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審決分類 審判 査定不服 商4条1項16号品質の誤認 登録しない Y05
審判 査定不服 商3条1項3号 産地、販売地、品質、原材料など 登録しない Y05
管理番号 1161010 
審判番号 不服2005-23524 
総通号数 92 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2007-08-31 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2005-12-07 
確定日 2007-07-11 
事件の表示 商願2004-115211拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。
理由 1 本願商標
本願商標は、「モイスチャータイプ」の片仮名文字を標準文字で書してなり、第5類に属する願書記載のとおりの商品を指定商品として、平成16年12月17日に登録出願されたものであるが、その後、指定商品については、原審における同17年9月14日付け提出の手続補正書において、第5類「薬剤,医療用油紙,衛生マスク,オブラート,ガーゼ,カプセル,眼帯,耳帯,生理帯,生理用タンポン,生理用ナプキン,生理用パンティ,脱脂綿,ばんそうこう,包帯,包帯液,胸当てパッド,歯科用材料,医療用腕環,はえ取り紙,乳糖,乳児用粉乳,人工受精用精液」と補正されたものである。

2 原査定における拒絶の理由(要点)
原査定は、「本願商標は、『モイスチャータイプ』の文字を普通に用いられる方法で表示してなるところ、『モイスチャー』の文字は、『湿気、うるおい、水分』の意味を有し、『タイプ』の文字は、『型、類型または典型』の意味を有するから(株式会社三省堂発行『コンサイスカタカナ語辞典』参照)、全体として、『うるおいや水分を与えるタイプの商品』程度の意味を有すると認められる。そして、指定商品に係る業界においては、皮膚にうるおいを与える商品等が市場を流通している事実が認められる。よって、本願商標を、本願指定商品中『前記文字に照応する商品(例えば、外皮用薬剤等)』について使用するときは、単に商品の品質を表示したものと理解されるに止まり、自他商品識別標識としての機能を果たさないものといわざるを得ない。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記商品以外の商品に使用するときは、商品の品質の誤認を生じさせるおそれがありますので、同法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。

3 当審の判断
本願商標は、上記1のとおり、「モイスチャータイプ」の片仮名文字を普通に用いられる方法で書してなるところ、その構成中前半の「モイスチャー」の片仮名文字は、「湿気,水分,潤い.」(「朝日現代用語 知恵蔵」、2007年1月1日、朝日新聞社発行)の意味を有する文字(語)として、また、構成中後半の「タイプ」の片仮名文字にしても、「型,様式」等(前出の「朝日現代用語 知恵蔵」)を意味する文字(語)として、いずれも一般に広く親しまれており、平易な文字(語)として普通に採択、使用されているといえるものである。
そして、本願指定商品中には、例えば、以下の(1)ないし(10)の新聞記事情報(下線は審判官によるもの。)に記載のとおり、浴剤、目薬、薬用せっけん、育毛剤・養毛剤等において、潤いや水分を与えるタイプの商品が存在しているところである。
(1)1998年11月7日付け日経流通新聞、4頁、「ツムラの乳液タイプの浴用剤『ソフレ』(ネーミング)」の見出し記事に、「『バスクリンソフレ』。天然保湿成分を配合、湯上がり後の肌のしっとり感と柔らかさを実現した。商品名は『ソフト』と『モイスチャー』を合わせた同社の造語。」と記載がある。
(2)1992年10月24日付け日本経済新聞夕刊、10頁、「入浴剤で美肌になるワ-若い世代に人気、商戦ホットに、バラ買って多種類楽しむ。」の見出し記事に、「エーザイがコメ発酵エキスと保湿成分を配合し、肌に潤いを与える『クアタイム モイスチャーホワイト』を発売すれば、・・・」と記載がある。
(3)1991年8月1日付け日経流通新聞、16頁、「石沢研究所の入浴剤-5色の香り、気分で選べる(売れ筋)」の見出し記事に、「・・・香りだけでなくモイスチャー効果もあるので、もみほぐしてバスタブにしばらくつかっているとしっとりとなめらかな肌になる。」と記載がある。
(4)1993年11月22日付けPharmaweek、8頁、「温泉タイプは人気上昇中 ギフトコーナーが狙い目」の見出し記事に、「入浴剤のタイプ別分類・・・肌にうるおいを与えたいといった若い女性には美容タイプを薦めたい。『セブト』『モイスチャーバブ』・・・」と記載がある。
(5)1993年9月16日付け化学工業日報、3頁、「積水化学、美肌効果に優れた液状入浴剤を発売(いんふぉめーしょん)」の見出し記事に、「薬用スキンケア入浴剤『モイスチャープラス』・・・肌にいいといわれている酒風呂よりも湯上がりの肌をしっとりとさせる。」と記載がある。
(6)2007年4月23日付け日刊工業新聞、16頁、「ロート製薬/角膜保護と潤い効果を持続するコンタクトレンズ対応目薬」の見出し記事に、「目の潤い重視の『ロートCキューブ モイスチャージi』は、・・・」と記載がある。
(7)2006年2月8日付け日刊工業新聞、15頁、「千寿製薬、目の乾きを改善する涙液型目薬を発売」の見出し記事に、「・・・目の乾きを改善する涙液型目薬『マイティアモイスチャーA=写真』を・・・」と記載がある。
(8)2005年9月7日付け東京新聞、8頁、「ミニファイル 皮膚の潤い成分補う 三共」の見出し記事に、「三共は、皮膚の潤い成分『セラミド』を配合した薬用液体せっけん『クリアレックスモイスチャー』を発売。」と記載がある。
(9)1993年10月1日付け日刊薬業、11頁、「新製品 アルボースがポンプ式のモイスチャーソープ『アルボーズ薬用ハンドソープ』」の見出し記事に、「◇アルポーズがポンプ式のモイスチャーソープ『アルボース薬用ハンドソープ』九月二十一日新発売した。ミントとフローラルの二種の香りで、手肌のうるおいを守る・・・」と記載がある。
(10)1993年9月20日付けPharmaweek、9頁、「〈特集〉活性化する養毛・育毛剤市場 まだまだ潜在需要はおう盛」 各社の動向〈つづき〉」の見出し記事に、「〈資生堂〉・・・(4)モイスチャーエフェクト(頭皮の保湿・柔軟)-の4つ(スクエア)の効果(エフェクト)の強化を基本においている。」と記載がある。
さらに、「モイスチャータイプ」の片仮名文字は、一般の成人男性・女性を主たる需要者とする点において、本願の指定商品とも需要者を同じくすることのある「化粧品」等の分野においても、原審で示したとおり、「うるおいや水分を与えるタイプの商品」程度の意味合いで多数使用されている事実もあることからすれば、当該文字の意味合いが、本願の指定商品の需要者において知られていなかったとはいい得ないところである。
そうとすれば、本願商標を、その指定商品中、例えば、「うるおいや水分を与えるタイプの浴剤・目薬・薬用せっけん・育毛剤・養毛剤」等について使用したときは、これに接する需要者等は、単に、商品の品質を表示したものと認識するにとどまるものであって、自他商品識別標識としては認識しないものというべきである。
してみれば、本願商標は、前記商品との関係においては、商品の品質を表示するにすぎないものであり、かつ、前記以外の商品について使用するときは、商品の品質について誤認を生じさせるおそれがあるものといわざるを得ない。
したがって、本願商標が商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するとして本願を拒絶した原査定は妥当なものであって、取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
審理終結日 2007-05-08 
結審通知日 2007-05-14 
審決日 2007-05-25 
出願番号 商願2004-115211(T2004-115211) 
審決分類 T 1 8・ 13- Z (Y05)
T 1 8・ 272- Z (Y05)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 松浦 裕紀子 
特許庁審判長 井岡 賢一
特許庁審判官 鈴木 修
岩本 和雄
商標の称呼 モイスチャータイプ、モイスチャー 
代理人 川瀬 幹夫 
代理人 小谷 悦司 

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