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審決分類 審判 全部申立て  登録を維持 Y25
審判 全部申立て  登録を維持 Y25
審判 全部申立て  登録を維持 Y25
管理番号 1166187 
異議申立番号 異議2006-90245 
総通号数 95 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2007-11-30 
種別 異議の決定 
異議申立日 2006-05-26 
確定日 2007-10-09 
異議申立件数
事件の表示 登録第4932291号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 登録第4932291号商標の商標登録を維持する。
理由 1 本件商標
本件登録第4932291号商標(以下「本件商標」という。)は、「SPIGA NAO」の欧文字を標準文字により表してなり、平成17年7月6日に登録出願、第25類「被服,ガーター,靴下止め,ズボンつり,バンド,ベルト,履物,仮装用衣服,運動用特殊衣服,運動用特殊靴」を指定商品として、同18年2月24日に設定登録されたものである。

2 登録異議の申立ての理由
登録異議申立人(以下「申立人」という。)は、本件商標は商標法第4条第1項第10号、同第11号及び同第15号に該当するから、その登録は取り消されるべきであるとして、その理由を要旨以下のとおり述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第26号証を提出している。
(1)商標法第4条第1項第11号
(ア)引用商標
登録第2717034号商標(以下「引用商標1」という。)は、「VIA SPIGA」の欧文字を横書きしてなり、平成2年10月11日に登録出願、第22類に属する商標登録原簿記載の商品を指定商品として、同8年10月31日に設定登録され、その後、指定商品については同18年11月22日に第25類「履物」とする書換登録がなされているものである。
同じく登録第3285004号商標(以下「引用商標2」という。)は、「VIA SPIGA 26」の欧文字を横書きしてなり、平成6年11月18日に登録出願、第25類に属する商標登録原簿記載の商品を指定商品として同9年4月18日に設定登録されたものである。
同じく登録第4092946号商標(以下「引用商標3」という。)は、「VIA SPIGA」の欧文字を横書きしてなり、平成8年7月24日に登録出願、第18類に属する商標登録原簿記載の商品を指定商品として同9年12月12日に設定登録されたものである。
同じく登録第4112555号商標(以下「引用商標4」という。)は、「V S VIA SPIGA」の欧文字を横書きしてなり、平成6年12月16日に登録出願、第25類に属する商標登録原簿記載の商品を指定商品として同10年2月13日に設定登録されたものである。
同じく登録4517612号商標(以下「引用商標5」という。)は、「VIA SPIGA」の欧文字を標準文字により表してなり、2000年7月31日にアメリカ合衆国においてした商標登録出願に基づきパリ条約第4条の優先権を主張して、平成12年10月12日に登録出願、第9類及び第14類に属する商標登録原簿記載の商品を指定商品として同13年10月26日に設定登録されたものである(以下、上記各商標をまとめていうときは「引用商標」という。)。
(イ)本件商標と引用商標の類否
引用商標1は、「VIR SPIGA」の英文字を横書きしてなり、前半部分の「VIR」は、「・・経由で」、「・・によって」などを意味する前置詞であって、後半部分の「SPIGA」に付随的なものと考えられるから、これに接した取引者、需要者は「SPIGA」の部分を強く認識するものである。
したがって、引用商標1は、「SPIGA」が商標の要部と認識される場合があるといえる。
一方、本件商標は、英文字の「SPIGA NAO」を横書きした構成よりなり、前半部の「SPIGA」と後半部の「NAO」の間には、顕著にスペースが設けられ、両文字が常に一体不可分に認識されなければならない特段の理由はないから、それぞれが分離して認識される場合もあるといわざるを得ない。
さらに、後半部の「NAO」の文字は、本件商標権者の名称中の「ナオ」を英文字表記したと容易に認識されるものであるから、前半部の「SPIGA」の文字部分もまた独立した要部として認識されるものである。
したがって、本件商標と引用商標は、「SPIGA」の文字より「スピガ」の称呼において、相互に類似する商標であり、かつ、両者の指定商品も類似するものである。
また、引用商標3及び引用商標5についても、共に英文字「VIA SPIGA」を横書きしてなるから、引用商標1と同じく、本件商標とは「スピガ」の称呼において類似する商標であり、かつ、両者は、その指定商品も同一又は類似するものである。
次に、引用商標2は、「VIA SPIGA 26」の構成よりなり、数字「26」は、商品の品番、型番などとして普通に用いられるものである。 そうすると、前述のとおり、「SPIGA」の文字部分が独立した要部として認識されるから、本件商標と引用商標2とは、「スピガ」の称呼において類似する商標であり、かつ、両者の指定商品も類似するものである。
さらに、引用商標4は、英文字「V S VIA SPIGA」の構成よりなり、前半部分の「V」及び「S」は、それ自体自他商品識別機能を有しないから、「SPIGA」の文字が商標の独立した要部と認識され、よって、本件商標と引用商標4とは、「スピガ」の称呼において類似する商標であって、かつ、その指定商品も同一又は類似するものである。
以上のとおり、本件商標と引用商標とは、商標が類似し、その指定商品も同一または類似するから、商標法第4条第1項第11号に該当する。
(2)商標法第4条第1項第10号及び同第15号
申立人の商標「VIA SPIGA」はイタリアの有名ブランドである。 特に、斬新なスタイル、最高の素材、入念な技術から生まれた色彩豊かな総皮ラインとして、そして高級志向に合わせた上品な女性用の靴としてわが国において広く知られている(甲第10号証)。
申立人の女性靴は、わが国においては大型百貨店から靴専門店まで幅広い販売店で取り扱われており、各種女性雑誌にも取り上げられ(甲第11号証ないし甲第23号証)、新聞においても「VIA SPIGA」の名前を見つけることができる(甲第24号証ないし甲第26号証)。
また、1992年から94年までの広告費・売上高をみると、日本円で毎年約4000万円から7000万円の広告費を支出し、33億5000万円から40億円程度の売上高がある。
してみれば、申立人に係る商標「VIA SPIGA」は、需要者の間に広く知られている商標であり、本件商標「SPIGA NAO」と類似し、その指定商品も同一又は類似するから、本件商標は、商標法第4条第1項第10号に該当する。
さらに、本件商標がその指定商品に使用された場合は、需要者・取引者は、当該商品があたかも申立人又は申立人の関連企業によって取り扱われている商品であるかの如く、商品の出所について混同を生ずるおそれが高い。
よって、本件商標は商標法第4条第1項第15号に該当するにもかかわらず、登録されたものである。

3 当審の判断
申立人は、本件商標が商標法第4条第1項第10号、同第11号及び同第15号に該当する旨主張しているので、以下、これらについて判断する。
(1)商標法第4条第1項第11号について
本件商標は、前記1のとおり、「SPIGA NAO」の欧文字を同書、同大、等間隔に横書きしてなり、これより生ずる「スピガナオ」の称呼も格別冗長ともいえず、一連に無理なく称呼し得るものである。
これに対し、引用商標は、その構成中「VIA」の文字(語)について、申立人は、「・・経由で」、「・・によって」などを意味する前置詞であって、後半部分の「SPIGA」に付随的な語であると述べているが、該語がわが国において、「前置詞」(イタリア語)として理解・認識されているとも言い難いものであるから、引用商標に接する需要者・取引者は、特定の意味合いを有しない一種の造語と認識するものとみるのが相当である。
してみれば、「VIA SPIGA」の文字よりなる引用商標1、3及び
5は、「ビアスピガ」の称呼のみを生ずるものといわざるを得ない。
また、引用商標2の構成中、数字の「26」及び引用商標4の構成中の「V」「S」のローマ文字は、それぞれ商品の品番、型式等を表示する記号、符号として一般に使用されている識別力を有しない部分と認められるから、それぞれ一連の称呼を生ずるほか、自他商品の識別力を有する「VIA SPIGA」文字部分より、「ビアスピガ」の称呼をも生ずるものというべきである。
そこで、「スピガナオ」の称呼を生ずる本件商標と「ビアスピガ」の称呼を生ずる引用商標とを比較するに、両者は、共に5音から構成されるうち、「スピガ」の3音を共通にするものの、他の2音「ビア」と「ナオ」の音を異にするから、それぞれを一連に称呼しても、互いに相紛れるおそれはないものといわなければならない。
また、「スピガナオ」の称呼を生ずる本件商標と、「ビアスピガニジュウロク」の称呼を生ずる引用商標2、及び「ブイエスビアスピガ」の称呼を生ずる引用商標4とは、称呼上類似しないことは明らかである。
さらに、本件商標は、特定の意味合いを有しない造語であること前記のとおりであるから、引用商標とは観念において比較すべくもなく、また、両者の外観は、前記1及び2のとおりであって、互いに区別し得る差異を有するものである。
してみれば、本件商標と引用商標とは、その称呼、観念及び外観のいずれにおいても相紛れるおそれのない非類似の商標であるから、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当しないというべきである。
(2)商標法第4条第1項第10号及び同第15号について
申立人の提出に係る甲各号証によれば、「VIA SPIGA」の文字からなる引用商標が女性用靴に使用されていることが窺われ、ある程度、需要者、取引者に認識されているということは認め得るものである。
しかしながら、本件商標と引用商標とは非類似の商標であること前記のとおりであるから、本件商標が商標法第4条第1項第10号に該当するということはできない。
また、前記のとおり、両商標は、別異の商標と理解、認識されるものであるから、本件商標をその指定商品について使用しても、これが申立人又は申立人と何等かの関係を有する者の業務に係る商品であるかのごとく、商品の出所について混同を生ずるおそれはないものといわなければならない。
したがって、本件商標は商標法第4条第1項第15号にも該当しない。
(3)結語
以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第10号、同第11号及び同第15号のいずれにも該当しないから、同法第43条の3第4項にもとづき、本件商標の登録は維持するものとする。
よって、結論のとおり決定する。
異議決定日 2007-09-19 
出願番号 商願2005-61818(T2005-61818) 
審決分類 T 1 651・ 25- Y (Y25)
T 1 651・ 26- Y (Y25)
T 1 651・ 271- Y (Y25)
最終処分 維持  
前審関与審査官 有水 玲子 
特許庁審判長 山田 清治
特許庁審判官 鈴木 新五
久我 敬史
登録日 2006-02-24 
登録番号 商標登録第4932291号(T4932291) 
権利者 株式会社ナオインターナショナル
商標の称呼 スピガナオ、スピーガナオ、スピガ、スピーガ、ナオ、エヌエイオオ 
代理人 古関 宏 
代理人 中村 稔 
代理人 熊倉 禎男 
代理人 藤倉 大作 
代理人 井滝 裕敬 
代理人 松尾 和子 

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