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審決分類 審判 一部取消 商50条不使用による取り消し 無効としない Z42
管理番号 1161005 
審判番号 取消2006-31209 
総通号数 92 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2007-08-31 
種別 商標取消の審決 
審判請求日 2006-09-27 
確定日 2007-07-09 
事件の表示 上記当事者間の登録第4669903号商標の登録取消審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 審判費用は、請求人の負担とする。
理由 第1 本件登録第4669903号商標(以下「本件商標」という。)は、「イープラス」の片仮名文字を標準文字で表してなり、平成13年8月1日に登録出願、第9類及び第42類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として、同15年5月9日に設定登録されたものである。

第2 請求人の主張
請求人は、「本件商標は、その指定役務、第42類中『電子計算機のプログラムの設計・作成又は保守,インターネットホームページの設計又は作成,電子計算機端末による通信におけるサーバーの記憶装置の記憶領域の貸与,電子計算機を用いて行う情報検索の代行並びに検索結果の配信,一般廃棄物の収集及び分別,産業廃棄物の収集及び分別』についてこれを取り消す、審判費用は被請求人の負担とする。」との審決を求め、その理由を次のように述べるとともに、証拠方法として甲第1号証及び甲第2号証を提出した。
本件商標は、継続して3年以上日本国内において上記役務について使用された事実が存しないから、商標法第50条第1項の規定によりその登録を取り消されるべきものである。

第3 被請求人の答弁
被請求人は、結論同旨の審決を求めると答弁し、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として、乙第1号証ないし乙第3号証(枝番を含む。ただし、枝番の証拠全てを引用するときは枝番を省略した。丸付き数字については、号を用いて記載した。)を提出した。
1 本件商標は、被請求人(商標権者)によって、本件審判の請求の登録前3年以内に、「電子計算機のプログラムの設計・作成又は保守,インターネットホームページの設計又は作成,電子計算機端末による通信におけるサーバーの記憶装置の記憶領域の貸与,電子計算機を用いて行う情報検索の代行並びに検索結果の配信」の役務について使用されているものである。
2 被請求人の商号は、株式会社エンタテインメントプラスであるが、「エンタテインメントプラス」はやや冗長で、しかも日本人には発音が難しい音を含むため、実際の取引は、専ら本件商標の「イープラス」を使用して行われている。
すなわち、第三者との契約書類や正式な取引書類は、登記上の商号である「株式会社エンタテインメントプラス」の名称のもとに作成されるが、契約に基づく役務提供は「イープラス」の名称(商標)のもとに実行されている。
また、本件審判における取消対象役務の性質から、取引書類、あるいはそれを内容とする情報は電磁的方法により提供するのが大部分である。
したがって、以下の乙各号証においては、まず被請求人会社が第三者と上記各役務の提供に関する契約を締結していることを立証し、次いで上記役務が本件商標を使用して提供されていることを取引書類あるいは映像面を用いて立証する。
3 乙第1号証について
(1)乙第1号証1は、財団法人川崎市文化財団(甲)と被請求人(乙)との間で平成16年3月1日に締結された契約書の写しである。財団法人川崎市文化財団は、川崎市が建設した音楽ホール「ミューザ川崎」の運営母体であるが、公的でしかも新設の機関であるため、入場券の販売システムが確立しておらず、被請求人がこれを補完することになったものである。
(2)乙第1号証1の契約書第2条第1項第2号には、「甲は、乙のサーバー上に設置される http://eee.eplus.co.jp./kawasaki/を甲の主催する興行チケットのオーダー処理業務を行うための公式サイトとして公認し、その制作および運営を、乙に委託する。」と記載されている。この事実は、被請求人が甲に、「電子計算機のプログラムの設計・作成又は保守,インターネットホームページの設計又は作成,電子計算機端末による通信におけるサーバーの記憶装置の記憶領域の貸与」の役務を業として提供していることを示す。
(3)乙第1号証1の契約書第4条第6項には、「乙は(中略)甲の求めに応じて、各興行公演日前日までに顧客の氏名・電話・購入席番等データを加工し、甲に還元する。」と規定されている。この事実は被請求人が「電子計算機を用いて行う情報検索の代行並びに検索結果の配信」の役務を提供していることを示す。
(4)乙第1号証2は、乙第1号証1の契約に基づいて、被請求人が川崎市文化財団(甲)のためにインターネットホームページを設計又は作成し、2005(平成17)年2月2日に、甲に送信(納品)したときの映像面の写しである。送信者は被請求人(株)エンタテインメントプラスの編成部浦川博之で、宛先は川崎市文化財団の澤田沙恵氏である。文面より、発信者は「イープラス浦川です」と名乗っており、納品したホームページの情報が本件商標を付して行われたことを示す。
(5)乙第1号証3は、乙第1号証1の契約に基づいて、被請求人が作成した携帯電話用ホームページの原案に対し、財団法人川崎市文化財団市毛真由美氏が被請求人会社千葉さとしに宛てた2006(平成18)年8月28日付電子メールの映像面の写しである。画面にはイープラス千葉様と表示されており、納品したホームページ画面の変更要求が記されている。乙第1号証2の映像面と相俟って、インターネットホームページの設計又は作成に関する役務の授受に際して、映像面に「イープラス」の標章が使用されていることが分かる。
4 乙第2号証について
(1)乙第2号証1は、国立劇場を運営する独立行政法人日本芸術文化振興会(甲)と被請求人(乙)との間で、平成16年4月1日に締結された契約書の写しである。
(2)乙第2号証1の契約書第2条第1項第1号には、被請求人の所有するサーバー上の記憶領域が甲の用のために提供されること及び公式サイトの制作および運営が被請求人に委託されることが記載されている。
(3)乙第2号証1の契約書第4条第3項には、被請求人が甲の要求に応じて、利用顧客のデータ,マーケッティングデータを提供する役割を担うことが規定されている。
(4)乙第2号証1により、被請求人が「電子計算機のプログラムの設計・作成又は保守,インターネットホームページの設計又は作成,電子計算機端末による通信におけるサーバーの記憶装置の記憶領域の貸与,電子計算機を用いて行う情報検索の代行並びに検索結果の配信」の役務を業として提供していることを示す。
(5)乙第2号証2は、乙第2号証1の契約締結に先立ち、被請求人会社が2003(平成15)年12月8日、日本芸術文化振興会に提出した見積書の写しである。見積書の内容は、WEB販売用ページ制作費に関するもので、「パスワード設定・運営費」などを包含している。この四葉の見積書はファックス送信用紙(表紙)を付して、被請求人会社安藤光夫から、日本芸術文化振興会伊熊秀哲氏宛ファクシミリ送信されると共に郵送された(なお見積書の印鑑入りの原本は郵送されたため、被請求人の手元にある写しには印鑑がない)。ファクシミリ送信用紙には「イープラスの安藤です」と名乗っており、これらの取引書類は、甲第2号証1の契約内容が「電子計算機のプログラムの設計・作成又は保守,インターネットホームページの設計又は作成,電子計算機端末による通信におけるサーバーの記憶装置の記憶領域の貸与」の役務に関し本件商標が使用されたことを示す。
5 乙第3号証について
(1)乙第3号証1は、株式会社梶本音楽事務所(梶本)と、被請求人(イープラス)の間で2001年10月15日に締結された契約の写しである。本契約は音楽に関する興行を主催する梶本のチケット販売業務を、被請求人(イープラス)のインターネット販売システムを利用して行うための業務提携契約である。この契約はチケットの販売委託契約の形をとっているが、本件商標使用の見地からは以下の点が重要である。(注、本契約は締結日付こそ、審判請求の3年以上前であるが、契約書第9条の規定により、現在も有効に存続している)
(2)乙第3号証1の契約書第4条第1項には、イープラスの役割として、顧客データ、マーケティングデータを梶本にフィードバックすることが規定されている。そして第7条には「顧客データ」の具体的内容が規定されている。これらの規定から、被請求人は梶本に「電子計算機を用いて行う情報検索の代行並びに検索結果の配信」の役務を提供する義務があることが明らかである。
(3)乙第3号証1の契約では、被請求人名称は「イープラス」と規定されている。これは被請求人を表わす標章と考えられ、被請求人の提供する役務に関する取引書類に本件商標が使用されたというべきである。
(4)乙第3号証2は、被請求人が、株式会社梶本音楽事務所宛に2006(平成18)年3月10日提出した見積書の一部である。同見積書表紙ページには「イープラス」の文字が使用されている。またその見積もり内容から、「サーバーの記憶装置の記録領域の貸与,インターネットホームページの設計又は作成,電子計算機プログラムの設計」等の役務に関する見積もり(取引書類)であることが明らかである。
(5)乙第3号証3は、梶本音楽事務所立花美香氏が、被請求人会社の浦川博之に宛てた2006(平成18)年4月6日付電子メールの映像面の写しである。この映像面にはイープラス浦川博之様と記されており、ホームページの作成の進行状況について問合せをしている。
(6)乙第3号証4は、上記二者の間で交信した2006(平成18)年4月19日付電子メールの映像面の写しである。浦川博之より、「イープラス浦川です」と名乗って、ホームページの原案が電磁的方法で提供され、立花氏よりそれに対する評価が返信されている。これらの交信履歴から、役務「インターネットホームページの設計又は作成」の情報に本件商標が付され、電磁的方法によって提供されたことが裏付けられる。
(7)乙第3号証5は、乙第1号証1の契約に基づいて、被請求人が株式会社梶本音楽事務所に送付したインターネットホームページ利用者に関する検索データ(フロッピーディスクに記録されたもの)の送り状の写しである。発送日は2005(平成17)年5月27日で発送者はイープラスの古賀純子、宛先は梶本の松原健氏である。乙第3号証5には、「イープラス」の文字が2ヶ所に用いられている。すなわち、「電子計算機を用いて行う情報検索の代行並びに検索結果の配信」について本件商標が使用されていることを示す。
(8)乙第3号証6は、乙第1号証1の契約に基づいて、被請求人会社の富田紗代が梶本の立花美香氏に宛てた、2006(平成18)年8月11日付のフロッピーディスクの送り状の写しである。フロッピーディスクの記録内容は送付内容欄に書かれている顧客データである。本送り状左肩には「イープラス」の文字が用いられており、本文中にも「イープラスの富田です」と名乗っている。甲第3号証6は、「電子計算機を用いて行う情報検索の代行並びに検索結果の配信」の役務の取引書類に本商標が付されていることを示す。
(9)乙第3号証7は、被請求人会社が平成12年頃より現在に到るまで用いている事務用封筒である。この封筒は社用文書の送付に際し用いている一般的なもので、特に本件審判対象の役務に関して使用されるものではない。しかしながら、乙第1号証1、乙第2号証1、乙第3号証1の契約書の相手方への送付、乙第2号証2、乙第3号証2の見積書の相手方への送付、乙第3号証5、乙第3号証6の送り状及び内容物の相手方への送付などには、この封筒が用いられて送付されている。この封筒の表面には「イープラス」の文字が大書されている。すると、本封筒は広義の取引書類の一部を構成するものという事ができる。
6 以上のとおり、本件商標は、被請求人によって本件審判の請求の登録前3年以内に「電子計算機のプログラムの設計・作成又は保守,インターネットホームページの設計又は作成,電子計算機端末による通信におけるサーバーの記憶装置の記憶領域の貸与,電子計算機を用いて行う情報検索の代行並びに検索結果の配信」の役務について使用されている。

第4 当審の判断
1 乙各号証について
(1)乙第1号証1は、「財団法人川崎市文化財団」(甲)と被請求人(乙)との間で平成16年3月1日に締結された「チケット販売提携に関わる契約書」の写しであり、該契約書の第2条第1項第2号に、「甲は、乙のサーバー上に設置される http://eee.eplus.co.jp./kawasaki/を甲の主催する興行チケットのオーダー処理業務を行うための公式サイトとして公認し、その制作および運営を乙に委託する。」と記載されていることが認められる。また、その第4条第6項に、「乙は(中略)甲の求めに応じて、各興行公演日前日までに顧客の氏名・電話・購入席番等データを加工し、甲に還元する。」と記載されていることが認められる。
(2)乙第2号証は、国立劇場を運営する独立行政法人日本芸術文化振興会(甲)と被請求人(乙)との間で、平成16年4月1日に締結された契約書の写し」であって、上記乙第1号証と同様に、被請求人(乙)と(甲)との契約事項が記載されていることが認められる。
(3)乙第3号証は、「株式会社梶本音楽事務所(梶本)と、被請求人(イープラス)の間で2001年10月15日に締結された契約の写し」であって、上記乙第1号証と同様に、「株式会社梶本音楽事務所(梶本)と、被請求人(イープラス)の間での契約事項が記載されていることが認められる。 また、乙第3号証7は、被請求人見積書を相手方への送付するときに用いられている封筒と認められ、この封筒の表面には「イープラス」の文字が大書されている。
2 以上、被請求人の提出に係る乙第1号証ないし乙第3号証を総合的に検証すれば、被請求人が、本件商標と社会通念上同一と認められる商標を「電子計算機のプログラムの設計・作成又は保守,インターネットホームページの設計又は作成,電子計算機端末による通信におけるサーバーの記憶装置の記憶領域の貸与,電子計算機を用いて行う情報検索の代行並びに検索結果の配信」についての役務に使用していたと認め得るところである。
これに対して、請求人は、前記第3の被請求人の答弁に対し、何等弁駁するところがない。
してみれば、被請求人は、本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において、被請求人によって、本件審判の請求に係る指定役務に含まれる上記役務について、本件商標と社会通念上同一と認められる商標を使用していたことを証明したものといわざるを得ない。
3 したがって、本件商標の登録は、その指定役務、第42類中「電子計算機のプログラムの設計・作成又は保守,インターネットホームページの設計又は作成,電子計算機端末による通信におけるサーバーの記憶装置の記憶領域の貸与,電子計算機を用いて行う情報検索の代行並びに検索結果の配信,一般廃棄物の収集及び分別,産業廃棄物の収集及び分別」について、商標法第50条の規定により、取り消すべき限りでない。
よって、結論のとおり審決する。
審理終結日 2007-05-09 
結審通知日 2007-05-14 
審決日 2007-05-29 
出願番号 商願2001-70048(T2001-70048) 
審決分類 T 1 32・ 1- Y (Z42)
最終処分 不成立 
前審関与審査官 大島 護 
特許庁審判長 井岡 賢一
特許庁審判官 鈴木 修
渡邉 健司
登録日 2003-05-09 
登録番号 商標登録第4669903号(T4669903) 
商標の称呼 イープラス、プラス 
代理人 高橋 光男 
代理人 中村 政美 
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