• ポートフォリオ機能


ポートフォリオを新規に作成して保存
既存のポートフォリオに追加保存

  • この表をプリントする
PDF PDFをダウンロード
審決分類 審判 査定不服 称呼類似 登録しない Y09
管理番号 1164197 
審判番号 不服2004-20115 
総通号数 94 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2007-10-26 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2004-09-29 
確定日 2007-09-05 
事件の表示 商願2003-44947拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。
理由 1 本願商標
本願商標は、別掲(1)のとおりの構成からなり、第9類、第40類及び第42類に属する願書記載のとおり商品及び役務を指定商品及び指定役務として、平成15年6月2日に登録出願され、その後、指定商品及び指定役務については、同16年2月27日付け及び当審における同年9月29日付けの手続補正書により、第9類「集積回路,半導体,トランジスター(電子部品)」に補正されたものである。

2 引用商標
原査定において、本願の拒絶の理由に引用した登録第4456833号商標(以下「引用商標」という。)は、別掲(2)のとおりの構成からなり、1999年(平成11年)9月8日アメリカ合衆国においてした商標登録出願に基づきパリ条約第4条による優先権を主張して、平成12年3月8日に登録出願され、第9類「イメージスキャナー,画像処理のためのコンピュータープログラムを記憶させた電子回路・磁気ディスク・磁気テープその他の記憶媒体,同記憶媒体を搭載した電子計算機,その他の電子応用機械器具及びその部品」を指定商品として、同13年3月2日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。

3 当審の判断
本願商標は、別掲(1)のとおり、隅取りをした緑色の横長矩形中のほぼ中央部分に、「E」が多少図案化されてはいるが、「gEM」と容易に認識し得る欧文字を大きく顕著に白抜きで表し、そのうちの「EM」の文字の下部に、黒色の横長矩形を配し、その中に白抜きで「SERVICES」の欧文字を表してなる構成からなるところ、緑色の横長矩形中に表された「gEM」の欧文字は、同色で表されていることから、一体の語として把握し得るもの、すなわち、「宝石」等の意味を有する英語「gem(GEM)」を表したものと容易に認識し得るものである。
そして、その下に配された「SERVICES」の文字は、「奉仕」等の意味を有する英語「SERVICE」の複数形と認められるが、「gEM」に比してかなり小さく表されていること、また、これが「gEM」の文字と常に一体のものとして把握しなければならない意味上の関連性も認められないことから、本願商標に接する取引者、需要者は、白抜き文字で大きく顕著に表された「gEM」の文字部分に着目し、これより生ずる「ジェム」の称呼及び「宝石」の観念をもって取引きにあたる場合も決して少なくないと判断するのが相当である。
他方、引用商標は、別掲(2)のとおり、「GEM」の欧文字を多少図案化した書体により、黒色太字で大きく顕著に表し、そのうちの「GE」の文字の上部に、両文字の横幅のうちの3分の2の幅におさまる程度に小さく「digital」の欧文字を配し、更に、「GEM」と「digital」の文字部分を囲うように「G」の文字から「M」の文字にかけて、その外側に、二つの小さな半円状の突起がついた弓形の線形図形を表した構成からなるところ、その図形部分は、極めて強い印象を与えるものとはいえず、また、文字部分と常に一体のものとして把握しなければならないような特段の事情も認められない。
そして、構成中の「digital」の文字は、「GM」の上部に、いわば付記的に表されていること、引用商標に係る指定商品との関係においては、商品の機能等を表すもの、すなわち識別力が無いか又は極めて弱い部分であるといえるから、引用商標に接する取引者、需要者は、その構成中の大きく顕著に表された「GEM」の文字部分に着目し、これより生ずる「ジェム」の称呼及び「宝石」の観念をもって取引にあたる場合も決して少なくないと判断するのが相当である。
そうすると、本願商標と引用商標とは、その外観の相違を考慮するとしても、「ジェム」の称呼及び「宝石」の観念を共通にする類似する商標といわざるを得ない。
次に、本願商標と引用商標に係る指定商品の類否について検討する。
引用商標に係る指定商品中の「電子応用機械器具及びその部品」は、商標法施行規則第6条の別表「第9類 一六」の表示と認められるところ、これは、商品の範囲を概念括りした包括表示であって、その下位に記載された個別の商品等を含むものであり、その下位表示として、(一)「電子応用機械器具」、(二)「電子管」、(三)「半導体素子」、(四)「電子回路(電子計算機用プログラムを記憶させた電子回路を除く)」(五)「電子計算機用プログラム」の項が設けられ、更に、その(一)ないし(四)の項の下位に、それぞれに含まれる個別商品が例示されている。
そして、本願の指定商品中の「集積回路,トランジスター」は、その別表に個別商品として例示されたものであり、「半導体」もその機能や用途を勘案すれば、包括表示である「電子応用機器具及びその部品」に含まれることが明らかである。
そうすると、本願の指定商品は、引用商標に係る指定商品に含まれるもの、すなわち、これと同一又は類似する商品といわざるを得ない。
したがって、本願商標と引用商標とは、商標について類似し、かつ、指定商品についても同一又は類似するものであるから、本願商標は、商標法第4条第1項第11号に該当する。
なお、請求人は、引用商標から生ずる観念について、「粒状性を低減する機能」を認識させると主張し、甲第7号証ないし甲第16号証及び甲第38号証を提出しているが、上記のとおり、引用商標は、その構成及び「digital」と「GEM」のそれぞれの語の持つ意味等から、これらを一体のものと把握することは不自然であり、また、提出された証拠からも、引用商標から請求人の主張する観念が直ちに生ずるものとは認められない。
また、請求人は、本願の指定商品の取引の実情及び引用商標の使用状況を考慮すれば、本願商標と引用商標とは、混同を生ずるおそれはない旨主張しているが、上記のとおり、本願の指定商品は、引用商標に係る指定商品中の「電子応用機械器具及びその部品」に含まれるものであり、また、商標の類否判断にあったて考慮すべき取引の実情とは、その指定商品全般についての一般的、恒常的なそれをさすものであって、単に該商標が現在使用されている商品についてのみの特殊的・限定的なそれを指すものではない(「最高裁 昭和47年(行ツ)第33号判決」参照のこと)と解すべきであるから、この点に関する請求人の主張も採用することができない。
以上のとおり、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、妥当であって取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
別掲 本願商標

引用商標

審理終結日 2007-03-29 
結審通知日 2007-04-03 
審決日 2007-04-19 
出願番号 商願2003-44947(T2003-44947) 
審決分類 T 1 8・ 262- Z (Y09)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 内山 進福島 昇山田 和彦 
特許庁審判長 田代 茂夫
特許庁審判官 藤平 良二
小林 由美子
商標の称呼 ジェムサービシズ、ジェム、ゲム、ジイイイエム 
代理人 三木 茂 

プライバシーポリシー   セキュリティーポリシー   運営会社概要   サービスに関しての問い合わせ