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審決分類 審判 全部申立て  登録を維持 Y36
審判 全部申立て  登録を維持 Y36
審判 全部申立て  登録を維持 Y36
審判 全部申立て  登録を維持 Y36
管理番号 1169143 
異議申立番号 異議2007-900171 
総通号数 97 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2008-01-25 
種別 異議の決定 
異議申立日 2007-04-12 
確定日 2007-11-28 
異議申立件数
事件の表示 登録第5016378号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 登録第5016378号商標の商標登録を維持する。
理由 1 本件商標
本件登録第5016378号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲のとおりの構成よりなり、平成18年5月24日に登録出願、第36類に属する商標登録原簿に記載のとおりの役務を指定役務として、同年10月24日に登録査定、同19年1月12日に設定登録されたものである。

2 登録異議の申立ての理由(要旨)
(1)登録異議申立人の引用する商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)は、本件商標についての取消理由に、申立人が生命保険契約の締結の媒介、損害保険契約の締結の代理等の業務に使用している「保険の窓口株式会社」の文字よりなる商標及び「保険の窓口」の文字よりなる商標を引用している(以下、これらの商標を総称するときは「引用各商標」という。)。
(2)引用各商標の周知性
申立人は、1983年(昭和58年)創業以来、「生命保険契約の締結の媒介、損害保険契約の締結の代理」等の窓口としての業務を行っており、引用各商標は、20年を越える長年の使用により、需要者・取引者間において広く知られているものである(甲第4号証ないし同第7号証(枝番号を含む。)。ただし、甲第4号証の4は欠号。)。
本件商標の指定役務の業界では、各代理店がそれぞれ、大手保険会社の名前を名乗って、営業活動をして保険契約を成約しており、代理店は、独自の保険サービスを作って提供することができないので、代理店独自の宣伝・広告を行うことはあまりないのが実情である。そのため、提出に係る証拠は、代理店の独自の宣伝広告がテレビ等の各種メディアを使って実施されたものではないとしても、上記のような事情を考慮するならば、引用各商標の周知性は認められるべきものである。
(3)商標法第4条第1項第10号について
引用各商標は、遅くとも、本件商標の出願以前より、本件商標の役務に係る需要者・取引者の間において、申立人の役務を表示する商標として広く認識されていたものであり、本件商標と引用各商標は、商標において同一又は類似し、本件商標の指定役務は、引用各商標が使用されている役務と同一又は類似のものである。
(4)商標法第4条第1項第8号について
引用各商標は、申立人の名称又は著名な略称を含むものであり、申立人の承諾を得ることなく登録されたものである。
(5)商標法第4条第1項第7号及び同第19号について
本件商標の指定役務の業界では、大手の引受保険会社に対して多数の保険代理店が存在し、その代理店間では地域を中心に横の連絡を煩瑣に持っているものである。したがって、当業界において、申立人の商標に接することなく、申立人の営業地域(東京都中央区)で営業を行うことは全く考えられないことである。本件商標の商標権者は、引用各商標が申立人及び申立人の役務を示す商標であることを知っていたにもかかわらず、引用各商標が商標登録されていないことを奇貨として本件商標を選択・登録したものであり、その選択自体に不正の目的があり、その商標の使用は、取引秩序の混乱を招来するものであって、公序良俗に反するものである。
(6)よって、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第7号、同第8号、同第10号及び同第19号に違反してされたものであるから取り消されるべきである。

3 当審の判断
(1)本件商標は、別掲に示したとおり、赤色の正方形内の上部に白抜きの方形を表し、その中に赤色でやゝデザイン化して表された筆記体の「L」の欧文字のごとき図柄を書し、その下部に、白抜きの文字をもって「ほけんの」の文字と「窓口」の文字を二段に表した構成よりなるものである。
(2)引用各商標の周知性について
申立人は、引用各商標が「生命保険契約の締結の媒介、損害保険契約の締結の代理」等の業務に使用され、取引者・需要者間において広く知られているものであるとして甲第4号証ないし同第7号証(枝番号を含む。ただし、甲第4号証の4は欠号。)を提出している。
しかしながら、甲第5号証ないし同第7号証(枝番号を含む。)の広告やパンフレット等によれば、申立人が実際に使用している標章は、「保険の窓口株式会社」と表示されている標章であって、「保険の窓口」の文字からなる標章が使用されている事実は認められない。そして、「保険の窓口株式会社」の標章にしても、東京都中央区京橋歯科医師会の年史及び会員名簿等に掲載された広告(甲第5号証の1、3ないし12)において使用されている「保険の窓口株式会社」の標章は、その使用態様からみて商標として使用されているものといえるが、歯科医師賠償責任保険制度のご案内(甲第7号証の1)及び現在配布中のパンフレット(甲第7号証の2ないし26)において表示されている「保険の窓口株式会社」の標章は、住所や電話番号、FAX番号とともに記載されており、商標としての使用というよりは、むしろ、保険契約の締結の媒介等の役務の提供を行っている申立人の店舗名の表示とその所在等を表しているものとみるのが相当である。加えて、上記会報やパンフレット等がどの程度の地域において、どの程度の数量が頒布されていたのかも明らかにされていない。
また、保険会社が発行した申立人の周知性を証する証明書(甲第4号証の1ないし3、5ないし8)には、「保険の窓口株式会社」及び「保険の窓口」の商標が取引者・需要者間において広く認識されている旨記載されているが、これらの証明書は、いずれも、その体裁からみれば、申立人があらかじめ証明事項を不動文字で記載した書面に依頼を受けた各保険会社が記名押印をしたものと認められるものであって、依頼を受けた各社がどのような具体的事実に基づいて証明したのかも定かではないから、これらの証明書の信用性は乏しいものといわざるを得ない。
そうとすれば、「保険の窓口株式会社」の商標が、「生命保険契約の締結の媒介、損害保険契約の締結の代理」等の役務に使用され、一定程度の広告・宣伝がなされていた事実は認められるとしても、また、本件商標の指定役務における取引の実情を考慮したとしても、申立人の提出に係る証拠をもってしては、本件商標の登録出願時において、引用各商標が申立人の業務に係る役務を表示する商標として、取引者・需要者の間において広く認識されていたものとは認められない。
(3)商標法第4条第1項第8号、同第10号及び同第19号について
上記したとおり、引用各商標の周知性が認められない以上、その周知性を前提とする商標法第4条第1項第8号(他人の名称の略称の場合)、同第10号及び同第19号の主張は、その余の要件について検討するまでもなく採用することはできない。
(4)商標法第4条第1項第7号について
本件商標権者は、申立人と同様、生命保険契約の締結の媒介等の役務を提供する同業者と認められる者であるから、申立人が「保険の窓口株式会社」の商号及び商標をもって業務を行っていることを認識していたものと推認することはできる。
しかしながら、上記したとおり、引用各商標の周知性は認められないばかりでなく、申立人が現に使用しているのは、いわゆる商号商標といわれる「保険の窓口株式会社」なる一連一体の構成からなる商標であり、しかも、「保険(ほけん)の窓口」の文字自体は、本件商標の指定役務との関係においては、「保険を引き受ける所」等の記述的な意味合いを理解させる語(文字)であって、自他役務の識別機能が極めて弱いものであることも併せ考慮すれば、商標権者(出願人)によりなされた本件商標の出願が、直ちに、引用各商標の剽窃的出願にあたるものとはいい難く、これが取引秩序の混乱を招来し、公序良俗に反するものとはいえない。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第7号に該当するものとはいえない。
(5)まとめ
以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第7号、同第8号、同第10号及び同第19号に違反してされたものとはいえないから、同法第43条の3第4項の規定に基づき、その登録を維持すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
別掲 別掲(本件商標)

(色彩について、原本参照。)
異議決定日 2007-11-12 
出願番号 商願2006-47559(T2006-47559) 
審決分類 T 1 651・ 23- Y (Y36)
T 1 651・ 25- Y (Y36)
T 1 651・ 22- Y (Y36)
T 1 651・ 222- Y (Y36)
最終処分 維持  
前審関与審査官 山田 忠司 
特許庁審判長 田代 茂夫
特許庁審判官 酒井 福造
伊藤 三男
登録日 2007-01-12 
登録番号 商標登録第5016378号(T5016378) 
権利者 株式会社ライフプラザホールディングス
商標の称呼 ホケンノマドグチ、マドグチ 
代理人 大菅 義之 

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