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審決分類 |
審判 全部申立て 登録を維持 Y01 審判 全部申立て 登録を維持 Y01 |
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管理番号 | 1166175 |
異議申立番号 | 異議2007-900102 |
総通号数 | 95 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標決定公報 |
発行日 | 2007-11-30 |
種別 | 異議の決定 |
異議申立日 | 2007-03-06 |
確定日 | 2007-09-18 |
異議申立件数 | 1 |
事件の表示 | 登録第5007084号商標の登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 |
結論 | 登録第5007084号商標の登録を維持する。 |
理由 |
第1 本件商標 本件登録第5007084号商標(以下「本件商標」という。)は、「テクノフロック」の片仮名文字を標準文字をもって書してなり、平成18年5月24日に登録出願、第1類「水処理又は汚泥処理に使用する高分子凝集剤」を指定商品として、同年11月10日に登録査定、同年12月1日に設定登録されたものである。 第2 登録異議の申立ての理由 1 引用商標 登録異議申立人(以下「申立人」という。)の引用する登録第4966459号商標(以下「引用商標」という。)は、別掲に示す構成からなり、平成18年1月6日に登録出願、第1類及び第17類に属する商標登録原簿に記載の商品を指定商品として、同年6月30日に設定登録されたものである。 2 理由の要点 (1)商標法第3条第1項第3号について 本件商標の構成文字中「テクノ」の部分は、「科学技術」ないし「(工業)技術的な方法(過程)」の意味を有し、また、後半部分「フロック」は、「排水中の懸濁物質が結合し沈降する大きさになったもの」を意味する環境用語として一般に認識されて、既に日本語として使用されており、商品名としても現実に使用されている多くの実例があることから、本件商標を商品「水処理又は汚泥処理に使用する高分子凝集剤」に使用しても自他商品の識別力を持たない。 したがって、本件商標の登録は、商標法第3条第1項第3号に該当する。 (2)商標法第4条第1項第11号について 本件商標の称呼「テクノフロック」と引用商標の称呼「テクノフロン」を比較するに、語頭より第5音までの「テクノフロ」が同一であり、語尾の第6音部分において「ック」と「ン」の差があるにすぎない。 また、本件商標は、引用商標に係る指定商品と同一又は類似の商品に使用するものであるから、商標法第4条第1項第11号(商標法第8条第1項)に該当するものである。 (3)申立人は、証拠方法として、甲第1ないし第9号証を提出している。 3 結論 したがって、本件商標は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第11号(商標法第8条第1項)に違反して登録されたものであるから、その登録は取り消されるべきである。 第3 当審の判断 1 商標法第3条第1項第3号について 本件商標は、「テクノフロック」の文字からなるものであるところ、その構成各文字は、同じ書体、同じ大きさ、等間隔をもって一連に表されたものである。 そして、「テクノ」が「科学技術」等を意味する「テクノロジー」の略語であり、申立人提出の証拠によれば、「フロック」が「排水中の懸濁物質が結合し沈降する大きさになったもの」を意味する語と認められるとしても、両者を一連に結合した「テクノフロック」は、本件商標の指定商品について、特定の意味合いをもって具体的な品質等を看取させるものとは認められないから、特定の意味合いを表さない造語として理解されるものというのが相当である。 また、当該「テクノフロック」の文字が、商品の品質等を表示するものとして取引上普通に使用されている事実もみいだせない。 してみれば、本件商標は、その指定商品に使用しても、自他商品の識別標識としての機能を十分に果たし得るものというべきであり、商標法第3条第1項第3号に該当するものとはいえない。 2 商標法第4条第1項第11号について 本件商標は、その構成文字に相応し「テクノフロック」の称呼を生じるものであるのに対して、引用商標は、その構成文字に相応し「テクノフロン」の称呼を生じるものというのが相当である。 しかして、「テクノフロック」と「テクノフロン」の両称呼を対比すると、「テ」「ク」「ノ」「フ」「ロ」の各音を共通にするものではあるが、語尾音の「ク」と「ン」の差異及びその前音の「ロ」に促音を伴うか否かの差異を有するものである。 そして、「ク」が無声破裂子音(k)と母音(u)の結合した音節であるのに対して、「ン」が有声の気息を鼻から洩らして発する鼻音であり、両音の音質は明らかに相違するものである。また、「テクノフロック」は、促音を伴う「ロ」にアクセントが生じるのに対して、「テクノフロン」は、全体が平坦な語調のものである。 してみると、前記差異が、称呼の音感に与える影響は決して小さいとは言い難く、それぞれを一連に称呼するときには、全体の語感語調が異なり、互いに判然と区別し得るものであるから、両商標は、称呼において相紛れるおそれはないというべきである。 その他、外観や観念において、本件商標と引用商標との間で相紛れるおそれがあるとみるべき理由はない。 したがって、本件商標は、外観、称呼及び観念のいずれの点からみても、引用商標に類似する商標とは判断できないから、商標法第4条第1項第11号に該当するものとすることはできない。 3 以上のとおり、本件商標は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第11号に違反して登録されたものではないから、同法第43条の3第4項の規定に基づいて、その登録は維持すべきものである。 よって、結論のとおり決定する。 |
別掲 |
別掲 引用商標 |
異議決定日 | 2007-08-29 |
出願番号 | 商願2006-47671(T2006-47671) |
審決分類 |
T
1
651・
262-
Y
(Y01)
T 1 651・ 13- Y (Y01) |
最終処分 | 維持 |
前審関与審査官 | 小川 敏 |
特許庁審判長 |
山田 清治 |
特許庁審判官 |
久我 敬史 関根 文昭 |
登録日 | 2006-12-01 |
登録番号 | 商標登録第5007084号(T5007084) |
権利者 | 浅野テクノロジー株式会社 |
商標の称呼 | テクノフロック |
代理人 | 坂口 信昭 |