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審決分類 審判 一部申立て  登録を維持 Y30
管理番号 1167818 
異議申立番号 異議2007-900218 
総通号数 96 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2007-12-28 
種別 異議の決定 
異議申立日 2007-05-02 
確定日 2007-11-12 
異議申立件数
事件の表示 登録第5023599号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 登録第5023599号商標の商標登録を維持する。
理由 1 本件商標
本件登録第5023599号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲(1)のとおりの構成よりなり、平成17年11月25日に登録出願、第30類「名古屋コーチンを使用した菓子及びパン,名古屋コーチンを使用したドレッシング又はマヨネーズソース,名古屋コーチンを使用した焼肉のたれ,名古屋コーチン用の焼肉のたれ,名古屋コーチンを使用したアイスクリームのもと,名古屋コーチンを使用した穀物の加工品,名古屋コーチンを使用したぎょうざ・サンドイッチ・しゅうまい・すし・肉まんじゅう・ハンバーガー・ピザ・べんとう・ホットドッグ・ミートパイ・ラビオリ,名古屋コーチンを使用した即席菓子のもと」を指定商品として、平成19年2月2日に設定登録されたものである。

2 引用商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)が引用する登録商標は、以下のとおりであり、その商標権は、いずれも現に有効に存続しているものである。
(1)登録第4657486号商標(以下「引用商標1」という。)は、別掲(2)のとおりの構成よりなり、平成14年8月13日に登録出願、第30類「コーヒー及びココア,コーヒー豆,茶,調味料,香辛料,食品香料(精油のものを除く。),米,脱穀済みのえん麦,脱穀済みの大麦,食用粉類,食用グルテン,穀物の加工品,菓子及びパン,即席菓子のもと,アイスクリームのもと,シャーベットのもと,アーモンドペースト,氷,酒かす」を指定商品として、同15年3月28日に設定登録されたものである。
(2)登録第2321682号商標(以下「引用商標2」という。)は、「名古屋コーチン」の文字を横書きしてなり、昭和63年9月13日に登録出願、第30類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、平成3年7月31日に設定登録され、その後、商標権存続期間の更新登録がされ、また、指定商品については、同13年7月25日に指定商品の書換登録があった結果、第30類「菓子,パン」となったものである。
(3)登録第3122234号商標(以下「引用商標3」という。)は、「名古屋コーチン」の文字を横書きしてなり、平成5年4月23日に登録出願、第30類「穀物の加工品」を指定商品として、同8年2月29日に設定登録され、その後、存続期間の更新登録がなされたものである。
(4)登録第4594537号商標(以下「引用商標4」という。)は、別掲(3)のとおりの構成よりなり、平成13年12月11日に登録出願、第30類「コーヒー及びココア,コーヒー豆,茶,米,脱穀済みのえん麦,脱穀済みの大麦,食用粉類,穀物の加工品,菓子及びパン,即席菓子のもと,アイスクリームのもと,シャーベットのもと」を指定商品として、同14年8月9日に設定登録されたものである。

3 登録異議申立ての理由の要点
本件商標は、その構成中の「名古屋コーチン」の文字部分及び「名古屋コーチン」の図形から、「ナゴヤコーチン」の称呼及び鶏の一種である「名古屋コーチン」の観念を生ずる。
一方、引用商標1及び4は、その構成中の「名古屋コーチン」の文字部分及び「名古屋コーチン」の図形から、「ナゴヤコーチン」の称呼及び鶏の一種である「名古屋コーチン」の観念を生ずる。
また、引用商標2及び3は、その構成文字より「ナゴヤコーチン」の称呼及び鶏の一種である「名古屋コーチン」の観念を生ずる。
したがって、本件商標と引用商標1ないし4は、「ナゴヤコーチン」の称呼及び鶏の一種である「名古屋コーチン」の観念を同じくする商標であり、本件商標と引用商標1は、外観においても類似する商標である。
また、本件商標の指定商品中の「名古屋コーチンを使用した菓子及びパン,名古屋コーチンを使用したドレッシング又はマヨネーズソース,名古屋コーチンを使用した焼肉のたれ,名古屋コーチン用の焼肉のたれ,名古屋コーチンを使用したアイスクリームのもと,名古屋コーチンを使用した穀物の加工品,名古屋コーチンを使用した即席菓子のもと」は、引用商標1ないし4の指定商品と同一又は類似の商品である。
してみれば、本件商標の登録は、上記指定商品について、商標法第4条第1項第11号に違反してされたものであるから、取り消されるべきである。

4 当審の判断
(1)本件商標と引用商標1ないし4との類否について
本件商標は、別掲(1)のとおり、薄緑色地の矩形内に、小さく縦書きにした「純系」の文字及びその右に大きく横書きにした「名古屋コーチン」の文字を赤色で表して矩形内上段に配し、その下の黄色の縁取りがある白地円図形内に、雄鶏と雌鶏を写実的に描いてなる図形を配し、さらに、該円図形
の下に、横書きにした「名古屋コーチン普及協会」の文字を黒色で表し、該文字の右(一部重ねて表されている。)に、「名古屋コーチン普及協会会長之印」との文字がある赤色の印影を配した構成よりなるものである。
ところで、「名古屋コーチン」の語は、「鶏の一品種。コーチン種と在来種の地鶏との雑種を名古屋地方で改良したもの。現在は名古屋種として固定。体丸く、羽は褐色。卵肉兼用。」(広辞苑第5版)を意味するものであり、愛知県特産の高級食材として、一般世人の間で広く知られているものといえる。
そうすると、本件商標中の「純系」の文字部分は、「他の系統を交えないもの」を意味する語であるから、鶏の一品種である「名古屋コーチン」の文字部分を形容する語であって、全体として「名古屋コーチン以外他の系統を交えないもの」の意味を表したと認識されるものである。
また、本件商標中の雄鶏と雌鶏の図形部分は、名古屋コーチンを写実的に表したものであるのに加え、「名古屋コーチン」の文字部分と相俟って、名古屋コーチンを表したものと容易に理解されるものといえる。
したがって、本件商標を本件登録異議の申立てに係る指定商品について使用した場合、これに接する需要者は、その構成中の「純系」及び「名古屋コーチン」の各文字部分並びに雄鶏及び雌鶏の図形部分について、商品の原材料を表したものと認識し、自他商品の識別標識としての機能を発揮し得る商標を表したものとは認識し得ないというべきであり、自他商品の識別機能を果たし得る部分と認められる「名古屋コーチン普及協会」の文字部分及び「名古屋コーチン普及協会会長之印」の印影部分を捉えて、商品の取引に当たるものとみるべきである。
してみれば、本件商標について、その構成中の「名古屋コーチン」の文字部分及び「名古屋コーチン」の図形部分を分離、抽出し、これより「ナゴヤコーチン」の称呼及び「名古屋コーチン」の観念を生ずるとしたうえで、本件商標と引用商標1ないし4とが、外観、称呼及び観念において類似する商標であるとする申立人の主張は、前提において誤りがあり、失当というべきものである。
また、本件商標中、自他商品の識別機能を果たし得る「名古屋コーチン普及協会」の文字部分及び「名古屋コーチン普及協会会長之印」の印影部分は、引用商標1とは、外観上類似するものではない。その他、本件商標と引用商標1ないし4とを類似の商標とみるべき格別の理由は見出せない。
したがって、本件商標と引用商標1ないし4とは、外観、称呼及び観念のいずれの点においても相紛れるおそれのない非類似の商標といわなければならない。
(2)むすび
以上のとおり、本件商標の登録は、登録異議の申立てに係る指定商品について、商標法第4条第1項第11号に違反してされたものではないから、商標法第43条の3第4項の規定に基づき、維持すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
別掲 別掲

(1)本件商標





(2)引用商標1





(3)引用商標4



異議決定日 2007-10-23 
出願番号 商願2005-111041(T2005-111041) 
審決分類 T 1 652・ 26- Y (Y30)
最終処分 維持  
前審関与審査官 佐藤 達夫 
特許庁審判長 井岡 賢一
特許庁審判官 岩崎 良子
渡邉 健司
登録日 2007-02-02 
登録番号 商標登録第5023599号(T5023599) 
権利者 杉本 勇
商標の称呼 ジュンケーナゴヤコーチン、ナゴヤコーチンフキューキョーカイ、ナゴヤコーチンフキューキョーカイカイチョーノイン、ナゴヤコーチン 
代理人 向山 正一 
代理人 江間 路子 
代理人 飯田 昭夫 

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