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審決分類 審判 一部取消 商50条不使用による取り消し 無効とする(請求全部成立)取り消す(申し立て全部成立) Z17
管理番号 1162340 
審判番号 取消2006-30783 
総通号数 93 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2007-09-28 
種別 商標取消の審決 
審判請求日 2006-06-28 
確定日 2007-07-19 
事件の表示 上記当事者間の登録第4685551号商標の登録取消審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 登録第4685551号商標の指定商品及び指定役務中、第17類「プラスチック基礎製品以外の商品」については、その商標登録は、取り消す。 審判費用は、被請求人の負担とする。
理由 1 本件商標
本件登録第4685551号商標(以下「本件商標」という。)は、「エステ」の文字と「ESTHE」の文字とを二段に横書きして、平成13年8月20日に登録出願、第9類「理化学機械器具,配電用又は制御用の機械器具,電池,写真機械器具,映画機械器具,光学機械器具,眼鏡,加工ガラス(建築用のものを除く。),ロケット,回転変流機,調相機,電気アイロン,電気式ヘアカーラー,電気ブザー,磁心,抵抗線,電極,映写フィルム,スライドフィルム,スライドフィルム用マウント,録画済みビデオディスク及びビデオテープ」、第17類「ゴム,糸ゴム及び被覆ゴム糸(織物用のものを除く。),プラスチック基礎製品,化学繊維糸(織物用のものを除く。),雲母,石綿糸,石綿織物,石綿製フェルト,石綿の板,石綿の粉,電気絶縁材料,防音材(建築用のものを除く。)」、第19類「建築用又は構築用の非金属鉱物,陶磁製建築専用材料・れんが及び耐火物,リノリューム製建築専用材料,プラスチック製建築専用材料,合成建築専用材料,アスファルト及びアスファルト製の建築用又は構築用の専用材料,ゴム製の建築用又は構築用の専用材料,しっくい,石灰製の建築用又は構築用の専用材料,石こう製の建築用又は構築用の専用材料,繊維製の落石防止網,建造物組立てセット(金属製のものを除く。),セメント及びその製品,木材,石材,建築用ガラス,鉱物性基礎材料,区画表示帯,土砂崩壊防止用植生板,窓口風防通話板,ビット及びボラード(金属製のものを除く。),石製彫刻,コンクリート製彫刻,大理石製彫刻」、第21類「ガラス基礎製品(建築用のものを除く。),化粧用具」及び第37類「建築工事一式,しゅんせつ工事,土木一式工事,舗装工事,石工事,ガラス工事,鋼構造物工事,左官工事,大工工事,タイル・れんが又はブロックの工事,建具工事,鉄筋工事,塗装工事,とび・土工又はコンクリートの工事,内装仕上工事,板金工事,防水工事,屋根工事,管工事,機械器具設置工事,さく井工事,電気工事,電気通信工事,熱絶縁工事,建築設備の運転,船舶の建造,船舶の修理又は整備,航空機の修理又は整備,自転車の修理,自動車の修理又は整備,鉄道車両の修理又は整備,二輪自動車の修理又は整備,育雛器の修理又は保守,ふ卵器の修理又は保守,医療用機械器具の修理又は保守,印刷用又は製本用の機械器具の修理又は保守,映写機の修理又は保守,写真機械器具の修理又は保守,エレベーターの修理又は保守,化学機械器具の修理又は保守,火災報知器の修理又は保守,ガソリンステーション用装置の修理又は保守,ガラス器製造機械の修理又は保守,機械式駐車装置の修理又は保守,牛乳ろ過器の修理又は保守,搾乳機の修理又は保守,業務用食器洗浄機の修理又は保守,業務用電気洗濯機の修理又は保守,漁業用機械器具の修理又は保守,金属加工機械器具の修理又は保守,靴製造機械の修理又は保守,耕うん機械器具(手持ち工具に当たるものを除く。)の修理又は保守,栽培機械器具の修理又は保守,収穫機械器具の修理又は保守,植物粗製繊維加工機械器具の修理又は保守,飼料圧搾機の修理又は保守,飼料裁断機の修理又は保守,飼料配合機の修理又は保守,飼料粉砕機の修理又は保守,工業用炉の修理又は保守,鉱山機械器具の修理又は保守,ゴム製品製造機械器具の修理又は保守,蚕種製造用又は養蚕用の機械器具の修理又は保守,自動販売機の修理又は保守,鉄砲の修理又は保守,浄水装置の修理又は保守,照明器具の修理又は保守,食料加工用又は飲料加工用の機械器具の修理又は保守,事務用機械器具の修理又は保守,製材用・木工用又は合板用の機械器具の修理又は保守,繊維機械器具の修理又は保守,潜水用機械器具の修理又は保守,測定機械器具の修理又は保守,たばこ製造機械の修理又は保守,暖冷房装置の修理又は保守,バーナーの修理又は保守,ボイラーの修理又は保守,ポンプの修理又は保守,冷凍機械器具の修理又は保守,貯蔵槽類の修理又は保守,電気通信機械器具(電話機・ラジオ受信機及びテレビジョン受信機を除く。)の修理又は保守,電話機の修理,ラジオ受信機又はテレビジョン受信機の修理,電子計算機(中央処理装置及び電子計算機用プログラムを記憶させた電子回路・磁気ディスクその他の周辺機器を含む。)の修理又は保守,配電用又は制御用の機械器具の修理又は保守,発電機の修理又は保守,電動機の修理又は保守,塗装機械器具の修理又は保守,乗物用洗浄機の修理又は保守,土木機械器具の修理又は保守,廃棄物圧縮装置の修理又は保守,廃棄物破砕装置の修理又は保守,パルプ製造用・製紙用又は紙工用の機械器具の修理又は保守,半導体製造装置の修理又は保守,美容院用又は理髪店用の機械器具の修理又は保守,プラスチック加工機械器具の修理又は保守,包装用機械器具の修理又は保守,ミシンの修理又は保守,民生用電気機械器具の修理又は保守,遊園地用機械器具の修理又は保守,理化学機械器具の修理又は保守,運動用具の修理,おもちゃ又は人形の修理,家具の修理,傘の修理,ガス湯沸かし器の修理又は保守,加熱器の修理又は保守,なべ類の修理又は保守,楽器の修理又は保守,かばん類又は袋物の修理,金庫の修理又は保守,靴の修理,錠前の取付又は修理,洗浄機能付き便座の修理,釣具の修理,時計の修理又は保守」を指定商品及び指定役務として、同15年6月27日に設定登録されたものである。

2 請求人の主張
請求人は、結論同旨の審決を求め、その理由を次のように述べた。
被請求人はそのウエブサイトによれば、ガラスとガラス用フイルムの販売及び施工・修理等を行う企業である。そして、「エステフイルム」なる商標を「自動車のガラス被膜フイルム」に使用していることが判明した。また、請求人の調査したところでは、本件商標は過去3年以上に亘り当該商品以外には使用されていないことが判明した。よって、本件登録は、第17類「プラスチック基礎製品以外の商品」については、商標法第50条の規定により取消を免れないものである。

3 被請求人の答弁
被請求人は、本件審判請求は成り立たない。審判費用は請求人の負担とする。との審決を求め、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として乙第1号証ないし乙第10号証を提出した。
(1)被請求人の本件商標の使用状況について
被請求人である株式会社総商は、商標権者であり、本件商標権者は、本件商標を継続して日本国内において第37類指定役務「自動車の修理又は整備」について使用しており、この使用を立証するために乙第1号証乃至乙第10号証を提出する。
a.乙第1号証について
乙第1号証は、被請求人の履歴事項全部証明書の登記簿謄本であり、被請求人の業務の目的として、1?10が記載されている。この被請求人の業務の目的8として、自動車用ガラスの補修・修理並びに販売が記載されている。
b.乙第2号証について
乙第2号証は、自動車用ガラスの補修・修理の一例として、自動車用ガラスにフィルムを貼り付ける施工業務を説明する資料である。
この資料によれば、自動車用ガラスにフィルムを貼り付ける施工は、フィルム型取り、内張りはずし、養生、ガラス清掃、貼付、圧着、仕上げを行い、完成する。
c.乙第3号証?乙第6号証について
乙第3号証?乙第6号証は、自動車用ガラスにフィルムを貼り付ける施工の価格表である。乙第3号証は、2003年のフィルム貼り施工価格表、乙第4号証は、2004年のフィルム貼り施工価格表、乙第5号証は、2005年のフィルム貼り施工価格表、乙第6号証は、2006年のフィルム貼り施工価格表であり、車種、フィルムの種類などによって価格が異なるが、環境省により2003年4月以降施工が推奨されてからは同じ価格で施工している。
被請求人は、フィルムの貼り付けの施工を実施する際に、施工に関する宣伝・広告の目的として、顧客等に車種毎に配布している。
d.乙第7号証について
乙第7号証は、被請求人の会社において、実際に、乙第6号証の2006年のフィルム貼り施工の価格表を実際に陳列させた状態を示す写真である。
(2)立証
a.商標権者の使用について
被請求人の商標権者は、株式会社総商であり、商標権者が本件商標を使用している。
すなわち、被請求人は、自動車用ガラスにフィルムを貼り付ける施工を実施する際に、役務のフィルム貼りに関する宣伝・広告の目的として、来賓者に車種ごとに細かく記載された料金などを冊子にしたフィルム貼り施工価格表(乙第3号証?乙第6号証)を配布しており、その価格表の表紙部分の最下段部には被請求人の会社名「株式会社総商」と記載されており、またその下方部には住所、電話番号、FAX番号が記載されており商標権者の株式会社総商が本件商標を使用していることは明らかである。
b.登録商標の使用について
本件商標は、片仮名文字「エステ」と欧文字「ESTHE」を上下2段に横書きしてなるものである。
2003年度のフィルム貼り施工価格表の表紙(乙第3号証)又は、2004年度のフィルム貼り施工価格表の表紙(乙第4号証)、2005年度のフィルム貼り施工価格表の表紙(乙第5号証)、2006年度のフィルム貼り施工価格表の表紙(乙第6号証)にもあるようにその表紙部分の中段部には「エステフィルム貼り」と称し本件商標である「エステ」を記載し、そのすぐ後ろに役務として「フィルム貼り」を記載している。
第2頁目には、フィルム貼り施工として、施工の種類、フィルムの種類が記載されている。フィルム貼り施工の種類としては、Aセット、Bセット、Cセット、全面、フロントドア左右のみ、フロントガラスのみ、フロントガラスとフロントドアがあり、フィルムの種類としては、Fが通常のフィルム、FWが可視光線透過率70%以上を意味し、その他、特殊フィルム・特殊施工も行うことが記載されている。
第3頁以降には、各車種に応じてフィルム貼り施工の種類、フィルムの種類によってフィルム貼りの価格が異なるために価格表が記載されている。
このように、被請求人は、各車種に応じてフィルム貼り施工を行っており、本件商標を37類における「自動車の修理又は整備」に使用していることは明らかである。
c.登録商標の同一性について
本件商標は、欧文字「ESTHE」と片仮名文字「エステ」を上下2段に横書きしてなるものであるところ、その使用の形態は片仮名文字「エステ」の部分を記載したものであるが、この片仮名文字「エステ」の部分を使用する使用形態の商標は商標法第50条第1項に規定する「当該登録商標と社会通念上同一と認められる商標」に該当することは明らかである。
すなわち、本件商標と使用している商標は、登録時の片仮名文字「エステ」をそのまま表記して使用しており、欧文字「ESTHE」の部分を省略して使用したとしても称呼について欧文字「ESTHE」から「エステ」以外の称呼を想起することはないことから被請求人の使用が登録商標と外観上も著しい差異を有した使用をしていないことは明白である。
しかも、被請求人は、株式会社総商の表記とフィルム貼り施工価格表の表記と合わせて、本件商標の欧文字「ESTHE」を使用しないで、片仮名文字「エステ」をそのまま表記して使用したものである。このように、価格表や商品カタログなどでは、文字の表示形態を統一することは、商品取引上一般に行われていることであり、本件商標の片仮名文字「エステ」をそのまま表記して使用することが、「社会通念上同一と認められる商標」に該当しないとすることは、商品取引に著しく混乱を与え、著しく取引の実情に反し、不合理であることは明らかである。
また、登録商標が二段併記等の構成からなる場合の使用商標と登録商標の社会通念上同一の使用についての判断基準として、青林書院発行の小野昌延編「注解商標法」(乙第8号証)には、第1138頁乃至第1146頁に、商標権の存続期間更新出願の審査における登録商標の使用の認定の審査基準を引用して記載されている。この審査基準には、「登録商標が二段併記等の構成からなる場合」の事例として、「上段」に「ドルテロン」を表記し、「下段」に「どるてろん」を表記したものの一方だけの使用、「上段」に「VERNASE」を表記し、「下段」に「ベルナーゼ」を表記したものの一方だけの使用などの例を挙げている。
本件商標と使用している商標が社会通念上同一と認められるか否かの解釈にあたって、改正前の商標権の存続期間更新出願の審査における登録商標の使用の認定と、登録商標の不使用による取消審判の登録商標の使用の認定とは、同一の判断基準に従うべきであるとの判決事例があり、この判決を乙第9号証として提出する。改正前の商標権の存続期間更新出願の審査における登録商標の使用の認定では、審査基準が「上段」に「ドルテロン」を表記し、「下段」に「どるてろん」を表記したものの一方だけの使用、「上段」に「VERNASE」を表記し、「下段」に「ベルナーゼ」を表記したものの一方だけの使用などの造語の例を「社会通念上同一と認められる商標」の使用としており、乙第10号証の判決では、同様に造語の「玄庵」、「GEN AN」を上下2段に横書きした登録商標の一方の「玄庵」の使用を、「社会通念上同一と認められる商標」の使用と認定している。このことから、片仮名文字「エステ」の使用が、本件商標の「社会通念上同一と認められる商標」の使用に該当することは明らかである。
以上の事からも請求人が述べる本件商標が「第17類プラスチック基礎製品以外の商品についての使用されていない」との見解は明らかな誤認であることは明白である。
d.本件商標の使用期間について
被請求人は、2003年度のフィルム貼り施工価格表(乙第3号証)又は、2004年度のフィルム貼り施工価格表(乙第4号証)、2005年度のフィルム貼り施工価格表(乙第5号証)、2006年度のフィルム貼り施工価格表(乙第6号証)にもあるように、その表紙部分の最上段部にフィルム貼り施工実施時の年度が記載されている。
上記のことからも、少なくとも2003年度からも継続して3年以上日本国内において商標権者が本件商標の使用を継続していることは明白である。
(3)結論
以上によれば、請求人の主張する『本件商標は、その指定商品「第17類プラスチック基礎製品以外の商品」について、継続して3年以上日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれも使用した事実が存しないから商標法第50条第1項の規定により取り消されるべきものである。』は、上記の理由により正当な主張ではなく、本件商標は正当な権利を有する登録商標であることは明白である。

4 当審の判断
被請求人は、乙第1号証ないし乙第10号証を提出し、少なくとも2003年度からも継続して3年以上日本国内において商標権者が本件商標の使用をしている旨主張している。
そこで、被請求人の提出に係る上記証拠についてみるに、乙第2号証ないし乙第7号証は、被請求人も主張しているように、いずれも本件商標の指定商品及び指定役務中の第37類「自動車の修理又は整備」について使用している証拠であって、本件取消審判の請求に係る指定商品である第17類「プラスチック基礎製品以外の商品」についてのものではない。
また、乙第8号証は、「注解商標法」に記載されている審査基準を示すにすぎず、乙第9号証及び乙第10号証は、判決例を示すにすぎない。
そして、被請求人は、本件商標を請求に係る指定商品に使用していたことについて、上記乙第1号証ないし乙第10号証のほか、立証していない。
してみれば、被請求人が提出した証拠によっては、本件商標がその請求に係る第17類の指定商品について、被請求人により使用されていたことを証明する証拠とはなり得ないものであるから、本件商標は、被請求人により、継続して本件審判請求の登録前3年以内に日本国内において、請求に係る指定商品について使用していなかったものといわなければならない。
したがって、本件商標は、商標法第50条の規定により、その指定商品及び指定役務中第17類「プラスチック基礎製品以外の商品」についての登録を取り消すべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
審理終結日 2007-05-22 
結審通知日 2007-05-25 
審決日 2007-06-07 
出願番号 商願2001-75129(T2001-75129) 
審決分類 T 1 32・ 1- Z (Z17)
最終処分 成立  
前審関与審査官 澤里 和孝 
特許庁審判長 井岡 賢一
特許庁審判官 鈴木 修
渡邉 健司
登録日 2003-06-27 
登録番号 商標登録第4685551号(T4685551) 
商標の称呼 エステ 
代理人 中田 和博 
代理人 鶴若 俊雄 
代理人 足立 泉 
代理人 青木 博通 
代理人 柳生 征男 

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