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審決分類 |
審判 査定不服 称呼類似 取り消して登録 Y25 |
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管理番号 | 1167756 |
審判番号 | 不服2006-16967 |
総通号数 | 96 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標審決公報 |
発行日 | 2007-12-28 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2006-08-04 |
確定日 | 2007-11-28 |
事件の表示 | 商願2006- 1503拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 |
結論 | 原査定を取り消す。 本願商標は、登録すべきものとする。 |
理由 |
1 本願商標 本願商標は、「なでしこブラ」の文字を標準文字で書してなり、第25類「ブラジャー,その他の被服,ガーター,靴下止め,ズボンつり,バンド,ベルト,履物,仮装用衣服,運動用特殊衣服,運動用特殊靴」を指定商品として、平成18年1月12日に登録出願されたものである。その後、その指定商品については、平成18年7月5日付け手続補正書により、第25類「女性用下着,女性用水泳着」に補正され、さらに、当審における平成19年10月9日付け手続補正書により、最終的に第25類「ブラジャー」と補正されたものである。 2 原査定の拒絶理由 原査定は、次の登録商標を引用し、「本願商標は、商標法第4条第1項第11号に該当する。」旨、認定、判断し、本願を拒絶したものである。 (1)登録第4784161号商標(以下「引用商標1」という。)は、「ドレスナデシコ」の片仮名文字及び「DRESSNADESHICO」の欧文字を併記してなり、平成15年12月12日に登録出願、第18類、第25類及び第26類に属する商標登録原簿に記載の指定商品を商品として、平成16年7月2日に設定登録されたものであり、当該商標権は現に有効に存続している。 (2)登録第4845345号商標(以下「引用商標2」という。)は、「なでしこじゃぱん」の平仮名文字及び「NADESHIKO JAPAN」の欧文字を併記してなり、平成16年7月7日に登録出願、第16類、第25類、第32類及び第41類に属する商標登録原簿に記載の商品及び役務を指定商品及び指定役務として、平成17年3月11日に設定登録されたものであり、当該商標権は現に有効に存続している。 なお、以下、引用商標1及び引用商標2をまとめていうときは、「引用商標」という。 3 当審の判断 (1)当審における審尋 当審において、平成19年9月20日付け審尋書をもって以下の内容を通知した。 「『商品及び役務の区分』に基づく類似商品・役務審査基準(改訂国際分類第8版対応)特許庁商標課編」によれば、「下着」と「水泳着」は類似商品として取り扱われている。 また、「下着」の範疇には、「キャミソール,コルセット,コンビネーション,シャツ,シュミーズ,ズボン下,スリップ,パンツ,ブラジャー,ペチコート」が属するものである。 したがって、「ブラジャー」は、「下着」の範疇に属する商品として例示されているものである。 そして、「ブラジャー」と「ブラジャーを除く女性用下着,女性用水泳着」は、商品の流通経路、販売店及び購入者層を共通することからも明らかに類似商品であると認められる。 そうとすれば、かかる構成からなる本願商標、すなわち、「ブラジャー」の略語であって、本願指定商品の分野においては、商品の普通名称として広く採択使用される「ブラ」の文字をその構成中に表した商標をその指定商品中「女性用下着、女性用水泳着」に使用した場合、取引者、需要者をして該商品が「ブラジャー」であるかの如く、商品の品質に誤認を生じさせるおそれがあるものと判断するのが相当である。 そうすると、本願商標は、いまだ補正後の商品においても、商品の品質の誤認を生ずるおそれがあると認められるから、商標法第4条第1項第16号に該当するものというべきである。 (2)これに対して、請求人は、平成19年10月9日付け手続補正書をもって、本願の指定商品を第25類「ブラジャー」に補正しているから、商品の品質の誤認を生ずるおそれが解消したものと認められる。 (3)本願商標と引用商標との類否 本願商標は、前記1のとおり、「なでしこブラ」の文字を表してなるところ、構成各文字は、同じ書体、同じ大きさ、同じ間隔をもって外観上まとまりよく構成され、構成文字より生ずる「ナデシコブラ」の称呼も淀みなく一連に称呼できるものであるが、原審説示の如く、構成中の「ブラ」の片仮名文字部分が、「ブラジャー」の略語として本願指定商品の分野において、商品の普通名称として広く採択、使用されているから、簡易迅速を尊ぶ商取引の場においては「ブラ」の文字部分を省略し、「なでしこ」の文字部分に着目して、これより生ずる「ナデシコ」の称呼をもって取引に資するものと判断するのが相当である。 つぎに、引用商標1は、前記2のとおり「ドレスナデシコ」及び「DRESSNADESHICO」の欧文字を併記してなるところ、構成各文字は、同じ書体、同じ大きさ、同じ間隔で表されているものであって、外観上、極めて一体感の強いものであり、また、これより生ずる「ドレスナデシコ」の称呼も冗長というべきものでなく、よどみなく一連に称呼し得るものである。 そして、たとえその構成中の「ドレス」及び「DRESS」の文字部分が「男女及び子供を含めた衣服・衣装・服装の総称する語である」としても、かかる構成においては、特定の商品の品質などを具体的に表示するものとして直ちに理解しるものともいい難いところであるから、むしろ、構成全体をもって一体不可分の造語として認識し、把握されるとみるのが相当である。 そうとすれば、引用商標1は、その構成文字に相応して「ドレスナデシコ」の称呼のみを生ずるものと判断するのが相当である。 また、引用商標2は、前記2のとおり「なでしこじゃぱん」及び「NADESHIKO JAPAN」の欧文字で併記してなるところ、構成各文字は、同じ書体、同じ大きさで表されているものであって、外観上、一体感の強いものであり、また、これより生ずる「ナデシコジャパン」の称呼も格別冗長というべきものでなく、よどみなく一連に称呼し得るものである。 そして、たとえその構成中の「じゃぱん」及び「JAPAN」の文字部分が「日本」を意味するとしても、引用商標2のかかる構成においては「日本の地域で製造されたもの、日本を対象地域とする(日本向けの)もの」と、直ちに理解されるものとは言い難く、また「なでしこじゃぱん」及び「NADESHIKO JAPAN」の文字がサッカー日本女子代表チームの愛称として知られていることから、引用商標2についても該チームの愛称を表したものと理解されるとみるのが相当であり、むしろ構成全体をもって一体不可分の造語よりなるものと認識し、把握されるとみるのが自然である。 そうとすれば、引用商標2は、その構成文字に相応して「ナデシコジャパン」の称呼のみを生ずるものと判断するのが相当である。 したがって、引用商標より「ナデシコ」の称呼をも生ずるとし、そのうえで、本願商標と引用商標が称呼上類似するものとして、本願商標を商標法第4条第1項第11号に該当するとした原査定は、妥当でなく取消しを免れない。 その他、政令で定める期間内に本願について拒絶の理由を発見しない。 よって、結論のとおり審決する。 |
審決日 | 2007-11-06 |
出願番号 | 商願2006-1503(T2006-1503) |
審決分類 |
T
1
8・
262-
WY
(Y25)
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最終処分 | 成立 |
前審関与審査官 | 八木橋 正雄 |
特許庁審判長 |
井岡 賢一 |
特許庁審判官 |
岩本 和雄 鈴木 修 |
商標の称呼 | ナデシコブラ、ナデシコ |
代理人 | 坂口 信昭 |