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審決分類 審判 全部申立て  登録を維持 Y03
審判 全部申立て  登録を維持 Y03
審判 全部申立て  登録を維持 Y03
管理番号 1167814 
異議申立番号 異議2007-900206 
総通号数 96 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2007-12-28 
種別 異議の決定 
異議申立日 2007-04-26 
確定日 2007-10-29 
異議申立件数
事件の表示 登録第5022703号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 登録第5022703号商標の商標登録を維持する。
理由 1 本件商標
本件登録第5022703号商標(以下「本件商標」という。)は、「クールライムウオーター」の文字と「COOL LIME WATER」の文字を二段に横書きしてなり、平成18年4月3日に登録出願、第3類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同19年2月2日に設定登録されたものである。

2 引用商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)の引用する登録商標は、以下とおりであり、その商標権は、いずれも現に有効に存続しているものである。
(1)登録第4432506号商標は、別掲(1)のとおりの構成よりなり、1993年10月8日にスイス連邦国においてした商標登録出願に基づきパリ条約第4条による優先権を主張して、平成5年12月14日に登録出願、第3類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同12年11月17日に設定登録されたものである。
(2)国際登録第761286号商標は、「COOL WATER」の文字を横書きしてなり、2000年12月14日にスイス連邦国においてした商標登録出願に基づきパリ条約第4条による優先権を主張し、2001年4月6日を国際登録の日とし、第3類、第9類、第21類、第24類及び第25類に属する国際商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同15年1月10日に設定登録されたものである。
(3)登録第2724283号商標は、別掲(2)のとおりの構成よりなり、平成3年2月18日に登録出願、第4類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同11年2月12日に設定登録されたものである。
(4)登録第4508910号商標は、「DAVIDOFF COOL WATER」の文字を横書きしてなり、平成10年9月11日に登録出願、第3類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同13年9月21日に設定登録されたものである。
(上記(1)ないし(4)の登録商標をまとめて、以下「引用商標」という。)

3 登録異議の申立ての理由の要点
(1)商標法第4条第1項第11号について
本件商標中の「ライム/LIME」の文字(語)は、指定商品の品質表示語であるから、自他商品の識別力を有せず、したがって、本件商標は、「クールウオーター」の称呼をも生ずる。
そうすると、本件商標と引用商標は、「クールウオーター」の称呼を同じくする類似の商標である。また、本件商標の指定商品は、引用商標の指定商品と同一又は類似のものである。
(2)商標法第4条第1項第15号について
引用商標は、申立人の業務に係る商品「香水、オードトワレ」等の化粧品について使用され、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、我が国を含め、世界的に著名な商標となっていた。このような状況において、本件商標をその指定商品について使用するときは、該商品が申立人の取扱いに係る商品であるかのように、商品の出所について混同を生ずるおそれがある。
(3)商標法第4条第1項第19号について
前記(2)で述べたように、引用商標は、申立人の業務に係る商品「香水、オードトワレ」等について使用され、少なくとも欧米において著名になっているものである。上記事情を化粧品メーカーである商標権者が知らないはずはなく、商標権者は、引用商標に類似する本件商標をその指定商品に使用することによって、著名な引用商標の出所表示機能を希釈化させ、かつ、引用商標に化体した名声を毀損させる目的をもって、本件商標を出願したものである。
したがって、本件商標は、不正の目的をもって使用するものというべきである。
(4)むすび
以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第11号、同第15号及び同第19号に違反してされたものであるから、取り消されるべきである。

3 当審の判断
(1)商標法第4条第1項第11号について
本件商標は、前記1のとおり、「クールライムウオーター」の文字と「COOL LIME WATER」の文字を二段に横書きしてなるものであるところ、その構成中の欧文字部分は、「COOL」、「LIME」、「WATER」の各文字の間に1字程度の間隔があるとしても、同一の書体をもって、同一の大きさで書され、また、該欧文字部分の片仮名表記と認められる「クールライムウオーター」の文字部分も同一の書体をもって、同一の大きさで書され、かつ、同じ間隔で書されているものである。そうすると、このような外観を有する本件商標の構成は、全体の外観が一体的なものとして看取されるばかりでなく、これより生ずると認められる「クールライムウオーター」の称呼も、「クールライム」と「ウオーター」若しくは「クール」と「ライムウオーター」などのように分離して称呼しなければならいほど、冗長なものとはいえない。また、「ライム(lime)」の語が、「柑橘類の一種」の意味をもって、化粧品を取り扱う分野において、商品の原材料、品質等を表示するためのものとして普通に使用されているものであるとしても、一般的に、品質を表示するための語が商標中の中間部分に配されて使用されているという事実を認めるに足る証拠は見いだせない(なお、「lime」の語は、「植物のライム」の意味を有するほか、「石灰」等の意味も有し、「limewater」は、「石灰水」を意味する語である。)。
そうすると、本件商標に接する需要者は、本件商標の有する外観及び称呼上の一体性も相俟って、その構成中の「ライム」、「LIME」の文字部分を商品の品質等を表示する語とは理解せず、構成全体をもって、一体不可分の造語を表したと認識するとみるのが相当である。
してみれば、本件商標は、その構成文字に相応して、「クールライムウオーター」の一連の称呼のみを生ずるものであって、単に「クールウオーター」の称呼は生じないものといわなければならない。
したがって、本件商標中の「クールウオーター」、「COOL WATER」の文字部分のみを分離、抽出し、そのうえで、本件商標と引用商標とが、「クールウオーター」の称呼を同じくする類似する商標であるとする申立人の主張は、前提において誤りがあり、失当というべきである。他に本件商標と引用商標とが類似するとみるべき格別の理由は見出せない。
以上によれば、本件商標と引用商標とは、称呼、観念及び外観のいずれの点においても相紛れるおそれのない非類似の商標といわなければならない。
(2)商標法第4条第1項第15号及び同第19号について
甲第9号証ないし甲第18号証(本件商標の登録出願前にプリントアウトされたもの。)によれば、「クールウオーター」、「ダビドフ/クールウオーター」の文字よりなる商標(以下「申立人使用商標」という。)を使用した香水の広告が本件商標の登録出願前より、我が国においてインターネット上に掲載されていたことが認められるものの、上記証拠のみをもってしては、本件商標の登録出願前に、少なくとも我が国において上記香水がどの程度の取引量があったのか不明である上、この程度の広告宣伝等をもって、申立人使用商標又は引用商標が請求人の取扱いに係る香水等を表示するためのものとして、本件商標の登録出願前より、欧米をはじめ、我が国の需要者の間で広く認識されていたものと認めることはできない。
加えて、前記(1)で認定したとおり、本件商標は、その構成中の「クールウオーター」、「COOL WATER」の文字部分のみが独立して把握、認識されるものではなく、引用商標とは非類似の商標であり、また、申立人使用商標とも非類似の商標と認められる。
そうすると、本件商標に接する需要者は、これより直ちに引用商標については言うまでもなく、申立人使用商標をも想起又は連想するとみることはできないから、本件商標をその指定商品について使用しても、該商品が申立人又はそのグループ会社等申立人と営業上何らかの関係を有する者の取扱いに係る商品であるかのように、商品の出所について混同を生ずるおそれはないというべきである。
そして、申立人使用商標ないし引用商標についての著名性の程度、本件商標との非類似性を考慮すれば、本件商標は、不正の目的をもって使用するものということもできない。
(3)むすび
以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第11号、同第15号及び同第19号に違反してされたものではないから、商標法第43条の3第4項の規定により、その登録を維持すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
別掲 別掲


(1)登録第4432506号商標





(2)登録第2724283号商標



異議決定日 2007-10-10 
出願番号 商願2006-29672(T2006-29672) 
審決分類 T 1 651・ 26- Y (Y03)
T 1 651・ 222- Y (Y03)
T 1 651・ 271- Y (Y03)
最終処分 維持  
前審関与審査官 酒井 福造 
特許庁審判長 井岡 賢一
特許庁審判官 岩崎 良子
渡邉 健司
登録日 2007-02-02 
登録番号 商標登録第5022703号(T5022703) 
権利者 株式会社資生堂
商標の称呼 クールライムウオーター、クールライム、ライムウオーター 
代理人 古谷 聡 
代理人 溝部 孝彦 
代理人 西山 清春 

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