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審決分類 |
審判 全部申立て 登録を維持 Y06 |
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管理番号 | 1166170 |
異議申立番号 | 異議2007-900095 |
総通号数 | 95 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標決定公報 |
発行日 | 2007-11-30 |
種別 | 異議の決定 |
異議申立日 | 2007-02-21 |
確定日 | 2007-09-15 |
異議申立件数 | 1 |
事件の表示 | 登録第5006260号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 |
結論 | 登録第5006260号商標の商標登録を維持する。 |
理由 |
1 本件商標 本件登録第5006260号商標(以下「本件商標」という。)は、「セーフティウォーク」及び「SAFETY WALK」の各文字を上下二段に横書きしてなり、平成18年3月24日に登録出願、第6類「金属製足場板,その他の建築用又は構築用の金属製専用材料」を指定商品として、同年11月24日に設定登録されたものである。 2 登録異議申立ての理由の要旨 登録異議申立人(以下「申立人」という。)は、本件商標は商標法第4条第1項第15号に違反して登録されたものであるから、同法第43条の2第1項第1号により取り消されるべきであると主張し、その理由を要旨以下のとおり述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第50号証を提出している。 申立人は、2000年よりも以前から子会社を通じて「セーフティ・ウォーク」「Safety-Walk」(以下「引用商標」という。)が使用された商品「すべり止めテープ製品」を販売してきた。 このことは、甲第10号証から甲第49号証において、引用商標が使用された「すべり止めテープ製品」が数多くの会社で取り扱われており、数多くのホームページに継続して掲載されてきたことからも判る。 なお、ここに提出したホームページの古い日付のものは、Internet ArchiveのWayback Machineより取得したものであり、このArchiveの収集内容及び収集日は、公的にも信頼性のあるものとして認められている。 そして、申立人の子会社のみならず数多くの会社によって販売されて今日に至ったこと、ホームページに数多く掲載されてきたことからすれば、「すべり止めテープ製品」の需要者である住宅建築関係等の建築業者、物流業者中心に、本件商標の出願時点では周知著名なものとなっていた。 本件商標の指定商品の需要者は住宅建築関係等の建築業者であり、当該商品の需要者の間では引用商標は周知著名なものであった。 それ故、本件商標がその指定商品に使用された場合には、当該商品が申立人ないしは同人と資本的関係のある者の業務に係るものであるとその出所の混同を生じるは必定である。 本件商標と引用商標とは、社会通念上全く同一の商標であり、同一の取引分野において、二つの語を組み合わせてなる商標が偶然に全く別の者によって採択使用されるとは到底考えられない。 むしろ、同一の者によって採択使用されているものであると捉えるのが自然であるし、また、住宅建築関係等の建築業者は「すべり止めテープ製品」に付された引用商標を目にしたことは疑いようもない。 したがって、金属製足場板等の建築用又は構築用の金属製専用材料に「セーフティウォーク」「Safety Walk」が使用されていれば、誰もが当該商品が申立人ないしは同人と資本的関係のある者の業務に係るものであると誤認してしまう。 加えて、金属製足場板は金属製故にすべり易いものであるから、この表面に引用商標が使用されたすべり止めテープが貼付されることが多々あると言える。 「セーフティウォーク」「Safety-Walk」の商標が使用された足場と、これに貼られる商標「セーフティ・ウォーク」「Safety-Walk」が使用されたすべり止めテープがあれば、両商品は、同一の者によって取り扱われていると誤解するのが自然である。仮に、引用商標の周知著名度がさほど高いものではないとしても出所の混同は生じるものと言える。 したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に違反して登録されたものであり、その登録は取り消されるべきである。 3 当審の判断 申立人提出の甲各号証によれば、本件商標の登録出願前から引用商標が商品「すべり止めテープ製品」に使用されていることを認め得るものである。 そして、甲各号証によれば、引用商標が「すべり止めテープ製品」に使用された結果、ある程度知られていることは窺われるものの、上記商品の販売数量、販売地域、売上高、業界におけるシェアーなどの事実や、これらを立証する書面など、本件商標が需要者間に広く認識されていることのより具体的、客観的な証左は何ら提出されていない。 してみれば、これらによっては、本件商標の登録出願時において、引用商標が、本件商標の指定商品の取引者・需要者の間で広く認識されるに至っていたと認めるに充分なものということはできないというべきである。 ところで、本件商標は、「セーフティウォーク」及び「SAFETY WALK」の各文字からなるものであるから、引用商標とはその構成文字において共通するものということができる。 しかしながら、「SAFETY」及び「WALK」の文字は、それぞれ「安全」、「歩行」を意味する平易な英語として、さらにそれぞれの表音と認められる「セーフティ」及び「ウォーク」の文字も、前記の意を有する語として我が国において一般に親しまれた語ということができ、全体としても、「安全な歩行」程の意味合いを看取させるものである。 そうとすれば、「セーフティウォーク」及び「SAFETY WALK」の文字は、本件商標の指定商品「金属製足場板等の建築用又は構築用の金属製専用材料」との関係においてみても、必ずしも、採択が容易でない程に創造性の程度の高い標章ということはできないとみるのが相当である。 してみると、本件商標の登録出願時における引用商標の周知性の程度、その造語性の程度を勘案すれば、両者の商標における共通性及び取引者や需要者を共通にする場合があることを併せ考慮しても、本件商標の登録出願時において、本件商標をその指定商品に使用した場合、これに接する取引者・需要者が直ちに引用商標を想起し連想して、当該商品を申立人あるいは同人と何らかの関係を有する者の業務に係る商品と誤信し、商品の出所について混同するおそれがあると判断することはできないといわざるを得ない。 したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に違反して登録されたものとはいえないから、同法第43条の3第4項の規定に基づき、その登録は維持すべきものである。 よって、結論のとおり決定する。 |
異議決定日 | 2007-08-29 |
出願番号 | 商願2006-26285(T2006-26285) |
審決分類 |
T
1
651・
271-
Y
(Y06)
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最終処分 | 維持 |
前審関与審査官 | 山田 正樹、茂木 祐輔 |
特許庁審判長 |
山田 清治 |
特許庁審判官 |
関根 文昭 久我 敬史 |
登録日 | 2006-11-24 |
登録番号 | 商標登録第5006260号(T5006260) |
権利者 | 日鐵住金建材株式会社 |
商標の称呼 | セーフティウオーク |
代理人 | 青木 篤 |
代理人 | 藤川 忠司 |
代理人 | 田島 壽 |