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審決分類 |
審判 全部申立て 登録を取消(申立全部取消) Y25 |
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管理番号 | 1162684 |
異議申立番号 | 異議2006-90313 |
総通号数 | 93 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標決定公報 |
発行日 | 2007-09-28 |
種別 | 異議の決定 |
異議申立日 | 2006-07-10 |
確定日 | 2007-07-25 |
異議申立件数 | 1 |
事件の表示 | 登録第4940707号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 |
結論 | 登録第4940707号商標の商標登録を取り消す。 |
理由 |
第1 本件商標 本件登録第4940707号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲(1)のとおりの構成よりなり、平成17年9月1日に登録出願、第25類「ガーター,靴下止め,ズボンつり,バンド,ベルト,履物」を指定商品として、同18年2月24日に登録査定、同年3月31日に設定登録されたものである。その後、本商標権については、同19年1月10日に、放棄による本権の登録の抹消の登録がなされている。 第2 登録異議の申立ての理由(要旨) 本件商標は、商標法第4条第1項第7号の規定に違反して登録されたものであるから、同法第43条の2第1号により、その登録は取り消されるべきである。 第3 本件商標に対する取消理由(要旨) 1 登録異議申立人(以下「申立人」という。)が提出した甲第2号証ないし甲第10号証によれば、以下の事実が認められる。 (1)申立人は、1964年にハワイでサーフショップを創業し、スポーツウェアなどの商標として「JAMS」などのブランドを使用して展開し、カラフルなデザインのスポーツウェアやスニーカは、現在では米国はもちろん、日本においても若者を中心に人気商品となっている(甲第2号証及び甲第3号証)。 申立人が保有する商標権は、我が国だけに限定しても社名の「Surf Line」の他、別掲(1)の本件商標と同一の「Jams」(登録第1987833号、旧17類)、「Jams Man」(登録第1977454号、旧17類)、「JAMS WoRLD」(筆記体風に図案化されている、登録第4171878号、旧17類)、「JAMS WORLD ASIA」(標準文字、登録第4759093号、18,25,35類)、「ORIGINAL JAMS/オリジナルジャムズ」(登録第4934085号、25類)などを所有しており(甲第4号証)、これら商標は「JAMS」からなるか、構成中に含んでいるものである。 (2)申立人の使用標章「JAMS」について 申立人は、1960年代より「JAMS」商標を使用しており、特に、頭文字の「J」を大きく書した、「Jams」の態様は、創業以来、申立人が使用し続けてきた標章であり、申立人の商標として需要者に広く認識されており、Tシャツを始めとする被服や雑貨類などに また、1980年代には、米国の著名なシューズメーカのコンバース社と共同で、申立人のカラフルなデザイン柄を使用したシューズを企画、販売した。 (3)申立人と株式会社金万、コンバースフットウェアー株式会社、月星化成株式会社(前商標権者)及び伊藤忠商事株式会社について 株式会社金万は、衣料品・雑貨等の輸入及び製造・販売業者である。申立人は、株式会社金万を代理店として、スニーカについて「ORIGIAL JAMS」商標を第三者であるコンバースフットウェアー株式会社に使用許諾する権限を与えていた。 コンバースフットウェアー株式会社は、2005年5月に伊藤忠商事株式会社と月星化成株式会社(前商標権者)との合弁により、コンバースシューズの商品企画、生産強化を図るため設立された会社である(甲第5号証) 株式会社金万とコンバースフットウェアー株式会社とは、「ORIGIAL JAMS」に関するロゴ、デザイン及び標章等の使用に関して使用許諾契約書を締結している(甲第6号証)。月星化成株式会社は、コンバースフットウェアー株式会社の出資者の一人ではある。 (4)申立人は、1980年代には、米国の著名なシューズメーカのコンバース社と共同で、カラフルなデザイン柄を使用したシューズを企画、販売し、このシューズの復刻版を企画したコンバースフットウェアー株式会社は(甲第8号証)、申立人の日本代理店である株式会社金万との間で、コンバースシューズに前記商標を使用することを希望し、前記のとおり、平成17年(2005年)8月1日に前記使用許諾契約書を締結した(甲第6号証) 同契約書は、「(使用許諾)の条項、第2条2に『この使用許諾された本件ロゴ等を使用する権利を、乙は、甲の事前の書面による承諾を得ることなく、第三者に再許諾することができない。』」とされており、株式会社金万とコンバースフットウェアー株式会社と使用許諾契約書内容が挙げられている。 また、申立人と株式会社金万とは、「JAMS」商標に関して、現在有効な契約は前記使用許諾契約書のみであることを確認している(甲第9号証)。 2 これらの事実よりすると、商標権者は、申立人が長年使用し、更にその関係会社が使用許諾を受けている本件商標を、自ら商標登録する立場にないことは明白である。 また、申立人が長年使用してきた、別掲(2)の申立人の使用商標中に顕著に現されている「Jams」の文字部分(甲第10号証)と、別掲(1)の本件商標とは、全く同一の商標といえ、その指定商品「ガーター,靴下止め,ズボンつり,バンド,ベルト,履物」も申立人の使用商標が用いられている「スポーツウェア、スニーカ、Tシャツ」とは、いすれもファッション商品であって極めて類似性の高いものである。 3 以上によれば、商標権者は、申立人の取扱いに係る「スポーツウェア、スニーカ、Tシャツ」等に使用される申立人の使用標章の存在を当然に知っていたといえ、申立人の使用標章が我が国の第25類「ガーター,靴下止め,ズボンつり,バンド,ベルト,履物」について、登録されていないことを奇貨として、これとほぼ同一の本件商標を、申立人、株式会社金万及びコンバースフットウェアー株式会と上記のような関係にあるにもかかわらず、申立人又は申立人の関係会社の承諾を得ずに商標登録出願し、登録を受けたものといわざるを得ず、商標権者のこのような行為に基づいて登録された本件商標は国際商道徳に反するものであって、公正な取引秩序を乱すおそれがあるばかりでなく、国際信義に反し公の秩序を害するものであることは明らかである。 4 したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第7号に違反して登録されたものである。 第4 商標権者の意見 商標権者は、上記第3の取消理由の通知に対して、何ら意見を述べていない。 第5 当審の判断 本件商標についてした上記第3の取消理由は、妥当であって、本件登録は、商標法第4条第1項第7号に違反して登録されたものといわざるを得ない。 したがって、本件商標の登録は、商標法第43条の3第2項の規定により、取り消すべきものとする。 よって、結論のとおり決定する。 |
別掲 |
別掲 (1)本件商標 (2)使用商標 |
異議決定日 | 2007-06-05 |
出願番号 | 商願2005-81809(T2005-81809) |
審決分類 |
T
1
651・
22-
Z
(Y25)
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最終処分 | 取消 |
前審関与審査官 | 八木橋 正雄 |
特許庁審判長 |
小林 和男 |
特許庁審判官 |
石田 清 小川きみえ |
登録日 | 2006-03-31 |
登録番号 | 商標登録第4940707号(T4940707) |
権利者 | 株式会社ムーンスター |
商標の称呼 | ジャムズ、ジャムス |
代理人 | 特許業務法人みのり特許事務所 |