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審決分類 |
審判 全部申立て 登録を維持 Y25 審判 全部申立て 登録を維持 Y25 |
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管理番号 | 1155803 |
異議申立番号 | 異議2006-90338 |
総通号数 | 89 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標決定公報 |
発行日 | 2007-05-25 |
種別 | 異議の決定 |
異議申立日 | 2006-07-18 |
確定日 | 2007-03-28 |
異議申立件数 | 2 |
事件の表示 | 登録第4945775号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 |
結論 | 登録第4945775号商標の商標登録を維持する。 |
理由 |
第1 本件商標 本件登録第4945775号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲(1)のとおりの構成よりなり、平成17年10月12日に登録出願、第25類「帽子,その他の被服,ガーター,靴下止め,ズボンつり,バンド,ベルト,履物,仮装用衣服,運動用特殊衣服,運動用特殊靴」を指定商品として、同18年4月14日に設定登録されたものである。 第2 登録異議の申立ての理由 1 引用商標及び引用図形標章 (1)登録異議申立人「ライル アンド スコット リミテッド」(以下、申立人「ライル社」という。)の引用する登録商標は、以下の(a)ないし(g)のとおりである。 (a)登録第2291566号商標(以下「引用商標1」という。)は、別掲(2)のとおりの構成よりなり、昭和52年2月21日に登録出願、第17類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、平成2年12月26日に設定登録され、その後、商標権の存続期間の更新登録がなされ、さらに、指定商品について、平成14年12月18日に第20類、第21類、第22類、第24類及び第25類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品を指定商品とする書換登録がなされているものである。 (b)登録第2315524号商標(以下「引用商標2」という。)は、別掲(2)のとおりの構成よりなり、昭和63年12月9日に登録出願、第21類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、平成3年6月28日に設定登録され、その後、商標権の存続期間の更新登録がなされ、さらに、指定商品について、平成15年9月24日に第3類、第6類、第8類、第10類、第14類、第18類、第21類、第25類及び第26類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品を指定商品とする書換登録がなされているものである。 (c)登録第2327712号商標(以下「引用商標3」という。)は、別掲(2)のとおりの構成よりなり、昭和63年12月9日に登録出願、第22類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、平成3年8月30日に設定登録され、その後、商標権の存続期間の更新登録がなされ、さらに、指定商品について、平成15年12月3日に第6類、第14類、第18類、第21類、第25類及び第26類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品を指定商品とする書換登録がなされているものである。 (d)登録第2409647号商標(以下「引用商標4」という。)は、別掲(2)のとおりの構成よりなり、昭和63年12月9日に登録出願、第24類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、平成4年5月29日に設定登録され、その後、商標権の存続期間の更新登録がなされ、さらに、指定商品について、平成16年6月30日に第18類、第25類及び第28類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品を指定商品とする書換登録がなされているものである。 (e)登録第2476926号商標(以下「引用商標5」という。)は、別掲(2)のとおりの構成よりなり、昭和52年2月21日に登録出願、第17類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、平成4年11月30日に設定登録され、その後、商標権の存続期間の更新登録がなされ、さらに、指定商品について、平成16年6月30日に第25類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品を指定商品とする書換登録がなされているものである。 (f)登録第4264323号商標(以下「引用商標6」という。)は、別掲(3)のとおりの構成よりなり、平成10年1月20日に登録出願、第25類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同11年4月16日に設定登録されたものである。 (g)登録第4953159号商標(以下「引用商標7」という。)は、別掲(4)のとおりの構成よりなり、平成14年10月1日に登録出願(優先権主張、域内市場における調和のための官庁(商標及び意匠)、出願日2002.4.2)、第18類、第25類及び第28類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同18年5月19日に設定登録されたものである。 (2)登録異議申立人「アメリカン イーグル アウトフィッターズ インコーポレーテッド」及び「リテイル ロイヤルティー カンパニー」(以下、申立人「アメリカンイーグル社外1」という。なお、「アメリカン イーグル アウトフィッターズ インコーポレーテッド」のみを指称するときは、申立人「アメリカンイーグル社」という。) の引用する図形標章は(以下「引用図形標章」という。)、別掲(5)のとおりの構成よりなるものである。 2 理由の要点 (1)商標法第4条第1項第11号及び同法第8条第1項について 申立人「ライル社」は、本件商標は、商標法第4条第1項第11号及び同法第8条第1項に該当すると主張し、要旨以下のとおり述べ、証拠方法として、甲第1号証ないし甲第10号証を提出した。 本件商標と引用商標1ないし6は、共に「一羽の左向きの鷲が翼を45度に広げて飛んでいるシルエット図形」の外観において類似するものである。 そして、本件商標と引用商標1ないし6は、共に「一羽の左向きの鷲が翼を45度に広げて飛んでいるシルエット図形」の称呼・観念においても類似する。しかも、引用商標1ないし6は、セーター、被服等の分野において我が国においても周知商標(甲第9号証及び甲第10号証)であるという特別事情も存在する。 また、両商標は、その指定商品も同一又は類似のものである。 本件商標は、引用商標1ないし6に類似し、かつ、引用商標に係る指定商品と同一又は類似の商品に使用するものであるから、商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものである。 さらにまた、本件商標は、先願である引用商標7に類似し、かつ、引用商標7に係る指定商品と同一又は類似の商品であるにもかかわらず、登録されたものであるから、商標法第8条第1項に該当する。 以上のとおり、本件商標と引用商標1ないし7とは、「一羽の左向きの鷲が翼を45度に広げて飛んでいる全体像のシルエット図形」の外観を共通にする類似の商標であり、また、その指定商品も同一又は類似のものであるから、商標法第43条の3第2項によって取り消されるべきである。 (2)商標法第4条第1項第10号について 申立人「アメリカンイーグル社外1」は、本件商標は、商標法第4条第1項第10号に該当すると主張し、要旨以下のとおり述べ、証拠方法として、甲第1号証ないし甲第10号証(枝番を含む。)を提出した。 本件商標は、他人の業務に係る商品を表示するものとして需要者の間に広く認識されている引用図形標章に類似する商標である。また、本件商標の指定商品は、引用図形標章の所有者(申立人「アメリカンイーグル社」)の業務に係る商品又はこれらに類似する商品である。 第3 当審の判断 1 商標法第4条第1項第11号及び同法第8条第1項について (1)本件商標と引用各商標との類否について ア 外観について 本件商標は、別掲(1)のとおり、「Complices」の文字と「Eagle」の文字の間に猛禽類の鳥のシルエット図形を配してなるところ、各文字と図形とは極めてまとまりよく配分されているものである。そして、中央部のシルエット図形についてみるに、該図形は、翼の先端の切り込み明確に描いた左向きの猛禽類の鳥が翼を45度に広げて頭部をやや下向きし脚を広げているやや細身の精かんな全体像であり、これよりは、シルエット図形であるとしても、翼の先端の切り込み、脚の描写からすると、写実的な図形という印象を有するものである。 他方、引用商標1ないし5は、別掲(2)とおり、幾何図形のような変形の黒地内に白抜きで、頭部をやや上部に向け、くちばしを広げて飛んでいる状態の全体図形で黒地との関係からして、やや丸みをおびている印象を有するものである。また、引用商標6は、別掲(3)とおり、頭部とくちばしの部分が猛禽とは思えないほどに優しく描かれているものである。さらに、引用商標7は、別掲(4)とおり、黒地で部分的に白線を配し、翼と尾羽がしょくせんで鋭角に描かれており、力強い印象を有するものである。 そこで、本件商標と引用商標1ないし7とを比較するに、本件商標は、シルエット図形であるとしても写実的な図形という印象を有するものであるのに対し、引用商標1ないし6は、一見すると、いかなる鳥類を描いたものか、直ちには認識し難いものであるし、また本件商標と比較すると抽象的といえるものである。 また、本件商標と引用商標7とは、黒く塗りつぶされている点は共通するが、頭部、翼、脚の表現方法が、前者がやや細身の精かんな全体像であるのに対し、後者は太く力強い印象を有するものであって、明らかに印象が異なるものである。 してみると、本件商標と引用商標1ないし7は、これに接する看者に全く別異の印象を与えるといえるものであるから、両商標を時と所を異にして離隔的に観察した場合においても、両者は外観において判然と区別できる相紛れるおそれのない非類似の商標といわなければならない。 イ 称呼及び観念について 本件商標は、別掲(1)のとおりの構成よりなり、全体として極めてまとまりの良いものであるから、これよりはその文字部分と図形部分が相俟って「コンプリシーズイーグル」又は「コンプライシズイーグル」の称呼を生ずるものの、特定の観念は生じないというのが相当である。 他方、引用商標1ないし7は、別掲(2)ないし(4)のとおりの構成よりなるところ、その図形から、直ちに特定の鳥類か、猛禽を認識できないというのが相当であるから、これらよりは、特定の称呼、観念を生じないものというべきである。 以上のとおりであるから、本件商標と引用商標1ないし7とは、外観、称呼及び観念のいずれからみても、非類似の商標であるといわざるを得ない。 したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号及び同法第8条第1項に該当するものではない。 2 商標法第4条第1項第10号について 申立人「アメリカンイーグル社」の提出に係わる甲各号証は、主として同人の商品あるいは同人の紹介に関するウェブサイトからの打ち出しで、しかも英文のみ(甲第3号証ないし甲第7号証)であり、また、甲第8号証及び甲第9号証は、本件商標の登録出願(平成17年10月12日)のほぼ一年後(2006/10/19及び2006/10/20)のインターネットからの検索であり、甲第8号証の2頁には「アメリカンイーグル07年春、日本進出:…」の記述が認められる。 甲第10号証は、「FRYING EAGLE Design」の表示のある世界各国の出願リストであり、引用図形標章は見当たらない。 以上を総合すると、申立人「アメリカンイーグル社」の提出に係る甲各号証によっては、引用図形標章が「AMERICAN EAGLE」の文字と併用して、申立人「アメリカンイーグル社」の業務に係る被服、履物などの商品を表示するものとして使用されていることが散見されるにすぎず、これらの証左によっては、直ちに、本件商標の登録出願の時に我が国の需要者の間に広く認識されるに至っていたものと認めることはできない。 そうすると、別掲(1)の本件商標が別掲(5)の引用図形標章と、たとえ外観上類似する商標であったとしても、引用図形標章は、本件商標の登録出願の時に我が国の需要者の間に広く認識されるに至っていたものといえないこと上記のとおりであるから、本件商標をその指定商品に使用しても、我が国の需要者をして申立人「アメリカンイーグル社」の引用図形標章を想起・連想させるものではないというのが相当であって、本件商標と引用図形標章とは誤認混同しないものとうべきである。したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第10号には該当しないものである。 3 以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第11号、同法第8条第1項及び同法4条第1項第10号のいずれにも違反してされたものではないから、同法第43条の3第4項の規定により、維持すべきである。 よって、結論のとおり決定する。 |
別掲 |
別掲(1) 本件商標![]() 別掲(2) 引用商標1ないし5 ![]() 別掲(3) 引用商標6 ![]() 別掲(4) 引用商標7 ![]() 別掲(5) 引用図形標章 ![]() |
異議決定日 | 2007-03-09 |
出願番号 | 商願2005-94927(T2005-94927) |
審決分類 |
T
1
651・
251-
Y
(Y25)
T 1 651・ 261- Y (Y25) |
最終処分 | 維持 |
前審関与審査官 | 白倉 理 |
特許庁審判長 |
澁谷 良雄 |
特許庁審判官 |
山本 良廣 石田 清 |
登録日 | 2006-04-14 |
登録番号 | 商標登録第4945775号(T4945775) |
権利者 | レ コンプリス |
商標の称呼 | コンプリシーズイーグル、コンプライシズイーグル、コンプリシーズ、コンプライシズ、コンプリスイーグル、イーグル |
代理人 | 武田 正彦 |
代理人 | 鈴木 博久 |
代理人 | 福田 秀幸 |
代理人 | 鈴木 博久 |
代理人 | 志賀 正武 |
代理人 | 高柴 忠夫 |
代理人 | 中里 浩一 |
代理人 | 高柴 忠夫 |
代理人 | 渡邊 隆 |
代理人 | 志賀 正武 |
代理人 | 滝口 昌司 |
代理人 | 川崎 仁 |
代理人 | 渡邊 隆 |