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審決分類 審判 査定不服 商3条1項3号 産地、販売地、品質、原材料など 登録しない Y29
審判 査定不服 商4条1項16号品質の誤認 登録しない Y29
管理番号 1167625 
審判番号 不服2005-23329 
総通号数 96 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2007-12-28 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2005-12-02 
確定日 2007-11-01 
事件の表示 商願2004-115765拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。
理由 第1 本願商標
本願商標は、上段に「セラム」の片仮名文字を書し、下段に「SERAM」の欧文字を上段より大きめに書してなり、第29類「食用油脂,乳製品,食肉,卵,食用魚介類(生きているものを除く。),冷凍野菜,冷凍果実,肉製品,加工水産物,加工野菜及び加工果実,油揚げ,凍り豆腐,こんにゃく,豆乳,豆腐,納豆,加工卵,カレー・シチュー又はスープのもと,お茶漬けのり,ふりかけ,なめ物,豆,食用たんぱく」を指定商品として、平成16年12月20日に登録出願されたものである。

第2 原査定の拒絶理由
原査定は、「本願商標は、インドネシア東部の島の名称、あるいはその北方に広がる海の名称である『セラム』及び『SERAM』の文字を二段にして普通に用いられる方法により書してなるところ、その指定商品との関係において、上記地域において産出・製造等された商品であるとの意味合いを認識させるものであるから、これを本願指定商品に使用しても、単に商品の産地・品質等を表示するにすぎないものと認める。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記商品以外の商品に使用するときは商品の品質について誤認を生じさせるおそれがあるから、商標法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。

第3 当審における証拠調べ通知
当審において、本願商標が商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するか否かについて、職権に基づく証拠調べをした結果、次の事実を発見したので、同法第56条第1項で準用する特許法第150条第5項の規定に基づき、請求人に対し、証拠調べの結果を通知した。
1 次のような事実を総合的に考慮するに、「セラム」及び「SERAM」の文字(語)が、インドネシアの地名を表すものであること、カツオ、マグロなどの漁場であること、及び、当該地において、本願指定商品中に含まれる商品「えび」が生産されていることを、窺い知ることができる。
(1)「外国地名レファレンス事典」(2006年7月25日 日外アソシエーツ株式会社発行)において、「セラム島 SeramPulau インドネシアの島名」との記載。
(2)「インドネシアの事典」(1991年6月20日 株式会社同朋舎出版発行)において、「セラム〔島〕 Seram. マルク州の中部マルク諸島の1島で、ブル島と並び同諸島の中心をなしている。」との記載。
(3)「ウィキペディア」のウェブサイトにおいて、「セラム島 セラム島, Seram (前 Ceram, 別名 Seran, Serang) は、マルク州(インドネシア共和国)の島 アンボン島の北に位置する」との記載(http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%BB%E3%83%A9%E3%83%A0%E5%B3%B6)。
(4)「海のアジア4 ウォーレシアという世界」(2001年1月15日 株式会社岩波書店発行)において、「マヌセラ村」の見出しのもと、「セラム島は、マルク諸島の中心に浮かぶ、東西の幅約三四〇キロメートル、面積一万八四一〇平方キロメートルの島である。マルク諸島の中ではハルマヘラ島についで大きな島である。マヌセラ村(人口三三七人、一九九八年)はセラム島のほぼ中央、三〇〇〇メートル級の山々が連なるムルケレ山系の麓にある。」(105頁)との記載及び「いまひとつマヌセラ村の森とくらしに大きな影響を及ぼしつつあるのが、外部主導の大規模資源・土地開発である。北セラム郡の沿岸部ではエビの養殖場・加工工場の建設、カカオの農園開発、ジャワ移民のための移住事業地の造成がおこなわれている。内陸部では木材の商業伐採もおこなわれている。」(121頁)との記載。
(5)「世界地名大事典7 アジア・アフリカII(ス?ヒ)」(昭和49年3月25日 株式会社朝倉書店発行)において、「セラム海」の見出しのもと、「インドネシア東部、北側をオビ諸島、東側をミソル諸島、南側をブル島、セラム島、西側をスーラ諸島などに囲まれる海域。モルッカ(マルク)諸島のほぼ中央部にあたる。・・・この海域は南西太平洋におけるカツオ、マグロなどの漁場としても名高い。」との記載及び「セラム島」の見出しのもと、「インドネシア東部、モルッカ(マルク)諸島南部の島。・・・南西部海岸には大小の湾入がみられ、小島が散在する。熱帯多雨地域で密林も多いが特産物としてダマル(樹脂)があり、サトウキビ、米、ココヤシの栽培が行われる。」との記載。
(6)「万有百貨大事典10 世界地理」(昭和52年10月31日 株式会社小学館発行)において、「セラム(島)Ceram インドネシア東部、モルッカ諸島に属する島。・・・熱帯林におおわれ、ダマル樹脂の特産がある。北東部のブルには油田が開発され、その他ニッケル・ボーキサイト・鉄鉱など種々な地下資源が確認されている。サトウキビ・ココヤシも栽培される。」との記載。
(7)請求人(出願人)である「日本水産株式会社」のウェブサイトにおいて、「天然のニッスイ”から養殖事業にも進出」の見出しのもと、「資源的に天然物に限りがある今、ニッスイでは自らの手で安全・安心なエビを育てようと取り組んでいます。2004年10月に現地法人ニッスイインドネシア社を設立、同国セラム島でブラックタイガーの孵化および稚エビの生産・養殖から、『ワンフローズン』による製品加工までの一貫事業に着手しました。セラム島を選んだのは住民がほとんどいなくて、自然に近い状態でエビを育てられるからです。広大な養殖池は海水を取り入れ、薬物を使わず、餌にも添加物を一切加えていません。鮮度を保つため、池に隣接して加工工場を設置しています。2005年度の生産は数量こそ少なかったものの、業界筋から『本当に養殖なのか』と高い評価を受けました。本格的にマーケット参入する2006年度は3,000トンの生産体制をとっており、数年後には大幅増を目指しています。」との記載(http://www.nissui.co.jp/corporate/frontier/14/03.html)、また、新聞記事においては、「インドネシアでエビ養殖拡大、ニッスイ、3倍の1万トンめざす。」との見出しのもと、「日水はインドネシア東部のセラム島に約二百七十ヘクタールのエビ養殖池を持つ。〇六年の出荷量は約三千トンの見通し。来年度に隣接地を開拓して池を増設、四百九十ヘクタールに拡張する。規模拡大で三-四年後に年間一万トンの出荷体制を整える。」との記事(2006/01/12,日経産業新聞,23ページ)及び「日本水産、インドネシアでエビ事業テスト生産開始」の見出しのもと、「日本水産(株)(東京都千代田区、03・3244・7101、國井康夫社長)は、インドネシア企業『ジャヤンティ・グループ』と合作し、同国セラム島に養殖および天然エビを中心とする高度加工工場を建設した。今年春からワンフローズンのエビ製品のテスト生産を開始、秋には本格的に供給を開始する。同社は設備提供と技術指導を行う。日本水産(株)はインドネシアにおいて約三〇年にわたりエビトロール漁業と船上加工を合弁で行ってきた。このたびのセラム島での事業はエビ加工品の調達拠点として最大規模で、環境に最大限の配慮をしながら、稚エビのふ化、養殖から冷凍エビ加工までを行う。事業規模は初年度二〇〇〇t、二八億円から、二〇〇〇年には五〇〇〇t、七四億円を目標にしている。」との記事(1999.02.15 日本食糧新聞)。
(8)「マグロ1日100トン対日輸出、航空環状線作る??インドネシア漁業総局長に聞く。」の見出しのもと、「インドネシア政府が八八年から生鮮マグロを一日百トンも日本に輸出する計画を表明した。日本の消費量の半分に当たる膨大な量で、年間一億三千五百万ドルの外貨収入を見込んでいる。計画の具体的内容と進め方などについて最高責任者であるスプラプト漁業総局長に聞いた。 (ジャカルタ=小牧記者) ??インドネシアのマグロ資源量は。 答 東方海域(同国の中央部に当たるカリマンタン島、バリ島から西イリアンまでの海域)一帯に資源が集中している。推定資源量は年間十六万?十七万トンあるが、その大部分は実質的に手つかずのままだ。 ??漁業区域は。 答 バリ島周辺、南・北スラウェシ州、ハルマヘラ島、セラム島、ジャワ島南岸の六カ所を設定。それぞれ一日十トンから二十トンの水揚げを計算している。漁獲にあたっては国営水産会社と漁民が協力、三トンから百トン級の七百隻余りの小、中型漁船で“アリ船団”を編成する。とったマグロは生のまま集荷する。マルク北方海域では三トン級二百隻、三十トン級二十隻、六十トン級十隻の船団で、日量二十トンの漁獲を見込んでいる。」との記事(1988/02/08, 日経産業新聞, 15ページ)。
(9)「アジア・ライターズ・クラブ」のウェブサイトにおいて、「セラム海の漁師」の見出しのもと、「ウパンさんは、セラム島(インドネシア東部)の北海岸に位置するサワイ村の住民。雨や風のない日にはいつも船を出し、網を使って漁をする。・・・私がサワイ村を訪れた98年5月、真珠貝養殖のためのいかだが村の近海に広がっていた。村のすぐ近くには大規模なエビ養殖場が、セラム島の南海岸には魚の冷凍貯蔵施設が建設されていた。」との記載(http://www.asiavoice.net/Photo_Gallery/PfA23.html)。
(10)季刊学術誌「東南アジア研究」第44巻第2号において、「セラム(Seram)島は,東西の幅約340km,面積約1.86万km2で(ほぼ四国と同じ広さ),マルク諸島のなかでは最大の島である。セラム島には2003年時点で約36.5万人が暮らしており,人口は沿岸域に集中している・・・中央セラムの南海岸沿岸部は地元民の小規模なチョウジ(Syzygium aromaticum),ナツメグ(Myristica fragrans),カカオ(Theobroma cacao)などの植えられた農園が広がる。・・・北海岸沿岸部のワハイ(Wahai)周辺には海岸線沿いにココヤシ林が広がり,シアテレ(Siatele)にはカカオのプランテーションが,パサハリ(Pasahari)にはエビ養殖場がある。」との記載(http://www.cseas.kyoto-u.ac.jp/seas/44/2/440201.pdf)。

第4 職権証拠調べに対する請求人の対応
前記「証拠調べ通知」に対して、所定の期間を指定して意見を申し立てる機会を与えたところ、請求人からは何らの意見もない。

第5 当審の判断
本願商標は、「セラム」及び「SERAM」の文字よりなるところ、前記第3で述べた事実からすれば、「セラム」及び「SERAM」の文字(語)が、インドネシアの地名を表すものであること、カツオ、マグロなどの漁場であること、及び、当該地において、本願指定商品中に含まれる商品「えび」が生産されていることを、窺い知ることができるものである。
してみれば、本願指定商品中「セラム島又はセラム海を産地とする商品」について、「セラム」及び「SERAM」の文字よりなる本願商標を使用しても、これに接する需要者等は、該商品が「セラム島又はセラム海において生産された商品」であると認識し、商品の産地を表示したものと把握するにとどまり、自他商品の識別標識としては認識しないものというべきであって、かつ、前記商品以外の商品に使用するときは、商品の品質について誤認を生ずるおそれがあるというのが相当である。
したがって、本願商標が商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、妥当であって、取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
審理終結日 2007-09-04 
結審通知日 2007-09-07 
審決日 2007-09-19 
出願番号 商願2004-115765(T2004-115765) 
審決分類 T 1 8・ 13- Z (Y29)
T 1 8・ 272- Z (Y29)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 旦 克昌 
特許庁審判長 井岡 賢一
特許庁審判官 岡田 美加
田村 正明
商標の称呼 セラム 
代理人 吉武 賢次 
代理人 矢崎 和彦 
代理人 小泉 勝義 
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