548号(T5033548) |
権利者 | 株式会社トステム住宅研究所 |
商標の称呼 | レクサス、レキサス |
代理人 | 足立 泉 |
代理人 | 柳生 征男 |
代理人 | 中田 和博 |
代理人 | 青木 博通 |