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審決分類 |
審判 一部申立て 登録を取消(申立全部取消) Y26 |
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管理番号 | 1164240 |
異議申立番号 | 異議2006-90405 |
総通号数 | 94 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標決定公報 |
発行日 | 2007-10-26 |
種別 | 異議の決定 |
異議申立日 | 2006-08-25 |
確定日 | 2007-08-16 |
異議申立件数 | 1 |
事件の表示 | 登録第4954878号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 |
結論 | 登録第4954878号商標の指定商品中、第26類「ボタン類,針類,編み棒,裁縫箱,裁縫用へら,裁縫用指抜き,針刺し,針箱(貴金属製のものを除く。),被服用はとめ」についての登録を取り消す。 |
理由 |
1 本件商標 本件登録第4954878号商標(以下「本件商標」という。)は、「Candy Clover」の文字を書してなり、平成17年8月5日に登録出願、第25類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品のほか、第26類「ボタン類,針類,編み棒,裁縫箱,裁縫用へら,裁縫用指抜き,針刺し,針箱(貴金属製のものを除く。),被服用はとめ」を指定商品として、同18年5月26日に設定登録されたものである。 2 登録異議の申立ての理由の要点 登録異議申立人(以下「申立人」という。)は、本件商標の指定商品中、第26類に属する全ての指定商品については、商標法第4条第1項第11号及び同第15号に該当するから、その登録は、同法第43条の2第1号により、取り消されるべきである旨主張し、その理由を要旨以下のとおり述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第11号証(枝番号を含む。)を提出している。 (1)商標法第4条第1項第11号について 本件商標は、別掲に示した構成からなる登録第1201362号商標、同登録第1115297号商標、同登録第4445981号商標(以下、これらをまとめて「引用商標」という。)のほか5件の登録商標と商標において類似し、指定商品も同一又は類似であるから、商標法第4条第1項第11号に該当する。 (2)商標法第4条第1項第15号について 引用商標をはじめ、「clover」の文字は、申立人の業務を表示するものとして、「手芸・裁縫用品」の分野で周知、著名となっているものである。 したがって、本件商標の指定商品中、第26類に属する全ての指定商品に使用するときは、申立人の業務に係る商品と出所の混同を生ずるおそれがあるから、商標法第4条第1項第15号に該当する。 3 本件商標に対する取消理由 本件に関し、審判長は、商標権者に対して、平成19年2月28日付けで以下の取消理由を通知した。 申立人提出の証拠(甲第4号証ないし甲第9号証〔枝番号を含む。〕)によれば、申立人は、昭和21年に手芸・裁縫用品の製造業を開始して以来、今日に至るまで「手芸・裁縫用品」メーカーとして事業を継続していること、申立人の商号が「クローバー株式会社」であり、業界トップの業績を堅持していること(甲第5号証)、そして、申立人の業務に係る商品には、引用商標が表示され、本件商標の登録出願前より、前記「手芸・裁縫用品」について、朝日新聞や各種雑誌において継続的に宣伝広告をされたことが認められる。 さらに、「日本有名商標集(2004年AIPPI・JAPAN発行)」及び「日本商標名鑑2000(平成12年11月20日商標調査会発行)」に、引用商標が掲載されたことが認められる。 以上によれば、引用商標は、申立人の業務に係る商品「手芸・裁縫用品」を表示する商標として、本件商標の登録出願時において、既に、その需要者の間において、広く認識されるに至っていたものであり、そのことは登録査定時においても、継続していたことが認められる。 引用商標は、別掲のとおり、「クローバー」と「Clover」の文字を二段に横書きし、これと図案化した三つ葉のクローバーの図形とを一緒に表示した構成よりなるものであり、その構成に相応して「クローバー」の称呼及び「植物のクローバー」の観念を生ずるものである。 これに対して、本件商標は、「Candy Clover」の文字からなるところ、該「Candy」と「Clover」との文字間には間隔があり、また、両者は、ともに語頭が大文字となっていることから、視覚上分離して看取されるばかりでなく、両文字を分離して観察することが社会通念上不自然であるとすべき格別の理由も見いだせないものである。 してみると、本件商標は、商取引上、前記各文字のそれぞれの部分において、着目されることもあるというべきである。 しかして、本件商標の構成中「Clover」の文字は、引用商標とは、「Clover」の欧文字部分の外観及び「クローバー」の称呼、「植物のクローバー」の観念において共通するから、本件商標が引用商標と同一の出所及び自他商品識別機能を果たすと看取される場合も決して少なくないとみるのが相当であり、本件商標と引用商標との類似性の程度は、決して低いということができない。 そして、本件商標の指定商品中の第26類に属する前記商品は、引用商標の使用に係る商品「手芸・裁縫用品」と同一のものであるか、あるいは、関連性が極めて高い商品と認められるものであり、また、その需要者を共通にするものである。 以上を総合すれば、その登録査定時はもとより登録出願時において、本件商標をその指定商品中、第26類「ボタン類,針類,編み棒,裁縫箱,裁縫用へら,裁縫用指抜き,針刺し,針箱(貴金属製のものを除く。),被服用はとめ」に使用するときには、これに接する需要者が引用商標を想起し連想して、当該商品を申立人あるいは同人と経済的又は組織的に何らかの関係を有する者の業務に係るものであるかの如く誤信し、その出所について混同を生ずるおそれがあったと判断されるものである。 したがって、本件商標は、第26類に属する指定商品について、商標法第4条第1項第15号に違反して登録されたものである。 4 商標権者の意見 本件商標について、前記3の取消理由を通知し、期間を指定して意見を述べる機会を与えたが、商標権者は、何ら意見を述べるところがない。 5 当審の判断 本件商標についてした前記3の取消理由は、妥当なものと認められる。 したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に違反して登録されたものといわなければならないから、商標法第43条の3第2項の規定に基づき、その指定商品中、第26類「ボタン類,針類,編み棒,裁縫箱,裁縫用へら,裁縫用指抜き,針刺し,針箱(貴金属製のものを除く。),被服用はとめ」についての登録を取り消すべきものである。 よって、結論のとおり決定する。 |
別掲 |
別掲 引用商標 |
異議決定日 | 2007-06-26 |
出願番号 | 商願2005-73154(T2005-73154) |
審決分類 |
T
1
652・
271-
Z
(Y26)
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最終処分 | 取消 |
前審関与審査官 | 白倉 理 |
特許庁審判長 |
山田 清治 |
特許庁審判官 |
久我 敬史 鈴木 新五 |
登録日 | 2006-05-26 |
登録番号 | 商標登録第4954878号(T4954878) |
権利者 | 株式会社カミオジャパン |
商標の称呼 | キャンディークローバー、キャンディー、クローバー |
代理人 | 青山 葆 |
代理人 | 樋口 豊治 |