• ポートフォリオ機能


ポートフォリオを新規に作成して保存
既存のポートフォリオに追加保存

  • この表をプリントする
PDF PDFをダウンロード
審決分類 審判 査定不服 商4条1項16号品質の誤認 登録しない Y16
審判 査定不服 商3条1項3号 産地、販売地、品質、原材料など 登録しない Y16
管理番号 1165796 
審判番号 不服2005-14096 
総通号数 95 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2007-11-30 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2005-06-23 
確定日 2007-09-18 
事件の表示 商願2004- 75547拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。
理由 第1 本願商標
本願商標は、「UDラベル」の文字を標準文字で表してなり、第16類の願書に記載の商品を指定商品として、平成16年8月2日に登録出願されたものである。その後、指定商品については、同年11月26日付け及び同17年3月28日付けの手続補正書をもって、第16類「シール」に補正されたものである。

第2 原査定の拒絶理由の要旨
原査定は「本願商標は、「UDラベル」の文字を標準文字で書してなるところ、その構成中「UD」の文字は商品の品番、等級等を表示するための記号、符号として一般に使用・採択されている欧文字の2文字を、「ラベル」の文字は本願指定商品に係る商品名を表わすものであるから、これをその指定商品に使用しても、商品「ラベル」の一品種を表示するものと理解させるに止まるものであって、需要者が何人かの業務に係る商品であることを認識することができないものと認められる。したがって、本願商標は商標法第3条第1項第6号に該当し、前記商品以外の商品に使用するときは、商品の品質の誤認を生じさせるおそれがあるので、同法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。

第3 当審における証拠調べ通知
当審において、本願商標「UDラベル」が、その指定商品について、商標法第3条第1項第3号に該当するか否かに関し、職権に基づく証拠調べをした結果、以下の事実を発見したので、商標法第56条第1項で準用する特許法第150条第5項の規定に基づき、その旨を請求人に通知した。
1 新聞記事情報
(1)「【ユニバーサル国家への道】サントリー 便利な製品、より多くの人に」との見出しのもと、「・・・ 同社は2000年、ユニバーサルデザイン(UD)の基本方針を制定するとともにUD室を設置、全社をあげての取り組みを開始した。昨年には関連部署のメンバーで構成する「製品のUD化プロジェクトチーム」も発足させた。
より開けやすいようにと開発した「波型カットダンボール」は100種類以上のサンプルを作った。ビールや発泡酒のケースは全部これに切り替えた。
他の瓶と間違えないようにと作った点字ワインボトルは、瓶に「ワイン」と点字で表記。文字の大きさや凹凸具合は点字図書館に意見を求めた。
このほか、チューハイの缶に採用した、より指がかかりやすく開けやすいイージーオープン蓋(ふた)、シールを剥(は)がす感覚で剥がせるガラス瓶のラベル…これまでに数々の工夫を実用化している。」との記載がある(「FujiSankei Business i」2006.6.26)。
(2)「業務用加工食品ヒット賞・日食優秀食品機械資材賞・業界の成長・発展に貢献」との見出しのもと、「アヲハタ55ジャムUDびんシリーズ(キユーピー(株))=誰にでも使いやすいユニバーサルデザイン(UD)商品。ふたには開栓時に指がかりの良い凹凸形状を施し、はがしやすい紙ラベルや点字を採用。びんにくぼみを付けて開栓時に手が滑りにくくした。びんの製造は東洋ガラス(株)が担う」との記載がある。(2005.09.14 日本食糧新聞)
(3)第8回日食優秀食品機械資材賞・資材部門=キューピー」との見出しのもと、「キユーピー(株)(東京都渋谷区、お客様相談室=0120・141122)の「アヲハタ55ジャムシリーズ」は、今回大幅な改善で、今年2月に中身、容器ともに17年ぶりに全面的なリニューアルを行った。「お客さまの視点」に立ち、フルーツ本来のおいしさを追求した新製法でフレッシュなフルーツの香りが楽しめるように中身を改良。パッケージもお年寄りや子供などできるだけ多くの人にも使いやすいユニバーサルデザイン(UD)びんを採用している。さらに、業界で初めてラベルに開栓日が記入できるメモ欄を施し、開栓を音で知らせるセーフティボタンをすでに採用するなど、安心・安全にも配慮している。従来から細かなリニューアル毎に時代の最先端を行くバリアフリー仕様にしてきたが、大幅変革によりさらなる顧客認知とユーザー拡大を図っている。・・・ラベルがはがしやすいのりを使用し、ユーザーの分別廃棄にも配慮した。」との記載がある。(日本食糧新聞 2005.9.5)。
(4)「真のユニバーサルデザイン普及へ 日本包装技術協会が高齢者疑似体験」との見出しのもと、「「想像以上にPETボトルが滑りやすい」「キャップが固い」「包装フィルムが開封しにくい」・・これらは(社)日本包装技術協会・・・・が開催した「ユニバーサルデザイン(UD)」パッケージコースで、高齢者の不自由を疑似体験した食品メーカーや包装関係者の声だ。今やUDへの対応は各メーカーにとって欠かせぬ取組みのひとつ。・・・疑似体験でも最も顕著だったのは視覚の不明確さ。特に赤黄系や暗茶系を判別できず、商品に顔を近づけてやっと確認できる程だ。表示ラベルの文字判読は皆無に等しく、調理法や使用上の注意は読めなかった。・・・。」との記載がある(日本食料新聞 2005.11.21)。
2 インターネット情報
(1)「アサヒ飲料 お問い合わせ ユニバーサルデザイン ご意見から生まれたデザイン」のタイトルのもと、「三ツ矢サイダーPET500のラベルにミシン目が入りました 三ツ矢サイダーのPETボトルについて、「ラベルを外しやすいようにラベルにミシン目を入れて欲しい」とのご意見を頂戴しています。以前までは三ツ矢サイダーは伸縮性のあるラベルですので、クルクル回して外していただくようお願いしておりましたが、2004年3月24日の新発売を機に、ご要望の多いPET500mlについては、ラベルの素材を変更し、ミシン目を入れました。(http://www.asahiinryo.co.jp/customer/universal/voice.html)
(2)「プリンタ用はかどりラベル ユニバーサルデザイン コクヨ」のタイトルのもと、「ユニバーサルデザイン製品紹介 プリンタ用はかどりラベル(画像有り)
郵便物に大量のあて名シールを貼るとき、苦労した覚えはありませんか? シールがはがしづらくてイライラした経験ありませんか?
コクヨのユニバーサルデザイン・カラーレーザーインクジェット用はかど りラベルは、そんな苦労、不満を解消してくれます。
業界初! 台紙にタテ方向のミシン目(はかどりカット)を採用しました。
これを下まで一気に切り取ると、ラベルの1枚1枚がカンタンにはがしやすくなります。台紙からはみ出た「つかみしろ」を指でつまむと、シール部がキレイにはがれます。
大量のラベルシールでも、スムースに効率よく作業できます。(http://www.kokuyo.co.jp/eco_ud/ud/products/index.html)
以上のとおり、近年各産業界では、ユニバーサルデザインに配慮した製品の開発、製造が行われ、ユニバーサルデザインの略字として、「UD」が広く用いられているところ、本願指定商品との関係においても、ペットボトルのパッケージラベルを剥がし易くしたり、商品の製造日、材料表示を見やすくしたラベル等ユニバーサルデザイン(UD)に対応した商品が開発、製造されている実情がある。
以上の実情を総合的に勘案すると、「UDラベル」よりなる本願商標を、その指定商品「シール」に使用するときには、取引者、需要者をして容易に「ユニバーサルデザインに対応したラベル用シール」又は「ユニバーサルデザインに対応した商品に付されるラベル用シール」を認識させるものとみるのが相当である。

第4 職権証拠調べに対する請求人の対応
前記「証拠調べ通知」に対して、相当の期間を指定し、応答する期間を与えたところ、請求人からは何らの意見、応答はなかった。

第5 当審の判断
本願商標は、前記のとおり、「UDラベル」の文字からなるところ、上記第3「証拠調べ通知」のとおり、「UDラベル」は、指定商品「シール」との関係において、「ユニバーサルデザインに対応したラベル用シール」又は「ユニバーサルデザインに対応した商品に付されるラベル用シール」を認識させるものであるから、これをその指定商品中上記文字に照応する商品に使用するときには、単に商品の品質を表示したものと認められ、それ以外の商品に使用するときには商品の品質について誤認を生じさせるおそれがあるものといわなければならない。
したがって、本願商標が商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、妥当であり取り消すことができない。
よって、結論のとおり審決する。
審理終結日 2007-07-05 
結審通知日 2007-07-13 
審決日 2007-07-26 
出願番号 商願2004-75547(T2004-75547) 
審決分類 T 1 8・ 272- Z (Y16)
T 1 8・ 13- Z (Y16)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 黒磯 裕子加園 英明野上 サトル 
特許庁審判長 伊藤 三男
特許庁審判官 森山 啓
岩崎 良子
商標の称呼 ユウデイラベル 

プライバシーポリシー   セキュリティーポリシー   運営会社概要   サービスに関しての問い合わせ