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審決分類 審判 査定不服 商4条1項16号品質の誤認 登録しない Y12
審判 査定不服 商3条1項3号 産地、販売地、品質、原材料など 登録しない Y12
管理番号 1164218 
審判番号 不服2006-65004 
総通号数 94 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2007-10-26 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2006-01-11 
確定日 2007-06-21 
事件の表示 国際登録第835844号に係る国際商標登録出願の拒絶査定に対する審判事件について,次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は,成り立たない。
理由 1 本願商標
本願商標は,「ALL MOUNTAIN」の欧文字を書してなり,第12類「Pneumatic tires and tubes for vehicle wheels;treads for recapping tires;tracks for track vehicles.」を指定商品として,2004年3月31日にFranceにおいてした商標登録出願に基づいてパリ条約第4条による優先権を主張し,2004年(平成16年)9月10日を国際登録の日とするものである。
2 原査定の拒絶の理由(要旨)
原査定は,「本願商標は,指定商品との関係において,例えば,山におけるどのような道路,小道にも使用できる多目的な商品であることを表示するものとして用いられている「ALL MOUNTAIN」の文字を普通に用いられる方法により書してなり,取引者・需要者は,そのような多目的な商品,又は,多目的に用いられる商品を認識するにとどまるものであるから,指定商品に使用する時には,商品の品質(特徴,用途等)を表示するにすぎないものと認める。したがって,本願商標は,商標法第3条第1項第3号に該当し,上記以外の指定商品に使用するときは,商品の品質の誤認を生じさせるおそれがあるので,商標法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定,判断し,本願を拒絶したものである。
3 当審の判断
本願商標は,上記1のとおり,「全て」の意味を有し,我が国において親しまれた英語「ALL(オール)」及び「山」の意味を有し,我が国において親しまれた英語「MOUNTAIN(マウンテン)」を普通に用いられる書体で「ALL MOUNTAIN」と結合してなるものである。
ところで,本願指定商品に関連する「自転車」について,「野山や林道を走るのに適し(中略)・・・どんな地形でも走れる自転車」とされるものを「マウンテンバイク」と称し,(朝日新聞社「知恵蔵2006」0984頁「マウンテンバイク(MTB)」の項参照),「クロスカントリー用,フリーライド用,ダートジャンプ用など細分化された多彩な車種体系が存在する」とされている(自由国民社「現代用語の基礎知識2007」1565頁「マウンテンバイク」の項参照)。
そして,例えば以下のようなインターネットの情報によれば,舗装路,未舗装路,登りや下りなど様々な路面に対応できる「オールマウンテン」と呼ばれる種類の「マウンテンバイク」が存在する事実が発見できる。
(1)「自転車通販」の広告中に,「店長お勧めのクロスカントリーフルサス/オールマウンテンモデル」「GIANT(ジャイアント)2007年モデル トランス スリーTRANCE3【特徴】路面追従性とスムーズな走りを両立した登って下れるオールマウンテン」「TREK(トレック)2007年モデル フューエルイーエックスファイブFUEL EX5【特徴】オールマウンテンバイクの入門用モデル。」等の記載がある。(http://www.cso.co.jp/bikeshop/content/mtb/012.html)
(2)「オールマウンテン」の語の説明として,「特徴:長距離のオフロードから,イージーなダウンヒルまで,マウンテンバイクというカテゴリー全般を,一台のバイクで楽しんでしまおうというのがオールマウンテン。」との記載がある。(http://www3.tokai.or.jp/ohmura-orido/firstallmtb.htm)
(3)「2005GIANT MTB(ジャイアント マウンテンバイク)」の「おすすめシリーズ」中に「REIGNシリーズ最新型150mmトラベルの下り系オールマウンテンバイク」との記載がある。(http://www.81496.com/mtb/giant2005/05giant.html)
(4)「マウンテンバイク」の広告中に「06モデル GARYFISHER FAT POSSUM XT」について「シンプルかつ剛性の高いメインピボットを採用している為,超軽量なオールマウンテンに仕上がっています。トップチューブもFISHERならではの発想によるジオメトリーで,ダウンヒルにも対応可能な低さで取り回しも楽々!これこそが,本物のオールマウンテン!」等の記載がある。(http://www.psycrithm.com/archives_psycrithm/020/cat54/index.html)
(5)「オールマウンテン」説明中に「オールマウンテンとは,山の全てを楽しむ,欲張りな自転車です。前後100 ̄150mmのサスペンションを装備しており,荒れた山道の登りもこなし下りをダウンヒルバイクに迫る性能で走破します。DH(ダウンヒル)とXC(クロスカントリー)の中間的なモデルで,オフロードのみならず,オンロードでも活躍する,走る場所を選らばない,オールラウンドなモデルです。」との記載がある。(http://www.qbei.jp/index/category/1_4_16/)
また,「マウンテンバイク」は,「未舗装路での耐久性を高めるため,一般の自転車よりもタイヤやフレームが太くて頑丈」であるとされ(朝日新聞社「知恵蔵2006」0984頁「マウンテンバイク(MTB)」の項参照),専用の「タイヤ」や「ホイール」が存在し,そのような商品にも「オールマウンテン」と称されるものがある。
(6)「マウンテンバイク用タイヤ」の広告中に「カテゴリー オールマウンテン オールコンディション あらゆるロケーション,コンディションを網羅する自由性の高いオールマウンテンタイヤ。登り下り双方に対応,ドライでもウェットでも程よいグリップを発揮します。」との記載がある。(http://www.cycle-on.com/parts2/tire-3.html)
(7)通販カタログ中に「MAXXIS*マキシスタイヤ モデル名:アドバンテージ(XC向き)」について,「大量のエアボリュームと大きなサイドノブが特徴のアリソン・ダンロップがデザインしたオールマウンテンタイヤです。」との記載がある。(http://www.acquoso.jp/tiremtb_maxxis.html)
(8)「WTBダブリュー・ティー・ビー モト ラプター2.14レース/・・・」について,「特徴:トレイルライディング向けのオールマウンテンタイヤ」との記載がある。(http://www.ei-publishing.co.jp/pdf_owabi/mtbparts2005_wtb.pdf)
(9)「商品詳細」中「セルビノエキスパート」について,「MTBホイール」「・クロスカントリー,オールマウンテン,マラソンなどに最適。」との記載がある。(http://kings-cycle.com/46_177.html)」
(10)「在庫ホイール&リム スペシャルSALE!」の広告中に「オールマウンテン用スペシャルホイール」との記載がある。(http://www.mds.co.jp/cgi-bin/rigidboard.cgi?mds+pickup+Ttitle:n78+Tpickup:n78)
以上のように,「オールマウンテン」の文字が,自転車,特に「マウンテンバイク」の種類を表示するものとして広く使用され,また,そのような自転車用のタイヤ,ホイールについても「オールマウンテン」の文字が使用されている実情よりすれば,「オールマウンテン」の文字を英語表記したにすぎない「ALL MOUNTAIN」の文字からなる本願商標を,その指定商品に使用するときは,自転車用タイヤとの関係においては,様々な道に対応できるものであることを理解させるに止まり,そのような多目的な商品,又は,多目的に用いられるという商品の品質,用途を表示してなるものというべきであり,前記商品以外の商品に使用するときは,商品の品質について誤認を生じさせるおそれがあるものと判断するのが相当である。
したがって,本願商標が商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するとした原査定は,妥当であって,取り消すべき限りでない。
なお,請求人は,我が国における過去の登録例や,外国の登録例を挙げて,本願商標は登録されるべきである旨主張するが,過去の登録例は,商標の構成等において,本件とは事案を異にするものであり,また,外国における商標登録が我が国における本願商標の登録の判断を左右するものではなく,本件については上記のように判断するのが妥当であるから請求人の主張は,採用することができない。
よって,結論のとおり審決する。
審理終結日 2007-01-11 
結審通知日 2007-01-19 
審決日 2007-02-08 
国際登録番号 0835844 
審決分類 T 1 8・ 13- Z (Y12)
T 1 8・ 272- Z (Y12)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 早川 真規子 
特許庁審判長 田代 茂夫
特許庁審判官 今田 尊恵
鈴木 雅也
商標の称呼 オールマウンテン 
代理人 塩谷 信 
代理人 黒瀬 雅志 
代理人 宮城 和浩 
代理人 吉武 賢次 

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