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審決分類 |
審判 一部取消 商50条不使用による取り消し 無効とする(請求全部成立)取り消す(申し立て全部成立) Z09 |
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管理番号 | 1163911 |
審判番号 | 取消2006-30574 |
総通号数 | 94 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標審決公報 |
発行日 | 2007-10-26 |
種別 | 商標取消の審決 |
審判請求日 | 2006-05-12 |
確定日 | 2007-08-13 |
事件の表示 | 上記当事者間の登録第4514677号商標の登録取消審判事件について、次のとおり審決する。 |
結論 | 登録第4514677号商標の指定商品中「測定機械器具、電気磁気測定器、写真機械器具、映画機械器具、光学機械器具、電気通信機械器具、電子応用機械器具及びその部品」についての登録を取り消す。 審判費用は、被請求人の負担とする。 |
理由 |
1 本件商標 本件登録第4514677号商標(以下「本件商標」という。)は、平成12年9月12日に登録出願され、「OptiCell」の文字を標準文字で表してなり、第9類「理化学機械器具、測定機械器具、電気磁気測定器、写真機械器具、映画機械器具、光学機械器具、電気通信機械器具、電子応用機械器具及びその部品」を指定商品として、同13年10月19日に設定登録されたものである。 2 請求人の主張 請求人は、結論同旨の審決を求め、その理由及び答弁に対する弁駁の理由を要旨次のように述べた。 (1)請求の理由 請求人は、本件商標の指定商品中「測定機械器具、電気磁気測定器、写真機械器具、映画機械器具、光学機械器具、電気通信機械器具、電子応用機械器具及びその部品」について、その市場調査を行ったが、本件審判請求前3年に亘り日本国内においての使用の事実は見出すことができなかった。 また、本件商標の登録原簿をみるに、本件商標には専用使用権の設定もしくは通常使用権の許諾についての登録もされていないものである。 (2)答弁に対する弁駁 被請求人提出の乙各号証よりは、本件商標が「測定機械器具、光学機械器具」に使用されているとの確証は見出せないものである。 すなわち、乙各号証よりは、本件商標が使用されている商品が「細胞培養容器」である事は判明しても、「測定機械器具、光学機械器具」である事は明確にされないものである。 被請求人は答弁書において、「容器のままで顕微鏡で観察できる(乙第4号証)」と述べるが、かかる商品は「測定機械器具、光学機械器具」に該当するものではない。 また、「細胞管理の効率を改善し、細胞・組織の培養実務に要する費用を削減し、細胞培養の工程を自動化する手段を創造するといった用途の広い使い捨ての培養装置であって、臨床医療における診断への実用を可能にし、更なる用途の拡大を可能にした。(乙第1号証)」、「様々な装置に柔軟に応用することが可能であって試験管を用いて行う試験において高度に管理された基盤を提供しています。生物学、薬物学上の分析をターゲットとした特殊なシステムに用いられる基本的な要素の1つである。(乙第5号証)」との記載からは、本件商標の使用に係る商品が「測定機械器具、光学機械器具」に該当する証拠は見出せないものである。 さらに「OptiCellは神経細胞、特殊セリンプロテアーゼの細胞内移動に与える重力の影響、神経細胞の形態に与える影響についての試験に用いられた。(乙第6号証)」なる記述からも、本件商標使用に係る商品が如何なるものかは判然としないものである。 被請求人は、乙第3号証、乙第7号証に「磁力を帯びた測定器(OptiCell Magnet)が「OptiCell starter kit」の構成要素とされていることが示されている」と記しているが、「Magnet」等は培養容器の附属商品として記載されているに過ぎないものであり、被請求人の主張は認められない。 また、光学機械器具であるとして、「クリアでねじれ自在な膜が用いられるものであって、細胞培養装置の中味を肉眼や顕微鏡で視認でき、写真撮影を可能にしています」と主張するが、顕微鏡で視認できるから光学機械器具であるとの主張は到底認められないものである。 結局、答弁書及び乙各号証からは本件商標の使用に係る商品が、細胞培養容器、すなわち「理化学機械器具」である事は判明しても、「測定機械器具、光学機械器具」である事は立証されないものである。 したがって、本件商標は商標法50条第1項に規定する要件に合致するものであるから、上記請求に係る指定商品については取り消されるべきものである。 3 被請求人の答弁 被請求人は、「本件審判請求は成り立たない、審判費用は請求人の負担とする。」との審決を求めると答弁し、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として乙第1号証ないし乙第8号証を提出した。 (1)本件商標は、被請求人であるバイオクリスタル・リミテッド(以下「バイオクリスタル」という。)が、そのライセンシーである三洋電機バイオメディカ株式会社(以下「三洋電機バイオメディカ」という。)を通じて、本件審判請求の登録前3年以内に国内において、商品「測定機械器具,光学機械器具」について使用しているものである。 バイオクリスタルは、1996年に設立された会社であって、生命科学と臨床医療の分野において実用される新たな製品・方法を開発してきた。バイオクリスタルは、「細胞の検出のための蛍光発光分析」、「癌の分析と治療のための免疫療法化合物とその分析・治療方法」、従来の細胞培養装置が適さなかった広範囲の分野における実用に供される使い捨ての細胞培養装置である、非常に革新的な「OptiCell」の3つの領域において、製品の商業化が可能で、しかも活力があって、高度な科学技術を持つビジネス環境を創り出した(乙第1号証)。 2003年、三洋電機バイオメディカは、バイオクリスタルから、日本における「OptiCell」の独占販売権を取得し、大学の研究室や公的機関などへの納入を始めた(乙第2号証及び乙第3号証)。このことは、2003年11月19日に発行された日本工業新聞に記事として採りあげられている(乙第4号証)。当該記事においては、「容器のままで顕微鏡で観察できる」ことを特徴の一つとして挙げられている。 ここに、「OptiCell」とは、細胞管理の効率を改善し、細胞・組織の培養実務に要する費用を削減し、細胞培養の工程を自動化する手段を創造するといった用途の広い使い捨ての細胞培養装置であって、臨床医療における診断への実用を可能にし、更なる用途の拡大を可能にした(乙第1号証)。「OptiCell」は、様々な装置に柔軟に応用することが可能であって、試験管を用いて行う試験において、高度に管理された基盤を提供している。「OptiCell」は生物学、薬物学上の分析をターゲットとした特殊なシステムに用いられる基本的な要素の1つである(乙第5号証)。 「OptiCell」は第一義的には細胞培養装置である。しかしながら、「測定機械器具、光学機械器具」にも該当するものである。すなわち、「OptiCell」を用いた研究結果の発表においては、「OptiCellは、神経細胞、特殊セリンプロテアーゼの細胞内移動に与える重力の影響、神経細胞の形態に与える影響についての試験に用いられた。」と記述されており(乙第6号証)、三洋電機バイオメディカが発行した印刷物(セールスニュース)においては、「OptiCell starter kit」が、チップ、ラック、マグネット、ナイフといった試験装置及び細胞培養装置自体を含んでいることが示されている(乙第7号証)。 また、乙第3号証及び乙第7号証においては、磁力を帯びた測定器(OptiCellMagnet)が「OptiCell starter kit」の構成要素とされていることが示されている。 さらに、「OptiCell」には、クリアでねじれ自在な膜が用いられているものであって、細胞培養装置の中身を肉眼や顕微鏡で視認でき、写真撮影を可能にしているから、それ自体光学機械器具としての資格を持つものである。 「OptiCell」が、本件審判請求の登録前3年以内に使用されている事実については、上記乙各号証及びinvoice(乙第8号証)からも容易に理解できるものである。 以上のように、商標権者である被請求人は、そのライセンシーである三洋電機バイオメディカを通して、本件商標が、本件審判請求の予告登録前3年以内に国内において、請求に係る商品について使用していることを証明したので、本件商標の登録は、商標法第50条の規定により取消されるべきものではない。 4 当審の判断 被請求人が本件商標を指定商品中の「測定機械器具、光学機械器具」に使用しているとして提出した乙各号証をみるに、先ず、本件商標がそのライセンシーである三洋電機バイオメディカによって使用されているとする機械器具が掲載され、その商品説明がされている乙第3号証(同社のホームページ抜粋)及び乙第7号証(同社発行のセールスニュース)によれば、これらには「『研究用』、『次世代型細胞培養システム』、『当社ではOptiCellによる細胞増殖状態での超低温保存法を確立しました。』、『解凍・再培養』」さらに、やや小さな文字で書されている商品の「主な特長」によれば、「ガス透過膜により、密閉系での細胞培養が可能」、「……細胞増殖面積を実現」、「……専用ラックの使用により高い収容率で培養が可能」、「位相差・倒立型・共焦点光学顕微鏡による鮮明観察像、透過型・走査型電子顕微鏡にも対応」等の説明がなされ(乙第3号証)、「『細胞培養に革命をもたらす次世代の細胞培養容器』、『密閉培養でコンタミ(コンタミネーションの意)防止、スペース大幅削減』」(乙第7号証)、等の商品紹介が大きな文字で記載されている。 してみると、本件商標が使用されているとする機械器具には、本件商標と社会通念上同一と認められる商標が使用されていることは認められるものの、その商品(機械器具)は、「細胞培養容器、細胞培養装置(キット)」と認められるものであり、主として、自然科学の研究用又は実験用に専ら使用される機械器具と認められる、本件指定商品中、取消請求に係る指定商品とは認められない「理化学機械器具」に属する商品とみるのが相当である。 しかして、上記の証拠及びその他提出に係る乙各号証をみても、本件商標が、被請求人が答弁するところの「測定機械器具、光学機械器具」及び本件取消請求に係る他の指定商品について、使用されていたことを証明する証拠は見当たらないものであり、また、被請求人が本件商標の使用をしていないことについて、正当な理由の提示はない。 なお、被請求人は、「『OptiCell』は第一義的には細胞培養装置である。しかしながら、磁力を帯びた測定器(OptiCellMagnet)が「OptiCell starter kit」の構成要素とされていること、クリアでねじれ自在な膜が用いられているものであって、細胞培養装置の中身を肉眼や顕微鏡で視認でき、写真撮影を可能にしていること等より『測定機械器具、光学機械器具』にも該当するものである。」旨述べているが、被請求人より提出された証拠によっては、容器のまま顕微鏡で観察することができる細胞培養容器であって、上記のとおり認定・判断し得るものであるから、その主張は採用できない。 以上によれば、被請求人は、本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において、商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれもが請求に係る指定商品のいずれかについて、本件商標を使用していたことを証明し得なかったのみならず、使用していないことについて正当な理由があることも明らかにしていないといわなければならない。 したがって、本件商標は、商標法第50条第1項の規定により、結論掲記の商品について、その登録を取り消すべきものである。 よって、結論のとおり審決する。 |
審理終結日 | 2007-03-16 |
結審通知日 | 2007-03-22 |
審決日 | 2007-04-03 |
出願番号 | 商願2000-99875(T2000-99875) |
審決分類 |
T
1
32・
1-
Z
(Z09)
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最終処分 | 成立 |
前審関与審査官 | 小松 里美 |
特許庁審判長 |
中村 謙三 |
特許庁審判官 |
小林 和男 寺光 幸子 |
登録日 | 2001-10-19 |
登録番号 | 商標登録第4514677号(T4514677) |
商標の称呼 | オプティセル、オプチセル |
代理人 | 石川 義雄 |
代理人 | 小出 俊實 |
代理人 | 秋元 輝雄 |
代理人 | 鈴江 武彦 |