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審決分類 |
審判 一部申立て 登録を維持 Y03 審判 一部申立て 登録を維持 Y03 |
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管理番号 | 1167817 |
異議申立番号 | 異議2007-900214 |
総通号数 | 96 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標決定公報 |
発行日 | 2007-12-28 |
種別 | 異議の決定 |
異議申立日 | 2007-05-07 |
確定日 | 2007-11-12 |
異議申立件数 | 1 |
事件の表示 | 登録第5022204号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 |
結論 | 登録第5022204号商標の指定商品中、申立てに係る指定商品についての商標登録を維持する。 |
理由 |
1 本件商標 本件登録第5022204号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲のとおりの構成よりなり、平成18年7月26日に登録出願、第3類、第9類、第14類、第16類、第18類、第24類、第25類及び第28類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、平成19年2月2日に設定登録されたものである。 2 引用商標 登録異議申立人(以下「申立人」という。)が引用する国際登録番号第703699B号商標(以下「引用商標」という。)は、「STELLA」の文字を横書きしてなり、第3類に属する願書に記載のとおりの商品を指定商品として、1998年11月6日を国際登録の日とし、2003年12月23日を事後指定の日とするものである。 3 登録異議申立ての理由の要点 (1)引用商標の著名性について 引用商標は、世界的に著名なデザイナーであり、申立人の代表者であるステラ マッカートニーが2003年より創作し、申立人が製造販売する香水のブランドである。 申立人の商品を販売する小売店、百貨店は、全世界に約140あり、申立人は、ショップ(直営店)をニューヨーク、ロンドン、パリ、ミラノ等に有している。申立人は、我が国においても、申立人の取り扱う商品「化粧品(香水)」をネット上で日本語で宣伝、広告をしている。また、ファッション雑誌でも宣伝、広告をしている。 香水「STELLA」は、2003年9月13日に、フランスと日本で同時発売され、2005年5月までの日本での売上は33,968,000円に達している。 さらに、申立人は、引用商標を「化粧品、香水」について、世界約160ヶ国に登録出願している。 以上のように、引用商標は、日本市場において、本件商標の登録出願時には周知となっていた。 (2)商標法第8条第1項について 本件商標は、姓名を表すものとして、我が国において知られていないし、その指定商品中の「香水、化粧品」等の商標としても知られていないから、これを一体としてのみ把握すべき理由はない。 一方、引用商標は、前記(1)で述べたとおり、申立人の取扱いに係る商品「香水、化粧品」を表示するものとして、我が国において周知な商標である。 そうすると、本件商標は、その構成中の「Stella」、「ステラ」の文字部分が要部であるから、これより「ステラ」の称呼を生じ、引用商標とは類似する商標である。 したがって、本件商標は、その指定商品中「香水,その他の化粧品」について、商標法第8条第1項に該当する。 (3)商標法第4条第1項第10号について 前記(1)及び(2)で述べたとおり、引用商標は、申立人の取扱いに係る商品「香水、化粧品」を表示するものとして、我が国において周知な商標であり、本件商標は、引用商標に類似する商標である。 したがって、本件商標は、その指定商品中「香水,その他の化粧品」について、商標法第4条第1項第10号に該当する。 (4)むすび よって、本件商標の登録は、商標法第8条第1項及び同法第4条第1項第10号に違反してされたものであるから、取り消されるべきである。 4 当審の判断 (1)商標法第8条第1項について 本件商標は、別掲のとおり、「MariaStella」(「i」の上部の点は、★で表されている。)の文字とその片仮名表記である「マリアステラ」の文字を二段に横書きしてなるものであるところ、これらの文字は、外観上きわめてまとまりよく書されているばかりでなく、これより生ずると認められる「マリアステラ」の称呼もよどみなく一連に称呼し得るものである。また、本件商標は、構成全体をもって氏名を表したと理解されるものといえる。 そうすると、本件商標は、これを「Maria」、「マリア」と「Stella」、「ステラ」とに分離し、「Stella」、「ステラ」の文字部分のみを抽出して観察すべきものではなく、構成全体をもって一体不可分の商標を表したものとして認識されるというべきである。 してみれば、本件商標は、その構成文字に相応して「マリアステラ」の一連の称呼のみを生ずるものであって、単に「ステラ」の称呼は生じないものといわなければならない。 したがって、本件商標中の「Stella」、「ステラ」の文字部分のみを分離、抽出し、本件商標と引用商標とが、称呼において類似する商標であるする申立人の主張は、前提において誤りがあり、失当というべきである。 他に本件商標と引用商標とが類似するとみるべき格別の理由は見出せない。 以上によれば、本件商標と引用商標とは、称呼、観念及び外観のいずれの点においても相紛れるおそれのない非類似の商標といわなければならない。 (2)商標法第4条第1項第10号について 申立人は、引用商標は申立人の業務に係る商品「化粧品(香水)」ついて使用された結果、本件商標の登録出願前より我が国においても、その需要者の間に広く認識されている旨主張する。 甲第5号証ないし甲第45号証、甲第48号証ないし甲第55号証及び甲第66号証ないし甲第69号証によれば、申立人は、「STELLA」なる商標を付した香水、ボディスクラブ等を、本件商標の登録出願前より我が国で発行された雑誌に宣伝広告していた事実が認められる。 しかしながら、上記雑誌等に掲載された申立人の商品のほとんどのものは、「イヴサンローランパルファン」の文字とともに使用されているものであり、我が国において、「イヴサンローラン」の知名度がきわめて高いのに反し、「STELLA」なる語は、ありふれた名前として理解されていることを考慮すれば、これら商品に接する需要者は、「イヴサンローラン」の文字に強く印象づけられるといえるばかりでなく、「Stella McCartney」がファッションデザイナーとして、本件商標の登録出願時に、我が国においても知られていたとしても、上記申立人の商品の宣伝広告の態様からすれば、「STELLA(ステラ)」なる商標が申立人の取扱いに係る商品「香水」等を表示するためのものとして、本件商標の登録出願前より我が国の需要者の間に広く認識されていたものと認めることはできない。 加えて、前記(1)で認定したとおり、本件商標と引用商標は、その称呼、観念及び外観のいずれの点においても非類似の商標というべきである。 (3)むすび 以上のとおり、本件商標の登録は、登録異議の申立てに係る指定商品について、商標法第8条第1項及び同法第4条第1項第10号のいずれにも違反してされたものではないから、同法第43条の3第4項の規定に基づき、維持すべきものである。 よって、結論のとおり決定する。 |
別掲 |
別掲 本件商標 |
異議決定日 | 2007-10-25 |
出願番号 | 商願2006-69668(T2006-69668) |
審決分類 |
T
1
652・
4-
Y
(Y03)
T 1 652・ 25- Y (Y03) |
最終処分 | 維持 |
前審関与審査官 | 平澤 芳行 |
特許庁審判長 |
井岡 賢一 |
特許庁審判官 |
渡邉 健司 岩崎 良子 |
登録日 | 2007-02-02 |
登録番号 | 商標登録第5022204号(T5022204) |
権利者 | 株式会社JYファッションクリエイト |
商標の称呼 | マリアステラ、マリア、ステラ |
代理人 | 古木 睦美 |
代理人 | 佐藤 雅巳 |