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審決分類 |
審判 査定不服 商3条2項 使用による自他商品の識別力 登録しない Y37 審判 査定不服 商3条1項5号 簡単でありふれたもの 登録しない Y37 |
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管理番号 | 1160544 |
審判番号 | 不服2005-13844 |
総通号数 | 92 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標審決公報 |
発行日 | 2007-08-31 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2005-07-20 |
確定日 | 2007-06-14 |
事件の表示 | 商願2004-78053拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 |
結論 | 本件審判の請求は、成り立たない。 |
理由 |
1 本願商標 本願商標は、別掲のとおり「AV」の欧文字を書してなり、第37類「管工事,機械器具設置工事,化学機械器具の修理又は保守」を指定役務として、平成16年8月24日に登録出願されたものである。 2 原査定の拒絶の理由 原査定は、「本願商標は、役務の質の種類等を表す記号・符号として一般に使用されている欧文字2文字の一類型と認識される『AV』を書してなるものであるから、極めて簡単で、かつ、ありふれた標章のみからなる商標といわなければならない。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第5号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。 3 当審の判断 本願商標は、別掲のとおり、「A」の右側の傾斜部が太く、「V」の左側の傾斜部が太く表されているところ、これらの特徴は、欧文字の基本的な書体であり、細い線と太い線のコントラストが強い「ローマン体」の特徴と一致するものであって、全体の構成や太線と細線の組み合わせ等を踏まえれば、いまだ普通に用いられる方法の域を脱しない程度の態様で表されているものといわざるを得ない。このことは、例えば「やさしいレタリング」(吉田佳広著 1994年株式会社マール社発行)の52頁、「レタリングデザイン」(桑山弥三郎著 2000年株式会社グラフィック社発行)の139頁、「改訂基本レタリング」(真覚静子著 平成5年株式会社鳳山社発行)の84頁にそれぞれ掲載のローマン系の書体によって表された欧文字と、本願商標の構成各文字とを比べてみても、十分に裏付けられるところである。 そして、配管工事、給水管更生工事、照明器具工事等の各種工事に係る業界においては、役務の規格等を表すために、下記(1)ないし(3)のように、欧文字の2文字を、記号・符号として採用することが普通に行われているところであり、本願商標も、その一類型と認識されるものというのが相当である。 (1)「配管工事」の「細目・規格仕様」の項に、「EP」、「CP」、「GP」、「VE」、「CD」の記載がある。(「建設物価」2003年3月号 平成15年3月1日 財団法人 建設物価調査会発行 第815頁) (2)「給水管更生工事」の「細目・規格仕様」の項に、「仮設給水工事」の規格仕様として「VP」の記載がある。(「建設物価」2003年3月号 平成15年3月1日 財団法人 建設物価調査会発行 第816頁) (3)「照明器具工事」の「細目・規格仕様」の項に、「点灯方式」として「GL」、「GH」、「RH」の記載がある。(「建設物価」2003年3月号 平成15年3月1日 財団法人 建設物価調査会発行 第821頁) してみれば、本願商標は、その指定役務に使用するときは、それに接する取引者、需要者をして、役務の規格等を表わした記号又は符号の一つとして認識、理解させるにとどまり、自他役務の識別標識として機能し得ないものであるから、結局、極めて簡単で、かつ、ありふれた標章のみからなるものというべきである。 したがって、本願商標が商標法第3条第1項第5号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、妥当であり、取り消すことができない。 なお、請求人は、過去の登録例を挙げて、本願商標は、極めて簡単で、かつ、ありふれた標章とはなり得ない旨主張しているが、出願された商標の登録の可否は、個々の商標ごとに個別具体的に検討、判断されるものであり、本願商標が商標法第3条第1項第5号に該当するか否かについての判断が、他の登録例に拘束されるものではない。 また、請求人は、本願商標が請求人の商標として広く知られ、自他役務識別力が生じた結果、商標法第3条第2項の規定が適用される旨主張し、証拠方法として甲第84号証ないし同第95号証を提出している。 しかし、これらはほとんどが「アサヒAV」「アサヒAVバルブ」「AVバルブ」「AVパイプ」のように他の文字と一体的に使用されているものであり、本願商標のみが独立して指定役務に使用されて社会的に自他役務識別機能を備えるに至ったという使用例は確認することができない。 したがって、提出された資料によっては、本願商標がその指定役務に使用された結果、需要者が何人かの業務に係る役務であることを認識できるに至ったものと認めることはできないから、本願商標が商標法第3条第2項に該当するものであるとする請求人の主張は、これを採用することができない。 以上のとおり、本願商標が商標法第3条第1項第5号に該当するとした原査定は妥当なものであって、取り消すことはできない。 よって、結論のとおり審決する。 |
別掲 |
別掲 本願商標 |
審理終結日 | 2007-03-30 |
結審通知日 | 2007-04-03 |
審決日 | 2007-04-26 |
出願番号 | 商願2004-78053(T2004-78053) |
審決分類 |
T
1
8・
15-
Z
(Y37)
T 1 8・ 17- Z (Y37) |
最終処分 | 不成立 |
前審関与審査官 | 山田 忠司 |
特許庁審判長 |
田代 茂夫 |
特許庁審判官 |
鈴木 雅也 青木 博文 |
商標の称呼 | エイブイ |
代理人 | 青木 篤 |
代理人 | 原 隆 |
代理人 | 田島 壽 |