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審決分類 審判 査定不服 商4条1項15号出所の混同 登録しない Y30
管理番号 1158848 
審判番号 不服2004-22280 
総通号数 91 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2007-07-27 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2004-10-28 
確定日 2007-05-18 
事件の表示 商願2003-63751拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。
理由 第1 本願商標
本願商標は、「楽天」の文字を標準文字で書してなり、第30類「コーヒー及びココア,茶,穀物の加工品,ぎょうざ,サンドイッチ,しゅうまい,すし,たこ焼き,肉まんじゅう,ハンバーガー,ピザ,べんとう,ホットドッグ,ミートパイ,ラビオリ,菓子及びパン,即席菓子のもと,アイスクリームのもと,シャーベットのもと,氷」を指定商品として、平成15年7月11日に登録出願されたものであるが、その後、指定商品については、原審における同16年3月22日付け手続補正書において、第30類「コーヒー及びココア,茶,穀物の加工品,ぎょうざ,サンドイッチ,しゅうまい,すし,たこ焼き,肉まんじゅう,ハンバーガー,ピザ,べんとう,ホットドッグ,ミートパイ,ラビオリ,菓子及びパン,即席菓子のもと,氷」に補正されたものである。

第2 原査定の拒絶理由
原査定は、「本願商標は、『楽天』の文字を書してなるが、該文字は『楽天株式会社』が運営する日本最大のインターネット通信販売サイト(インターネット上のショッピングモール)である『楽天市場』の著名な略称『楽天』と同一の文字よりなるものと認められる。そうとすれば、本願商標を出願人が本願指定商品に使用するときには、取引者、需要者はあたかも前記会社と経済的又は組織的に何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかの如く、商品の出所について混同を生じさせるおそれがあると認める。したがって、本願商標は、商標法第4条第1項第15号に該当する。」との拒絶の理由を示し、加えて、査定において「なお、出願人は手続補正書により指定商品を補正し、意見書により『本願商標「楽天」は、特定の意味を有する既成語である。それ故、本願商標は「楽天市場」の著名な略称とは認められない。また、略称されている具体的事実、資料も存在しない。さらに、「楽天」の文字が、「楽天株式会社」の商標として商品の売買や証明に使用され商品の出所表示機能を果たしているものとは認められない。』旨述べている。しかしながら、本願商標『楽天』は、確かに特定の意味を有する既成語ではあるが、一般的には『楽天家、楽天主義、楽天的』等、他の語と結合して使用されることが多く、『楽天』の語のみでの使用は極めて少なく、親しまれた既成語とはいい難いものと認めるのが相当である。そして、『楽天』の語からは、現在のわが国の経済社会においては、先の拒絶理由に述べたように『楽天株式会社』が運営する日本最大のインターネット通信販売サイト(インターネットショッピングモール)である『楽天市場』の著名な略称と直ちに理解するものとみるのが相当であり、かつ、現在のインターネット社会においては、それは顕著な事実といえる。また、『楽天市場』のインターネット上のホームページのトップには、『楽天』『RAKUTEN』の文字が顕著に表され、その下部に『ICHIBA』と小さく表されている構成上からも(「http://www.rakuten.co.jp/」)、一般的には『楽天』と称され、『楽天市場』が『楽天』と略称されている客観的または具体的証左の一つとも認められる。さらに、最近においては、『プロ野球新球団設立、リーグ新規参入』への動き等、マスコミにおいても『楽天』がしばしば話題に取り上げられ、一般社会においても『楽天市場』もしくは『楽天株式会社』の著名な略称として『楽天』の語が使用され、認識されているものと認めるのが相当である。また、出願人は、『楽天』の文字が、『楽天株式会社』の商標として使用され商品の出所表示機能を果たしているものではないと主張しているが、確かに『楽天株式会社』が直接に商品を販売しているのではなく、インターネット上でショッピングモールの場を提供しているにすぎない。しかし、日本のインターネット企業の代表的会社及びその運営するショッピングサイトの著名な略称と認められる『楽天』の文字が付された商品に接する取引者、需要者は、該商品が恰も『楽天株式会社』と経済的・組織的に何らかの関係のある商品であるかの如く商品の出所に付いて混同を生じさせるおそれがあるものと認めるのが相当である。」として、本願を拒絶した。

第3 当審の判断
1 「楽天株式会社」及び「楽天」に関しての証拠調べ
(1)「楽天株式会社」は、同社のホームページ(http://www.rakuten.co.jp/info/history.html)の記載によれば、1997(平成9)年2月に「株式会社エム・ディー・エム」として設立され、同年5月より、いわゆるインターネットショッピングモール「楽天市場」のサービスを開始、1999(平成11)年6月には、「楽天株式会社」に社名を変更したものである。
2000(平成12)年4月には、日本証券業協会へ株式を店頭登録(ジャスダック上場)、それ以降、積極的なM&Aにより事業を拡大し、楽天グループを形成するに至った。
現在、展開される事業は、ポータル・メディア事業、コンテンツ・メディア事業、EC事業、トラベル事業、金融事業、プロスポーツ事業の、大きく分けて6事業であって、本願商標登録出願以前にも、1997年5月に楽天市場サービス開始、1998(平成10)年7月に楽天スーパーオークションサービス開始、2001(平成13)年3月に宿泊予約事業「楽天トラベル」開始、同年4月に書籍販売「楽天ブックス」開始、2003(平成15)年5月にチケット予約販売「楽天チケット」開始等、社名でもある「楽天」を自他役務識別標識とするインターネットを利用した各種サービス(役務)を行ってきたところである。
インターネットショッピングモール「楽天市場」の契約企業数については、2003年1月9日で6,150社を突破、2004(平成16)年1月6日で10,583社、2006(平成18)年8月24日で17,046社となっている。
(2)そして、本願商標登録出願時及び現在において、「楽天」の文字がインターネットショッピングモール「楽天市場」の略称として、一般世人に認識されているということは、例えば、次の(ア)ないし(キ)の記事からも窺い知ることができる。
(ア)「財界」(2002年2月26日(株)財界研究所発行)において、「ネットショッピングモール、楽天が快進撃を続けている。・・・『楽天』といえば今や、パソコンを使う人で知らない人はいない存在になっている。なぜなら、ネット上でショッピングをしたいと思ったら、まず楽天に行くのが常識になりつつあるからだ。」との記事。
(イ)「実業界」(2003年3月号実業界発行)において、「そして、この『楽天』という百貨店(すなわちサイト)内の流通総額が一兆円になることを当面の経営目標に掲げている。」との記事。
(ウ)「大阪・天神橋筋商店街と兵庫・浜坂町、活性化へスクラム 集客増狙い双方で祭り」の見出しのもと、「両者は祭りの後にもインターネット上の仮想商店街『楽天』に、各地域情報の発信や特産品の販売を扱う“共同店舗”の出店も考えるなど交流を続ける。」との記事(2002.11.14読売新聞大阪朝刊27頁)。
(エ)「浪速のベンチャー(12)シー・エヌ・エス、甲陽ケミカル」の見出しのもと、「インターネット上で商品を見て選んで注文できるEC(電子商取引)ショッピング・サイトといえば“楽天”が代表的だが、シー・エヌ・エスの西田直高社長は『楽天は初めにECありきだが、当社の商品はECは入り口に過ぎない』と説明する。」との記事(2002.07.25日刊工業新聞39頁)。
(オ)「[で、どうなった?]電子商取引の普及 不景気の中、順調に拡大」の見出しのもと、「個人がネットでどんな買い物をしたか、富士通総研が1,040人を対象にした昨年9月のアンケートでは、1年間に購入した商品は多い順に(1)衣料・靴・アクセサリー(41.6%)(2)食品・飲料・酒類(40.9%)(3)書籍(36.6%)(4)ホテル・航空券・旅行(28.4%)。「2年前はパソコン関連と書籍が多かったが、女性が増えて変化した」(倉持さん)ためで、繰り返し利用する店舗は(1)楽天(2)アマゾン・ドットコム(3)セシールの3社が、特に支持を集めている。」との記事(2002.06.03毎日新聞東京朝刊8頁)。
(カ)「仮想商店街」の見出しのもと、「運営者が開設したインターネットのホームページに複数の商店が出店。消費者は自宅などに居ながらにしてパソコンや携帯電話などから、全国各地の特産品や海外の商品を選んで通信販売で購入できる。ブロードバンド(高速大容量)通信の普及に伴い、利用が拡大している。数多くの企業が参入に失敗した歴史があるが、国内最大手の楽天は1997年に13店舗で発足し、今年9月末には1万3833店に拡大。店舗から手数料などを徴収し、利益を上げる仕組みだ。市場が成長しているため、ヤフーやライブドアなど他のネット関連企業も力を入れており、競争が激化している。」との記事(2005.11.09共同通信)。
(キ)「ネット革命第二幕へ向け環境整備を(社説)」の見出しのもと、「第三世代企業が台頭 仮想商店の楽天が十八日発表した二〇〇六年六月中間決算によると、連結売上高は前年同期の二・九倍、経常利益は同八二%増の二百八億円となり、中間期の経常利益で過去最高を更新した。ネット通販など本業は好調で、心機一転するため、本社を東京の六本木ヒルズから、品川に移す計画も公表した。」との記事(2006.08.27日本経済新聞朝刊2頁)。
2 「楽天」の周知著名性
「楽天株式会社」は、前記1において挙げた雑誌及び新聞記事情報やインターネットのホームーページ情報によれば、1997(平成9)年5月より、いわゆるインターネットショッピングモール「楽天市場」のサービスを開始し、1999(平成11)年6月には、「楽天株式会社」に社名を変更して、2000(平成12)年4月には、日本証券業協会へ株式を店頭登録(ジャスダック上場)し、それ以降もM&Aにより事業を拡大して、楽天グループを形成するに至ったことを認めることができる。
そして、現在、展開している事業は、インターネットショッピングモール「楽天市場」をはじめとして、個人向けオークションサイト「楽天オークション」の運営、書籍販売サイト「楽天ブックス」の運営、インターネット総合旅行サイト「楽天トラベル」の運営ほか、プロ野球球団「東北楽天ゴールデンイーグルス」の運営等であり、本願商標登録出願以前からも、「楽天市場」の他、各種サービスを表す文字に「楽天」を統一的に冠し、あるいはインターネット上のホームページには「楽天」の文字を顕著に表している別掲(1)及び(2)等の図形化した標章を表示して、楽天グループに係る各種サービス(役務)事業を行ってきたところである。
してみれば、「楽天」の文字自体は、近時におけるわが国のインターネットの普及率及びこれを利用した各種サービス事業の取引状況からして、わが国の多数の人々に、既成語としての認識とは別個に、少なくとも、本願登録出願時(平成15(2003)年7月11日)においては、楽天株式会社や楽天グループに係る各種サービス(役務)事業等を表象するための基幹的な社名(又は要部)あるいは標章、すなわち、統一的なハウスマークとして機能し、広く認識されていたといい得るものである。
そして、楽天株式会社や楽天グループに係る各種サービス事業等は、スポーツ事業等への参入などさらに拡大している傾向にあり、現時点においてもその周知著名性は継続しているということができる。
3 出所の混同を生ずるおそれ
「楽天」の文字が、楽天株式会社や楽天グループに係る各種サービスの取り扱いに係るインターネットショッピングモール「楽天市場」を始めとする、インターネットを利用した各種サービス(役務)を表象するためのハウスマークとして広く認識されており、かつ、これが楽天株式会社や楽天グループに係るハウスマークといい得るものであるということは、前記のとおりである。
そして、楽天株式会社や楽天グループに係る各種サービス事業は、インターネットショッピングモールの運営を始めとし、書籍販売や証券取引など多種多様のものであるところ、例えば、書籍販売は、関連会社である「楽天ブックス株式会社」が行っていること等からすれば、たとえ、「楽天市場」の運営においての「楽天株式会社」の位置付けは、インターネット上の買い物の場の提供をしているものであるとしても、出所の混同を生ずるおそれの判断にあっては、同人の事業拡大の流れや関連グループの広がりを考慮するべきである。
そうすると、これらを総合的に考慮するに、「楽天」の文字からなる本願商標をその指定商品に使用するときは、当該商品等が「楽天株式会社」もしくは同人との間にいわゆる親子会社や系列会社等の緊密な営業上の関係又は同一の表示による商品化事業を営むグループに属する関係にある営業主の業務に係る商品等であると誤信されるおそれが多分にあるというのが相当である。
4 請求人の主張について
(1)「楽天」の周知著名性について
請求人は、「楽天」の語は、日常よく親しまれている既成語であり、また、「楽天市場」なる語は、れっきとした一種の創造語で、その4文字全体としていわゆる顕著性を具有するものであって、前半の「楽天」だけをもって「楽天市場」の略称とすることに、合理的根拠があるとは到底認められない。さらに、インターネット通信販売サイトのトップページにおける「楽天市場」に関する表示は、一塊又は一体に結合してなる標章を表示しており、これをもって、「楽天市場」が「楽天」と略称されている証左であるとすることはできない旨述べ、また、職権証拠調べ通知で挙げられた社歴及び当該雑誌又は新聞記事によっては、「楽天」の文字が、インターネットショッピングモール「楽天市場」の略称として、また、「楽天株式会社」の取扱いに係るインターネットを利用した各種サービスを表すものとして、本願商標登録出願時及び査定または審決時においての周知著名性は確立しておらず、いずれも認定することができないというべきである旨述べている。
しかし、上記1及び2の認定のとおり、本願商標登録出願時(平成15(2003)年7月11日)においては、楽天株式会社や楽天グループ会社に係る各種サービス(役務)事業等を表象するための基幹的な社名(又は要部)あるいは標章として、多数の人々に広く認識されていたといい得るものである。
ところで、財団法人インターネット協会監修の「インターネット白書2003」によれば、2003(平成15)年2月末時点のわが国のインターネット人口は、5,645万3千人であり、世帯浸透率(利用場所、接続機器を問わず、1世帯に1人以上インターネット利用者がいる割合)は73.0%(http://www.iajapan.org/iwp/2003.html)であり、同「インターネット白書2004」によれば、わが国のインターネット人口は、2003年12月末で6,000万人を超え、2004(平成16)年2月時点では、6,284万4千人となり、世帯浸透率は、78.1%(http://www.iajapan.org/iwp/2004.html)となっているものである。
してみれば、本願商標登録出願時におけるわが国のインターネットの普及率は、決して小さいものということはできないというべきであるところ、「楽天株式会社」は、インターネットという媒介を利用して、「楽天」というハウスマークのもと、様々な事業に短期間に精力的に進出しており、かかるインターネット普及率からすれば、本願指定商品の需要者にあっても相当程度の者が「楽天」の文字からは、楽天株式会社や楽天グループに係る各種サービス事業を認識していたといい得るものである。
そして、前述のとおり、「楽天スーパーオークションサービス」、「楽天トラベル」のように、各種サービスを表す文字に社名でもある「楽天」を統一的に冠し、さらに、例えば、「楽天市場」等の「楽天株式会社」の取り扱いにかかる各種サービスのサイト上において、ハウスマークである「楽天」の文字を顕著に表していることを併せ考慮すれば、これに接する需要者等は、「楽天」の文字自体を楽天株式会社や楽天グループに係る各種サービス事業と関連づけて印象、記憶しているというのが自然であって、「楽天」の文字は、「楽天株式会社」もしくは同人の取り扱いに係るインターネットショッピングモール「楽天市場」を始めとする、インターネットを利用した各種サービス(役務)を表すものとして、本願商標登録出願時及び現時点においても、需要者の間に広く認識されているということができ、請求人の述べる主張は採用できない。
(2)出所の混同を生ずるおそれについて
「他人の業務に係る商品又は役務と混同を生ずるおそれがある商標」であるか否かの判断にあたっては、「(ア)その他人の標章の周知度(広告、宣伝等の程度又は普及度) (イ)その他人の標章が創造標章であるかどうか (ウ)その他人の標章がハウスマークであるかどうか (エ)企業における多角経営の可能性 (オ)商品間、役務間又は商品と役務間の関連性」等を総合的に考慮するものとするとされるところ、「楽天」の文字が、楽天株式会社の取り扱いに係るインターネットショッピングモール「楽天市場」を始めとする、インターネットを利用した各種サービス(役務)を表すものとして広く知られており、かつ、これが、楽天株式会社や楽天グループ会社に係る事業等を表象するハウスマークといい得るものであるということは、前記のとおりであり、これらを総合的に考慮して、最高裁判所 平成10年(行ヒ)第85号においての「・・・当該商品等が右他人との間にいわゆる親子会社や系列会社等の緊密な営業上の関係又は同一の表示による商品化事業を営むグループに属する関係にある営業主の業務に係る商品等であると誤信されるおそれがある商標を含むものと解するのが相当である。」との判示に倣い判断したものであって、その認定・判断に誤りはない。
(3)既登録例について
「楽天」と明らかに同一または類似と認められる登録商標、(ア)「楽天」(登録商標第4514858号:平成13年10月19日登録)、(イ)「らくてん/楽天」(登録商標第4701217号:平成15年8月15日登録)、(ウ)「らく点」(登録商標第4717084号:平成15年10月10日登録)、及び(エ)「楽テン」(登録商標第4735519号:平成15年12月19日登録)は、楽天株式会社の「楽天市場」サービスが開設された1997年5月以降の最近の出願に係るものであるにもかかわらず、実際に登録されていることからすると、その登録査定に当たっては、「楽天市場」が「楽天」と略称されることがあるか否かに関係なく、少なくとも、当該出願人が「楽天」等の商標をその指定商品に使用したからといって、楽天株式会社と経済的または組織的に何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかのごとく、商品の出所について混同を生じるおそれがないと、認定判断されている証左であり、このことは本願商標にも同様に適用されて然るべきである旨述べているが、上記登録商標の存在は認めるとしても、それら商標が楽天株式会社や楽天グループに係る各種サービス(役務)事業等を表象する「楽天」との関係で混同を惹起させるものであるかは、個別・具体的に決せられるものであって、本願における混同可能性を否定する根拠とするのは適切でなく、前記認定を左右するに足りない。
(4)その他の主張について
請求人(出願人)は、10年程前から「楽天」の文字を含む商標を付した数種の菓子をグループ会社を通じて香港、台湾等に輸出し、その一部商品の輸出は現在も継続し、また、同商標については、香港、中国及び台湾で商標登録済みであり、これらの事実によれば、少なくとも商品「菓子」に関して同商標は、従前から出願人の商品名として知られているところであり、仮にショッピングモール「楽天市場」で上記「菓子」が取り扱われた場合には、出願人の商品であると認識されることがあっても、それを、楽天株式会社に関係のある商品と誤認するといった事態はあり得ない旨述べている。
しかしながら、香港、中国及び台湾で商標登録済みであることや、仮に「楽天」の文字を含む商標を付した菓子を香港、台湾等に輸出している取引事情があるとしても、香港、台湾及びわが国の需要者等が俄に楽天株式会社や楽天グループに係る各種サービス(役務)事業等と異なる格別の商取引事情であるとまで認識し得るものとはいい得ず、その証左も見出せないから、本願における混同可能性を否定する根拠とすることはできない。
このほかに、請求人の主張及びその提出に係る証拠をもって、前記認定を覆すことはできない。
なお、「楽天グルメ」(登録商標第4518473号:平成13年11月2日登録:無効審判2002-35166)の登録商標の無効審判においては、「請求人の提出に係る証拠を総合すれば、請求人がインターネットサービス事業に使用する『楽天市場』の文字からなる商標及び『楽天』の文字からなる商標は、本件商標の登録出願時及び登録査定時(平成13年9月18日)において、取引者、需要者の間に広く認識され、著名なものとなっていたものと認められる。」としている。
5 むすび
以上のとおり、本願商標をその指定商品に使用するときは、結局、商品の出所について混同を生ずるおそれがあるものといわざるを得ないから、本願商標が商標法第4条第1項第15号に該当するとして、本願を拒絶した原査定は、妥当であって、取り消すことができない。
よって、結論のとおり、審決する。
別掲 別掲(1)

別掲(2)
(2005年6月2日より、デザイン変更)

審理終結日 2007-03-08 
結審通知日 2007-03-16 
審決日 2007-03-28 
出願番号 商願2003-63751(T2003-63751) 
審決分類 T 1 8・ 271- Z (Y30)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 鈴木 幸一 
特許庁審判長 高野 義三
特許庁審判官 久我 敬史
岡田 美加
商標の称呼 ラクテン、ガクテン 
復代理人 原田 敬志 
代理人 原田 信市 

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